こども食堂

広島県のこども食堂に対する支援や取組事例は?

貧困家庭の子どもたちを支援する目的で始まったこども食堂は、形を変えながら全国に広がっています。
近年は、食事を提供する場所だけに留まらず、「勉強を教えてもらう」「学年の違う人々と遊ぶ」「親同士のコミュニケーションの場所」など多様な目的を持って運営されています。
しかし、こども食堂に対する支援は、県や市町村によって、支援が大きく異なります。
今回の記事では、広島県に焦点を当てて、こども食堂に対する支援や取組事例までを解説します。

こども食堂とは?目的やメリット、これからの課題、支援方法などについて解説

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広島県のこども食堂事情は?


広島県では、小学校5年生の家庭と中学校2年生の家庭を対象に調査を実施し、子どもたちの生活状況についての調査結果を発表しています。
この結果、「低所得」や「家庭の逼迫」、「子供の体験や所有物の欠如」のうち2つ以上に該当し、生活困窮層にある家庭の割合が、小学校5年生の家庭で9.3%、中学校2年生の家庭で9.6%と発表されました。
また、「低所得」「家庭の逼迫」「子供の体験や所有物の欠如」のうち1つに該当する生活困難層は、小学校5年生の家庭で25.7%、中学校2年生の家庭は27.8%と全体の4分の1という高い水準を記録しています。
そしてこの調査では、ふたり親家庭よりも、ひとり親家庭の方が生活困窮層の割合が高く、子育てに対する支援が早急に求められていることがわかりました。
広島県内の「こども食堂」は、子育て情報サイトを運営する団体が県内のこども食堂の情報を集めたネットワークサイトを立ち上げ、支援を呼びかけています。
このサイトには広島県内にある34施設が掲載されており、食堂開催日などを共有しています。
また、広島県各地でこども食堂の開設方法などの講演会を行っており、新しくこども食堂を開く人々にも積極的に発信活動を行っています。
そして広島県のこども食堂の開設費、運営費の助成を行うために、サイト上で寄付を募り、集まった寄付金は毎年、サイト上で支援した団体と支援金を公開しています。
このように、広島県のこども食堂を広げる活動を積極的に行っているのです。

大学生が献立と調理を行うこども食堂

安芸郡のこども食堂では、「食事を通じたコミュニケーションの場の提供」「楽しく食べる子どもの場づくり」「大学生の社会に貢献できる資質・能力の育成」を目的としています。
料理は県内の大学の管理栄養学科の学生ボランティアが献立作成と調理を担当。
料理提供だけでなく、その日の献立に関するクイズなどで子どもたちの食育にも寄与しています。

無農薬野菜、国産の肉や魚、天然調味料で調理するこども食堂

東広島市のこども食堂では、無農薬の旬の野菜と国産の肉や魚などを使い、食材にこだわっています。
食事内容は一汁一菜とされ、子どもたちに素材の美味しさを知ってほしいという目的で行われています。
化学調味料も一切使っておらず、天然の調味料だけで味付けを行っています。
単なる食事の提供だけではなく、本来の素材の美味しさを知り、味わえるこども食堂です。

子どもたちが自分たちの手で調理するこども食堂

福山市のこども食堂では、できた料理を単に食べるのではなく、参加した子どもたちが全員で一から準備を行います
一緒に手順を確認しながら調理を行い、調理教育も兼ねています。
簡単な料理なら自分たちでできるように、自立支援を行うことも目的の一環と捉えて活動を行っている団体です。

  • 広島県では子どもたちの生活状況を把握するために調査を実施
  • 生活困難層は小学校5年生の家庭で25.7%、中学校2年生の家庭は27.8%と全体の4分の1となった
  • 広島県内の子ども食堂の情報を集めたネットワークサイトを立ち上げ、支援を呼びかけている

(出典:広島県公式サイト「広島県子供の生活に関する実態調査結果」)

広島市が行う「こども食堂✕フードバンク✕フードロス」の取り組みとは


広島県広島市では、「こども食堂✕フードバンク✕フードロス」の繋ぐ取り組みを行っています。
この活動は「もったいないNO」とも呼ばれています。
活動の目的は、実際にこども食堂を運営している運営側、フードバンクなど食料の寄付を受ける施設である提供側、食品のロスを減らす取組みを行っている店舗を指す協力者の間での情報交換を円滑にする取り組みです。
具体的には、支援を必要としているこども食堂の運営側が持つ「こども食堂の住所・営業日時・連絡先・提供メニュー・必要としている食材」などの情報と、食料支援を行うフードバンクなどの提供側の「食材情報(在庫数・賞味期限)」などの情報をリアルタイムで共有し、互いの状況を知り得る仕組みを構築します。
また、フードバンクに持ち込んだ食材情報を実際に寄付した人が登録することができます。
これにより、登録情報をこども食堂の運営者などが知ることで、支援の現状をリアルタイムで把握することが可能です。
支援される側と支援する側を繋ぐ仕組みとして、期待が高まっています。

  • 広島市では「こども食堂✕フードバンク✕フードロス」の繋ぐ取り組みを実施
  • こども食堂の運営者、フードバンクなど食料の寄付を受ける施設、食品のロスを減らす取組みを行う協力者の間での情報交換を円滑にする取り組み
  • 支援される側と支援する側を繋ぐ仕組みとして、期待が高まっている

(出典:公益財団法人ひろしまこども夢財団 イクちゃんこども食堂 ネットワーク「こども食堂×フードバンク×フードロス 繋ぐ取組み」)

広島県が補助金を提供するこども食堂に関する事業は?


次に、令和元年度時点で広島県が補助金を提供しているこども食堂に関する事業を解説します。

ひとり親家庭等居場所づくり事業

ひとり親家庭の「こども」と「親」の各々が、気軽に交流し安心して集うことのできる居場所を提供し、こどもの心の安定や学習意欲の向上を図る活動に支援を行います。
支援額は年間開設日数によって変動します。

  1. 30日以上で114万4,000円
  2. 50日以上で170万5,000円
  3. 100日以上で235万1,000円

新しくこども食堂を開設したい方にとっては、心強い制度と言えるでしょう。
(出典:広島市「ひとり親家庭等居場所づくり事業」)

広島県のこども食堂の活動を応援しよう!


今回の記事では、広島県のこども食堂に対する支援や取組事例について解説しました。
広島県内では、こども食堂、フードバンク、フードロス協力者の繋がりを強固にするための具体的な施策などを行っており、全体の連絡を円滑にする活動等も行っています。
また、子どもの居場所づくりに対しても助成金を支援したりと、行政も一丸となって努力を行っている背景が垣間見えます。
さらに、私たち地域住民や周りの人々も支援に参加することが求められます。まずは小さな支援から広島県のこども食堂と関わってみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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