現在、世界は多くの課題に直面しています。それは国が単独で解決できないほどの大きな問題から国々の間で起こる問題など様々なものがあります。
国連はSDGs(持続可能な開発目標)を17の目標として定めることで、各国が積極的に課題解決に向き合い、達成度をレポートで公表するなど、具体的な活動を通して課題を解決できるように取り組んでいます。
この記事では、SDGsの特徴や日本における目標の達成度、今後考えるべきことなどを解説します。
持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを解説
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SDGs(持続可能な開発目標)とは
SDGsとは、2016年~2030年の期限で達成すべき国際的な目標のことです。国連サミットのあった2015年9月に採択され、国連加盟国が全会一致でSDGsの目標に取り組むことに賛成し協力体制を整えています。
SDGsの一つ前の目標であるMDGs(ミレニアム開発目標)では先進国の問題を重点に置いていました。そのためSDGsでは、途上国における問題を不公平のないように世界全体の目標にすることが国連で採択されたのです。
すでに国内では、SDGsの目標を達成すべく、企業の多くが自主的な活動に取り組んでいます。食品ロスを減らす取り組みや持続可能エネルギーによる発電技術など多彩な分野で企業が名乗りを上げています。これは大企業から中小企業まで活動を始めています。
SDGsとは具体的にどのような目標なのでしょうか。SDGsには、17の目標(それに連なる169のターゲット)があります。
SDGsにおける17の目標一覧
目標 | テーマ |
---|---|
目標1 | 貧困をゼロに |
目標2 | 飢餓をゼロに |
目標3 | すべての人に健康と福祉を |
目標4 | 質の高い教育をみんなに |
目標5 | ジェンダー平等を実現しよう |
目標6 | 安全な水とトイレを世界中に |
目標7 | エネルギーをみんなに そしてクリーンに |
目標8 | 働きがいも経済成長も |
目標9 | 産業と技術革新の基盤をつくろう |
目標10 | 人や国の不平等をなくそう |
目標11 | 住み続けられるまちづくりを |
目標12 | つくる責任 つかう責任 |
目標13 | 気候変動に具体的な対策を |
目標14 | 海の豊かさを守ろう |
目標15 | 陸の豊かさも守ろう |
目標16 | 平和と公正をすべての人に |
目標17 | パートナーシップで目標を達成しよう |
上記は国際的な問題として共通するテーマや世界の地域を意識したテーマを中心に、SDGsの17の目標にまとめています。
例えば、貧困の改善、環境問題やジェンダーの問題解決、貧困や食品ロス問題のような食料改善が17の目標に入っています。
これらを各国が法律に落とし込み、SDGsの目標を達成する指針を策定しています。
日本では事業者が取り組むための根拠を健康や省エネ、技術イノベーションなどのテーマに絞った8つの優先課題として推進しています。これにより、あらゆる組織や団体が目指すゴールにSDGsモデルの各課題をゴールの設定に照準をあわせています。
- SDGsとは、2016年~2030年の期限で達成すべき国際的な目標のこと
- SDGsの一つ前の目標であるMDGs(ミレニアム開発目標)では先進国の問題を重点に置いていた
- SDGsの17の目標を各国が、自国の法律に落とし込みSDGsの達成を目指している
(出典:国連総合センター(UNIC) 「2030アジェンダ」)
(出典:外務省 「グローバル指標(SDG indicators)」)
SDGsの達成状況を分析したレポートが発表された
これまで説明したSDGsの目標は、2016年から毎年発行されているレポート「SDG Index and Dashboards Report」により達成状況を分析した結果が示され、世界各国の達成状況をスコア(100点中何点かを示す指標)や順位を知ることができます。(下記参照)
国別プロフィールでは、各国の1~17の目標ごとのスコアを知ることが可能です。色別に評価されているため、どの目標が達成スコアが少ないかを見ることで、その国の目標別達成割合を把握して、トレンドやギャップの数値や傾向から不十分なところを改善するのに役立ちます。企業も、自国の目標達成に何が足りないのか検討する資料や議論の材料として利用することが可能です。
2022年版「SDG Index and Dashboards Report」では、新たにその年に更新された目標達成のスコアや順位、直面している問題などを知ることができます。
2022 SDG Index and Dashboards Report | |||
---|---|---|---|
1 | フィンランド(86.5) | 11 | イギリス(80.6) |
2 | デンマーク(85.2) | 12 | ポーランド(80.5) |
3 | スウェーデン(85.2) | 13 | チェコ共和国(80.5) |
4 | ノルウェー(82.3) | 14 | ラトビア(80.3) |
5 | オーストリア(82.3) | 15 | スロベニア(80.0) |
6 | ドイツ(82.2) | 16 | スペイン(79.9) |
7 | スイス(80.8) | 17 | オランダ(79.9) |
8 | スイス(80.8) | 18 | ベルギー(79.7) |
9 | アイルランド(80.7) | 19 | 日本(79.6) |
10 | エストニア(80.6) | 20 | ポルトガル(79.2) |
- 「SDG Index and Dashboards Report」では世界各国のSDGsの達成状況がわかる
- 各国の1~17の目標ごとにスコアが算出される
(出典:国立研究開発法人 科学技術復興機構 「SDGsへの取り組みを活用した 持続可能社会への移行加速」,2019)
(出典:Sustainable Development Report「Sustainable Development Report 2022」,2022)
日本のSDGsの達成度は?
2022年版「SDG Index and Dashboards Report」によると、日本はSDGsの達成度において、世界156カ国中19位にランクインしています。
達成が難しいと評価されている分野としては、目標5のジェンダー平等、目標12の消費と生産、目標13の気候変動、目標14の海の豊かさ、目標15の陸の豊かさ、目標17のパートナーシップです。
理由としては、国会議員の女性比率が少ないことや労働格差などが改善されていないことがスコア改善の足を引っ張っています。
消費や環境問題は、日本の食糧・材料破棄の問題や化石燃料の使用による二酸化炭素(CO2)排出、現エネルギー資源が再生エネルギーの比率と比べて少ないなどの問題があります。
パートナーシップはODAや金融の不透明さなどが要因として挙げられています。
また17の目標全体は上昇傾向にあるものの、海の豊かさ、陸の豊かさには大きな変化がなく、達成が難しい傾向にあります。
一方で、概ね達成済みの分野としては、目標4の質の高い教育や目標9の産業と技術革新などです。
日本では順位こそ高いものの、達成に至らない目標がかなり多い状況といわざるを得ません。順位も下降傾向です。今後、日本の得意な科学技術を生かしてどれだけ環境問題や不平等の改善につなげるかで、目標達成できる数も変わってくることが予想されます。
- SDGsの達成度において、日本は163カ国中19位にランクインしている
- 概ね達成済みの分野は「質の高い教育」「産業と技術革新」
- 達成が難しいと言われている分野は「ジェンダー平等」「消費と生産」「気候変動」「海の豊かさ」「陸の豊かさ」「パートナーシップ」
(出典:国立研究開発法人 科学技術復興機構 「SDGsへの取り組みを活用した 持続可能社会への移行加速」,2019)
(出典:Sustainable Development Repor「Sustainable Development Report 2019」,2019)
SDGsの目標達成は人々の意識改革が重要
地球全体の取り組みとして視野を広げると、国や大企業が取り組むものとつい考えてしまいがちです。しかし、国や大企業だけでなく、中小企業や個人も含め一人ひとりが意識改善が必要となる日本国内の課題も多くあります。
例えば、家父長制の影響を受けて成熟した男性が社会の中枢を担う日本の権力構造はいまだに改善されていません。男性が仕事で女性が育児という労働形態の認識が目標の1つであるジェンダー平等のスコアの改善を妨げる結果につながっています。
もう一つの例として、育児休暇に関してもジェンダーのスコアを改善する上で大きな一助となる可能性があります。目標達成には、企業側が育児休暇を取得するように促すだけでは難しく、夫や社会の構成員が、女性の労働環境や労働時間の改善になるような意識的な改革を進めることです。
多くの人が政治批判をするだけでなく、意識的に女性の政治参画を促せる世の中にするには、政党に依存した女性議員を当選させるだけでなく、社会全体で女性議員を押す動きをしなければ、議員の構成割合は大きく改善しないでしょう。女性議員が稀なため注目される社会では、それを改善することはできません。
一見、関係ないような服装や仕事の中での女性らしさの押し付けなどを解決する中で、人々の意識改革を経て女性の参画によるジェンダーの平等は大きな一歩を歩めるでしょう。
- 国や大企業だけでなく、中小企業や個人も含め一人ひとりが意識改善が必要となる日本国内の課題も多くある
- 意識的に女性の政治参画を促せる世の中にするには、政党に依存した女性議員を当選させるだけでなく、社会全体で女性議員を押す動きをしなければ、議員の構成割合は大きく改善しない
- 服装や仕事の中での女性らしさの押し付けなどを解決する中で、人々の意識改革を経て女性の参画によるジェンダーの平等は大きな一歩を歩める
(出典:国立研究開発法人 科学技術復興機構 「SDGsへの取り組みを活用した 持続可能社会への移行加速」,2019)
SDGsの目標達成度を高めるためにできることを考えよう
今回は、国際目標として注目されているSDGsのありかたや世界の中での位置づけ、日本の達成度、今後人々が考えるべきことなどについて取り上げました。
日本において、17の目標の中で概ね達成できている分野は、目標4の質の高い教育や目標9の産業と技術革新です。
特に達成するのが厳しい目標としては、ジェンダー平等、消費と生産、気候変動、パートナーシップがあります。
日本は、2022年版「SDG Index and Dashboards Report」によれば目標達成度のスコアランキングにおいて163カ国中19位という上位にランクインしていますが、さらに上位にある北欧と比べればジェンダーや福祉、産業などの問題が山積みです。
すぐに目標達成することは難しいですが、国や企業が取り組む中で、個人で取り組める活動や意識の改善など、企業と同時並行的にできる範囲で目標の達成のために活動を開始しましょう。
『紛争・貧困などによって困難に直面する子どもたち』
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本サイト運営会社のgooddo(株)が応援している『ワールド・ビジョン・ジャパン』の公式LINEを友だち追加すると、「困難に直面する子どもたちのために活動」するワールド・ビジョン・ジャパンに、gooddoから支援金として10円をお届けしています!
支援は簡単。あなたがLINE友だち追加するだけ!一切負担はかかりません。この無料支援にあなたも参加しませんか?