オンライン授業

オンライン授業を受ける中学生はどれくらいいる?メリットや課題点とは?

日本の教育現場ではオンライン授業の導入が数年前から検討されていました。
それは中学校においても言えることであり、すでに実験的な授業を行っている学校もあります。
また、塾や習い事などでもオンライン授業を導入しているところがあり、実際に授業を受けている中学生もいます。

この記事ではオンライン授業を受ける中学生の現状やメリット、課題点などを紹介します。

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教育の変革をもたらすオンライン授業


現代はスマホやタブレットを含め、高速通信によるデータのやり取りがどこでも可能になりました。
その技術は様々な分野に応用され、教育の分野でもこの技術を活用した授業が生み出されました。
それがオンライン授業です。兼ねてからその存在はありましたが、最近は高速データ通信により、従来のオンライン授業とは異なる、新しいタイプの授業も可能となりました。

オンライン授業はこれまで当たり前に行われてきた教室での事業とは違い、時間や空間の制約を受けず、学習をすることができます。
言わば不可能を可能にした技術であり、教育に変革をもたらす存在でもあります。

海外ではいち早くこの魅力に気づき、導入してきた教育現場があります。
日本でも特定の大学では既に導入されており、検討していた教育現場も一定数ありますが、世界と比べると遅れ気味です。
昨今は新型コロナウイルスによる外出自粛により、臨時休校が相次いだことからオンライン授業に注目が集まり、導入が加速したという背景があります。

義務教育である中学校でも導入の動きが見られますが、実際にどれくらいの中学生がオンライン授業を受けているのか、その実態などを見ていきましょう。

  • オンライン授業は、いつでもどこでも学習をすることができる
  • 海外では早くから導入された学校がある
  • 新型コロナウイルスの影響により、オンライン授業の導入が加速した
  • 中学生のオンライン授業、受講事情とは


    オンライン授業は、様々な場所で行われています。昨今の新型コロナウイルスの感染拡大防止で注目されましたが、学校をはじめ、塾や家庭教師、習い事などでオンライン授業は実施されています。
    その人数や割合は把握はできませんが、所属している生徒の多くがオンライン授業による指導を受けている塾もあるようです。

    オンライン授業を導入している学校

    学校でのオンライン授業の普及はこれからであるという状況にあります。
    新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で臨時休校となった公立小学校、中学校、高等学校を対象とした文部科学省による調査で、休業中の学習指導についての内容がありました。
    それによると、オンライン指導を通じた家庭学習は1,213校中わずか60校(5%)に留まっています。こちらは中学校だけの調査ではないため、この中に含まれる中学校はさらに少ないと考えた方が良いでしょう。

    授業動画やデジタル教材を用いた家庭学習を行った学校は39%ほどありますが、複数回答であることから、5%がこの中に含まれている可能性もあります。
    従来の教科書や紙媒体の教材で家庭学習を行った場合、対面の指導ができないことから、大幅な学習の遅れが出ることが懸念されていましたが、実際に始業式の遅れや学習スケジュールなどにも影響がでました。

    オンライン授業は学習を遅らせず進めていくのに必要です。例え学校で授業を行えたとしても、オンライン授業を併用することで学習の幅を広げることができるため、普及していく学習方法の1つであると言えます。

  • オンライン授業を導入している塾などでは、受講している生徒が多いようである
  • オンライン指導を通じた家庭学習は1,213校中わずか60校になる
  • 今後もオンライン授業は、普及していく学習方法
  • (出典:文部科学省「新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した 公立学校における学習指導等の取組状況について」,2020)

    中学生がオンライン授業を受けるメリット


    オンライン授業は今回のような教室で授業が行えない状況に活用でき、学習の幅や生徒の可能性を広げることができるというメリットがありますが、他にも特筆すべき点はあります。
    文部科学省や総務省では教育ICT(情報通信技術)事業による、オンライン事業の導入を以前から進めていました。

    この事業により学校と学校をオンラインでつなぎ、意見交流を行うことでコミュニケーション力や論述力などを育む機会を設けています。
    遠隔地にいる人と意見を交わすことで、異なる価値観などに触れ、コミュニケーションをする場を増やすとともに、意見が少数派になっても根拠を元に意見を論じることができる姿勢などの育成ができるメリットがあります。

    専門家のオンライン授業を受けることができる

    接続先を教員にすることで、2人の教員が教室にいる状況を作り出し、グループ指導体制を行い、授業品質の向上ができるという利点があります。
    この接続先はALT(外国語指導助手)や外国人講師へと変更することもできるため、英語の授業においてネイティブな発音による聞き取りやコミュニケーションを、遠隔地にいる講師と行うこともできます。

    さらに、教室にいては実感できない職業の実態や、そこで働く人との意見交換などもオンライン授業で行うこともできます。
    このように、これまでできなかった授業の形をオンライン授業は可能にしてくれます。

    登校が難しい生徒にも役立つ

    新型コロナウイルスによる影響などのように、外出自粛要請などを出され、家庭学習を余儀なくされたときに予め環境が整っていれば、オンライン授業が可能だったわけですが、以前から不登校の生徒や病弱で学校になかなか来られない生徒にとってもオンライン授業が役に立ちます。

    教室に行って授業を受けることが難しいため、学習に遅れが出てしまいますが、オンラインで教室とつなぐことができれば、自宅や病室にいながら授業を受けることができます。

  • 他校との交流が深まり、視野が広がる
  • 専門的な知識がある人から直接話を聞くことができ、理解が深まる
  • 自宅や病院でも受講することが可能になる
  • (出典:文部科学省「遠隔教育システム活用ガイドブック」)
    (出典:総務省「中学における手が届く遠隔授業の実現」,2020)

    中学生がオンライン授業を行う上での課題


    オンライン授業には課題もあります。この課題が日本でオンライン授業がなかなか普及しない原因にもなっています。
    2019年に行われたオンライン授業に関しての調査とともに見ていきましょう。
    この時点で、1,815自治体の内、地域のすべての学校でオンライン授業を実施している自治体が36、一部で実施している自治体は248ありました。

    また地域の一部の学校で実施しており、他の学校でも実施したい自治体が115、地域内で実施している学校はないが、今後実施を希望している自治体が348という結果でした。
    このように既に実施している学校はまだ多くなく、しかしこれから実施する学校を増やしたいという自治体は一定数います。
    それでも普及が進まない、実施したいが実施できていない自治体は463も存在し、全体の25.5%を占めています。

    オンライン授業の普及が遅れる理由

    理由として挙がるのが、オンライン授業のノウハウがなく、どのように実施したらいいのか分からないという自治体が12.2%もありました。
    オンライン授業には事前準備に専門的な知識が必要なことも多く、導入しようにもどこから手をつけていいのか分からないという声が多いようです。
    また授業によっては、教員の負担が大きくなるとことから、二の足を踏んでしまうようです。

    もう1つの理由に、コスト面で断念している自治体が12.5%もあります。オンライン授業の準備にはインターネット環境や受講端末の用意など、多くのものを用意しなければならず、費用がかかります。
    加えて故障が起こったときには、修理費用とともに代替案なども用意しておかなければいけないため、そこで断念する学校や自治体もあります。

    そして普及が進まない大きな理由に、現状の学校教育に問題が無いなどの理由で、実施を希望していない自治体が1,068(58.8%)と約半数以上が、必要ないと考えていることにあります。
    新型コロナウイルスの影響でオンライン授業に注目が集まり、その重要性が高まったわけですが、危機的な状況に陥らなければ動けないと言うのは普及を妨げる大きな原因であり、課題でもあると言えます。

  • ノウハウがなく、実施方法が分からず導入できない
  • 教員の負担や、環境などの設備にかかる費用により、普及が難しい
  • 現状の教育に問題を感じておらず、実施を希望しない自治体が半数以上ある
  • (出典:総務省「遠隔教育の推進について」)

    オンライン授業で作る中学生の未来


    これまでの教育では1つの教室や学校での築かれるコミュニティの中での教育が限界でした。
    社会科見学や修学旅行など普段とは違った学習をする機会はあっても、それは限定的であり、現代における多様な価値観やコミュニケーション能力などが育ちにくい環境であったと言わざるを得ません。

    しかしオンライン授業が行えるようになったことで、様々な人との交流や意見交換ができ、多種多様な経験ができる機会を増やせるようになります。
    あるいは自宅にいてもサポートを受けられるようになり、学習格差を埋めていくことも可能です。

    課題はいくつもありますが、それを改善し、適切な指導が行えるようになれば、可能性を広げていけるでしょう。
    今後のオンライン授業の普及に期待が膨らみます。

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    この記事を書いた人
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