土壌汚染

土壌汚染の目安となる環境基準は?

土壌汚染の目安として使われる「環境基準」は、問題の現状を把握するための大切なデータとなっています。
この記事では、環境基準や土壌汚染の現状を紹介します。

土壌汚染とは?土壌汚染対策法や支援策について徹底解説

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土壌汚染における環境基準について


環境基準は、土壌汚染を含めた様々な環境問題を把握する指標として利用されています。
有害物質や測定方法、環境上安全と思われる条件を明確にすることで、計画的な環境問題対策が行えるようになっているのです。
環境基準がなければ、土壌汚染の確認と対策は難しくなることが予想されます。
それだけ重要な指標になる環境基準を、まずは基本から確認しましょう。

環境基準とは

まずは環境基準の概要について確認します。
環境基準とは、「人の健康の保護」や「生活の保全」といった点を重視し、どの程度の状態を保つべきかを明確にした目標のことです。
大気、土壌、水、騒音などが対象となり、具体的な施策の実施における基準として使われます。
環境基準は行政上の目標となるため、その内容は今後も環境問題における要になっていくでしょう。

環境基準は、「必要最低限度の目標」ではなく、「より積極的に維持することが望ましい」基準となっているのが特徴です。
現状の環境状況がこれ以上悪化しないように、環境基準を目安に行動を起こしていくことが今後も進められるでしょう。

環境基準は先に挙げた対象である大気、土壌、水、騒音ごとにそれぞれ設定されています。
土壌汚染に関しても土壌環境基準があり、その中で有害な物質やその条件が定められているのです。
土壌汚染について知るには、この土壌環境基準をチェックすることがポイントになるでしょう。

環境基準の役割

環境基準の役割については、平成3年に告示された「土壌の汚染に係る環境基準について」を参考に、以下のようなものが読み取れます。

  • 土壌汚染の未然防止
  • 有害物質の除去や無害化を行う
  • この2つの観点から土壌汚染を考えることが、環境基準の役割だと想定されるでしょう。
    土壌汚染をさせない、それでいて起きてしまった場合には有害物質の速やかな除去を行う。
    この二段構えの構成が、環境汚染のポイントです。
    すでに汚染された土壌と、これから汚染される可能性のある土壌、両方を意識した基準となります。

  • 環境上安全と思われる条件を明確にすることで、計画的な環境問題対策が行える
  • 環境基準とは、「人の健康の保護」や「生活の保全」といった点を重視し、どの程度の状態を保つべきかを明確にした目標であり、「より積極的に維持することが望ましい」基準となっているのが特徴
  • 環境基準の役割は、土壌の汚染の未然防止 、有害物質の除去や無害化を行う、の2つの観点を読み取れる
  • (出典:環境省「環境基準」)

    土壌汚染の環境基準は2つの観点からも決められる


    土壌汚染における環境基準は、土壌環境機能のうち以下の観点からも決められています。

  • 地下水等の摂取によって健康への影響が起きないようにするため
  • 食料の生産機能を安全な状態にキープするため
  • この点を考慮した上で、土壌環境基準に必要な項目が設定されているのです。
    2つの観点を理解することで、土壌汚染がいかに生活に近い存在であるのかが分かります。
    それぞれの内容を確認し、土壌環境基準について理解を深めてみましょう。

    地下水等の摂取によって健康への影響を防ぐため

    土壌環境基準は、地下水の摂取による健康への影響が起きないための基準にもなっているのです。
    私たちは生活の中で、地下水を利用することがあります。
    例えば公園の蛇口から出る水や井戸水など、地下水を活用するシーンは数多くあるでしょう。 そこに土壌汚染によって染み込んだ有害物質が含まれてしまえば、飲んだり触れたりすることによって何かしらの健康被害が起こる可能性が出てきます。

    そのような土壌汚染の被害を避けるためにも、環境基準を活用して安全な土壌をキープすることが重要になるのです。
    健康への課題に関しては、土壌汚染対策法によって以下のような式が概念的に示されています。

    「土壌汚染による健康リスク=土壌汚染の有害性の程度×暴露量」

    土壌汚染がどれくらい進行しているのか、それを実際に人体にどれくらい取り込んでしまったのかによって、健康リスクは変化すると考えられています。
    この概念は、土壌汚染が確認されたからといって必ずしも危険なわけではないという話につながります。
    仮に土壌汚染された土地があっても、そこから有害物質が染み出していなかったり、基準以下に浄化された土壌であったりすれば、健康リスクは低いと判断されるのです。

    このような考え方にも、環境基準は関係しています。
    土壌汚染の実質的な健康被害を考える上でも、環境基準は重要なポイントになるでしょう。

    食料の生産機能を安全な状態にキープするため

    環境基準は、食料の生産機能を保全するためにも役立つ指標です。
    土壌汚染された土が川や海に流れたり、大気に揮散したりすることは、食料に影響を及ぼす結果にもつながります。
    川や海にいる魚介類への影響、大気の揮散から農作物への影響などは、土壌汚染において考えるべきポイントになるでしょう。

    食料に関する安全性に関しては、農林水産省の「農用地土壌汚染防止法」からもその重要性がうかがえます。
    農用地土壌汚染防止法は農用地の土壌に含まれる有害物質によって、健康への影響が出る農畜産物が生産、もしくは正しい生育が阻害されることを防止するものです。
    このように食料の安全性のキープは、様々な角度から考えられていることが分かります。

  • 土壌汚染における環境基準は、地下水等の摂取によって健康への影響が起きないようにするため 、食料の生産機能を安全な状態にキープするための2つの観点から決められる
  • 土壌環境基準は、地下水の摂取による健康への影響が起きないための基準でもある
  • 農用地土壌汚染防止法は農用地の土壌に含まれる有害物質によって、健康への影響が出る農畜産物が生産、もしくは正しい生育が阻害されることを防止するもの
  • (出典:環境省「水・土壌環境行政のあらまし」)
    (出典:農林水産省「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づく対策」)

    土壌汚染の環境基準の詳細


    土壌汚染における環境基準は、以下の29項目に対して設定されています。
    環境に影響を与える可能性のある物質に対して、環境上の条件と測定方法が明記されているのです。
    以下、環境省の「土壌環境基準 別表」を参考にすることで、土壌汚染における環境基準の現状を把握できます。

    項目環境上の条件測定方法
    カドミウム検液1Lにつき0.01mg以下であり、かつ、農用地においては、米1kgにつき0.4㎎以下であること。環境上の条件のうち、検液中濃度に係るものにあっては、日本工業規格K0102(以下「規格」という。)55に定める方法、農用地に係るものにあっては、昭和46年6月農林省令第47号に定める方法
    全シアン検液中に検出されないこと。規格38に定める方法(規格38.1.1及び38の備考11に定める方法を除く。)又は昭和46年12月環境庁告示第59号付表1に掲げる方法
    有機燐(りん)検液中に検出されないこと。昭和49年9月環境庁告示第64号付表1に掲げる方法又は規格31.1に定める方法のうちガスクロマトグラフ法以外のもの(メチルジメトンにあっては、昭和49年9月環境庁告示第64号付表2に掲げる方法)
    検液1Lにつき0.01mg以下であること。規格54に定める方法
    六価クロム検液1Lにつき0.05mg以下であること。規格65.2(規格65.2.7を除く。)に定める方法(ただし、規格65.2.6に定める方法により塩分の濃度の高い試料を測定する場合にあっては、日本工業規格K0170-7の7のa)又はb)に定める操作を行うものとする。)
    砒(ひ)素検液1Lにつき0.01mg以下であり、かつ、農用地(田に限る。)においては、土壌1kgにつき15mg未満であること。環境上の条件のうち、検液中濃度に係るものにあっては、規格61に定める方法、農用地に係るものにあっては、昭和50年4月総理府令第31号に定める方法
    総水銀検液1Lにつき0.0005mg以下であること。昭和46年12月環境庁告示第59号付表2に掲げる方法
    アルキル水銀検液中に検出されないこと。昭和46年12月環境庁告示第59号付表3及び昭和49年9月環境庁告示第64号付表3に掲げる方法
    PCB検液中に検出されないこと。昭和46年12月環境庁告示第59号付表4に掲げる方法
    農用地(田に限る。)において、土壌1kgにつき125mg未満であること。昭和47年10月総理府令第66号に定める方法
    ジクロロメタン検液1Lにつき0.02mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法
    四塩化炭素検液1Lにつき0.002mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
    クロロエチレン(別名塩化ビニル又は塩化ビニルモノマー)検液1Lにつき0.002mg以下であること。平成9年3月環境庁告示第10号付表に掲げる方法
    1,2-ジクロロエタン検液1Lにつき0.004mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2、5.3.1又は5.3.2に定める方法
    1,1-ジクロロエチレン検液1Lにつき0.1mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法
    1,2-ジクロロエチレン検液1Lにつき0.04mg以下であること。シス体にあっては日本工業規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法、トランス体にあっては日本工業規格K0125の5.1、5.2又は5.3.1に定める方法
    1,1,1-トリクロロエタン検液1Lにつき0.006mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
    1,1,2-トリクロロエタン検液1Lにつき0.006mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
    トリクロロエチレン検液1Lにつき0.03mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
    テトラクロロエチレン検液1Lにつき0.01mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
    1,3-ジクロロプロペン検液1Lにつき0.002mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2又は5.3.1に定める方法
    チウラム検液1Lにつき0.006mg以下であること。昭和46年12月環境庁告示第59号付表5に掲げる方法
    シマジン検液1Lにつき0.003mg以下であること。昭和46年12月環境庁告示第59号付表6の第1又は第2に掲げる方法
    チオベンカルブ検液1Lにつき0.02mg以下であること。昭和46年12月環境庁告示第59号付表6の第1又は第2に掲げる方法
    ベンゼン検液1Lにつき0.01mg以下であること。日本工業規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法
    セレン検液1Lにつき0.01mg以下であること。規格67.2、67.3又は67.4に定める方法
    ふっ素検液1Lにつき0.8mg以下であること。規格34.1(規格34の備考1を除く。)若しくは34.4(妨害となる物質としてハロゲン化合物又はハロゲン化水素が多量に含まれる試料を測定する場合にあっては、蒸留試薬溶液として、水約200mlに硫酸10ml、りん酸60ml及び塩化ナトリウム10gを溶かした溶液とグリセリン250mlを混合し、水を加えて1,000mlとしたものを用い、日本工業規格K0170-6の6図2注記のアルミニウム溶液のラインを追加する。)に定める方法又は規格34.1.1c)(注(2)第3文及び規格34の備考1を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しないことを確認した場合にあっては、これを省略することができる。)及び昭和46年12月環境庁告示第59号付表7に掲げる方法
    ほう素検液1Lにつき1mg以下であること。規格47.1、47.3又は47.4に定める方法
    1,4-ジオキサン検液1Lにつき0.05mg以下であること。昭和46年12月環境庁告示第59号付表8に掲げる方法

    (出典:環境省「土壌環境基準 別表」)

    それぞれの項目は土壌汚染の現状を把握し、その後の拡大を防ぐことに役立ちます。
    土壌汚染における基本にもなるため、どのようなものがあるのかチェックしてみましょう。

  • 土壌汚染における環境基準は、29項目に設定されている
  • 土壌汚染の現状把握、拡大を防ぐことに役立つ
  • 環境基準は見直しも行われる


    土壌汚染における環境基準は、常に見直しが行われていることも特徴です。
    これまでのデータや研究成果などを元に、新たな基準が作られることも珍しくありません。
    例えば特定有害物質の対象が見直されたり、項目の追加が行われたりするのです。

    2018年には「1,2-ジクロロエチレン」の環境基準や土壌溶出量基準について審議され、その後改正が2019年4月に施行されました。
    このように現状を考慮して見直しが進められるため、土壌汚染における環境基準は常に発展を続けています。
    改正の情報を随時チェックして、その内容を改める機会を作ることも、環境基準を知るポイントになるでしょう。

  • 土壌汚染における環境基準は、常に見直しを行っている
  • 改正の情報を随時チェックすることも環境基準を知るポイントになる
  • 土壌汚染の環境基準を使った調査結果


    土壌汚染に関しては、土壌汚染対策法に基づいて調査が行われており、毎年その結果が公表されています。
    土壌環境基準や土壌汚染対策法の土壌溶出量基準などは調査の基軸に使われているため、その結果を作ることに貢献しているのです。
    調査は土壌汚染対策法に加えて、個人による自主的な調査も行われていることから、その数は年々増加しています。

    環境省の調査結果では、2017年に2,279件の土壌汚染判明事例が発表されました。
    そのうち1,064件が基準の超過事例件数となり、残り1,215件が非超過事例として報告されているのです。
    こういったデータが確認できるのも、土壌汚染における環境基準がきちんと定められているからだと考えられます。

    土壌汚染の環境基準がいかに有効に活用できているのかは、このように調査という形でも判断できるでしょう。
    今後は調査結果によって蓄積されたデータを活用することで、さらに重要な情報が獲得できるようになるかもしれません。

  • 土壌環境基準や土壌汚染対策法の土壌溶出量基準などは調査の基軸に使われている
  • 2017年に2,279件の土壌汚染判明事例が発表され、1,064件が基準の超過事例件数、残り1,215件が非超過事例として報告された
  • (出典:環境省「土壌環境の保全 1 土壌環境の現状」,2019)

    土壌汚染の環境基準が重要な理由を知ろう!


    土壌汚染を考える際には、環境基準が重要な指標となります。
    環境基準の内容や意義を理解し、どのように役立てられているのかを把握することは、土壌汚染を深く知るきっかけになるでしょう。

    それはこれから自分たちが何をするべきなのかを考える、ひとつの軸としても働きます。
    この機会に土壌汚染の環境基準を確認し、その重要性をチェックしてみてください。

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