オンライン授業

オンライン授業を受ける大学生の割合は?現状や課題についても紹介

2020年春、新型コロナウイルスの影響により、ほとんどの大学が臨時休校に追い込まれました。
学校側も生徒側も大きな痛手となり、学習がまったく進まない事態も予想されましたが、多くの大学がオンライン授業に切り替え、休校中にも学習を進めていきました。

この記事ではオンライン授業を受ける大学生の割合や現状、課題などを紹介します。

オンライン授業とは?学習スタイルの変化を知ろう

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大学におけるオンライン授業の実施率と現状


新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出自粛を要請、そして緊急事態宣言は日本社会全体に影響を与えました。
この影響は大学を含む教育に欠かせない学校も含まれており、臨時休校と授業開始時期の延期といった形で現れました。
多くの学生が4月から登校できず、学習が遅れる事態となったのです。当然大学でも、授業時間の確保が危ぶまれるなどの懸念がありました。

全国の大学において調査を行ったところ、2020年5月12日時点で、国公立、私立、高等専門学校を含め、全部で930校(86.9%)もの大学が開始時期を延期しました。
国立大学が78校(90.7%)、公立大学が87校(82.9%)、私立大学が715校(87.0%)、高等専門学校が50校(87.7%)という内訳です。

オンライン授業を実施あるいは検討する大学が急増

このような長期的な休校を含む社会全体への影響は戦後以来初めてということもあり、大学側は対応に追われました。
そこでオンライン授業を実施していく方針に切り替えた大学も多数あります。
延期をせずオンライン授業を実施するとした大学は全体で708校(66.2%)と増進し、6割以上の大学がオンライン授業へと切り替え、実施しています。

つまりは同じく6割程度の大学生がオンライン授業を受けていると推測されます。
そのうち国立大学が71校(82.6%)、公立大学が58校(55.2%)、私立大学が536校(65.2%)、高等専門学校が43校(75.4%)となっており、国立大学の多くがオンライン授業を実施する方向に舵を切ったことが伺えます。

また検討中としていた大学が全体で326校(30.5%)、実施予定がない大学が私立大学に12校(1.5%)あり、約3割はオンライン授業を受けていないと推察されます。
5月下旬から徐々に緊急事態宣言が解除され、6月には各地で小中高校などの分散登校も始まったことなどを受け、各大学も徐々に教室での授業に切り替えていく方針です。

  • 新型コロナウイルスの影響で、授業開始が延期され、学習が遅れる事態となった
  • 長期的な延期により、オンライン授業へと切り替える大学が6割以上に増加した
  • 6月には各地で小中高校などの分散登校も始まり、各大学も徐々に教室での授業に切り替えつつある
  • (出典:文部科学省「新型コロナウイルス感染症対策に関する大学等の対応状況について」,2020)

    大学におけるオンライン授業の実施で見えてきた課題

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    なぜオンライン授業の実施率が約6割に留まってしまったのか、どうして普及しないのか、そこにはいくつかの課題が見え隠れします。
    オンライン授業は大きく分けて2つのタイプがあります。それが同期型オンライン授業オンデマンド型授業ですが、どちらもメリットとデメリットがあります。

    例えば同期型オンライン授業では、双方向でコミュニケーションを取りながら授業を行うことから、従来の授業スタイルに似た形で指導、あるいは受講することができます。
    質問などもリアルタイムで行うことができ、意見交換や討論なども可能で、指導する側としてもこれまでとスタイルを変えずに授業ができるため、新たに準備するものが少なくて済みます。

    一方で指導する側、受講する側の双方がインターネット環境や機器を整える必要があり、コストがかかりやすいという課題があります。
    実際にこの形式を取り入れ、通常の授業時間に合わせてスケジュールを組んで授業を開始したところ、アクセスの集中によりシステム障害が起こるというトラブルが相次ぎ、一部の学生が授業を受けられないという事態に発展しました。

    想定していた負荷を超えていたことから、環境を見直す、使用するデータ量を削減するなどの措置を実施しなければいけなくなったのです。
    これまでの蓄積がない大学にとっては、このようなトラブルが起こることを懸念はするものの、コストや改善の負担が大きいことから、解決を先延ばしにしてしまうことから普及が進まないという実態もあります。

    従来からあるオンデマンド型授業でも課題が

    オンデマンド型授業においても、課題があります。同期型オンライン授業と異なり、オンライン上に映像や音楽などの教材を予め設置して、それを生徒が都合の良い時間に閲覧して、課題などに取り組む形で授業を行います。
    そのため、アクセス集中への対策もしやすく、時間にとらわれない学習ができ、機器も性能が高いものをそろえる必要がありません。

    他にも対面授業形式ではないため、出欠以外で授業評価をすることが難しく、受講する側の中には怠ける人も出てくる危険性があります。
    また、指導する側も通常の授業とはスタイルが異なるため、映像や音声、資料などの教材を新たに準備しなければならず、導入時の負担がかなり大きくなる可能性があります。

    オンライン授業全般に言えることは、インターネットを通して円滑な授業を行うスキルが指導側に求められていることから、学生の能力に大きな差が生まれてしまうことも懸念されています。

    このような課題から、検討段階で止まってしまう大学も一定数あることが伺えます。
    もちろん文部科学省から学生の通信の負担軽減や、大学側への支援などの環境整備も進められていますが、現段階では課題も解決するためには間に合っておらず、これらも普及を遅らせている原因の1つとなっています。

  • 同期型オンライン授業はリアルタイムで行えるがコストがかかる
  • オンデマンド型授業は時間などにとらわれないが指導側の負担が増える
  • インターネットでの授業スキルが求められるため、差が生まれる可能性が懸念されている
  • (出典:文部科学省「文部科学省 緊急経済対策パッケージ」,2020)

    オンライン授業で効率的な大学生の教育を

    日本の大学は新型コロナウイルスの影響により、オンライン授業を取り入れたところが多く、いくつかの大学は以前からオンライン授業を行っていました。すでにトラブルもなくスムーズに行えるようになっています。

    世界ではオンライン授業を行っている大学が多く、効率的な教育を進めています。
    日本では普及率が低かったため、新型コロナウイルスによる影響がなければ、オンライン授業の重要性に気付くことも、導入することももっと先になったかもしれません。
    世界の教育に後れを取らないためにも、そして教育の可能性を広げるためにも、今後のオンライン授業の活用や継続的な利用も検討していく段階に入っていると考えられます。

    同時に大学生自身も、活用できるオンライン授業をどんどん取り入れていき、効率的に自分の学力や能力を伸ばせるように取り組んでいくことをおすすめします。

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