アフリカの地域では、妊産婦の死亡率が高いことが問題となっています。
アフリカにおける妊産婦の問題は、経済的・宗教的・文化的な問題が複雑に絡み合った問題であり、このような問題を解決するためには、長期的な取り組みが必要です。
すでに数多くの活動団体がアフリカなど妊産婦率の死亡率が高い地域で活動を行っていますが、活動を継続するには支援が必要です。
この記事では、アフリカにおいて妊産婦の死亡率が高い理由や対策について、また実際に行われている支援活動について解説してます。
アフリカの医療の現状を知り、子どもや妊婦の命を守るために必要な支援を考えよう
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妊産婦の死亡率が高いアフリカ
アフリカでは、世界の中でも妊産婦の死亡率が高い現状があります。
妊産婦の死亡率とは、出生10万人中、妊娠・出産およびそれに関連した合併症により死亡する女性の数です。
世界的には、13の開発途上国が全世界の妊産婦死亡率の70%を占めており、そのなかでも、13万6,000人のインド(南アジア)に次いで、続いてナイジェリア(アフリカ)では3万7,000人もの女性が亡くなっています。
近年の調査報告書を紐解くと、妊産婦死亡の99%以上が開発途上国で発生しており、しかも、その約84%はサハラ以南のアフリカ諸国と南アジアに集中して発生していることが明らかとされています。
その他の調査として、世界保健機関(WHO)・国連児童基金(UNICEF)・国連人口基金(UNFPA)が共同で実施した妊産婦死亡に関する調査では、サハラ砂漠以南アフリカに住んでいる女性は、16人に1人の割合で妊娠・出産により死亡する可能性があるとされており、この調査結果は2800人に1人という割合の先進国の妊産婦死亡率と対照的な結果となっています。
サハラ以南のフリカと南アジアでは、大量出血が女性の死亡の最大の原因となっています。
また、女性の総合的な健康状態(栄養レベルやHIV感染の有無)も妊娠と出産の結果を左右することになりますが、この地域の妊産婦の健康状態は良いものとは言えないため、これも死亡率が高くなる原因の一つです。
その他の原因として、貧困・格差・女性とその健康への一般的な姿勢など、社会的要因も妊産婦の死亡率の高さに影響を及ぼしています。
特にアフリカ諸国においては、女性が分娩時および分娩後のケアを受けられないような文化的あるいは伝統的慣習が存在することから、これが妊産婦の死亡率にしばしば影響を与えることがあります。
妊産婦の死亡率が高いということは社会的なレベルでの損失でもあります。
その理由は、母親が死亡すれば、新生児だけでなくその他の子どもの生き残る可能性も実質的に下がってしまうためです。
こうしたことから、アフリカ・南アジア地域における妊産婦の死亡率を下げる必要があることが叫ばれています。
(出典:日本ユニセフ「子どもたちのための前進(Progress for Children: A Report Card on Maternal Mortality)」)
出産・産後ケアが重要
妊産婦の死亡率を下げるためには、出産・産後ケアが重要です。
現在、アフリカ及び南アジア地域の女性の多くは、出産前のケアや出産時・産後ケアを受ける費用が捻出できないために医療を受けられない状況です。
医師・看護師・助産師といった医学的知識を持つ人々は、母親の命を守る重要な役割を担っています。しかし、アフリカ及び南アジアの地域では、毎年数百万件もの出産があるため、医学的知識を持つ専門技能者の付き添いがないなかで行われることがあるのが現状です。
こうした状況を鑑みて、妊産婦の健康を改善するための対策活動として、以下のことが挙げられます。
- 出産前ケアの実施
- 医療機関によるHIV検査の実施
- 周産期におけるカウンセリングの実施
- 熟練した助産師の立会いのもとでの出産
- 緊急産科ケアの実施
- 産後ケアの実施
- 国家の政策に沿った家族計画を策定
家庭や地域社会、巡回サービスや施設でのサービス提供などといった総合的なケアを女性に提供することによって、出産・産後ケアの重要性を指導していくことも重要です。
児童婚をした女性は特にリスクが高い
アフリカでは、児童婚も重要な問題となっています。
児童婚も世界全体で解決するべき人権及び公衆衛生問題です。
児童婚は18歳未満での結婚、またはそれに相当する状態にあることと定義されており、児童婚をした女性の死亡率は特に高くなる傾向があることが警告されています。
その理由として、妊娠に関連する合併症が世界の15歳から19歳の女の子で発症するリスクが高いことが挙げられます。
世界では、2014年時点で約7億5,000万人の女性と女の子が18歳未満で結婚しており、そのうち3人に1人以上が15歳未満で結婚しているのです。
アフリカでは、2018年時点で約10人に1人が15歳未満で結婚しているというデータもあります。
女の子が18歳未満で結婚する割合が世界で最も高い10カ国のうち、8カ国がアフリカの国々です。アフリカにおいて児童婚の割合が高い背景には、以下の3つの要因が挙げられます。
- 経済的な要因:多くの子どもを養っているなど
- 構造的な要因:教育の欠如など
- 社会的要因:古くからの慣習、社会的義務、未婚状態での妊娠のリスク回避など
児童婚は、子どもの権利を侵害しており、子どもの成長発達に悪い影響を与えるものです。女性・女の子たちは、自身が精神的・肉体的な準備が整うよりも前に、妊娠と出産を何度も繰り返さなければならない過酷な環境に置かれてしまうのです。
児童婚をした女の子は妊娠・出産による妊産婦死亡リスクが高まることに加えて、暴力・虐待・搾取の被害も受けやすくなります。
児童婚をなくすことができれば、女の子や女性の社会参画を促すことができ、複数世代にわたる貧困の連鎖を断ち切ることも期待できます。
さらに、その女の子や女性が教育を受けたり、権利を与えられることによって、自分たちの子どもにより良い栄養を与えて育て、適切なケアを提供できるようになります。
(出典:日本ユニセフ 公式サイト)
アフリカの妊産婦に対して行われている支援とは?
児童婚という慣行をなくすためには、この有害な社会規範を変革するとともに、少女たちのエンパワーメントに向けた取り組みが、社会の全てのレベルにおいて実施される必要があります。
なかでも最も重要な取り組みは、女の子に教育の機会を提供し、教育面での格差を減らすことです。いかなる児童婚も決して許さないという確固たる目標を持ち、法的に禁止することが重要な第一歩となるでしょう。
ただし、国家レベルでの対策も必要であるものの、どうしても問題の全てを把握することは難しいことから、民間レベルでの対策も必要です。
現在、アフリカの妊産婦に対しては以下のような支援が行われています。
- 女の子が学校に入学し、通い続けられるような支援
- 女の子が成長してから結婚することにより生じる利益について、両親やコミュニティの人々に知識を深めてもらう啓発活動
- 家族への経済的支援
- 児童婚をなくすための法と政策を整備する支援
こうした支援の具体的な成果として、ニジェールでは、女性の権利などの重要性を夫に教育する取り組みが行われています。
また10代の少女が学校に通い、教育を修了できるようにする取り組みも行われています。
女の子や女性を支援する学校施設を建設することは、児童婚の問題だけではなく、人身取引への対策にもつながります。
立場の弱い子ども、特に女の子を保護する施設がない場所で人身取引は横行するからです。
こうした学校施設の設立を行うことで、女の子の両親が学校の重要性を認識するようになり、積極的に学校施設に娘を送り出すようになってくれています。
さらに、モザンビークでは、「ガールズ・フォーラム」としてよく知られるイニシアチブが実施されています。ガールズフォーラムにおいて、少女たちは自己決定能力を高めるとともに、結婚や性と生殖に関する健康・権利に関する理解を高めています。
今後、児童婚を撲滅するためには、こうした取り組みにさらに手厚い支援を行うとともに、法制度の改正が進められていく必要があります。
児童婚の問題は、経済的な問題というだけではなく、文化的・宗教的な問題でもあることから、特定の取組みだけで問題を解決することは困難です。
こうした問題を解決するためには、複雑に絡み合った問題に対して、より包括的なアプローチが重要です。
アフリカの妊産婦を救うために私たちも行動しよう!
アフリカの妊産婦を救うためには、特別な何かをしなければならないということはありません。私たちにも寄付という行為をすることで、アフリカの妊産婦たちを救うことができます。
各活動団体に寄付をすることによって、アフリカでは医療や教育施設が設置されたり、教育活動に使われたりします。
一人でも多くの人を救うためには、私たち一人ひとりのの寄付が大きな力となるのです。
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