2019年12月、SDGsアクションプラン2020が策定されました。このプランによると「誰一人取り残さない」という目標が目をひきます。
今回は、SDGsアクションプラン2020が一体どういうものなのか、また達成するためにはどうすべきかについて解説します。
持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを解説
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SDGsアクションプランとは
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、持続可能な開発目標を指します。
アクションプランとは、活力のある豊かな日本を作るために開発されたプランで、一人ひとりの保護と能力強化に焦点を当てた「人間の安全保障」 の理念に基づき、「誰一人取り残さない」ために毎年策定されています。
- SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、持続可能な開発目標
- アクションプランとは、活力のある豊かな日本を作るために開発されたプラン
(出典:外務省「SDGsアクションプラン2020」,2019)
SDGsアクションプラン2020
アクションプラン2019から受け継がれ、改定されたSDGs実施指針を受けて、2030年に目標を達成するために、今後10年間行動していくことが盛り込まれたものが2020年のアクションプランです。
3本柱である「ビジネスとイノベーション(~SDGsと連動する「Society 5.0」の推進~)」、「SDGsを原動力とした地方創生, 強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり」、「SDGsの担い手としての 次世代・女性のエンパワーメント」について、国内外の展開を加速化させます。
2019年と2020年のアクションプランの大きな違いは、まず東京オリンピック開催に向けてのスポーツSDGs推進があります。
他にも2020年には重大なイベントが数多くあり、2019年の東南アジア・アフリカを重点地域としたアクションプランから改定があったことも大きな違いです。
ビジネスとイノベーション
ビジネスとイノベーションでは、企業によるSDGsへの取り組み、ESG投資への後押しなどが策定されています。
ビジネス
ビジネスでは、働き方改革の実施や「Connected Industries(人やモノ・技術・組織などがつながることによる新たな価値創出)」の推進などがあります。
主に中小企業のSDGsの取り組み強化などがアクションプランとして策定されています。
関係団体や地域、そして金融機関と中小企業との連携がさらに求められることになり、関連してESG投資(環境:E nvironment、社会:Social、企業統治:G overnance)に配慮している企業を重視し、選別して行う投資)を後押ししています。
科学技術イノベーション(STI)
科学技術イノベーションには、STI for SDGsロードマップの策定やSTI for SDGsプラットフォームの構築、バイオ戦略によるスマート農業の推進などがあります。
同時に、情報通信技術、研究開発強化、人材育成の推進も行われており、2020年では更なる発達が求められています。
しかしイノベーションは科学技術だけではありません。
イノベーションに必要とされるのは技術や構造変化だけでなく、心理的変化も大切です。
SDGsを原動力とした地方創生、まちづくり
SDGsが目指す社会は未来志向の社会でもあり、新たな価値の創生(Connected Industries)も目標となっています。
特に昨今では人口減少や高齢化が進む中、成長市場の創設や地域活性化なども課題となっており、持続可能なまちづくりに取り組むことも重要視されています。
地方創生の推進
地方創生部門では、SDGsによる未来都市の開発、エネルギーやグリーンインフラなどのインフラ整備、循環共生型社会の構築などが推進されています。
環境にも人間にも優しいまちを作ろうと、官民が連携を取ったプラットフォームの推進など、自律的好循環の形成に向けた地方創生の推進も課題となっています。
強靭なまちづくり
強靭なまちづくりのためには、防災も大切ですが、自然災害などが起きた時にどれだけ減災できるかも課題となっています。
また、エネルギーインフラの強化やグリーンインフラの推進などは、強靭なまちづくりに欠かせない要素です。
循環共生型社会の構築
循環共生型社会の構築は、日本が抱えている環境や経済・社会の問題について、統合的向上を具体化させることで、新しい共生型社会を作ろうとするものです。
具体的には、エネルギーの地産地消や防災インフラの整備、人に優しく、且つ魅力のある交通システムなども含まれています。
特に最近では、自律分散型のエネルギーシステムに焦点が当てられています。
地域の低炭素化に向けた地域新電力の支援など、世界の環境にも対応しており、循環共生型社会の構築は2020年においても非常に重要視される課題の一つです。
東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたSDGsの活動や「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を実現させるために海洋プラスチックごみ対策を推進します。
SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント
SDGsの基本的な考え方として、貧困をなくすことや不平等を是正することがあります。
そのような意味でも、SDGsの担い手となる次世代や女性のエンパワーメントは重要です。
次世代・女性のエンパワーメント
次世代のエンパワーメントが実現すれば、まず多世代共創が可能となり、少子高齢化にも対応できることになります。
また、女性のエンパワーメントが実現することで、職場での女性の立場の是正にもなります。
SDGsは、持続可能な社会、そして誰一人取り残さない社会を目指すプランでもあります。
次世代や女性のエンパワーメントは必須で、これからの社会は次世代や女性の力なしでは成り立たない社会になることも考える必要があります。
人づくりの中核としての保健、教育
人づくりの中核としての保健、教育は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにも関係しています。
オリンピックやパラリンピックへ向けてのスポーツSDGsの推進や新学習指導要領によるESDの推進、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)などがあります。
同時に食育に対する課題もあります。
食育は子供だけでなく、大人も心や体を作る源となることから、人づくりの観点からは外せない大事な課題の一つです。
- 改定されたSDGs実施指針を受けて、2030年に目標を達成するために、今後10年間行動していくことが盛り込まれたものが2020年のアクションプラン
- 以下の3本柱について国内外の展開を加速化させる
「ビジネスとイノベーション(~SDGsと連動する「Society 5.0」の推進~)」
「SDGsを原動力とした地方創生, 強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり」
「SDGsの担い手としての 次世代・女性のエンパワーメント」
(出典:外務省 「SDGsアクションプラン2020」,2019)
(出典:環境省 「地域循環共生圏の形成や 分散型エネルギーシステムの構築に」,2019)
国際社会への展開にも注力
2020年には様々なイベントやサミットが開催されます。
これを受けて、国際社会に対して日本もSDGsの取り組みを共有しながら展開することが表明されました。
あらゆる人が活躍できる社会の実現のため、日本は国内だけでなく、国際的にも価値を高める必要があります。
そのため、2020年開催の国際連合犯罪防止刑事司法会議や開発途上国に対する法制度整備支援なども大切にしなくてはなりません。
国際的に認められるためには、国内のことだけでなく国外にも目を向ける必要があります。
そのため、SDGsの方針でもある、誰一人取り残さないという考えは非常に重要です。
また、平和で安全な国であることは日本の美徳の一つです。
国際的に認められるためにも、日本はSDGsにしっかりと取り組み、関係国以外とも連携を取る必要があります。
- 2020年開催の様々なイベントやサミットを通して、国際社会に対して日本もSDGsの取り組みを共有しながら展開する
- 誰一人取り残さないという考えは非常に重要
- 日本はSDGsにしっかりと取り組み、関係国以外とも連携を取る必要がある
(出典:外務省「SDGsアクションプラン2020」,2019)
2030年まで残り10年、SDGsの達成のために取り組みを加速
SDGsへの取り組みを加速するには、日本人一人ひとりが世界の一員であるとの自覚も必要です。
例えば、プラスティックごみの削減や食品ロスの削減は、私たち一人ひとりが気を付けていけば解決できる問題でもあります。
これからSDGsを加速していくためにも、私たち一人ひとりが毎日の生活の中でできることから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
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