令和6年(2024年)9月21日から23日にかけて、石川県能登半島で記録的な豪雨が発生しました。豪雨発生の9ヶ月前に地震が発生し、ようやく仮設住宅での生活を始めた人々が、再び避難所での生活を余儀なくされています。
このような状況をニュースなどで耳にし
「2024年元旦の地震に続く豪雨の被害で、不安な日々を送る人たちの支えになりたい」
考えている人もいると思います。
このような方に向け、本記事では以下の内容を紹介します。
- ・能登半島豪雨の寄付・募金先団体
- ・被害状況
- ・被災地で必要とされている支援
ぜひ、寄付先選びの参考にしてください。
本記事では、寄付先として、現地で支援活動を行うNPO団体を紹介しています。NPOへの寄付は、支援活動に使われます。被災者に直接お金を届けたい方は、義援金の受付団体へ寄付するとよいでしょう。
義援金受付団体についてはこちらの項目をご確認下さい。
>>支援団体以外の寄付先はある?
>>義援金と支援金の違いは?
能登半島豪雨の寄付・募金先団体を紹介!
ここでは、「能登半島豪雨の被災地のために寄付したい」と考えている方へ向けて、支援活動をしている団体を紹介します。寄付先選びの参考にしてください。
【寄付先1】特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)
AARでは9月22日より避難所や在宅避難者への炊き出しを開始するとともにニーズ調査を行い、飲料水や衛生用品、掃除用具などの緊急支援物資の配付を実施。
能登半島地震以降、支援を続けている障がい福祉施設や高齢者施設への新たな調査を行い、運営再開に必要な物資の提供や人的サポートを行っています。
また、技能実習生など、地域との交流がなく孤立しがちな外国人被災者に食料や飲料水の提供を行っています。
【寄付先2】一般社団法人 ピースボート災害支援センター(PBV)
ピースボート災害支援センター(PBV)は、元旦に発生した能登半島地震後から石川県珠洲市・輪島市にスタッフが常駐し、支援活動を続けてきました。
1歩1歩、復旧に向けて歩を進める中で発生した9月21日の豪雨。新たな被害が発生し、現地では「ダブルパンチ」「心が折れた」「笑うしかない」などの声が聞こえてきます。
ニーズ調査を行い、
・避難所の開設
・災害ボランティアセンターでのマッチング
・水や食料品、生活物資の配布
・通信環境の整備
・施設復旧の為の泥出し、清掃
などの支援を行っています。
被災された方が少しでも元気に、そして少しでも早く復旧ができるよう、支援活動を続けていきます。
【寄付先3】空飛ぶ捜索医療団(特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン)
空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”では、元日の震災当日の出動以来、緊急支援の後も石川県珠洲市にスタッフが駐在して、地域に寄り添う支援活動を続けてきました。
豪雨災害を受けては、直後に安否確認や避難所開設・物資支援などを開始し、市の要請で孤立住民のヘリコプター搬送も行いました。
これからも、避難者の戸別訪問などコミュニティ支援に力を尽くすとともに、給水、冬に向けた生活用品の配付など、必要な支援を届けていきます。
【寄付先4】認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン
ワールド・ビジョン・ジャパンは、輪島市で被災状況の聞き取りを行うとともに、水や食料、衣料品、おむつ、寝具、泥かき用の道具などを今必要な支援物資をお届けしました。
2月以降に、仮設住宅に入居される皆さまへ寝具を支援しましたが、豪雨により仮設住宅450棟で床上浸水の被害があったことを受け、再び寝具を支援する計画です。
子どもたちや人々が1日も早く日常生活と笑顔を取り戻すために、今後も石川県で活動を続けてまいります。
※写真は、ワールド・ビジョン・ジャパンスタッフ(左、中央)が輪島市の保育園を訪問し、被災した園児用の寝具、着替え、おむつ等をお渡しした時のもの(9月26日撮影)
【寄付先5】認定特定非営利活動法人カタリバ
カタリバは、元旦に発生した令和6年能登半島地震をうけて、1月4日より避難所で過ごす子どもたち向けの居場所の開設、子育て家庭向けの物品支援、受験応援奨学金など、能登の子どもたちの支援に取り組んできました。
今回発災した「令和6年9月能登半島豪雨」においては、常駐メンバーを中心に、被害状況および支援ニーズの現地調査・復旧支援を開始しています。
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<寄付の使いみち>
- ・現地の状況把握のための調査活動
- ・主に教育関連施設の復旧支援(物資提供やボランティアマッチング)
- ・子どもたちの居場所設置
東日本大震災や熊本地震、熱海市伊豆山土砂災害などでの支援経験を生かし、今後起きうることを一緒に考えながら、「いま子どもたちに必要な支援」を届けていきます。
令和6年9月 石川県の能登地方を豪雨が襲う
令和6年(2024年)9月21日から23日にかけて、石川県能登半島で記録的な豪雨が発生しました。台風14号から変わった温帯低気圧や活発な秋雨前線、線状降水帯の影響によるものでした。
石川県の奥能登地方(輪島市、珠洲市、能登町)には大雨特別警報が発表されました。
石川県管理の河川において、27河川で氾濫による浸水被害が、2箇所で堤防決壊が確認されました。また、広範囲で土砂災害が発生しました。
この豪雨は、同年元旦に発生した能登半島地震の復旧活動にも影響を及ぼしています。
能登半島豪雨の被害状況(2024年9月26日時点)
2024年9月26日現在の被害状況です。
【人的被害】
・死者:8人
・行方不明者:2人
・重傷者:1人
【住宅被害】
・床下浸水:2戸
・土砂による全壊:1戸
【避難の状況】
・避難所数:31か所
・避難者数:514人
能登半島地震の後に入居した仮設住宅が浸水し、避難している人たちもいます。
【孤立集落】
・輪島市: 3地区6カ所(西保、鵠巣、七浦)
・珠洲市 :3地区9カ所(上戸、若山、大谷)
・能登町 :1地区1カ所(北河内)
【道路状況】
・補助国道:1路線5区間において土砂流出や土砂崩れによる通行止め
・県道:28区間で通行止め(法面崩落 5、土砂崩れ 20、路肩崩壊 3)
【ライフライン】
・断水:5,069戸(最大時5,216戸)
・停電:1,400戸(最大時6,910戸)
また、一部のエリアで、インターネット回線と携帯電話回線に支障が出ています。
参考:内閣府 防災情報のページ「令和6年9月20日からの大雨による被害状況等について」
寄付金の使い道は?被災地で必要とされている支援を解説
支援団体への寄付は、被災地のニーズに沿って使用されます。
被害の状況やニーズの調査を行っている段階ですが、主に以下の支援が必要だと考えられています。
- ・飲料水と非常用トイレ
断水が続く地域が多くあります - ・物資支援
食料、衛生用品、清掃用品、医薬品、避難所で利用する段ボールベッドや簡易テント、避難所の子どもたちが遊ぶおもちゃ - ・医療支援
避難所や孤立集落の巡回、健康チェック - ・避難所運営
急遽開設された避難所の運営 - ・孤立集落に対する支援
ヘリコプターを利用した物資運搬や安否確認
これらのニーズに応えるための活動に、寄付金が使われます。
災害支援活動への寄付に関するよくある質問
災害支援活動への寄付に関して、よくある質問とその回答を紹介します。
支援団体以外の寄付先はある?
NPOなどの支援団体に直接寄付する以外に以下の寄付方法があります。
自治体に直接寄付する
被災地の自治体HPに寄付金受け入れの情報が掲載されています。多くの場合、銀行振込となります。
ふるさと納税
被災自治体へふるさと納税する方法と、「代理寄付自治体」へ寄付する方法があります。被災自治体の事務作業の負担を減らす目的で代理自治体が被災自治体へのふるさと納税を受け付けています。
共同募金や日本赤十字
赤い羽根共同募金や日本赤十字が義援金を受け付けています。義援金については「義援金と支援金の違いは?」をご覧ください。
クラウドファンディング
クラウドファンディングプラットフォームを使って寄付する方法です。NPOや個人が立ち上げたプロジェクトの他に、クラウドファンディングサイトがプロジェクト主催者となり、集まった寄付金を義援金として被災地に届ける場合もあります。
寄付金控除を受けられるって本当?
以下の条件を満たす寄付を行った場合、確定申告を行えば寄付金控除が受けられます。
- ・寄付先が寄付金控除の対象団体である
- ・2000円/年を超える寄付をした場合
詳しくは以下の記事で解説しています。
>>確定申告で寄付金控除を受けるには?必要な書類や申告の方法について解説
お金の寄付以外の支援方法は?
お金の寄付以外の支援方法の1つとしてボランティア活動への参加があります。
行政やNPOなどの支援団体がボランティアを募集しています。参加を希望する際は、日程や自己負担の範囲など、要項をしっかり確認しましょう。また、被災地の負担にならないよう、支援団体や自治体の決めたルールに沿って活動しましょう。
また、物資の寄付でも被災地を支援できます。
自治体やNPOが、飲料水や食品、毛布などの物品の寄付を受け入れる場合があります。ただし災害時は、現場が混乱状態になりがちです。寄付する場合は、支援団体や自治体の受け入れ状況をホームページ等でしっかり確認して寄付することをおすすめします。
上記のように被災地の支援方法はいくつかありますが、お金の寄付はオンラインで今すぐ行動に移せる支援です。寄付金は、支援団体が現地の状況やニーズに合わせて、迅速かつ柔軟に活用されます。
義援金と寄付金の違いは?
義援金は寄付金の一種です。義援金は被災地支援活動ではなく、被災者一人ひとりにそのまま金銭として分配されます。
被災者を直接支援したい場合、お勧めの寄付方法です。一方で、分配作業などの事務手続きに時間がかかるため、被災者に届くまで時間がかかるというデメリットもあります。
義援金について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>寄付とは?寄附や募金、義援金との違い、寄付金控除のメリットを解説【専門メディア】
能登半島豪雨の被災者への寄付は今すぐ簡単にできる
本記事では、能登半島豪雨の寄付先や被害の状況、寄付の使われ方を解説しました。
記事の内容をまとめます。
- ・地震からの復旧途中ということもあり、被害は拡大している
- ・被災地では、支援団体が現地のニーズに応えながら活動をしている
- ・支援団体へのお金の寄付は、今すぐオンラインで行動に移せる支援
お金の寄付、物資支援、ボランティアなど被災地のためにできる活動は様々です。その中でもお金の寄付はオンラインで今すぐできます。
「能登半島豪雨の被災者が早く安心できる日々を送れるようになって欲しい」
と考えている方は、ぜひ紹介した団体の活動について確認してみてください。
能登半島が地震および豪雨から復興するには長い時間を擁します。以下の記事では、災害被災地の復興支援のために私たちができることを解説しています。
>>災害被災地の復興支援のためにできること。支援活動の種類やおすすめの寄付団体も紹介
大雨はどの地域にでも起こり得る災害です。自分自身の備えも確認しておきましょう。以下2つの記事では大雨による災害への備えや、身の守り方を解説しています。
>>大雨・集中豪雨による災害に備えて行うべき対策とは
>>大雨による災害の被害とは?洪水・土砂災害から身を守るためには
2024年1月1日に発生した能登半島地震の被害状況についてはこちらの記事で解説しています。
>>能登半島地震の被害状況まとめ 地震と津波の概要や特徴も解説