日本では貧困家庭で育つ子どもの多さ、また子どもの貧困による教育格差など様々な問題が浮き彫りになっています。
政府の支援事業を始め非営利団体なども支援活動を行っていますが、私たち一人ひとりの力も大切です。
中でも、貧困に悩む子どもを直接支援したい、サポートしたいという方は子どもの支援を行っている団体や自治体で働くのも良いでしょう。
この記事では子どもの貧困に向き合い、子どもを支援している活動や支援団体で働く際に活かせる資格などを紹介します。
子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは
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貧困家庭の子どもの支援活動にはどんな種類がある?
日本には、子どもの貧困を支援する様々な活動があります。国・自治体、民間企業、非営利団体などが主となって運営している活動が多いです。
その中には以下のような支援方法が存在します。
教育による支援
小学生から高校生までの子どもに対して、学習支援を行う活動です。NPO法人や学生ボランティアが主となって活動しているケースが多いことから、塾や家庭教師のようにお金がかからず、無償でサポートしている団体もあります。
また勉強だけでなく、イベントで交流したり悩み相談の場を設けたりなど、独自のサポートを行っている団体もあります。
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保育による支援
公営・民営の学童保育所をはじめとして、「保育」も子どもの貧困支援活動の一つです。親が仕事で家にいない子どもに対して、学校の宿題を見たり一緒に遊んだりする活動が主となります。
おやつの提供や豊富な遊び道具もあるため、貧困世帯の子どもにとっては楽しく安心して過ごせる「居場所」になり得ます。
カウンセリングによる支援
学校のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどは、カウンセリングによって貧困の子どもをサポートします。
また貧困家庭の子どもは孤立しがちで、生活環境が荒れたり、悩みを抱え込んだりする傾向があります。自治体や非営利団体では、子どもの悩み専用の相談窓口を設けているところがあります。
食事による支援
食事による支援は、学校や福祉施設などで栄養バランスを考えた食事を提供する活動です。
そして、手作りの料理を無料もしくは安価で提供する「こども食堂」という活動が、近年話題になっています。平日や土曜日に主にボランティアが中心となって、貧困・孤独で辛い思いをしている子どもやその親と一緒に、温かいご飯を食べて交流する活動です。
マスコミなどで積極的に報道されたこともあり、その必要性に注目されてきたことから、助成金を交付する自治体や民間企業が増えています。大手コンビニも、2019年3月から、こども食堂への取り組みを行うと発表しています。
寄付による支援
貧困の子どもを救うため、貧困の連鎖を解消するための寄付金による支援は、実に様々な組織・団体が行っています。主に自治体や公益財団法人、NPO法人、ボランティア団体が主です。
内閣府のホームページでは、「子供の未来応援基金」として、民間企業にも協力が呼びかけられています。
これらの活動は、ひいては「子どもの居場所」を作る活動につながります。
ひとり親世帯の子どもは、学校から帰ってきても親は働きに出ているため、一人で孤立しやすい環境にあります。そして、孤独感や不安感を紛らわすために非行に走る、勉強の遅れにより自信を喪失する、栄養バランスの崩れによって健康障害が起こる、といった二次的なリスクにもつながっていきます。
親がいない時間に居場所があることで、安心感を持てるだけでなく、学力や健康などの格差拡大を予防することにもつながります。
(出典:内閣府公式サイト「子どもの貧困を考える」)
(出典:内閣府公式サイト「日本の子どもの貧困と対策の現状」)
貧困家庭の子どもの支援活動に活かせる資格は?
紹介したように支援活動には様々な種類があります。つまり、自分がどのような活動をしたいかによって、身につけるべき知識やスキルは異なるということです。
参考として、子どもの支援活動に活かせるいくつかの資格とその取得方法をご紹介します。
子育て支援員
平成27年に始まった「子ども・子育て支援新制度」のもとで創設された、保育・子育て支援に従事する人に向けた資格です。
保育士のような国家資格とは違い、民間の資格で自治体が実施する研修を受講・修了することで取得できます。
子育て支援員を取得した後の職場としては、学童保育所、児童養護施設、保育園、ファミリーサポートといったところでの活躍が期待されています。
取得の難易度は決して高くありませんが、自治体によって申し込み方法や受講方法が異なるので、住んでいる自治体で確認する必要があります。
(出典:厚生労働省公式サイト「『子育て支援員』研修について」)
管理栄養士
管理栄養士の仕事内容は、以下のように説明されています。
を行うことを業とする者をいう。
(引用:厚生労働省「栄養士法」)
冒頭で紹介した支援の種類のうちの、「食事による支援」がもっとも近い活動の場となります。
管理栄養士になるには、まず栄養士の資格を取得することが必要です。4年制の管理栄養士施設に入学し、栄養士を取得、管理栄養士の国家資格を受験する、という流れが一般的です。
(出典:首相官邸「厚生労働省における栄養関連施策について」)
スクールカウンセラー
スクールカウンセラーは、学校に関係するすべての人を対象に心のケアを行う仕事です。特に学校で問題を抱える生徒の心に寄り添い、教員や保護者と問題を解決することが求められます。
スクールカウンセラーの専門資格はありませんが、臨床心理士や公認心理師、精神科医、大学教員の資格を取得している人が活躍しています。
主な仕事内容は以下の7つに分類されています。
クールカウンセラーの仕事は、生徒との信頼関係を築くだけでなく、学校の職員や保護者との連携も重要な仕事となります。
(出典:文部科学省「スクールカウンセラーの業務」)
放課後児童支援員
放課後児童支援員は、平成27年に創設された資格で、子どもの一人ひとりの発達の特徴を理解し、見守り、サポートできる知識を身につけます。
活躍の場は主に放課後児童クラブ(学童保育所)です。1つのクラブには、2名以上の放課後児童支援員を配置することが義務付けられるようになりました。
下記の条件を満たしている人が、「放課後児童支援員都道府県認定資格研修」を受講することで取得できます。
(出典:厚生労働省「放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係」)
子どもの支援をするならどこで働くのがおすすめ?
仕事として、子どもの貧困支援に携わりたいと考えている人には、どのような職場があるのでしょうか。
子ども支援関連の非営利団体
冒頭で紹介した、教育、保育、カウンセリング、食事などで支援を行うNPO法人は日本全国にあります。
特に東京や大阪などの都市には多くあり、その業務内容やサービス内容も団体によって様々です。現時点でまったく違う業界で働いている人でも、「基本的なパソコン操作ができればOK」、「未経験者歓迎」といった求人も多いため、チャレンジしやすいはずです。
またほとんどのNPO法人では、ボランティアも広く募集しています。興味のある法人が見つかれば、まずはボランティアから参加してみるのもおすすめです。多くの場合、ウェブサイトから気軽に応募することができます。
子ども支援関連の企業
NPOではなく株式会社や合同会社にも、子ども支援関連の活動を行っている企業があります。学習塾などが代表的ですが、直接的に支援をしているわけではなくても、悩みを持つ子どもの相談口となるウェブサイトを運営するなど、独自の活動をしている企業もあります。
ただ、子どもの教育・保育・福祉系は、ビジネスとして利益を出しにくい業種です。NPO法人や社会福祉法人といった特殊な会社ではない限り、参入はしにくい業界であるため、一般企業の数・種類は限られているのが実情です。
自治体が母体の公的施設
自治体などの公的機関では、定期的に、自治体が母体の学童保育所や地域施設で働く職員を募集しています。こうした施設には、日中は親が働きに出ていて家にいない貧困世帯の子どもが、少なからず通っています。NPO法人のような活動と同様、子どもと直接関わって働きたい人に向けてもおすすめの職場です。
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自分に合った支援方法を見つけることが大切
ここで紹介した支援の種類・方法、資格は、「これがもっとおすすめ」と決められるものではありません。すべて、貧困で悩む子どもや親にとって必要な支援です。これらそれぞれの活動が盛り上がることで、貧困解決に向けて相乗的に働いていきます。
貧困状態にある子どもたちを支援するために、無理なく気軽に参加できることを探してみてはいかがでしょうか。