土壌汚染

土壌汚染、日本と世界の現状とは?

土壌汚染は日本国内だけの問題ではなく、世界全体で考えるべき課題となっています。
日本だけに目を向けるのではなく、世界各国の現状を把握することは、土壌汚染の本質を知ることにもなるでしょう。

この記事では、土壌汚染に関する日本と世界の違いを確認し、それぞれの現状をチェックしていきます。

土壌汚染とは?土壌汚染対策法や支援策について徹底解説

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土壌汚染の現状を世界と比較することの意味とは?


土壌汚染の現状について、日本だけでなく世界にも目を向けることには、大きな意味があります。
特にそれぞれを比較して、どのような対策を取っているのかを知ることには、メリットが多いと考えられるでしょう。

まずは、土壌汚染を日本と世界で比較することの意味を見ていきます。

日本の立ち位置が分かる

土壌汚染の現状を日本と世界で比較することで、国内の環境対策がどのような立ち位置にあるのかが分かります。
海外と比べて違いはあるのか、方向性や考え方はどのようになっているかなどの様々な視点を得られることが、日本と世界の土壌汚染の現状を知るメリットになるでしょう。

専門知識がなくても、客観的に国内と世界の施策に違いがあることは分かります。
なぜ違いがあり、日本にとってどのような影響を及ぼしているのかを想像することが、結果的に土壌汚染を自ら考えるきっかけになるのです。

国内だけの狭い視点にとらわれないためにも、海外を含めた世界規模の土壌汚染について知ることはおすすめです。

土壌汚染が共通の課題であることが理解できる

土壌汚染の現状を日本と世界でそれぞれ比較することは、土壌汚染が世界共通の課題であることを認識することにつながります。
国内の情報だけに集中していると、どうしても「土壌汚染=日本だけの課題」という認識を持ちがちです。

しかし、土壌汚染はワールドワイドな課題であり、世界各国が様々な対策を講じています。
そういった認識を改めて持てるのが、土壌汚染の現状を日本と世界で比較するメリットです。

  • 土壌汚染の現状について、日本だけでなく世界にも目を向けることは大きな意味がある
  • 土壌汚染の現状を日本と世界で比較することで、国内の環境対策がどのような立ち位置にあるのかが分かる
  • 土壌汚染はワールドワイドな問題である
  • (出典:環境省「諸外国における土壌汚染対策制度の比較調査結果」)

    日本と世界の土壌汚染を比較しよう


    次に、実際に土壌汚染が日本と世界でどのように違うのかを比較していきます。
    主に法令の内容やその目的などを中心に、それぞれの現状を確認します。
    日本を軸に、ドイツ、オランダ、イギリス、アメリカを比較して、世界と国内の現状を把握していきましょう。

    土壌汚染に関係する世界の法令

    土壌汚染に関する法令は、各国でそれぞれ実施されています。
    日本では「土壌汚染対策法」などがそれにあたり、その他、土壌汚染対策法施行規則や汚染土壌処理業に関する省令などがあります。
    土壌汚染の基本となる法令になるため、これらを軸に土壌汚染への対策及び改善を進めることになるでしょう。

    世界の国々にも土壌汚染を考えるための法令があり、例えば以下のようなものが比較対象として紹介されます。

    ドイツ 連邦土壌保全法(Soil Protection Law)
    オランダ 土壌保護法(Soil Protection Act)
    イギリス 都市計画法(Town and Country Planning Act)
    アメリカ スーパ ーファンド法 (CERCLA)

    アメリカとイギリスが実施している法令は、飲料や水質に関する環境問題も含まれており、土壌に特化したものではないという点が特徴です。

    対象有害物質の数

    土壌汚染関連の法令で対象とされる物質の数も、日本と世界では異なります。
    日本の対象となっている物質は平成29年4月の段階で26物質となり、四塩化炭素や1,2-ジクロロエタンなどがピックアップされています。
    また、対象物質は土壌汚染対策法などによって見直され、基準などが変わることがあります。

    一方で、土壌汚染に関する世界の対象物質は、以下のようになっています。

    ドイツ 約30物質
    オランダ 252物質
    イギリス 約23物質(健康に影響が出る疑いがある物質は調査する)
    アメリカ 約800物質(石油は除外)

    対象物質の数だけで言えば、現状の日本はオランダやアメリカに比べると少ないことが分かります。今後はどの程度世界の数に近づいていくのかが、一つのポイントになるでしょう。

    土壌汚染の調査契機

    土壌汚染の調査を行うきっかけも、日本と世界では異なります。

    日本では基本的に「有害物質使用特定施設の廃止をしたとき」「3,000平方メートル以上の土地の形質変更の届け出があり、都道府県等が汚染の恐れがあると判断したとき」「健康被害の可能性があると判断されたとき」などが、土壌汚染の契機として挙げられます。
    これらのタイミングで土壌汚染の調査を行うのが、現状の日本のルールになっているのです。

    世界の調査契機は、現状以下のようになっています。

    ドイツ 文献調査やサンプリン グを実施した結果、汚染が「Trigger Value(詳細な調査が必要かどうか判断するための目安値)」を超過した場合など
    オランダ 工場の新設や廃止などに先立って実施。汚染が疑われる場合には詳細な調査を実施することもある
    イギリス 土地の利用を変更するとき(開発計画許可証を取得しなければならないとき)
    アメリカ 有害物質の漏洩判明したとき。サンフランシスコ市の一部地域では、50立方ヤード以上の土地の形質変更が届出されたとき

    土壌汚染の調査契機によっては、国ごとに問題発見のタイミングなどが異なる可能性もあるでしょう。

    土壌汚染対策の決め方

    土壌汚染対策の決め方も、日本と世界では基準が異なることがあります。

    日本国内は、土壌汚染現場の地下水利用状況や人の立ち入り状況などを考慮し、人への暴露経路があって土壌溶出量基準と土壌含有量基準を超過している場合などに、都道府県知事が対策を指示します。
    暴露経路は事例や物質ごとに設定して、リスクを評価することになるのです。

    土壌汚染の対策の決め方は、世界各国で以下のようになります。

    ドイツ 汚染の原因となった人や土地所有者等が、調査やリスク評価を行って地方自治体に報告した際に、リスクが大きいと判断された場合
    オランダ 土壌汚染が疑われている場所のサンプル調査後、本格的な調査とウェブベースのシミュレーションによるリスク評価によってその後の対応を検討する
    イギリス 資料での精査で問題があればリスク評価を行い、その後の調査で基準値(Soil Guideline Value)を超えた場合にはさらに詳細調査を実施する
    アメリカ Point of Compliance(POC)の評価地点を協議にて決定し、汚染度合を逆算して汚染源の数値を抑える判断を行う

    これらの基準を参考にして、事案ごとに各国が土壌汚染への対策を考えることになるのです。

  • 世界と比較して、日本の対象有害物質の数はかなり少ない
  • アメリカ・イギリスが実施している法令は土壌に特化したものではなく、飲料や水質に関する環境問題についても含まれている
  • 国ごとに土壌汚染の調査契機や、対策の決め方などの基準は異なる
  • (出典:環境省「諸外国における土壌汚染対策制度の比較調査結果」)

    土壌汚染関連の法令の目的とは?


    土壌汚染のための法令は、各国目的を持って制定しています。
    日本では人の健康の保護を基本的な目的としていて、その他生態系への影響などを考慮することもあります。
    どの国も土壌汚染関連の法令が持つ目的に関しては、同じ方向性になっていることが以下から把握可能です。

    ドイツ 人の健康の保護や土壌機能の保護
    オランダ 人の健康と生態系の保護
    イギリス 人の健康と周辺環境や生態系への影響を考慮する
    アメリカ 人の健康の保護、生活環境の保全、生態系の保全

    人の健康という共通の目的が、土壌汚染においては現状の国内と世界をつなぐポイントになっています。
    目指している場所が同じという点は、各国が協力しやすい体制作りになるかもしれません。

  • 土壌汚染のための法令は各国で制定している
  • どの国の土壌汚染関連法令にも「人の健康」という共通の目的がある
  • (出典:環境省「諸外国における土壌汚染対策制度の比較調査結果」)

    土壌汚染に関する日本と世界の現状をチェック!


    土壌汚染という問題は、日本だけでなく世界全体で考えるべきものです。
    各国が対策を取ってそれをデータ化して共有していければ、土壌汚染へのより良い対応が行えるようになるでしょう。

    また、土壌汚染の対策方法や有害対象物質などは各国で異なりますが、どの国も法令の目的は同じ方向性です。
    他にも土壌汚染に関するそれぞれの内容を比較して、現状にどのような違いがあるのかをまずはチェックしてみてはいかがでしょうか。

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