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特例認定NPO法人制度とは?

  • 2020年8月28日
  • 2022年7月20日
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様々な社会問題の解決や人々の支援のために活動しているNPO法人は、企業や行政に属さず、自由な社会貢献活動を行うことを政府から認められた市民活動団体です。

また、税制上の優遇措置を設けることで個人や企業からのNPO法人に対する寄付を促し、NPO法人の社会貢献活動をより支援することを目的として設けられた制度のことを、認定NPO法人制度と言います。

認定NPO法人制度では、設立後5年以内のNPO法人を対象とした特例として、仮の認定NPO法人制度「特例認定NPO法人制度」を導入しています。
この記事では、特例認定NPO法人制度について紹介します。

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特例認定NPO法人制度とは?


「特例認定NPO法人制度」とは、新たに設立されたNPO法人(設立後5年以内)を対象とした仮の認定NPO法人制度となります。下記で詳しく紹介します。

認定NPO法人制度とは?

認定NPO法人制度とは、個人や企業によるNPO法人への寄付を促し、社会貢献活動を行うNPO法人をより支援していくための税制上の優遇措置制度です。

通常、個人や企業がNPO法人に寄付をしても税制上の優遇措置はありませんが、認定NPO法人に寄付を行った企業や個人に対しては、寄付控除によって税金が軽減されます。

認定NPO法人に対しても納める法人税が優遇されるみなし寄付金制度があります。
税制上の優遇措置により、NPO法人への寄付金が集まりやすくなり、NPO法人が行う人々のための社会貢献活動を、より一層活性化することができるのです。

特例認定NPO法人制度とは?

特例認定NPO法人制度は、設立後5年以内のNPO法人に対してスタートアップ支援として作られた認定NPO法人制度です。

特例認定NPO法人制度は、組織の運営および事業活動が適正であること、そしてNPO活動の健全な発展基盤を持ち、公益の増進に資すると認められた団体だけを、特例認定NPO法人として認めるというものです。
大きな特徴としては、認定するための要件からパブリック・サポート・テスト(PST)という「市民からの支援(賛同)を受けているかどうかを判断するための基準」が免除されることです。

特例認定NPO法人として認められ、税制上の優遇措置が認められることで、寄付金が集まりやすくなります。それにより地域や人々のための支援活動がしやすくなるのです。

  • 認定NPO法人制度とは、個人や企業によるNPO法人への寄付を促し、社会貢献活動を行うNPO法人をより支援していくための税制上の優遇措置制度
  • 特例認定NPO法人制度は、設立後5年以内のNPO法人に対してスタートアップ支援として作られた認定NPO法人制度
  • 特例認定NPO法人はNPO法人が認定NPO法人になるために必要な要件からPSTが免除されている
  • (出典:NPOホームページ「認定制度について」)
    (出典:京都市「認定・特例認定NPO法人制度の概要」)

    認定NPO法人と特例認定NPO法人の違いとは?

    特例認定NPO法人は、設立後5年以内のNPO法人に対して設けられた仮の認定NPO法人制度です。通常の認定NPO法人と特例認定NPO法人には、税制優遇措置の内容や有効期間などいくつか違いが存在しています。

    認定NPO法人と特例認定NPO法人の違い

    認定NPO法人と特例認定NPO法人では、以下のとおり内容が異なっています。

    項目 認定NPO法人 特例認定NPO法人
    要件 1.PSTに適合すること
    2.事業活動の共益的活動が50%未満であること
    3.運営組織および経理が適切に行われていること
    4.事業活動の内容が適正であること
    5.情報公開(事業報告書などの開示)が適切に行われていること
    6.所轄庁へ毎年、事業報告書などを提出していること
    7.法令違反や不正行為、公益に反した事実がないこと
    8.設立日以降1年を超える期間が経過していること
    9.欠格事由に該当していないこと
    認定NPO法人制度の9つの要件のうち、PSTを除いた8つの要件をすべて満たしていること
    有効期間 認定の日から5年間 特例認定の日から3年間
    申請可能な法人 設立後1年以上となるすべてのNPO法人 設立後1年以上かつ法人設立の日から5年を経過しないNPO法人
    税制優遇 1.個人が寄附したときの寄附金控除
    2.法人が寄附したときの損金算入限度枠の拡大
    3.相続人などが寄附した相続財産などへの優遇
    4.認定NPO法人のみなし寄付金制度
    1.個人が寄附をしたときの寄附金控除
    2.法人が寄附をしたときの損金算入限度枠の拡大

    認定NPO法人と特例認定NPO法人の有効期間と更新の違い

    認定NPO法人と特例認定NPO法人では、有効期間と更新においても違いがあります。

    認定NPO法人 特例認定NPO法人
    有効期間 認定の日から5年間 特例認定の日から3年間
    有効期間の更新 有効期間の更新あり
    ※有効期間満了日の6ヶ月前から3ヶ月前までの間に、有効期間の更新申請が必要
    有効期間の更新なし

    有効期間経過後、認定NPO法人は有効期間の更新として、再認定手続きを行うことになります。
    しかし、特例認定NPO法人は、有効期間の更新を行うことはできません。
    特例認定NPO法人は1度限りの申請となるため、次回からは認定NPO法人としての認定申請を行う必要があります。

  • 特例認定NPO法人は、設立後間もないNPO法人に対して設けられた仮の認定NPO法人制度
  • 特例認定NPO法人は1度限りの申請となるため、次回からは認定NPO法人としての認定申請を行う必要がある
  • (出典:東京都生活文化局「認定NPO法人制度について」)

    認定NPO法人制度と特例認定NPO法人制度の税制優遇について

    認定NPO法人や特例認定NPO法人になると、個人や企業が寄付をするときに税制上の優遇措置が行われます。つまり、認定NPO法人や特例認定NPO法人は、通常のNPO法人に比べて寄付金が集まりやすくなり、社会貢献活動がしやすくなるのです。
    しかし、認定NPO法人と特例認定NPO法人では適用される税制優遇にも違いがあります。

    認定NPO法人と特例認定NPO法人に共通して適用される税制優遇

    認定NPO法人と特例認定NPO法人に共通して適用される税制優遇は以下のとおりです。

    個人が寄付をしたときの寄付控除

    個人が認定NPO法人、または特例認定NPO法人に寄付を行った場合、寄付金額の最大50%が国税と地方税を合わせた税額から控除されるようになっています。

    法人が寄付したときの損金算入限度枠の拡大

    企業などの法人が認定NPO法人、または特例認定NPO法人に寄付を行った場合、一般寄付金の損金算入限度額とは別の損金算入限度額が設けられています。
    そのため、企業などは別枠の範囲内での損金算入が認められ、法人税が減額されるようになります。

    特例認定NPO法人には適用されない税制優遇

    特例認定NPO法人には適用されない税制優遇も存在します。

    相続人等が寄付した相続財産などへの優遇

    相続または遺贈によって財産を取得した方が、取得した財産を相続税の申告期限までに認定NPO法人に寄付をした場合、税制優遇が受けられます。しかし、特例認定NPO法人への寄付では認められていません。

    認定NPO法人のみなし寄付金制度

    認定NPO法人であれば、収益事業から得た利益を、非収益事業以外の事業で使った際に、このNPO活動に支出した金額分を寄付金とみなす「みなし寄付金」を行うことができます。このみなし寄付金は一定の範囲内で損金算入ができるようになっており、認定NPO法人の法人税の負担が減ります。
    しかし、みなし寄付金制度による優遇措置は、特例認定NPO法人には認められていません。

  • 認定NPO法人や特例認定NPO法人は、通常のNPO法人に比べて寄付金が集まりやすくなり、社会貢献活動がしやすくなる
  • 認定NPO法人と特例認定NPO法人では適用される税制優遇にも違いがある
  • 特例認定NPO法人には適用されない税制優遇もある
  • (出典:東京都生活文化局「認定(特例認定)NPO法人への寄附者に対する税制優遇等」)

    特例認定NPO法人について理解しよう

    特例認定NPO法人制度は、設立後5年以内のNPO法人を対象とした特例です。
    特例認定NPO法人として認められた場合、有効期間は3年で、一度のみの申請となります。そのため、継続的に税制優遇措置を受けるためには、認定NPO法人として認められるだけの市民からの賛同が必要です。
    つまり、PSTをクリアするために多くの個人や企業からの寄付を受けることなどが求められています。

    このような特例認定NPO法人は、毎年日本中で生まれており、社会や地域のために日々活動を行っています。そして特例認定NPO法人の有効期間を終えた後に、認定NPO法人としての地域の利益や発展のためにさらなる積極的な活動を行っている団体もあります。

    私たちも、自分たちの住んでいる地域のために日々活動を行っている特例認定NPO法人の活動を理解することで、自分たちに協力できることは何かを考えるきっかけとなるのではないでしょうか。

    この記事を書いた人
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