ここ数年で、非正規雇用者の増大やひとり親家庭が増加していることで、様々な問題が発生しています。
そのうちの一つとして日本でも深刻化しているのが子どもの貧困です。
家計が苦しく子どもが満足にご飯を食べられない、また親が朝から夜まで働きに出てしまうことで起こる子どもの「孤食」など、貧困家庭の子どもの食生活が心配されています。
これらの問題を少しでも解決するために行われている取組がこども食堂です。
この記事ではこども食堂のボランディア活動を通じて貧困支援をする方法から、食堂を運営するにあたり、必要な支援の内容などを紹介します。
子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは
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こども食堂は地域や人の善意で成り立っている
こども食堂は、地域住民や自治体が主体となって無料または低料金で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場を指します。
こども食堂は2019年6月時点で、日本全国に3,700箇所以上あるとされています。
主に全国のNPO・NGO、ボランティア団体、地域住民や一般の主婦が運営しているのです。
こども食堂は、東京都大田区のとある八百屋の店主の取り組みが始まりと言われています。
「孤食」や貧困層の子どもたちに温かい食事を提供したいという思いが、全国に広まっていったのです。
地域コミュニティの善意で全国のこども食堂が成り立っていますが、だからこそこども食堂という活動を知らない方の支援が重要になると言えます。
「ボランティアとして手伝いたい」
「寄付という形で協力したい」
「収穫した野菜を寄付したい」
「こども食堂を開催する場所を提供したい」
そのような思いを持っている方は公式サイトで支援などの詳しい情報が記載されています。
(出典:NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ「プレスリリース」)
(出典:総務省 全国移住ナビ「ふらっとの「そもそも科」」)
こども食堂が必要としている支援は?
こども食堂は孤食や貧困層の子どもたちに温かい食事を提供する制度です。
しかし、こども食堂の急増の影には様々な都合によってこども食堂を閉鎖せざるをえない場合もあります。
こども食堂を継続的に、また地域に密着して運営するには何が必要なのでしょうか。
ボランティアスタッフ
こども食堂のボランティアスタッフは調理スタッフ、席のアテンドや食器洗い、食事の前後に子どもたちの遊び相手になるなどを行うスタッフが必要です。
地域の子どもたちにとってかけがえのない居場所を作ってあげることができる達成感の大きなボランティアと言えます。
ボランティアは善意により行われるため、メンバーの家族の仕事の都合などの様々な変化が起こり得ます。
そのため、定期的に関わることができる人材確保が難しいのです。
ボランティアスタッフを確保するためには、多くの人にこども食堂の活動を知ってもらうことが大切なのです。
全国に広がったこども食堂を通じた支援の輪を止めないためにも、こども食堂をもっと広く認知して貰う必要があると言えます。
- こども食堂の急増の影には様々な都合によってこども食堂を閉鎖せざるをえない場合もある
- 定期的に参加できるボランティアスタッフの確保が難しい課題
- まずは多くの人にこども食堂の活動を知ってもらう必要がある
(出典:農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集」,2018)
こども食堂でボランティアをするには?
全国にあるこども食堂の施設情報とボランティア情報は公式サイトでまとめられています。
都道府県検索から施設を検索、記載されている電話番号またはメールアドレスに連絡を行いましょう。
実際に連絡を取り業務内容などの条件を聞いたうえで、ボランティアとしてこども食堂でボランディアが可能となります。
寄付金
「ボランティアに参加できる時間が取れない」という場合は、寄付金という形で支援することも可能です。
寄付金の使用用途は食材の購入費、こども食堂の水道光熱費、備品の購入(テーブル・イス・冷蔵庫などこども食堂の運営・管理)をするために活用されます。
調理器具が揃えば、より多くのバリエーションの料理の提供が可能になり、デーブルやイスが増えればより多くの子どもたちがご飯を食べられるのです。
また、今お金を払って借りている場所よりも、大きな部屋のある施設に移転することもできるでしょう。
お金が集まった分だけ、貧困に悩む子どもたちのためにできることも広がります。
小さな金額でも、支援していくことが大切です。
寄付方法
こども食堂を運営する団体のホームページには「寄付金ご協力のお願い」などのメニューで情報が発信されています。
この情報をチェックすると、ほとんどのこども食堂では寄付受付先として銀行口座を掲載。その口座に対して寄付金を送金する方法を取っています。
また、こども食堂の活動や支援を行っているNPO・NGOに寄付する方法もあります。
寄付方法は毎月定額を寄付する「継続寄付」や好きなときだけ寄付できる「都度の寄付」を選ぶことができます。
いずれも少額から寄付できるため、負担なく支援することが可能です。
食材を寄付する
こども食堂の支援方法は決してお金だけではありません。
例えば自宅で農家を営んでいたりする場合は、野菜、お米などを寄付する場合もあります。
このような食品類を寄付する場合は、事前に寄付を行うこども食堂に確認を行いましょう。
事前の連絡なしに食材を持ち寄ってしまった場合、既に十分な量がある食材をさらに増やしてしまい、食材を破棄しなければならない可能性もあります。
このような情報はこども食堂の施設ホームページに情報が記載されている場合も多いです。
実際に求めているものと送るものを確認して、寄付することが必要になります。
食品を寄付する方法
全国のこども食堂の情報を集めた公式サイト「こども食堂ネットワーク」を使うことで、全国のこども食堂が今どのような支援を必要としているかを知ることができます。
この情報から「肉が必要」「魚が必要」「野菜が必要」などを知ることができるのです。
こども食堂の連絡先なども記載されているため、詳細な寄付内容は確認して寄付することが懸命と言えるでしょう。
(出典:こども食堂ネットワーク「こども食堂を手伝いたい人」)
こども食堂の場所提供で支援
こども食堂を運営するためには、実際に開催できる場所も必須となります。
子どもたちが何人も入れるスペースがあること、調理するスペースがあること、お手洗いなどの設備が整っていることなどを加味して場所の確保が必要となるのです。
このような場所も寄付という形で使うことができれば、よりこども食堂も運営しやすくなります。
どのように支援ができるか
今後、日本は空き家の数が増加していくと考えられています。
そのため、空き家として使っていない場所をこども食堂の場所として提供することもできるでしょう。
現在こども食堂が開催されている場所としては、公民館や児童館などの公的施設、空き店舗、民家、飲食店、お寺、廃校、神社、教会など多様な場所で開催されています。
もし現在使っていない家や土地があるのであれば、喜ばれるでしょう。
こども食堂を応援するためには以下の方法が挙げられる
- お金の寄付による支援
- 食材の寄付による支援
- 場所の提供による支援
(出典:農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集」,2018)
こども食堂の現状を知ったうえで私たちにできる支援とは
無料または低料金で食事を提供するこども食堂は、孤食や貧困層の子どもたちの食生活問題を解決するために、必要な支援です。
より多くのこども食堂を開催・継続する為に、様々な人々や団体が活動していますが、活動資金や人材がまだまだ足りていないのが現状です。
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