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世界の子どもたちが教育を受けるために日本政府が取り組んでいることは?

この記事を要約すると

教育は子どもたちの未来の基盤となる大切な役割を担っていますが、2017年の時点で世界では6~14歳の1億2,400万人の子どもたちが学校に通えていません。このうち小学校へ通えていない子どもは約6,100万人にも及びます。

そしてその6,100万人のうち半数以上の子どもがサハラ以南のアフリカの地域に暮らしていると言われています。

その状況を少しでも変えるべく、世界が政府レベルで教育支援に取り組んでいるのです。それは、日本も例外ではありません。

日本は、一体どのような支援をしているのでしょうか?

(出典:日本ユネスコ協会連盟公式サイト)

世界で深刻な教育問題。各国の制度や男女格差、必要な支援について知ろう

世界では1億2,400万人の子どもが学校に通えていない


教育は、人間が尊厳を持って生きていくために必要です。
平和社会をつくるためにも欠かせませんし、継続的な経済を発展していくためにも大切な役割を担います。

そこで、国連は2015年に「すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」という目標のもとに、持続可能な開発目標(SDGs)を策定しました。

就学前教育から高等教育までを対象として、教育の質を保証することを目指しています。
国際社会は、「教育はすべてのSDGsの達成に不可欠」として、取り組みを強化しているのです。

世界では、未だに1億2,400万人の子どもたちが学校に通えず、そのうち約6,100万人は小学校へ行けていません。

(出典:日本ユネスコ協会連盟公式サイト)

その多くはアフリカをはじめとする途上国

十分な教育を受けられていない子どもたちが暮らしている国は、発展途上国ばかりです。

その半数以上が、アフリカのサハラ砂漠より南の地域と言われており、アフリカで教育の機会が奪われている背景には以下のような要因があります。

学校が近くにない

途上国では子どもの人数に対して学校の数が足りていません
1番近い学校まで数十km離れているケースは珍しくなく、子どもたちはその道のりを何時間もかけて徒歩で通っています。

この距離を通うとなれば、電車やバスなどが必要ですが、アフリカは交通インフラも整っていないため、徒歩で通うしかないのです。

毎日片道何時間も歩くのは子どもの体力では厳しいですし、その途中で、事故にあったり、自然災害で命を落とす子どもも少なくありません。その現状を変えるべく、学校を建設する支援も進んでいます。

教師が不足している

子どもの人数に対して、学校の数だけでなく教員も足りていません。
1クラスで教員一人に対し、何十人もの生徒を教える必要があります。

また、教師の質が高くないことも問題です。教師として子どもたちに教育を教える大人が、十分な知恵や知識を持っているとは限りません。

なぜなら、子どもの時に十分な教育を受けないまま大人になっている教師が多いからです。
子どもたちが受けられる勉強の質は高めるには教員の育成も必要となります。

勉強よりも労働

途上国の多くの場所では家事や幼児の子育ては子どもが担っています
貧困な家庭が多い途上国では、両親が揃って働いていることも多く、家のことや小さなきょうだいの世話などの労働をしなければなりません。

また、衛生的な水が確保できないため遠くの川や湖、池まで水を汲みに行く必要があります。水汲みにも一日何時間も費やす重労働なため、子ども達には勉強する時間も体力も残っていないのです。

女の子であることを理由に

貧困層が多い国では、女性よりも男性が優遇される慣習が多く残っています。
そのため、家庭が貧困な場合は女の子よりも男のを優先的に学校に通わせます。

なぜ、女性が教育を受けられないのかと言うと、「児童婚」の文化があるからです。
貧困層の女性は、体が未熟なうちから児童婚を強いられることがあるため、「女性に教育はいらない」という解釈が広まっているのです。

紛争・内戦の影響

学校に通えない子どもが暮らしている国では、戦争が長期化しているケースが多いです。
そのような国では、学校を訓練所や避難所に指定しています。

学校が頑丈に作られていることと、学校が町の中心部に位置しているのが理由です。
軍の訓練が行われているすぐ横で、子どもたちが勉強しています。

そんな最中、学校が攻撃されることがあり、子どもたちが命を落とす事例が後を絶ちません。

学校に通う途中や帰宅する途中で攻撃に巻き込まれることもあり、安心して学校に通える環境ではないのです。

すべての子どもに質の高い敎育を受けてもらうために日本政府が取り組んでいること


ユニセフの「世界子供白書2016」によると、子どもが教育を受ける期間が1年延びると、子どもたちが大人になった時の収入が約10%増加するといわれています。
また若者による学校教育履修期間が1年長くなると、その国の貧困率が約9%低下する見込みもあるのです。

女の子が教育を受けると、5歳未満児死亡率が経過するとも言われており、出生率の低下にも効果をもたらします。
そして、教育を受けた母親から生まれた子どもは、学校に通う可能性が高くなるというデータもあるのです。

このように、教育がもたらす可能性は計り知れません

そのため、今教育を受けられてない子どもたちにはいち早く教育を受けられるような取り組みを行わなければなりません。

日本は、60年以上にわたって世界の国々に教育支援を行っています。主な支援を以下にまとめています。
(出典:ユニセフ「世界子供白書2016」)

ニジェール「みんなの学校」プロジェクト

発展途上国である「ニジェール」も教育が行き届いていない国の一つです。
日本は「みんなの学校」というプロジェクトを通して基礎教育の質の改善を目指しています

このプロジェクトの特徴は、民主選挙を行って、学校運営委員会の委員を選出することです。
こうすることで、自分たちの代表を自分たちで選べるようにしています。

その結果、学校運営委員会が国民に身近な存在になり、学校と親をつなぐ役割を果たすようになりました。

さらに、「学校活動計画」も実施しています。

これは、学校に関連する問題を住民自ら発見して分析することで、解決策や予算について話し合う取り組みです。
こうすることで、学校を自分たちのものとして継続して運用することを目指しています。

さらに、住民が参加する州教育フォーラムの開催も実施。

  • 児童の基礎学力向上
  • 学校補助金の管理&運用
  • 地域教育開発

日本政府は、これらのプロジェクトを通して、約1万3千の小学校へ支援してきました。

その結果、年平均174時間の補習授業が行われて、全学年で児童の学力の正答率が向上したのです。

(出典:外務省公式サイト)

初等教育カリキュラム改訂支援

ミャンマーは、基礎教育の拡充が重要な課題となっており、学制改革や基礎教育行政の地方分権化
などの教育改革に着手しています。

日本は、それを後押しするために、教員研修などを支援してきました。主に、以下の項目において支援を行っています。

  • 新たなカリキュラム
  • 教科書や指導書の開発
  • 教員養成校教官などの人材育成

この支援を実施にあたり、日本の教科書会社とも連携して、日本の教科書会社が培ってきたノウハウを提供しています。

マレーシア日本国際工科院の整備支援

マレーシアは、産業界が求める知識を持った人材が不足しています。
そこで、日本政府は、高い生産性と競争力を有する人材育成を名目に、マレーシア工科大学の下に日本型工学教育を導入しました。主に、教育に必要な資機材の調達や教育課程の整備などを支援することで、マレーシアの経済向上と、最先端の開発技術を持った人材育成を目指しています。

パキスタンのノンフォーマル初等教育支援及び成人識字教育支援

パキスタンでは、基礎教育を受けていない子どもたちが全体の50%以上を占めています。
学校に入学したとしても、小学校卒業するまでに半数以上がドロップアウトしてしまう状況があり、そのうちの3分の2が女の子で、500万人以上もいるのです。

この数字は、世界的に見てナイジェリアの次に多いとされており、深刻な問題となっています。
そこで、日本政府は、「ノンフォーマル教育」支援しました。

これは、学校で学ぶ機会を逃してしまった子どもや成人を対象に学びの場を提供する活動です。主にカリキュラムの作成や評価手法の確立、教員研修の仕組みづくりなどを行っています。2013年時点で約18万人に教育を提供。そのうちの7割が女性です。

このような活動を行うことで、女性も勉強不足を取り戻すことができています。

国際機関との連携

日本政府が、世界規模の支援団体や国際機関と連携を組んで支援活動をしている実態もあります。
日本政府が連携を組んでいるのは、世界約190の国を対象にしている国際機関なので、活動は大規模です。
その分野は多岐にわたり、主に、教育、保健、栄養、水・衛生面、子どもの保護などを目指して連携を組んでいます。

教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)との連携

グローバル・パートナーシップ(GPE)は、教育支援のための国際的な資金調達メカニズムです。
61カ国の所得が少ない国に対して、資金援助を行うと同時に、教育関係者の育成も行っています。この取り組みに日本もドナーとして参加しており、連携を図っているのです。

世界中の子どもが質の高い教育を受けられる未来を目指そう


今回紹介したように、日本政府はSDGsが策定される以前から様々な形で世界の子どもたちに教育を提供を行っています。

SDGsが制定され、世界が一丸となって目標達成のために取り組みを行っていかなければならないいま、国単位の支援だけではなく、私たち個人がアクションを起こすことも重要です。

私たち一人ひとりができることとしては主に以下のことが挙げられます。

  • 教育に関する支援活動を行っている団体へ寄付・募金
  • ボランティア活動
  • 教育問題について情報を発信し支援の輪を広げる

個人では小さなアクションでも、多くの人がそれぞれアクションを起こせば、大きな力となり、問題解決に向けて大きな力になるのです。

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