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SDGsが目指す「住み続けられるまちづくり」とは?達成するための課題や取り組み

この記事を要約すると

SDGsが目指す「住み続けられるまちづくり」を進めるためには、今後の課題を正確に理解し、今後の取り組みについて考える必要があります。
この記事では、「住み続けられるまちづくり」を進めるために、日本ではどのようなことが行われているのかについてわかりやすく解説します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」のターゲットや現状は?

日本の都市化の現状は?


日本では、首都圏・中京圏・近畿圏が3大都市圏と言われています。

東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県を含む首都圏のほか、愛知県・岐阜県・三重県を含む中京圏、大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県を含む近畿圏は大きな都市圏を形成しています。

これらの都市圏においては、1970年代半ば以降、転入超過が鈍化している一方で、東京圏においては一時期を除いて引き続き大幅な転入超過が続いています

(出典:総務省公式サイト)

日本の都市化、今後はどうなる?


こうした都市圏以外の北海道、東北圏、中国圏、九州圏の各ブロック全体では転出超過傾向である一方、札幌市、仙台市、広島市、福岡市では転入超過傾向となっています。

また、三大都市圏以外の都市圏においても、都市部への人口集中の状況が続いているのが現状です。
今後も、こうした都市部への人口集中は続き、国土構造の都市化は引き続き進んでいくと考えられます。

東京への一極集中が懸念されている

こうした状況のなかで、3大都市圏および東京圏の人口が総人口に占める割合の上昇は今後も続き、その増大のほとんどは東京圏の割合が増えることによるものと予測されています。

戦後一貫して東京圏を含む関東への人口集中は続いており、今後も続くことを鑑みると、人が住まない地域が増え、東京一極可の傾向がみてとれます。

(出典:総務省公式サイト)

日本の都市化による問題とは


今後、日本の都市化によって様々な問題が生じることが懸念されています。
以下では、それぞれの問題について詳しく説明します。

環境に関する問題

都市化に伴い、環境に関する問題としては以下のような問題が生じると考えられています。

ヒートアイランド

ヒートアイランド現象とは、都市の気温が周囲よりも高くなる現象のことを言います。

都市がなかったと仮定した場合に観測されるであろう気温に比べ、都市の気温が高い状態を指し、関東地方の場合は東京都市圏を中心に高温域が広がっているのが現状です。

都市化の進展に伴いヒートアイランド現象は顕著となりつつあり、熱中症などの健康に対する被害や感染症を媒介する蚊の越冬といった生態系の変化が懸念されています。

ヒートアイランド現象を防ぐためには、都市の熱環境容量と都市内に存在する河川、緑地等の自然要素がどのように関わるかを知り、建築個々の対策と共に都市全体のスケールでヒートアイランド低減策を講じていく必要があります。

また、大規模な緑地の側の市街地であれば、緑地内の冷気が流出することによって気温の上昇が抑えられるため、広域的な大規模緑地を保全・整備していかなければなりません。

さらに、現在の建物の建て方を変え、冷たい海風を都心に通すような自然環境を活用することでも、都市環境の改善が可能であると考えられています。

緑地の減少・荒廃

現在、宅地開発等によって都市化が進展し、また管理者等が不足していることによって、大都市近郊の緑地が減少・荒廃しています。

緑地が不足すると、上で説明したヒートアイランド現象が進んでいく可能性があります。
したがって、今後は、水辺空間と緑地を保全・再生することを最重要課題とし、緑地を近郊緑地保全制度のような手法で守っていかなければなりません。

エネルギー大量消費

さらに、都市化の進展は、エネルギーの大量消費を招く可能性があります。

大都市圏では人口が増加するための、その分エネルギーが必要です。
都市化が進むにつれて、公共交通機関などの整備も進み、大量のエネルギーが消費されるようになります。

こうしたエネルギーの大量消費を防ぐためには、生活に必要な諸機能が近接し効率的・持続可能なコンパクトシティをいくつも作り、数箇所に機能を分散していくことが重要であると考えられています。

廃棄物処理

都市に人口が集中するようになれば、大量の廃棄物の発生に対して、広域処理の枠組が必要となります。
廃棄物の処理は、個人だけの問題ではなく、企業でも取り組んでいかなければなりません。

産業界は、引き続き循環型社会形成に向けて、産業廃棄物最終処分量の削減をはじめ、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進に取り組んでいかなければなりません。

排ガス等による大気汚染

さらに、排ガス等による大気汚染が深刻化する可能性があります。
例えば、慢性的な交通渋滞などによる交通公害への対策が必要となります。

交通量が極めて多い一部の局地では、長期間にわたって環境基準未達成の状況が続いているなど、現在でも問題は深刻です。

こうした問題を解決するためには、自動車に係る対策に加え、都市構造及び道路構造の改善のような抜本的な対策が必要です。

(出典:総務省公式サイト)
(出典:国土交通省公式サイト)

人口減少・高齢化に関する問題


都市化に伴って生じるのは環境に関する問題だけではありません。
人口減少・高齢化に伴う問題も生じてくるようになります。

以下では、これらの問題について説明していきます。

都市の縮退

少子高齢化や都市化が起きると、既存の都市のなかでも衰退していく都市が出てきてしまいます。

特に、こうした都市の衰退は、広範囲に拡大した大都市圏において顕著です。
したがって、空地・空家が増大する郊外住宅地では、隣地の買い増しや住宅地内での移転などを促進することで、敷地面積をゆとりある規模に拡大し、豊かな住環境を実現する方向についても考えなければなりません。

今後は、空地・空家を集約していくことで、積極的に市街地に縮減を実現し、自然環境を回復するような事業の方策を模索していく必要があります。

オールドタウン化

かつての都市の中にも、都市環境の整備が十分ではない地域が存在します。

そのような地域については、今後、新たな開発を施すなどの施策が必要です。
こうした地域が住みやすい地域となるように、空き地、空き家、空き店舗、遊休化した公共施設、公園などの既存ストックを、居住者のニーズに即して柔軟に活用する方策を検討する必要があります。

孤独死、防犯・防災性の低下

現在、大都市圏は地方圏と比較すると高齢者単身世帯の割合が高くなっており、高齢者単身世帯の増加に伴い、孤独死、防犯・防災等の方策が今後考えられなければなりません。

特に大都市においては、今後高齢者の急増が見込まれるものの、高齢者人口あたりの入所介護施設の整備率が低いなどの問題を抱えています。

こうした問題を解決するためには、今後、高齢者世帯をどのように支えていくかについて検討を重ねる必要があります。

医療、介護施設等の不足

今後、都市部においても高齢化が進んでいくことが予想されています。
しかしながら、高齢者に対して十分な医療や介護を提供するための施設が不足しているのが現状です。

こうした現状を解決するためには、医療機関や介護施設を単に増やすだけではなく、施設の充実や人材の育成なども急務です。

子育て環境の向上

都市部に人口が増加したために、保育所の待機児童問題や長距離通勤が大都市圏において特に顕著な問題となっています。

しかし、大都市圏においては用地を確保したり、費用負担の問題があるため、なかなか対策が進んでいません。こうした状況を改善するためには、子育て世代に対するより多くの補助が必要となります。

(出典:総務省公式サイト)
(出典:国土交通省公式サイト)

日本に住む私たちにできることを考えよう


日本に住む私たちにとって、日本の都市化の問題を避けることはできません。

日本には都市化に伴う問題はすでに顕在化しており、取り組まなければならない課題が多くあります。

今後も、都市化が進んでいけば、問題はより深刻になる可能性があります。
まずは日本に住む私たち一人ひとりがきちんと問題を理解し、行動にうつしていくことが大切です。

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