つくる責任つかう責任

SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」達成のため食品ロスについて学ぼう

人が生きるためには食事をしなければならず、そのための食材を農業や畜産などで得ています。
それらの食材は無駄なく調理され、私たちがすべて食せればいいのですが、実際には様々な要因で食品が廃棄されてしまう現実があります。
これは世界的にも大きな問題となっており、討議や対策が講じられています。

国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、目標12「つくる責任 つかう責任」と11つのターゲットを掲げており、この目標達成のためには、食品ロスを減らすことが必要になっています。

この記事では世界で廃棄されている食品ロスについて紹介します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲットや現状は?

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増え続ける食品ロス

私たちは日々生きるために食事をします。朝食から夕食まで3食しっかり摂る人や、朝食を抜く人、夕食しか食べない人と摂り方はそれぞれですが、いずれも食材を購入して調理したり、既に出来上がった惣菜や弁当などを購入して食べたりと何かしら摂取を行います。
こういった食材は国内あるいは海外で作られた様々な食材を使って作られますが、食用として生産された農水産物のうち、3分の1ほどは消費されることなく廃棄されているという実情があります。
総額として換算すると、先進国では6,800億ドル、開発途上国でも3,100億ドル相当の食品が廃棄されていることになります。
このように廃棄される食品を「食品ロス」と言い、これらは人口の増加などにより増加傾向にあります。
これは深刻な問題であり、世界中で起こっていることから、国連でも議論に挙げられています。

そして2015年に採択された持続可能な開発目標(SDGs)の目標12にもターゲットとされるなど、早急な対策が必要であると認識されています。
ターゲットの中では2030年までに小売や消費レベルで、世界全体の一人当たりの食料廃棄を半減させ、生産・サプライチェーン(※)における食品ロスを減少させることが掲げられています。
食品ロスは世界、そして日本国内で現状どのようになっているのか、そして食品ロスがなぜ問題になるのかを見ていきましょう。

※サプライチェーン:製造業において原料調達から生産管理、物流、販売までの一連の流れを連続したシステムと捉えたときの名称

  • 食用として生産された農水産物のうち、3分の1ほどは消費されることなく廃棄されている。
  • 食品ロスは人口の増加などにより増加傾向にある。
  • SDGsの目標として、世界全体の一人当たりの食料廃棄を半減させ、生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させることが掲げられている。
  • (出典:国際開発センター「目標12 つくる責任つかう責任」,2018)

    世界・日本における食品ロスの現状

    食品ロスの定義を改めて確認すると、「まだ食べられるのに廃棄される食品」のことを言います。
    これは収穫されても商品にならないものから、貯蔵や輸送、加工、販売の段階で品質が損なわれたもの、消費に至っても食されなかったものとあらゆる段階で起こりえるものです。
    日本を含み先進国では食料が十分にあることから、このような食品ロスが起こりがちですが、食糧不足になることがある開発途上国でも同様に食品ロスが起こっています

    世界の食品ロス

    世界全体で食品ロスを見たとき、1年あたりで13億トンにも及ぶ食料品が廃棄されています。
    これは先ほども触れたように、世界全体で消費向けに生産された食糧のおよそ3分の1にあたります。
    農業や畜産によって生産された食糧はフードサプライチェーンを通過する過程で失われる、あるいは捨てられています。

    日本を含む中高所得の国では、消費の段階で無駄になることが多く、食品ロスのかなりの割合を占めています。一方で低所得国では消費段階で捨てられる食品ロスは少ないのですが、その代わりフードサプライチェーンの早期または途中段階で失われることが多いとされています。
    これは食品ロスが、収穫技術や厳しい気候条件下での貯蔵、冷蔵・冷凍施設、インフラ、包装やマーケティングシステムといった財政的または経済的、技術的制約を原因として発生しているためです。

    例えば、農業が経済の主となっている開発途上国では、国内や海外に輸出する作物を製造していますが、収穫したとしても気温や湿度などに影響を受ける作物を貯蔵しておくことができないため、品質が保てず商品にできなくなったものが廃棄されてしまいます。
    またインフラが整備されていないことにより、輸出に時間が掛かり、冷蔵や冷凍ができる施設が限られていることによって品質が損なわれるなど、食品ロスとなる要因がいくつもあります。
    このように先進国、開発途上国ともに食品ロスが出る原因があり、それを改善できるようそれぞれ対策を講じることが必要となります。

    日本の食品ロス

    日本では年間646万トンもの食品ロスが発生しています。1日に換算すると、大型トラック(10トン)1,770台分であり、年間で一人当たりに換算すれば51kgの食品ロスになります。

    日本の食品廃棄物は年間2,842万トンなので、食品ロスは4分の1以上であり、国連世界食糧計画(WFP)による食糧援助量が約320万トンなので、その2倍に相当します。
    この食品ロスの内訳は事業系廃棄物由来が約357万トンに対して、家庭系廃棄物由来が約289万トンなので、食品ロスの約半分が家庭からということになります。
    事業系廃棄物由来の食品ロスは規格外品や返品、売れ残り、食べ残しによって発生しています。

    また環境省による食品ロスの発生量推計では事業系廃棄物由来の食品ロスは食品製造業が137万トン、食品卸売業が16万トン、食品小売業が66万トン、外食産業が133万トンと、食品製造あるいは外食産業が大部分を占めています。
    それに対して家庭系廃棄物由来の食品ロスは食べ残しや食材の過剰除去、直接廃棄によるものです。
    日本の食料自給率は2016年時点で38%であるため、多くの食料を海外に依存していますが、その食料の多くを食料ロスとして廃棄していることにもなります。

  • 食品ロスは、食糧不足になることがある開発途上国でも同様に起こっている。
  • 世界全体で食品ロスを見たとき、1年あたりで13億トンにも及ぶ食料品が廃棄されている。
  • 日本の食料自給率は2016年時点で38%であり、多くの食料を海外に依存している。
  • (出典:消費者庁「食品ロスについて知る・学ぶ」,2016)
    (出典:消費者庁「食品ロス削減関係参考資料」,2017)
    (出典:環境省「食品ロスの発生実態を知る」,2016)

    なぜ食品ロスが問題なのか

    食品ロスは生産から流通、消費に至る過程で、ある程度出てしまうのは仕方ないことかもしれません。
    しかしその量は非常に膨大であり、世界全体の3分の1を占めている現状は驚くべき事実です。
    世界で食品ロスが問題視されているのは、その量もそうですが、他にも影響があるため対応が求められています。

    食品ロスが問題となる理由の1つに、廃棄するための多大なコストが挙がります。3分の1もの食品が廃棄されるとなると、それを廃棄する施設や適切な廃棄方法を用いらなければ、環境や景観などにも影響を与えてしまいます。
    また食品ロスは可燃ごみとして扱われますが、適切に処理できる施設でないと、二酸化炭素の排出や焼却後の灰の埋立てなどによる環境負荷が連鎖的な問題となってしまいます。

    日本においては食料自給率が低いことにより、輸入に頼ることになりますが、多くの食料を廃棄することは経済的な無駄を生むことにもなります。
    さらに日本は食料が豊富にあるにも関わらず、9人に1人の子どもが貧困*で食料に困っており、多くの食品ロスを発生させていることは社会的な観点でも問題です。
    食料不足に関しては開発途上国などでも発生しているため、世界的に見ても食料の偏在により、公平に食料が行き渡っていない現状が問題となっています。

  • 食品ロスが問題となる理由の1つに、廃棄するための多大なコストがある。
  • 日本は食料が豊富にあるにも関わらず、9人に1人の子どもが貧困で食料に困っている。
  • 世界的に見ても食料の偏在により、公平に食料が行き渡っていない。
  • (出典:環境省「食品ロスの発生実態を知る」,2016)
    (出典:政府広報オンライン「もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう」,2019)
    (*出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」)

    SDGs目標達成に向けて食品ロスを減らす取り組みをしよう

    この記事では、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」達成に向けた食品ロスについて紹介しました。

    日本では、発生している食品ロスの半数近くが家庭から出ています。この食品ロスがもし発生しなければ、食料を得られない人の手に行き渡るかもしれません。
    あるいは二酸化炭素などの温室効果ガスを減らし、環境の負担を減らせる可能性もあります。

    食品ロスの発生を抑えることは、他のSDGs目標の課題や問題を改善する手助けにもなるのです。
    また、食品は多くの人の手によって、その土地の水や栄養をもらって育ちます。つまり人々の労力やその土地の資源を得て、私たちは生かしてもらっています。
    それを消費せずに廃棄するということは、食品ロスの総量以上の多くのものを廃棄することになります。そうしないためにも、私たちは日頃の生活から、食品ロスを減らす取り組みをしていくべきでしょう。

    例えば買い物前に冷蔵庫などの在庫をチェックして、消費期限や賞味期限を元に過剰な購入を防いだり、購入した食材はできるだけ廃棄を出さず、食べ切りできる料理を作ったりすることで、食品ロスを減らすことができます。
    また外食時にも食べ残しが出ないように、食べられる量を注文するなど心がけられることはあります。

    できることから1つずつ取り組み、食品ロスを減らせるよう一人ひとりが取り組んでいくことが重要です。

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