ここ数年で全国各地に広がりを見せている「こども食堂」の施設数は、増加の一途をたどっています。
NPO法人などの非営利団体が運営を行っている場合が多く、地方自治体も運営側に対して、活動開始時や運営時の支援を強化しています。
今回は、「こども食堂」を運営している上で加入しておきたい保険と、保険の選び方について詳しく解説します。
こども食堂とは?目的やメリット、これからの課題、支援方法などについて解説
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こども食堂の運営で生じるリスクとは?
貧困家庭の子どもを救いたいという多くの人たちの思いから、こども食堂は全国に急速に広がっています。
しかし、子どもたちを集めて食事を提供することには危険な要因があることに注意しなければなりません。
子どものケガへのリスク
「こども食堂で遊んでいたら、階段から転んで重傷を負った」などのケガが発生した場合、子どもの管理義務と事故責任を問われることになります。
衛生管理上のリスク
「料理を食べた子どもたちのほとんどが、嘔吐や体調不良の症状が出た」などの食中毒が発生した場合、全国のこども食堂の活動を自粛という大きな事態になりかねません。
食事提供での安全管理
「卵アレルギーの子どもに、間違って卵を提供して、痙攣を起こした」などの場合、安心して預けられる場所への信頼が揺らぎ、利用者が激減する可能性もあります。
これらの大きなリスクに対して、運営側がこども食堂が保険に加入することで、参加している子どもや大人にきちんと医療費を支給できる体制を整えることができるのです。
万が一、何か起きた場合に迅速に対応できるように、運営者側と子どもたちを守る保険の存在は重要です。
(出典:厚生労働省「子ども食堂の活動に関する連携・揚力の推進及び子ども食堂の運営上留意すべき次項の周知について」)
こども食堂は保険に加入しておいた方が良い理由
こども食堂を運営する上で、こども保険の加入は大きなメリットがあります。
医療費などの補填
1つ目は、事故、食中毒、アレルギーなどの事故が起きた場合に、参加している子どもや大人に医療費等が支給されることです。
NPO法人などの非営利団体で運営されているために、こども食堂は営利目的で行われている活動ではありません。
だからこそ利用者にとっては安く温かいご飯が食べられることを始めメリットが多いですが、運営側には大きな重圧と問題が起きた時のデメリットが降りかかります。
何かあった時のために、営利目的で行っていないからこそこども食堂の保険加入は運営側を守る盾になるのです。
通わせる安心材料の一つになる
2つ目は、地域の学校や町内会、役所等で、こども食堂に行くことを推薦しやすくなります。
自分たちの子どもを預けることに対し、少なからず不安を持つ親は少なくありません。
そのような不安を和らげるために、こども食堂が保険に加入していることが分かれば、こども食堂を利用する敷居が低くなります。
こども食堂を運営する側にとっても、こども食堂が保険加入していることを伝えることで、より多くの子どもたちが利用するきっかけを作ることができます。
上記のような理由から、こども食堂の保険加入は、デメリットが多い運営側を守る上に、こども食堂を利用する親や子どもたちにも安心感を与えることができるのです。
(出典:こども食堂安心・安全プロジェクト公式サイト)
こども食堂の運営で必要な保険は?
次に、こども食堂の運営で必要な保険を紹介し、具体的な保険内容についても詳細に解説します。
事故やケガの対応
こども食堂を運営する上で、事故やケガへの対応はとても重要です。
子どもたちは、時に大人たちが予想できない行動を起こします。
突然、投げてはいけないものを投げたり、突然ケンカになり階段から突き落とすようなリスクも考えなければいけません。
しかし、こども食堂が料理の提供だけで精一杯の人員で運営されていた場合には、そんな子ども同士のトラブルを見逃してしまい、対応が遅くなってしまいます。
ここでは、こども食堂に加入を勧める保険の中でも事故やケガ対応に特化したものを取り上げます。
施設賠償責任保険
施設の安全性の維持、管理の不備や、構造上の欠陥や、施設の用法に伴う仕事の遂行が原因となった場合のみ補償します。
他人にケガをさせたり(対人事故)、他人の物を壊したり(対物事故)した場合に、保険の保障を受ける人が法律上の賠償責任を負担した場合に被る損害を補償します。
1事故で最大1億円まで補償されます。
ボランティア活動保険
ボランティア活動保険は、主に無償で行っているボランティア活動に参加しているメンバーが加入する保険です。
この保険には、5億円を限度とした賠償責任保険金が付与されており、こども食堂に訪れた子どもに誤って危害を加えてしまったなど、法律上の賠償責任を被った場合に、ボランティア活動保険が補償されます。
サービスを提供する側の人間を守るためにも必要です。
ボランティア行事用保険
ボランティア行事用保険は、こども食堂への参加者の名前を事前に申請しておくことで、参加者全員が保険適用の対象となります。
ケガにおける死亡保険金、後遺障害保険金、入院保険金日額、手術保険金、通院保険金などが保障されます。賠償責任についても。対人賠償であれば1名1事故で2億円を限度に保障されます。
1名の宿泊を伴わないイベントであれば、1人あたりの料金は安いため、事前に参加者を把握して加入しておくのも守るために必要です。
アレルギーや食中毒への対応
ここまでは事故やケガにおける対応への保険について説明しました。
次に、アレルギーや食中毒への対応を行う保険について解説します。
生産物賠償責任保険
製造・販売した製品や商品、または、仕事の終了後に行った結果が原因となり、他人にケガをさせたり、ものを壊したりしたことで、賠償責任を負担された時の損害を保障する保険です。
賠償限度額は、1事故につき1億円であり、料理を提供する運営側のスタッフは加入しておきたい保険です。
(出典:農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集」,2018)
保険に加入し、こども食堂を安心して利用してもらおう!
今回の記事では、こども食堂で入っておくと安心な保険の種類と選び方について解説しました。
子どもたちの貧困を救いたいという正義感から始めた活動が、料理を提供する過程において、大きな被害を生む可能性も隠れています。
普段からの衛生管理の徹底はもちろん必要ですが、何かあったときに備えて保険に加入しておくことも選択の中に入れておくことが大切です。