森林火災

森林火災を鎮火するためにどんな消化方法が行われる?

森林火災は日本をはじめ、世界の様々な国や地域で発生しています。日本でも昔から森林火災が起こっており、大規模なものも発生したことがあります。
そういった経験から、火災が発生してしまったときには早期に鎮火できる方法や対策が取られています。
この記事では森林火災を鎮火するための消火方法や対策などを紹介します。

森林火災とは?地球温暖化との関係や発生の原因について解説

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森林火災の広がり方と分類


森林火災とは、発生した火が山や森林で広範囲にわたって燃え広がり発生する火災のことを言います。山火事や山林火災、林野火災とも呼ばれますが、その原因は自然発火人為的要因のいずれかが該当します。

自然発火では落雷や、高温・乾燥した環境下で枯れ葉などが摩擦によって着火し、周りに引火していくことで起こります。

しかしこれらの原因で起こる森林火災は稀であり、大半は人為的要因だとされています。

焚き火や火入れ(野焼き)、たばこなどが原因となって、草木に火がつき燃え広がって森林火災になります。
こういった原因で起こる森林火災ですが、燃え広がり方は延焼、燃焼形態、被害程度などで4種類に分けることができます。それが地表火、地中火、樹冠火、樹幹火の4つです。

地表火

地表火とは地表を覆っている枯れ葉や枝、枯れ草などが延焼することであり、風の影響を受けやすいことから、延焼速度は通常時で4~7km、強風時や登り斜面では時速10kmの早さにもなるのが特徴です。
鎮火直後の立ち木は健全に見えますが、樹木にも被害は出るため、特に幼齢造林地では枯死に至ります。

地中火

地中の泥炭層などの有機物に引火して燃え広がります。延焼速度は遅く、火力も強くはないのですが、地表に出ていないことから消えにくく、数ヶ月に渡り燃え続けることもあります。
日本では北海道で稀に起こりますが、基本的に発生例は少ないです。

樹冠火(じゅかんか)

樹木の先端部分が燃えるものであり、地表火から燃え移ることが多く、針葉樹林で多発します。延焼速度は時速2~4kmと遅いですが、強風時には時速15kmにもなるのが特徴であり、広く拡大しやすくなります。主な森林火災はこれにあたり、樹木はほぼ確実に枯死します。

樹幹火(じゅかんか)

樹木の幹が燃えるもので、地表火から幹に移る、あるいは樹冠と共に起こり、これもほぼ確実に枯死します。樹幹火から樹幹火のように燃え広がることはありません。

  • 森林火災は山火事や山林火災、林野火災とも呼ばれ、その原因は自然発火と人為的要因のいずれかが該当する
  • 自然発火の森林火災は稀であり、大半は人為的要因だとされている
  • 森林火災の燃え広がり方は延焼、燃焼形態、被害程度などで4種類に分けられ、地表火、地中火、樹冠火、樹幹火の4つに分けることができる
  • (出典:消防庁「林野火災の飛火延焼に関する研究」)
    (出典:宮城県「林野火災による被害材の利用可能性について」,2016)
    (出典:愛媛県「6林業」,2016)

    森林火災を鎮火させるための方法は?


    森林火災はひとたび起こると、早期に消火を行わなければ広く燃え広がる可能性が高いと言われています。

    上記のように地表火や樹冠火は風の影響を受けることで燃え広がりやすくなります。
    そしてフェーン現象による高温で乾燥した風が吹けば、より燃え広がりやすくなるばかりか、火の粉を飛散させるため、これまで森林火災が起こっていた場所とは違うところから出火する可能性も高くなります。

    火災は森林だけでなく、家屋などにも及ぶ可能性が十分にあります。

    このような状況になる前に鎮火させなければならないのですが、そのために行われている消火方法や森林火災を広げないための対策が施されています。

    ヘリコプターや消防車を活用

    日本の消火活動ではヘリコプターを使った空中消火が行われています。都道府県や防災機関が保有するヘリコプターを用いて、上空から消火剤を撒くことで鎮火を行います。

    しかしこの方法では上空から広い範囲に散水や消火剤を撒くことはできても、地表近くの火には効果を発揮しない可能性もあり、効果的とは言えません。

    そこで地上からは消防車を導入し、消火活動を同時進行で行います。こうする事で上空と地上、それぞれから森林火災現場での消火活動を迅速かつ効果的に行うことができます。

    しかしこの方法はあくまで早期鎮火に使用できる方法であり、大規模な森林火災になるとあまり意味がありません。
    2002年に岐阜県各務ヶ原市で起こった森林火災では、出火直後に強風に煽られ、一気に大規模化してしまいました。

    この森林火災は約1日で鎮火したものの、被害面積は410ヘクタールと東京ドーム87個分にもなる面積が焼失してしまいました。

    このとき防災ヘリも投入されましたが愛知県や名古屋市、石川県、福井県、滋賀県などを含め計7機の防災ヘリによる散水が計535回、さらに自衛隊ヘリも5機出動して空中消火を148回行っています。

    また消防機関からも延べ2,416人の人員、陸上自衛隊も10師団を導入してやっと消し止められました。
    岐阜県の中でも過去最大、日本全国で見てもかなり大規模な森林火災として記録に残っています。

    このように大規模化してしまうとヘリコプターの空中消火による鎮火は効果が薄く、時間がかかることが分かります。

    海外では消防機を導入

    ポルトガルやスペイン、イタリア、フランス、ギリシャは森林火災が多い国ですが、大規模な火災が起きやすいことから、ヘリコプターではなく消火機と呼ばれる専用の大型飛行機を導入して鎮火にあたっています。

    消火機は湖などの水源に飛び、着水して取水しながら滑走して、必要量を積載したら森林火災現場まで飛んで散水を行うという作業を繰り返します。

    ヘリコプターより積載できる水が多いことから、広範囲に大量の散水ができることから、ヘリコプターよりも効果の高い消火が行えます。

    森林火災への対策

    消火活動が早期に行われていることによって、日本では大規模な森林火災があまり起きていない現状があります。

    発生する可能性はあるので、対策として、森林火災を広げないための工夫も為されています。
    例えば植栽を行い、燃え広がらないよう周辺の樹木の本数や環境を計算に入れた上で、予め伐採して整理し、さらに防火性の高い樹木を植えることで燃え広がりにくくしています。
    さらに森林火災が起こったとしても延焼被害を食い止めることができる帯状の防火帯を設置することで、対策を行っています。

    他にも関係者で協力し、監視パトロールの強化や、人為的要因による森林火災を防ぐために防災意識を高めるための啓発活動など行われています。

  • 森林火災は早期に消火を行わなければ広く燃え広がる可能性が高いと言われている
  • 日本は早期鎮火として、ヘリコプターを使った空中消火と消防車の同時進行で消火活動を行うが、大規模な森林火災になると効果が薄い
  • 海外の森林火災が多い国では、大規模な火災が起きやすいことから、消火機と呼ばれる専用の大型飛行機を導入して鎮火にあたっており、ヘリコプターよりも効果の高い消火が行える
  • (出典:岐阜県「岐阜市東部・各務原市林野火災(2002年(平成14年)4月5日、6日)」)
    (出典:総務省消防庁「林野火災対策」,2018)

    私たちができる森林火災対策


    森林火災の大半は人為的要因によって起こります。これは山や森林で活動する私たち自身が気を付けていかなければ、森林火災は減らないということになります。

    そこで私たちができる森林火災への対策も知り、実践していくことが大切です。

    例えば枯れ草や枯れ葉がある場所で焚き火をしないことも1つの対策です。これにより地表火による火災を防ぐことができます。

    また焚き火など火気の使用中はその場を離れず、使用後は完全に消火することも重要です。
    強風や乾燥しているときには焚き火や火入れをしないこと、火入れの際には許可を得ることも徹底してきましょう。

    たばこも指定された場所で喫煙し、吸殻は必ず消して投げ捨てを行わないことも対策になります。

  • 森林火災の大半は人為的要因によって起こるため、山や森林で活動する私たち自身が気を付けていかなければならない
  • 枯れ草や枯れ葉がある場所で焚き火をしないことも1つの対策
  • たばこも指定された場所で喫煙し、吸殻は必ず消して投げ捨てを行わない
  • (出典:農林水産省林野庁「山火事予防に当たって注意することは?」)

    森林火災を起こさないための行動を


    森林火災は多くの人々のたゆまぬ努力によって大規模になる前に鎮火され、被害も大きくならないように対策が取られています。

    しかし状況によっては防ぎきれず大規模になってしまうことがあり、そうなると鎮火には非常に多くの時間と人員が必要となります。

    消火活動による鎮火も重要ではありますが、何よりも森林火災を起こさないための取り組みを、消防関係の人たちだけでなく、山や森林を利用する私たち自身がしていかなくてはいけません。

    どの取り組みもすぐにできるものばかりなので、今日から防災の意識を持って実践していきましょう。

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