世界では貧困や水・衛生に関する問題について、子どもたちへの様々な支援が行われています。その中の一つ、「教育格差」は発展途上国において切っても切り離せない深刻な問題となっているのです。
今回の記事では、世界で広がる教育格差の現状と、途上国で実際に起きている深刻な教育格差と行われている支援について解説します。
深刻な教育格差問題とは?原因や現状を知り、必要な対策を考えよう
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学校に行けない子どもが世界で約1億2,400万人
世界規模で見た子どもたちの教育の現状は深刻です。
2019年の現在、世界には貧困や紛争・学校が近くにないなど、様々な理由で学校に行けない6〜14歳の子どもが約1億2400万人もいます(うち初等教育では約6100万)。
さらに教育を受ける機会がないまま大人になったため、文字の読み書きができない人は世界で約7億5000万人に登ります。この数字は、世界の15歳以上の6人に1人という高い割合です。
「紛争によって教育を受ける機会を奪われてしまった」
「貧困が原因で、教育を受けずに働いている」
「教育を受けられる施設が周辺に存在しない」
中学校まで9年間の義務教育が決めらている日本とはまったく異なる理由により、発展途上国の子どもたちは苦しんでいるのです。
(出典:日本ユネスコ協会連盟 公式サイト)
教育を受けられない子どもが途上国で多い理由
世界で満足に教育を受けることができない子どもたちの大多数は、発展途上国に住んでいる人たちです。
この項目では、教育を受けられない子どもが発展途上国で多い理由について説明します。
貧困の連鎖による教育不足
一つ目の原因は「貧困」です。「貧困」の定義は、国や機関によって大きく異なりますが、その一例として、世界銀行では「国際貧困ライン(1日1.9ドル未満)」で暮らす人を貧困層と定義しており、2015年時点では世界の約5人にひとりが1日1.25米ドル未満で生活していると言われています。
貧困な状況で生きていくために、小さな子どもたちが教育を受けないままに、労働力の一部として使われていくのです。
そして教育を受けないまま大人になっても、年齢に見合わない低い賃金で働かなければなりません。
教育を受けずに育った人々がさらに子どもを作り、貧困のために子どもを労働力として利用する連鎖が続いていくのです。
これが繰り返されることで、抜け出すことのできない「負のスパイラル」に陥ってしまいます。
苦しい状況のせいで、子どもの未来を奪っていく現状に対して必要な支援を行うことが大切です。
(出典:世界銀行公式サイト)
紛争や戦争
二つ目の原因は「戦争や紛争」によって教育機会を奪われている場合です。
2015年には2,800万人以上が暴力や情勢不安のためにふるさとを離れることを余儀なくされたほか、紛争の影響を受ける24ヵ国で、小中学校学齢期の子ども2,700万人が学校に通えていない事実が存在するのです。
また、難民として祖国を離れて、別の国に避難した場合にも大きな教育の壁があります。
例えば、避難先の国と祖国との言語の違いによって、情報を得ることが難しくなるのです。
その他にも、紛争から追われた苦しい経験を抱えて新しい環境での生活という目まぐるしい変化が、子どもたちに大きな負担としてのしかかることもあるでしょう。
「クラスメイトからの嫌悪・排斥・避難などによって学校に通えない」
「学校成績証明を獲得できない」
戦争・紛争によって教育機会を奪われた発展途上国の子どもたちには、あまりにも重い教育格差が存在しているのです。
(出典:日本ユニセフ 公式サイト)
教育を受けられない子どもたちのために行われている支援
貧困や紛争など、多くの要因が絡んでいる途上国の「教育格差」問題ですが、支援団体の中には世界を舞台に教育支援を行っている団体もあります。
この項目では、教育を受けられない子どもたちのために行われている支援を紹介します。
学校給食プログラム
日本では小・中学校を中心に普及している「学校給食」ですが、この制度が発展途上国の「教育格差」を是正するヒントとなっています。
今までは、学校に行かせることに親が否定的な場合がありました。
その理由は両親が教育を受けていないことから教育を受けることで得られる価値が分からない、学校に行かせるより家事や兄弟の世話などをしてほしいためです。
しかし、学校給食が支給されることで、両親も「学校に行かせれば子どもたちが無料でご飯を食べられる」と考え、登校させることにも前向きになるでしょう。
また、地域の農業や経済の振興につながるように、学校給食の食材を地元で調達。
これにより、地元の農業の活性化にもつながります。
今まで学校に行けなかった子どもたちが、給食が支給されることで学校に通うハードルが下がり、将来の夢を追うことができる素敵な支援と言えるでしょう。
(出典:国連WFP 公式サイト)
世界寺子屋運動
国連の教育科学文化機関であるユネスコが取り組む「世界寺子屋運動」は、基本的人権として誰もが教育の機会を得て、貧困のサイクルを断ち切り自ら考えて行動を起こせることを目標に、子どもたちが読み書きできるような教育支援が行われています。
その他にも、図書館・地域のお祭り会場など多目的に利用されることで、街の活性化に重要な役割を果たしているのです。
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今回の記事では、世界で広がっている教育格差の現状から、実際に行われている支援について詳細に解説しました。
具体定期ないくつかの取り組みを紹介しましたが、これらの活動を維持し続けるためには、私たち一人ひとりの支援が必要です。
まずは現状の教育格差について深く知ることからスタートし、小さな支援を行ってみてはいかがでしょうか。
何気ない小さな支援で、かけがえのない子どもたちの未来が変わるかもしれないのです。
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