いじめ

いじめによる後遺症とは?どんな影響、克服方法があるの?

いじめが起こると被害者は心身に傷を負います。どれほどの傷になるのかは人それぞれ違いますが、一生消えない傷として残ることが多いです。
特に苛烈ないじめにあった場合、トラウマや後遺症となって立ち直れないほどの傷となることもあります。

この記事では、いじめによる後遺症とその影響や克服方法などを紹介します。

いじめとは?原因を知り、対策や支援に取り組もう

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いじめは子どもの正常な心身を壊す


いじめは学校や職場などコミュニティが発生する場で起こりやすく、特に自我や自立心が芽生える年頃の子どもたちに発生しやすい傾向にあります。
実際にいじめの認知件数を調べたとき、小学校での認知件数が中学校や高校、特別支援学校と比べても多く、なかでも2016年から2018年の調査ではどの年も小学2年のいじめの認知件数が、ほかの学年と比べても多いです。

小学1年から小学3年にかけていじめの発生件数は高く、その後は年齢を重ねるごとに減少していく傾向にあります。それでも心身が成長するときにいじめが起こることは、子どもたちの将来にも大きな影響を与えます。

いじめが長期化、または過激化していけば、対象となっている子どもは不登校や自殺にまで追い込まれることもあるため、文部科学省では重大事態として捉えられていますが、その発生件数は増加しています。
2018年の文部科学省の調査データによると、国公私立の小・中学校におけるいじめを理由とした不登校は1,037件(全体の0.6%)でした。
不登校全体の割合で見れば多くを占めていませんが、1,037人はいじめが原因で登校できず、学ぶことが困難であることは確かであり、心身の成長や将来への影響が懸念されます。

また、いじめが原因で自殺した子どもが中学で3人、高校で6人、合わせて9人というデータもあり、将来を担うはずの子どもの命が、いじめによって奪われているのです。
いじめが解消された例もありますが、いじめが解消すれば解決というわけではなく、いじめられた子どものその後の心身の影響、つまりトラウマや後遺症の問題が残ることが懸念されています。

  • いじめは学校や職場などコミュニティが発生する場で起こりやすく、特に自我や自立心が芽生える年頃の子どもたちに発生しやすい傾向にある
  • いじめが長期化、または過激化していけば、対象となっている子どもは不登校や自殺にまで追い込まれることもあり、これらを重大事態として捉えている
  • 2018年の文部科学省による調査では、いじめが原因で自殺した子どもが中学で3人、高校で6人、合わせて9人だった

(出典:文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」,2018)

いじめによる後遺症


いじめは身体的な傷などを与えられることもありますが、精神的な傷を与えられることの方が多いです。
実際にいじめの態様では精神的なものだと「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」ものや「仲間はずれ、集団による無視をされる」ものが発生しやすい傾向にあります。

身体的ないじめは「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩たたかれたり、蹴られたりする」と傷などが残りにくい行為に留まっていますが、行為そのものが精神にストレスを与えるものです。
また最近は、インターネットやSNSの発達・普及により「パソコンや携帯電話等で、誹謗・中傷や嫌なことをされる」といういじめも増加しています。
このようにいじめられる子どもは精神的に追い詰められ、体調不良や過度のストレスを感じ、心身に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

いじめにより精神にストレスが与えられることで、子どもの将来に悪影響を与える懸念もあります。
長期的に渡っていじめを受け続けると、後遺症としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する可能性が指摘されているのです。
また精神的なストレスからうつ病やパニック障害を起こすといった後遺症も発症することがあります。
これらの後遺症はどのようなもので、どのような影響があるのか、それぞれ見ていきましょう。

(出典:文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」,2018)

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

人は災害や事故、事件などの非日常的な事態に遭遇することで、心に強烈な衝撃を受けます。
自身の力ではどうしようもないような圧倒されるほどの衝撃的な経験が大きな傷、いわゆるトラウマとなって精神的あるいは身体的な問題を引き起こすことがあります。
PTSDとはこのようなトラウマを受けた後に心の傷が癒えず、後遺症として残ったものです。

子どもにとって、いじめも非日常的、かつ心に大きな傷を残す過酷な事態と言えるでしょう。
PTSDは単純性PTSDと複雑性PTSDに分類されますが、いじめのように反復し、一定期間繰り返し行われる体験により負った心の深い傷により発生するものが複雑性PTSDとなります。
もちろんPTSDかどうか、そして単純性なのか複雑性なのかは素人の判断ではなく、専門医の診断を受けて判断、治療してもらう必要があるため、子どもに異変を感じたら、すぐに専門の医療機関を受診することが大切です。

PTSDが発症するといくつか症状が現れます。その一つは、トラウマの原因を何度も思い出す、苦痛な夢として繰り返し見るといった「フラッシュバック」です。
またトラウマを思い出させるもの、トラウマに関する人物を避ける「回避」、不眠や怒りっぽい、集中困難、過度の警戒心などの「覚醒亢進症状」、現実感がない、記憶がないなどの「解離症状」などが現れます。

ほかにも、トラウマの出来事に蓋をして昔の記憶を一部失う、夜になると不安になる、自己嫌悪や自己否定感が高まるなどの症状も見られるのです。
PTSDになることで、人間不信や情緒不安定となってしまい、子どもがその先の将来を歩むために正常な生活を送れず、社会にも出て行けないといった問題も発生します。

うつ病やパニック障害

いじめによる後遺症として発症する病状としては、うつ病やパニック障害も挙げられます。

うつ病は、気分が強く落ち込み憂鬱になる、あるいはやる気が出ない、不眠、疲労感、倦怠感が現れる障がいの一つです。
うつ病性障害と双極性障害(躁うつ)の2種類に分けられますが、人間関係などが原因として発生することもあり、いじめによる後遺症と認定されるケースもあります。

またパニック障害は息苦しさや動悸、吐き気、めまい、急な発汗などに突然襲われる状態です。パニック障害のメカニズムや原因は完全に解明されていませんが、死の危機から生き延びるための反応として起こると見られています。
このような症状が過労や睡眠不足、ストレス、風邪といった環境や心身の不調などを引き金として、パニック発作を起こすとされています。

心筋梗塞などの症状にも似ていますが、診断を受けても異常はなく、場所を移動し、時間が経つと症状が完全に消えてしまう特徴もあります。
再び同じようなパニック障害に陥るかもしれない不安から、うつ病になることもある難しい不安症です。
いじめによる苦しみを受けたことで、発症する可能性があり、治療できるまでは不安に苛まれ、外に出ることも困難になることもあります。

  • いじめは身体的な傷などを与えられることもあるが、精神的な傷を与えられることの方が多い
  • 最近は、インターネットやSNSの発達・普及により「パソコンや携帯電話等で、誹謗・中傷や嫌なことをされる」といういじめも増加している
  • 長期的に渡っていじめを受け続けると、後遺症としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症、精神的なストレスからうつ病やパニック障害を発症することがある

いじめの後遺症に対する克服方法


いじめの後遺症に対する克服方法については、いじめの被害者自身の力だけで行おうとしないことが大切です。

精神的な後遺症は克服が難しく、1人では抱えきれないほどの苦痛や不安などが襲い掛かります。
そのため、いじめにあい、PTSDなどの後遺症を発症した、あるいは発症している可能性が少しでもあれば、医療機関や専門家の指導の下、治療していきましょう。

たとえ後遺症がなかったとしても、いじめを受けた後のケアは、将来に大きく関わるものです。
起こってしまったことをなかったことにはできないため、いじめを乗り越えられるよう、克服できるように周りがサポートする必要があります。

  • PTSDなどの後遺症を発症した、あるいは発症している可能性が少しでもあるのであれば医療機関や専門家の指導の下、治療していくことが大切

いじめによる後遺症を癒すために


いじめをする側がその行為を軽いものと思っていたとしても、いじめられた人の心は傷付き、それが酷ければトラウマや後遺症として、いつまでも苦しめ続けるでしょう。その影響は大きく、いじめられた人の日常と将来を根こそぎ壊してしまうことにもなりかねません。

いじめによるトラウマや後遺症を作らないために、いじめが起こらないように防ぐことが求められますが、完全になくすことは簡単ではありません。
そのため、いじめをなくす努力をしつつ、トラウマや後遺症を克服できる方法について、周囲の人が理解し、ケアや支援をしていくことを心がける必要があります。

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