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徳島県で行われている貧困対策や取り組みは?

この記事を要約すると

周りを海に囲まれる四国、そこにある徳島県では貧困が深刻な状況となっています。
貧困は全国的に見ても問題視されていますが、徳島では特に過疎化や産業の縮小などが貧困を引き起こす要因として挙げられています。

このような状況を打開するために、徳島県は関係機関と連携して多くの対策を打ち出し、取り組んでいます。
これにより貧困率は改善に向かっていますが、それでもまだまだ支援を必要とする人がいます。徳島県ではどのような対策や取り組みを行っているのか紹介します。

貧困が深刻化する日本、貧困率が高い都道府県や地域ごとの対応とは

徳島県の貧困率は?

住宅・土地統計調査データに基づいて算出された都道府県別貧困率では、徳島県は2013年時点で15.5%となっており、沖縄県の16.9%に次いで全国で2位の高さとなっています。

この貧困率の原因には大都市から離れている立地や出生率の低下、人口の減少、ひとり親世帯の増加に伴う収入の不安定化などがあります。
また、ひとり親世帯では子どもが小さいために正規職員・安定した職に就けないなど様々な要因があると考えられます。

(出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構)

徳島県で行われている貧困対策とは

徳島県はこの状況を打開するため、貧困対策として徳島県次世代育成支援行動計画「第2期徳島はぐくみプラン」を打ち出し取り組んでいます。
これは貧困だけに限らず、次世代の徳島を担う人材育成を目的としています。
その過程で現在問題となっている貧困への対処や人材育成を行うことで、将来的に貧困を減らすことを目的とした計画になります。

2015年度から2024年度までの10年間を前期5年、後期5年でまとめており、この期間で取り組みを進めています。
基本理念に「子どもたちを大切に育み、子育ての喜びを分かち合える徳島を目指す
」を掲げ、次世代の育成支援対策に関わる施策を進めています。

前期計画に際しては以下の3つの視点を取り入れ推進しています。

  • 若者の自立を含め、結婚、妊娠・出産、子育てに切れ目のない支援を推進
  • 世代を超えた支え合いや喜びを分かち合える仕組みを構築
  • 地域の実情を踏まえた多様な取組みを推進

以下ではこのプランにおいて、貧困世帯の支えとなる施策について紹介します。

若者の自立への支援

次世代の育成に若者の自立への支援は欠かせません。
結婚し、子育てができる経済的基盤を作れるよう就職支援や能力開発教育など幅広い分野での若者のキャリアアップを関係機関と連携して図っています。

後述するような施策によって早くから就職の意識付けをし、就労による収入の安定を謀ることで貧困層を減らすことも同時に図られているのが、この自立支援です。

就職の機会創出

特に貧困に関しては、希望の職種への就職、自己の能力に合ったものを選べていない、職場環境や収入の問題があるなどの様々な理由が考えられます。
そのため45歳未満の若年者を対象とした職業相談や適正診断、マッチング、能力向上やそのためのセミナーの開催、就労促進を図るためのサービスを提供しています。

キャリア観の形成支援

また若年無業者、いわゆるニート呼ばれる人への自立支援や徳島での漁業の人材育成も進めていくため、県立科学技術高校の生徒を対象にして講義方研修や座学、漁業現場での体験学習などを行い人材確保と育成を行っています

他にも建設産業などでも講座やイベントの実施、職業体験を開く、児童生徒に向けた体系的なキャリア教育を行う指導体制を作ることで、早い段階から就職に向けた意識付けをしています。

インターンシップ(就業体験)の推進

インターンシップの推進は県内の各所で行われています。
農家の生産現場や職員関連企業、林業機械の操作体験、建築産業など徳島県内の主な産業での就業体験を行っています。

産業界の関係機関と連携し、若者の人材育成を行うとともに、幅広い異年齢者との交流や学校側と企業側のマッチングの仕組みの構築を行い、就労がスムーズに行きやすい構造作りを行われています。

第一次産業等のイメージアップ

貧困において、何よりも問題なのはその職業で収入を得られないという体験やイメージです。
特に徳島は農業や漁業を生業としている家庭も多いため、儲からないと言うイメージからこの土地を離れる若者も少なくありません

また家業を継いだとしても、上手く収入に繋げられず、貧困を助長してしまうこともあります。
そのため若手就農者や女性農業者、高性能林業機械、漁業などの活動を紹介しつつ、儲かるイメージをつけてもらい、次世代の人材を確保するとともに、収入に繋がる方法を早くから植えつけていく取り組みも行われています。

就労者のスキルアップ

収入につなげるには根本的な能力向上も必要になります。

そのため、労働者の有する職業に必要な技術や知識を在職労働者に追加習得される施策や、新規就農者に対しての実践的なスキル向上、若手林業従事者や若手漁業者を対象としたスキルアップのための研修などを実施しています。

(出典:徳島県公式サイト)

社会全体で貧困の連鎖の防止

貧困には生まれ育った家庭の経済的な事情から進学を断念し、不安定な就労をしなければならない人もいます。

この不安定な就労は経済的な不安定さを生み、結果として貧困生活から抜け出せないという「貧困の連鎖」が起こります。

これを断ち切らなければ貧困層は増えるばかりとなってしまうため、次世代の子どもたちを育成することで、貧困の連鎖を防止するのも「第2期徳島はぐくみプラン」の目的となっています。

貧困の状況にある子ども・若者への就学・学習支援

貧困の状況にあっても就学を諦めなくていいような就学・学習支援が行われています。

保護者に対して市町村からの就学援助を円滑に実施するとともに、授業料や修学旅行費の負担を減らす「私立高等学校等授業料軽減事業」や「徳島県奨学のための給付金事業」、奨学金の付与を行い、教育機会の均等を図っています

またテクノスクール普通課程訓練生の授業料の免除、特別支援学校への就学の特殊事情に対して通学費や学用品費など就学に必要な経費の援助も行われています。
他にもひとり親世帯の子どもを対象とした学習支援、児童訪問援助員を派遣した悩み相談や簡単な学習指導の実施も行っています。

貧困の状況にある家庭への生活支援

貧困の状況にある家庭への生活支援として、子育てをはじめとした生活や就業に関しての相談や、生活困窮度の高い子育て世帯への公共住宅の優先入居、働き続けられるための保育サービスなどの支援があります。

またひとり親世帯の子どもには就学のために必要な資金や就職に必要な知識技能の習得に必要な資金の貸付、就職に関する情報の積極的な提供なども行われています。

貧困の状況にある保護者に対する就労の支援

貧困から脱するためには、保護者の安定した就労が最も即効性が高いとされています。

そのため生活困窮者や生活保護受給者に対してハローワークでの支援や、児童扶養手当受給者に対しての細かな就労支援を行い自立を促すと言った取り組みも行われています。

当然、経済的な自立を図るための職業能力向上のための訓練なども支援し、効果的な就業を行えるよう図っています。

貧困の状況にある家庭への経済的支援

経済的支援としては子どもの教育や高校進学に係る経費の支給や、児童扶養手当、児童手当、母子父子寡婦福祉資金貸付金の情報提供と適切な貸付、医療に係る費用の助成などを行い、負担の軽減を行っています。

家庭における子育て支援の充実

近年では核家族化やひとり親家庭の増加に伴い、家庭における子育てをする力の低下が見られます。

そこで子育て家庭のニーズに合わせた支援や健康の確保、またそれに伴う経済的負担の軽減などを行うとともに、思春期の子どものここの健康作りや食育促進を図っています。

子育て家庭の負担の軽減

子育てにおける様々な不安や悩みに対応できる場の開設や子どもを課程で養育することが一時的に困難になった場合の児童養護施設など短期的な子育て支援事業の周知などを行い、子育て家庭の孤立化や不安の解消を図っています。

また保育料の軽減や子育て世帯に対する教育費などの優遇制度、高等学校などの授業料についての負担軽減などを行い、教育機会の均等化を図るとともに経済的負担の軽減も行っています。

家庭の子育て力の向上

経済的な差は子育て力にも繋がりますが、子育て世帯が施設や店舗を利用した際に受けられる優遇サービス制度を設けることで子育てがしやすく、親子が触れ合える機会作りを支援しています。
また不安や悩みを安心して相談し、交流できるような場所の提供も行っています。

妊産婦・乳幼児に関する切れ目のない保健対策の充実

徳島県の出生率が低下していることから、妊娠や出産から新生児にいたるまでの高度で専門的な医療を効果的に提供する周産期医療体制を整備し、出産や子育てをしやすい環境づくりを推進しています。

多子世帯への支援

子どもが多い家庭に関しては保育料の軽減支援や、ひとり親世帯や多子生態に対しての公共賃貸住宅の優先的な入居や入居資格の所得要件の緩和を実施しています。

小児医療・小児慢性特定疾病医療費助成制度の推進

児童の慢性特定疾患に対しては適正な医療を受けられるように医療費を公費負担してくれるほか、身体的障がいのある児童には確実な治療ができるものに対しては必要な医療を付与する取り組みも行われています。

食育の推進

貧困の状況にあると満足な食事が取れないことがあります。

食は健全な心身を培い、人間性を育むことに繋がるため、食育を着実に推進できるよう取り組まれています。

食に関するネットワークを農林漁業、医療、栄養、保護者など関係機関の連携を行い、食に関する正しい知識を身につけ、健全な心身を培えるような支援を行っています。

また子どもの食習慣の確立や、学校給食の地産池消の推進なども同時に取り組まれています。

(出典:徳島県公式サイト)

ひとり親家庭の自立の支援

ひとり親家庭への相談支援体制の充実や就労・自立支援の充実、子どもへの支援促進などを行い、ひとり親が仕事と子育ての両立を行えるよう、またその子どもが将来に希望を持って健やかに成長できる環境づくりに取り組んでいます。

相談支援体制の充実

子育てや生活、就業などに関して様々な悩みを相談できるような場所は必要です。
そのため相談を受け、支援に関する情報の提供や助言を行える環境を整え、その充実を図っています。

就労・自立支援の充実

自立を促すためには収入の安定は何よりも必要です。そのため関係機関と連携し、安定した就労のための職業能力向上に繋がる訓練などを効果的に支援しています。

社会的養護体制の充実

親がいない子どもに対しての家庭的擁護の推進のため、里親の開拓や小規模住居型児童養育事業の開設促進など里親支援の充実を行っています。

また虐待を受けた子どもやDV被害を受けた親子、生活指導を要する子どもに対しての専門的なケアや、そのための人材確保及び育成、先ほど挙げたような自立支援や家庭支援、地域支援の充実などにも力を入れています。

子どもへの支援の推進

ひとり親家庭の就労支援を行うとともに、親の離婚などで精神的に不安定になった子どもに対してのケアや簡単な学習指導、生活指導などを行う支援の促進を行っています。

子育て・生活支援の充実

ひとり親家庭が安心して子育てと就業を行うための保育所の利用機会の確保や多様な子育てサービスの実施、また一時的な日常生活の支障に対しての家庭生活支援員の派遣など、生活援助や保育の支援も行われています。

経済的支援の充実

児童扶養手当、児童手当、母子父子寡婦福祉資金貸付金の情報提供や適切な給付・貸付、養育費の取り決めや取得促進の情報提供・啓発を行っています。

(出典:徳島県公式サイト)

貧困への対策や取り組みは全国各地で行われている

徳島では貧困率の高さや地域の過疎化に伴う産業の縮小化など様々な問題が浮き彫りとなっています。

そのためこれだけ多くの施策を打ち出し、対策にあたっていますが、これは徳島だけに留まらず全国的に行われています。

このような対策や取り組みが行われていても、実際に貧困にある家庭の人が知らなければ改善はされません。
私たちにできることは周りで貧困に苦しんでいる人に手を差し伸べ、このような制度や取り組みがあることを報せてあげることも、その1つなのではないでしょうか。

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