世界中で森林破壊が問題となっています。その原因は、私たち人間の暮らしが引き起こしているものがほとんどです。
このまま何も対策を取らなければ、森林だけでなく地球全体にも影響を及ぼします。
この記事では、森林破壊の詳しい原因や実際に行われている対策について紹介します。
「環境保全活動を推進する」
活動を無料で支援できます!
30秒で終わる簡単なアンケートに答えると、「環境保全活動を推進する」活動している方々・団体に、本サイト運営会社のgooddo(株)から支援金として10円をお届けしています!
設問数はたったの3問で、個人情報の入力は不要。あなたに負担はかかりません。年間50万人が参加している無料支援に、あなたも参加しませんか?
25年間で国1つ分が森林破壊されている現状
20世紀前半、熱帯地域、亜熱帯地域の開発途上国では人口が増加しました。これに伴い開発途上国では貧困や飢餓といった問題を抱えていました。増加する人口を養うための食料に乏しく、森林を伐採し、畑や農地、牧草地に変える現象が起きました。これにより森林が減少したとも言われています。
近年、世界では急速に森林が破壊されています。1990年時点で、世界には41.28億ヘクタールの森林面積がありました。しかし、2015年になると39.99億ヘクタールまで森林面積は減少しました。
つまり、25年間で1.29億ヘクタールもの森林が減少したことになります。これは南アフリカの国土面積と同じくらいであり、南米やアフリカにおいて大規模な森林の減少が起こっています。また、地球規模で考え、森林植生と森林減少を合わせても、毎年730万ヘクタールの森林が地球から失われています。ではなぜ森林破壊は起きてしまうのでしょうか。大きく分けて4つの原因があります。
(出典:環境省 「国際的な森林保全対策」)
森林破壊の原因とは?
森林破壊は、私たちの人間活動が原因として挙げられます。
どのようなものがあるのか、以下で具体的に説明します。
プランテーションによる開発、農地への転用
プランテーション(または熱帯プランテーション)という言葉をご存知でしょうか。
プランテーションとは、熱帯・亜熱帯地域での森林で国際的に価値の高い単一作物を栽培する大規模な農園ことです。
熱帯地域や亜熱帯地域は気候にも恵まれており、農作物を育てるにはかなり恵まれています。そのような生産性の高い環境と熱帯・亜熱帯地域の国の安価な労働力。莫大な資本力を持つ企業はそこに目を付けました。広大な農地に莫大な資本=お金を投入し、安価な労働力で人を雇いました。森林を伐採し、そこは農地へと姿を変えます。
その農地・畑では、私たち日本人も日常的にスーパーで見かけるバナナ、コーヒー、紅茶、カカオ(チョコレート)などが生産されています。これらの多くの製品は日本の気候では生産が難しいものばかりで、熱帯・亜熱帯地域に頼らざるを得ません。私たちの生活に非常に馴染みがある製品ばかりですが、その生産現場を見ることは滅多にありません。
非伝統的な焼畑農業の増加
焼畑農業(焼畑農法)とは主に熱帯地域、亜熱帯地域の雨が多く降る地域で伝統的に行われている農業形態です。
日本でも縄文時代末期から農業にこの手法が取り入れられてきましたが、現在ではほとんど見かけなくなりました。
森林を伐採、樹木を倒木し、倒した樹木や草本などを燃やすことによって灰をその土壌の栄養素とします。焼畑農業は稲類、イモ類、雑穀類などを栽培・収穫するために行われています。
熱帯地域では土壌が酸性のため、これらの作物を栽培するのに適していません。こうした地域では焼畑農業を行い、灰が酸性の土壌と中和することで肥料の役割も果たし、栄養素のある元気な土壌を作ることができます。また、一度に草木を焼き払うことで害虫や病原体も駆除することができます。
数年間作付けした後に別の土地に移動して耕作を繰り返します。土地が回復したら元の農地を再利用する伝統的な農法で、森林破壊の原因ではなく、持続可能なものだと言われています。
しかし、土地の回復力を考えない、持続可能ではない焼き畑農業が行われることがあります。こういった非伝統的な焼畑農業は森林が減少している原因の1つと言われています。また、森林破壊により地球温暖化のリスクも指摘されています。
燃料用木材の過剰な採取
世界中で伐採された木材の約半分は燃料として使用されています。そして燃料としての木材の需要は年々増加しています。
開発途上国では薪炭用材(燃焼用木材)、そのほか、世界中では産業用材(製材や合板)などの需要、消費が目立ちます。例えば、アフリカなどの開発途上国では人口増加に伴い「木材の消費量」が増加しており、中国ではめまぐるしいほどの経済発展に伴い「木材の輸入量」が増加しています。
森林火災
森林破壊の1つの原因として森林火災が考えられます。2019年に発生したオーストラリアの森林火災は約半年間燃え続け、この森林火災では多くの動植物が被害を受けました。
また、ブラジルを中心とするアマゾンの熱帯雨林地域でも森林火災が発生し、2019年8月1日から8月24日にかけて4,000件近くの森林火災が確認されました。
このような森林火災が発生する原因として、私たちの経済活動が挙げられます。
工場や車から排出される温室効果ガスは地球温暖化の原因となります。そして地球温暖化により、地球の温度が上がっていくと、異常な干ばつや乾燥化が進行します。北半球の一部や北極圏では異例の高温乾燥状態に陥っており、森林火災が多発しています。
(出典:環境省「世界の森林を守るために 森林減少・劣化の原因」)
森林破壊を抑制するために行われている対策とは?
上記のような森林破壊の問題に対し世界中では持続可能な経済発展を遂げるため様々な取り組みが行われています。森林破壊の問題としてパーム油を例にとります。
パーム油はアブラヤシという植物から採ることができ、食品油としてマーガリンや揚げ油、ショートニング、アイスクリームなどの様々な食品や、石鹸、洗剤、化粧品、インクなどの原料として用いられます。しかしアブラヤシのプランテーションが原因でもとの森林に生息する動物が減少しています。
パーム油は私たちの生活に欠かせないものであり、生産や使用をやめることは難しいです。特にインドネシアにとっては、輸出産業として経済面でも重要な役割を担っています。
そこで「持続可能なパーム油利用」のため、2001年に持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil:RSPO)が作られました。パーム油に関係する企業や金融機関、NGOが集まった組織であり、規則を制定するなどして持続可能なプランテーションを目指しています。
現在、先進国には違法伐採された違法な材料(木材)が輸入されることが少なからず発生しています。そして違法に輸入された木材もまた、その先進国の経済を支えているのです。
これを改めるため1990年代以降、輸入国側における違法材対策として、取引での合法性確認(デューディリジェンス)を要求する制度を作る動きが生まれました。
例えば、欧州連合のFLEGTおよびEU木材規則、米国の改正レイシー法、日本のグリーン購入法及びクリーンウッド法などがあります。
さらに包括的な取り組みとして持続可能な開発目標(以下SDGs)があります。
SDGsは2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択されました。17のゴールと169のターゲットから構成されており、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことが目標です。
SDGsは開発途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。SDGsの目標15には「陸の豊かさも守ろう」という項目があります。
今、企業や私たちにとって求められているのは、森林からの資源を過剰に消費しないようにすることです。
(出典:環境省「RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)」)
森林破壊を抑制するためにできることから始めよう
人間活動を行う上で森林はなくてはならないものであり、私たちは多くの恩恵を受けています。
森林破壊を抑制するために世界中で様々な制度が定められています。国が行う取り組み以外にも、個人レベルではなにができるのか、と疑問に思う人も多くいると思います。
例えば森林伐採は、木材や紙として利用されます。これは私たち人間にとって必要なものであるため、伐採を止めることは難しいです。また、森林火災や森林破壊は人間活動が原因で発生していることが分かりました。対策として紙を無駄使いしない、森林火災につながる二酸化炭素の排出を抑制するために車ではなく公共交通機関を使うなど、できることはたくさんあります。
また、違法伐採されず合法性が証明された木材を使用することも私たちがすぐに取り組めることです。
未来の私たちのため、次世代を生きる人のため、未来の地球のためにできることから始めてみてはいかがでしょうか。
「環境保全活動を推進する」
活動を無料で支援できます!
30秒で終わる簡単なアンケートに答えると、「環境保全活動を推進する」活動している方々・団体に、本サイト運営会社のgooddo(株)から支援金として10円をお届けしています!
設問数はたったの3問で、個人情報の入力は不要。あなたに負担はかかりません。年間50万人が参加している無料支援に、あなたも参加しませんか?