「孤児に寄付をしたい。けれど、どんな方法があるのか分からない」という人もいるのではないでしょうか。
厳密にいうと日本に孤児院はもう存在しません。法改正により、「孤児院」はすべて「児童養護施設」という名称になっています。児童養護施設では孤児院同様、養育してくれる親族がいない子どもや、様々な理由から親や家族と暮らせない子どもたちが暮らしています。
そこでこの記事では、さまざまなNPOに詳しい寄付アドバイザーの河合氏の監修のもと「日本の孤児院・児童養護施設の子どもに寄付したい人」のために寄付先の選び方をガイドしていきます。
具体的には
- 児童養護施設へ寄付する方法
- 子どもへ寄付できる支援団体
- お金以外に寄付できるモノ
の順番に紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
【孤児院・児童養護施設の子どもに寄付できる団体】
孤児院・児童養護施設など子どもへ寄付できるNPOを3つ紹介!
ここでは「孤児院や児童養護施設にいる子どもへ寄付したい」と考えている方へ向けて、寄付アドバイザーの河合さんのおすすめコメントとともに、支援している4つの団体を紹介します。
【寄付先1】一般社団法人日本児童養護施設財団:団体ならではの活動に強み
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 現場からの要望や事業の安定のため、寄付を募り財団職員の雇用をめざす(寄付が集まらなかった場合は雇用をしないという覚悟)
- ボランティアとしての活動からの転換をめざす
- 業界初の職員の声を「カタチ」にした全国児童養護施設総合寄付サイトをつくったり児童養護施設の子どもたちのクリスマスを応援する「あしながサンタ」など団体ならではの活動
児童及び児童福祉施設を取り巻く環境調査・研究や自立支援事業を行い、非行に走らないための意識改革などを行っています。
「将来の夢(職業観)をもっていただけるような豊かな育成環境を築くこと」を目的に活動を続けています。
【寄付先2】認定NPO法人ブリッジフォースマイル:児童養護施設のいまが分かる情報を発信
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 「子どもを取り巻く環境」「児童養護施設の現状」「施設を退所した子どもたちが困ること」など、”児童養護のいま”、がわかる情報発信をウェブサイトでしている
- 子どもたちのニーズを汲みながら提供するプログラムの種類も積極的に広げ、受益者も増加、支援の輪も着実に広がっている
- 児童養護施設などで暮らす子どもたちが、安心して社会に巣立ち、笑顔で暮らしていくための生活必需品を寄付で仲介する「トドクン」はユニーク
児童養護施設を出て、自立を迫られる子どもたちを対象に「巣立ちプロジェクト」「ネットワークづくり」などを行っています。
「子どもたちがどんな環境で生まれ育っても、夢と希望を持って笑顔で暮らせる社会」を目指しています。
【寄付先3】認定NPO法人 Learning for All :包括的な支援に特徴あり
Learning for All はこんな人にオススメ!
- 質の高い学習支援をこどもたちに届けたい!
- 全国のたくさんの子どもの役に立ちたい!
- 専門家やメディアの評価が高い活動を支援したい!
Learning for All は、さまざまな理由で生きづらさを抱える子どもたちに学習支援、居場所提供、食事提供などを行いながら、保護者たちのサポートも行っています。さらに、支援のノウハウを展開したり、ノウハウを共有するしくみを構築しています。
ノウハウ展開事業や普及啓発活動に力を入れているその背景には、「ひとつの団体だけで日本全国の子どもたちを救うことはできない」という思いが込められています。
活動を通して「子どもの貧困の本質的解決」を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ
- 困難を抱えた子どもたちへの包括的支援、人材育成、普及啓発・アドボカシーの活動に特徴
- 「月1,000円で一人の子どもに1時間分の勉強」など、寄付金でできることが分かりやすい
- 企業、自治体などのパートナー、学生ボランティア卒業生のアラムナイ(同窓会)といったコミュニティの存在
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】Learning for All の気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>Learning for All に関する記事一覧はこちら
このように考えている方は、この機会に遺贈寄付を考えてみませんか?
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孤児院や児童養護施設へ寄付する2つの方法
児童養護施設に寄付する方法は2つあります。
- 児童養護施設へ直接届ける方法
- NPO法人などの支援団体を通して寄付する方法
それぞれどのような違いがあるのか、詳しく解説していきます。
1.孤児院や児童養護施設へ直接届ける
あなたが支援したい児童養護施設へ、直接寄付できます。寄付したい児童養護施設がまだ決まっていない人は、全国児童養護施設協議会が公表している「全国児童養護施設一覧」から探すという手もあります。
また施設によっては、Amazonの欲しいものリストで寄付して欲しい物を公開しているので、そちらから寄付するのも一つの手です。
2.支援団体を通して寄付を届ける
寄付したい特定の児童養護施設がない場合は、児童養護施設を支援している団体を通じての寄付も可能です。支援団体によっては、毎月定額をクレジットカードから引き落とし、継続的な支援ができる団体もあります。
団体によって取り組んでいる支援活動は多少異なりますので、寄付したらどのように利用されるのか確認しておくと安心です。支援団体の活動内容は、各公式サイトを見てみると簡単に確認できます。
それでは、どのような団体が子どもの支援を行っているのでしょうか。児童養護施設などを支援しているNPOは以下をご確認ください。
>>孤児院・児童養護施設など子どもへ寄付できるNPOを3つ紹介!
孤児院・児童養護施設へモノを寄付できる?
ここでは、児童養護施設へのお金以外の寄付についてお伝えします。
- ・モノの寄付もできる
- ・食料の寄付を受け付けているところもある
- ・モノや食料を寄付するときに注意したいポイント
児童養護施設には、現金だけでなく物品の寄付もできます。特に日用品や消耗品など、毎日使う物を必要としている施設も多いです。
それではどのようなモノが寄付できるのかお伝えしていきます。
モノの寄付もできる
寄付できるモノとして、以下のような品物があります。
【寄付できるモノの例】
- ・日用品・消耗品
- ・家電製品
- ・衣類
どんなモノを寄付すればいいか分からないときは、自分たちが日常生活で必要なモノを想像してみるといいかもしれません。
洗剤やトイレットペーパーなど、毎日使用する消耗品。一般家庭よりも使用頻度が高いため、壊れやすい掃除機や洗濯機などの家電製品。子どもは成長が早く、すぐにサイズアウトしてしまう洋服など、毎日の生活に欠かせない商品が特に好まれる傾向にあります。
ただし、施設や団体によってはモノの寄付を受け付けていない場合もあります。
寄付できるモノを必ず確認してから持参すると安心です。また施設によっては、Amazon欲しいものリストを公開しています。現金でなくモノを送りたいときは、Amazon欲しいものリストも参考にしてみてください。
食料の寄付を受け付けているところもある
児童養護施設や支援団体によっては、食料品や調味料などの寄付も受け付けています。ただし子どもたちの口に入る物なので、製造者がわかっていること、製造日時か賞味期限がわかっている必要があります。
施設や団体によって受け付けているモノは異なりますので、各施設の公式サイトや問い合わせ窓口で確認しましょう。
モノや食料を寄付するときに注意したいポイント
児童養護施設では、どんな品物でも受け取れるわけではありません。モノや食料を寄付するときには、基本的に未使用品が対象となります。
開封済みのお菓子や汚れた古着は衛生上の心配があるため、寄付として受け取ってもらうのは難しいです。また、次のモノも寄付できない可能性があります。
- ・手作りの品
- ・賞味期限が分からない食料品
- ・中古の家財 など
モノや食料品を寄付する場合は、子どもたちの健康面や安全性に配慮するようにしましょう。
ここまで、児童養護施設の寄付先や、お金以外のモノでも寄付できることが分かりました。最後に、児童養護施設へ寄付する際に抱きやすい疑問をまとめます。
孤児院・児童養護施設へ寄付するときのよくある3つの疑問
児童養護施設に寄付したい人が疑問に思うことをまとめました。
- 匿名で寄付できる?
- 使い終わった子ども服を寄付できる?
- 孤児院や児童養護施設へ寄付すると確定申告が必要?
以上3つの疑問について、詳しくお伝えしていきます。
1.匿名で寄付できる?
多くの施設や団体では、匿名で寄付が可能です。
ただし、寄付先によっては匿名での寄付を受け付けていないこともあるので、気を付けてください。匿名可能かどうか事前に団体へ確認しておくと、安心して寄付できます。
2.使い終わった子ども服を寄付できる?
古着でも寄付することはできます。ただしシミや穴など、目立つ汚れがある場合は受け付けてもらえないこともあります。
寄付先の条件をよくチェックしておきましょう。
3.孤児院や児童養護施設へ寄付すると確定申告が必要?
寄付金控除を受ける場合は確定申告が必要になりますが、控除を受けない場合は必要ありません。
ただし、寄付金控除を受けると所得税や住民税の軽減に繋がるため、確定申告を検討するのも一つの選択肢です。「寄付金控除って何?」「確定申告した方がお得なの?」という人は、以下の記事で解説しているためご一読ください。
寄付を通じて孤児を支援できる!
今回は児童養護施設に寄付する方法についてお伝えしました。ここで記事の内容をまとめます。
- ・児童養護施設へ直接寄付する、支援団体を通じて寄付する方法がある
- ・お金以外にも食料品や古着を寄付することも可能
- ・お金以外のモノを寄付する際は、各施設・各団体の決まりを確認する
孤児への寄付は、児童養護施設へ直接モノを贈ることもできますが、場合によっては現場でうまく活用できないこともあります。寄付を喜んでもらうために、子どもたちにはどんな支援が必要なのか、児童養護施設や支援団体に確認するのがベストです。
「孤児院・児童養護施設の子どもに寄付したい」と考えている方は、この機会に気になった団体をチェックしてみてはいかがでしょうか。
▼孤児院や児童養護施設などの子どもへ寄付できる団体
団体名 | 寄付アドバイザーが見た注目ポイント |
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Learning for All | ・困難を抱えた子どもたちへの「学習支援」と「居場所支援」を軸にした包括的支援が特徴 ・寄付金でできることのわかりやすさ(月1,000円で一人の子どもに1時間分の勉強、月3,000円で1日分、月10,000円で高校進学) ・企業、自治体など子どもの貧困を本質的に解決するためのパートナーや学生ボランティアの存在 |
記事の内容は以上です。もし、今あなたが
「どの団体に寄付するか決めかねている・・・」
「寄付先の選び方を知りたい・・・」
とお思いなら、寄付アドバイザーが「あなたに合う寄付先の選び方」を解説する人気記事をおすすめします。
気になる方はぜひ以下のリンクからどうぞ!
寄付先のおすすめNPO団体は?失敗しない選び方を専門家が徹底解説!
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。