森林は私たちが生活していく上でなくてはならない存在です。その恩恵を直接的に感じることは少ないですが、様々な面で私たちの生活は森林に支えられています。
しかし、私たちの経済活動が森林を破壊し続ければ取り返しのつかない事態に陥る可能性もあります。
この記事では、森林破壊の進行を防ぐために私たちができることを紹介します。
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世界の森林の現状は?
日本を含め、世界には約40億ヘクタールもの面積の森林が存在します。この森林は全陸地面積の約3割を占めており、人類を含めて多くの生態系や自然環境を支えています。
しかし、この森林は人類の手によって減少し続けています。森林破壊をはじめとして、毎年森林面積が減少していますが、年間の減少面積は近年抑えられてきています*。
国連食糧農業機関(FAO)によると、1990~2000年までの世界全体の純減は年平均で約780万ヘクタールですが、2010~2020年では約470万ヘクタールであり、以前よりは抑制されています*。
それでも年間で純減している以上、このままいけば森林は減り続けます。
この傾向は特に開発途上国が多い南アメリカやアフリカで顕著であり、森林面積は大きく減少しています。
一方でアジアやヨーロッパ、中央アメリカ、オセアニアでは減少する面積よりも増加する面積の方が大きく純増となっています。しかし南アメリカやアフリカの減少面積が大きく、世界全体としては、純減という結果になっています。
これを国別に見ていくと、2010~2020年までの10年間で森林の減少が大きかったのはブラジル、オーストラリア、インドネシア、ナイジェリアなどです。
一方で温帯地域である中国やインド、フィリピンなどの国では植林活動が活発であり、森林面積が増加しています。
また、世界の森林破壊についてもっと知りたい方は、こちらの記事をご一読ください。
森林破壊の原因や現状について詳しく解説されています。
>>森林破壊の原因と対策は?身近にできることから考えよう
森林の減少と動植物の消失
森林では多くの動植物が生息しています。陸地に生息する動植物種の3分の2以上が、森林に生息していると言われています。
しかしその森林が人類の手により直接的、あるいは間接的に破壊されていることで、大きな影響を受けています。
森林が破壊されず維持されていたとしても、伐採や疎林化、断片化など森林空間の変化により、そこに生きている生物は影響を受けることになります。
世界でも大規模な面積を誇り、多くの生物が生息する熱帯雨林は年600万ヘクタール減少、あるいは劣化しており、北海道の77%にあたる面積が毎年失われていることになります。
この減少により、生息する動植物が毎日100種類ほど消失していると予想されています。
世界では国立公園などを指定することで森林の減少や劣化を食い止めていますが、世界全体では減少が大きく進んでいることから、取り組みを加速させていく必要があります。
(出典:環境省「森林と生きる ‐世界の森林を守るため、いま、私たちにできること‐」,2015)
(*出典:林野庁 森林・林業分野の国際的取組
森林と陸の生物を守ることはSDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」になっています。目標の詳細を知りたい方はこちらの記事もご一読下さい。
>>持続可能な開発目標・SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットや現状は?
森林破壊を食い止めるためにできること
森林の減少や劣化は、私たちの生活からもたらされるものが大きいと考えられています。
これらの森林破壊は、人類がその人口を賄うために森林を開発したプランテーション(※)や燃料・材木として利用するための伐採、過剰な焼畑農業や火の不始末などによる森林火災が原因として起こっています。
本来、森林を含む自然は回復能力を持っているため、自然に回復し森林面積を著しく失うことはありません。
しかし人類の手により農地開発や過剰伐採、過剰な焼き払いが回復速度を超えて行われてしまえば、森林は失われる一方です。
原因が明らかになる中で、行政機関が主体となり国内外で行える森林破壊防止のための取り組みが各地で行われています。
その活動により、数十年前と比較して年間の森林減少量はやや抑えられましたが、世界全体で見ると森林面積は減っています。
森林の減少や劣化を食い止めるためには、私たちができることで協力していくことも不可欠です。
では、私たちができる森林破壊を防ぐための取り組みとはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
※プランテーション:熱帯地域や亜熱帯地域の農地で、世界的に取引価値の高い単一の作物を大量に栽培する大規模農園や方法
フェアウッド・キャンペーンへの参加
フェアウッド・キャンペーンは2003年から現在も実施されており、世界に現存する貴重な森林とそこに生息する生態系を保全し、持続可能な森林経営を支援するための取り組みです。
環境に配慮し、社会的に公正な木材をフェアウッドとしており、木材を使用した商品を消費する購入者や商品を製造する企業に行動の呼びかけを行っています。
木材や紙のグリーン調達を推進すること、そのために持続可能な森林経営が行われているか購入者として要望することが呼びかけられています。
私たちにできることは、取り組みの呼びかけのもと、合法で持続可能な森林経営を行っている信頼された木材を用いて作られた商品を手に取り、購入することです。
普段使う紙や鉛筆、家具や住宅になど木材が使われている商品を選ぶ機会は多いため、意識して選び取ることが求められています。
森林認証マークの利用
信頼できる木材が使われているかは、私たちのような消費者では判断ができません。
しかし消費者にとって、それを一目で判断するための印として「森林認証」マークが存在します。
森林認証マークは合法性や持続可能性を保証するものであり、適切に管理された森林の木材を利用していることを、第三者機関が認証するものです。
消費者である私たちが、木材や木材製品を選ぶ上での1つの指標とできる民間の制度です。
森林認証を受けているかにより、企業の環境配慮への方針や姿勢も明らかになります。
森林破壊の原因である違法伐採により切り出された木材を使わない、保護価値の高い森林から取られた原料を調達しないなどの企業方針を持つメーカーの商品を購入することも、世界の森林保全への貢献へとつながります。
企業努力を応援する形で商品を購入することで、違法伐採などを減らすことができます。
森林認証の種類
森林認証にはいくつか種類がありますが、代表的なものとしては3つ挙がります。
1つ目はFSC(森林管理協議会:Forest Stewardship Council)であり、世界的規模で森林認証を実施しています。
10の原則と56の基準によって審査しており、独立した認証機関が実施しているため信頼性も高いと言われています。
2つ目がPEFC(PEFC森林認証プログラム:Programme for the Endorsement of Forest Certification schemes)です。ヨーロッパ11ヵ国の認証組織が、前身を設立したことから始まっています。
FSCほどではないものの、2018年時点で38ヵ国の認証制度が相互承認済みであり、日本国内でも394の事業体が取得しています。
3つ目は日本国内で発足されたSGEC(一般社団法人 緑の循環認証会議: Sustainable Green Ecosystem Council)です。
日本ではSGECがPEFCと相互承認を行っており、日本国内独自の事情に合わせた制度により、承認を行っています。
(出典:林野庁「主な森林認証の概要」,2018)
地球温暖化を緩和する取り組み
地球温暖化や気候変動は森林の減少や劣化に影響しています。近年頻発する森林火災の原因の1つには気候変動による異常少雨や乾燥、熱波などが関係しています。
地球温暖化による気温の上昇が、樹木の生息域を変えてしまい、結果として森林が減少してしまうこともあります。
地球温暖化は二酸化炭素などの温室効果ガスが原因であり、大量に排出しているのは私たちの経済活動です。
森林破壊によりその数も面積も減ることで、二酸化炭素を吸収する割合が減れば、余計に温室効果ガスが増加し、悪循環を及ぼします。
私たちにできることは、原因の根幹にある二酸化炭素の排出を抑えることであり、そのためには日常生活を見直す必要があります。
冷暖房機の設定温度を調節し、クールビズやウォームビズと併用して過剰に使わないこと、自動車ではなく電車やバスを利用すること、自動車で移動する際もアイドリングストップを心がけるなどが挙げられます。
世界の森林を守るためにできることから行動しよう
私たちの生活は直接的にも間接的にも森林に支えられています。
森林は、私たちが日常的に排出する二酸化炭素を吸収して酸素にし、空気の正常化を行い、川に流れ出す水も木々が蓄えて浄化し、送り出してくれています。
ある程度の降水量であれば、張り巡らされた根が地面を支え、土砂崩れを防止してくれるでしょう。
木材としては、住宅や家具、文房具など生活に欠かせないものに生まれ変わります。
恩恵を受けるのは人間だけでなく、そこに住む動植物も同様です。形成された生態系に森林は欠かせない環境であることは明らかになっています。
そんな森林を生活のためとはいえ、過剰に伐採し、その数を減らしているのも人間です。
このままいけば私たちは恩恵を受けられないほど森林が減少し、取り返しがつかないレベルになる可能性もあります。
そんな危機的な状況を迎えないために、早急な対応が求められています。
私たちが直接森林を守るためにできる取り組みは少ないですが、森林認証マークが付いた商品を購入するなど、日々の中で行える間接的な取り組みはあります。
商品を手に取るときに、マークが付いているかどうかを確認し、選択していくことが重要です。
森林破壊を止めるためにできることを考え、実行していくことを心がけていきましょう。
また、民間の団体へ寄付をすることでも森林破壊を防ぐことに貢献できます。
例えば一般社団法人グリーンピース・ジャパンは、世界55以上の国と地域において、環境課題への解決策を作り出すために、サポーターやボランティアとともに提言活動、調査・分析活動を行っています。
月1,000円からの継続寄付で、地球と暮らしを守るための調査や報告、政府や企業への働きかけを支援できます。
>>グリーンピースについて詳しくみる
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