奨学金

奨学金の保証人について理解しよう

  • 2020年11月25日
  • 2022年7月15日
  • 奨学金

奨学金は、大きく分けると給付型と貸与型に分類できます。
貸与型は卒業後に返還があるため、申し込みを行う際には保証人を付ける必要があります。

この記事では、奨学金の保証人とはどういうものなのか紹介します。

奨学金とは?制度の条件や採用までの流れを徹底解説

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奨学金の人的保証制度による保証人


奨学金は大学などに進学する上で必要としている人が多くいます。
日本は大学などに進学する際の学費が高く、その負担は半分以上が家計であり、残り半分は公的な負担が含まれます。この家計の負担を減らすために利用されているのが奨学金です。

近年は給付型奨学金が強化され、家計の負担は緩和されつつありますが、まだ貸与型給付金を利用する人が多いのが現状です。
給付型奨学金は採用されれば、卒業後も返還する必要はありませんが、貸与型奨学金は卒業後は奨学金の返還が必要になります。

ローンを組むのと同じように保証人が必要となり、選任条件に合う人の承諾とサインを得られなければ奨学金に申し込むことはできません。
このように選ぶ奨学金によっては人的保証制度があり、保証人を選任しなければならないのです。

※2020年11月時点

  • 給付型奨学金は採用されれば、卒業後も返還する必要はないが、貸与型奨学金は卒業後は奨学金の返還が必要
  • (出典:日本学生支援機構「人的保証制度」)

    奨学金の連帯保証人と保証人


    奨学金の人的保証制度には連帯保証人および保証人が必要となります。
    これは貸与型奨学金が、国や地方自治体、学校あるいは支援機構などにお金を借りて授業料の不足分を補っており、貸与終了後には返還しなければいけないためです。

    万が一、本人が返還できなくなったときに、その代理として連帯保証人や保証人が返還することになります。
    次に、連帯保証人と保証人について紹介します。

    奨学金の連帯保証人

    連帯保証人は奨学生本人と「連帯して」返還の責任を負う人です。
    奨学金では原則として父母に当たりますが、次のような条件が該当する人を選任します。

    奨学生本人が未成年の場合は、その親権者または未成年後見人であることが挙げられます。
    在学採用であれば申請時に成人している場合もありますが、予約採用の場合は未成年であることがほとんどです。そのため選任条件が親権者か未成年後見人となるのです。

    奨学生本人が成年者の場合も父母は含まれますが、父母がいない場合は奨学生本人の4親等以内の親族であることが挙げられます。
    ただし兄弟姉妹は未成年者および学生でないことが含まれます。

    また奨学生本人が既婚者あるいは婚約済みである場合、婚約者含む配偶者は選任できません。
    加えて破産などで債務整理中でないこと、貸与終了時に奨学生本人が満45歳を超える場合、その時点で60歳未満であることも挙げられています。

    奨学金の保証人

    保証人は、奨学生本人と連帯保証人が返還することができない場合に奨学生本人に代わって返還する人のことを指します。
    奨学生本人・連帯保証人とは別生計で、父母を除く、4親等以内の親族であることが条件です。
    ただし未成年者および学生ではなく、奨学金の申し込み日時点で65歳未満であることも挙げられます。

    また奨学生本人または連帯保証人の婚約者を含む配偶者ではないこと、破産などの債務整理中ではないこと、貸与終了時に奨学生本人が満45歳を超える場合、その時点で60歳未満であることも含まれています。

    この条件が該当する人を原則保証人に選任することができますが、4親等以内の青年親族でない人や、65歳以上の人のいずれか、または両方に該当する人を選任することも不可能ではありません。
    ただしその場合、返還を確実に保証できる人であることが挙げられ、その申請には必要書類などが増え、選任できるかどうかの基準がかなり厳しくなります。

    ※2020年11月時点

  • 奨学金の人的保証制度には連帯保証人および保証人必要
  • 連帯保証人は奨学生本人と「連帯して」返還の責任を負う人
  • 保証人は、奨学生本人と連帯保証人が返還することができない場合に奨学生本人に代わって返還する人
  • (出典:日本学生支援機構「人的保証制度」)

    奨学金には保証人が必要


    日本の大学などへの進学費用は高いことで知られています。
    実際、国立大学でも4年制で入学料・授業料合わせて250万円ほど、私立大学では4年制で平均425万円ほどの学費がかかります。これが医学部などへ進学すればもっと高額の学費がかかることになり、ほかの学部・学科でも高い場合があります。
    近年は給付型奨学金を強化するとともに、授業料の値上がりも収まってきていますが、現状では貸与型奨学金を利用する人のほうが多いことも問題となっているのです。

    日本学生支援機構で行われた奨学事業に関する実態調査で、公的機関だけでなく公益団体などの利用者も含めた総合的な利用者数と利用率は、2012年時点で給付型が20万1,930人で47.2%、貸与型が22万4.952人で52.5%でした。
    2016年時点では給付型が26万4,164人で47.6%、貸与型が28万8,463人で52.0%となっており、貸与型がやや多い結果になりました。

    これを地方公共団体が運営する奨学金で見ると、2012年時点で給付型が24.5%、2016年時点で31.2%、2012年時点で貸与型は68.7%、2016年時点で75.2%となっています。これは給付型の条件に合わないことから申し込めない、あるいは採用されないこともあり、貸与型に申し込む人が多くなる傾向にあるためです。

    貸与型奨学金には連帯保証人や保証人が必要なことはここまで触れてきました。奨学金が国や地方自治体、学校あるいは支援機構などにお金を借りることであるため、保証人が必要となります。
    貸与終了後、通常であれば卒業後から一定期間が経てば奨学金を返還しなければいけません。
    月々の返還金額や完済までの返還期間は、借りた奨学金の額や返還方法によるため、人それぞれ異なりますが、大学の入学料や授業料が高い以上、それ相応の金額を借りることになります。

    日本学生支援機構が奨学金が返せない理由をアンケート調査した結果、低所得と答えたのは64.5%であり、失業中や無職と答えたのは27.4%でした。
    つまり借りても返せない理由が、日本の経済状況に少なからず影響を与えられていると言えます。
    またそのような返せない状況に対して、減額や猶予といった制度があるもののあまり知られていません。

  • 国立大学の4年制で入学料・授業料合わせて250万円ほど、私立大学では4年制で平均425万円ほどの学費がかかる
  • 保証人は奨学金が国や地方自治体、学校あるいは支援機構などにお金を借りることであるため必要
  • (出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」,2017)
    (出典:文部科学省「私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」,2017)
    (出典:日本学生支援機構「平成28年度奨学事業に関する実態調査」,2016)
    (出典:日本学生支援機構「平成25年度奨学事業に関する実態調査」,2012)
    (出典:日本学生支援機構「返還金の回収状況及び平成29年度業務実績の評価について」,2019)

    奨学金の保証人も制度を理解しておくことが大切


    奨学金は日本で大学などに進学し、学ぶためには必要な制度です。
    貸与型を利用する場合は返還するため、保証人が必要になります。
    保証人になると奨学金を利用した本人が返還できない場合、代わりに返還しなければいけません。
    奨学金を利用する本人だけでなく、保証人になる人も奨学金の内容を理解しておきましょう。

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    この記事を書いた人
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