今日、世界では難民や移民の問題を抱えており、深刻な状況です。
このような事態に対して海外の国では難民を多く受け入れる国も多々ありますが、私たちが住む日本ではどうなのでしょうか。
この記事では、日本の難民の認定率と世界との比較し、そして難民に行われている支援活動などについて紹介します。
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日本の難民受け入れ体制の現状は?
難民とは、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」と定義されています。
実際には武力紛争や人権侵害、政治的な迫害などから逃れるために国境を超えてほかの国に助けを求めた人たちのことです。
難民は紛争や内戦が多いアフリカの近隣国で受け入れている国が多いですが、日本にも安心して暮らすために難民の人々はやってきます。 日本の難民認定率は世界的に見ても低い水準です。難民の受け入れ人数が最も多いトルコでは2018年でおよそ370万人を受け入れているのに対して、日本では42人しか難民として認定されていません。 難民認定申請者数1万493人に対して認定された人数が42人なため、認定率は0.4%ほどです。
これは言語の壁だけでなく、認定に必要な手順や手続き、そして認定される条件が日本では厳しいことが原因となっています。
(出典:法務省 「平成30年における難民認定者数等について」)
難民が日本で暮らすために必要な手続き
難民として日本で暮らしていくためには難民認定される必要があります。
手順や手続きを経て、難民認定されれば日本で就労などができるのですが、この手順と手続きに短くても数ヶ月、長ければ数年かかることも少なくありません。
基本的には難民申請の手続きを開始して申請を行った場合、入国管理局の難民調査官による面接が行われます。ここで書類による不備などがなく、渡航歴や不法滞在など問題が無い場合は難民として認定されます。しかしここで条件を満たすことができず認定が通らない場合が多く、不認定となることがあります。
それでも難民同様にやむを得ない理由で出身国に帰ることができない場合は人道配慮から在留特別許可がおり、在留資格や就労許可の付与、国民健康保険などのサービスを受けられるケースもあります。 ここまでの流れでも数ヶ月かかることがほとんどですが、不認定の結果通知から7日以内であれば異議申し立てを申請することができます。
これにより入国管理局の難民調査官および独立した難民審査参与員による面接が再度行われます。
難民となってしまった理由によってはここで難民認定を受けることができることもあります。 それでも理由なしと判断され再度不認定になってしまった場合は、行政手続きの終了となってしまうため、さらなる審査が裁判所で可能となります。 この場合異議申し立てが退けられてから6ヶ月以内であれば訴訟を起こすことができます。
ここまでの手順や手続きは海外からやってきた人にとっては非常に複雑で困難なため、手順を理解して認定を受けるハードルがどうしても高くなってしまうのが現状です。
難民申請の結果が出るまでは数年かかることも
先ほども触れましたが、難民申請の結果が出るまでに最大数年かかることがあります。 難民に認定されれば1~3年の更新期間は必要なものの在留資格が与えられ、国民健康保険への加入や就労が可能となるほか、日本での安定した生活ができるよう様々なサービスを受けることもできます。
しかし認定されない場合、結果を待つ間は合法的に働くことができず、生活や住居費などは政府の支援を受けざるを得ない状況になり、この申請も別途行う必要があります。
また国民健康保険サービスも受けられないので、病気になった場合は全額を自費で建て替え、後日支援機関からの払い戻しを待たなければなりません。
日本で生活、あるいは仕事をしていくために必要な日本語学習プログラムも難民認定されている人を対象としていることから、申請中の人にとっては学習する機会が限られてしまいます。 申請が通るまでの期間が長いことから、不法滞在となってしまい収容される可能性も少なくありません。そうなった場合、申請期間はさらに長期化する恐れがあり、難民申請が通らなくなる可能性もあるため悪循環に陥ってしまうのです。
(出典:国連UNHCR協会「日本の難民認定について」)
難民の受け入れ数が多い国とは
2018年時点で、世界で故郷を追われた難民は7,000万人を超えました。 難民は紛争や内戦の多いアフリカを中心に発生しますが、難民がまず避難先として向かう先は近隣の国です。
そのため、世界でも難民の受け入れ数が上位の国はトルコ、パキスタン、ウガンダ、スーダンなどが挙げられます。
難民の受け入れについては国によって方針が異なりますが、海外は日本ほど難民申請が厳しくなく、手続きもそれほど複雑ではないと言われおり、多くの人々を難民認定し受け入れているとされています。
各国の難民の受け入れに対する方針について解説します。
トルコ
トルコではシリア内戦で発生した難民など2018年には350万人以上の難民を受け入れています。 難民が発生した当初は難民を快く受け入れ、食糧や毛布を提供していました。その後、難民を多く受け入れたことでトルコが経済的にひっ迫され、すでに受け入れは限界を超えているとも言われています。
そのため、庇護申請の最終的な結論を待っている庇護希望者は正式に難民として認められていないため、経済的および社会的な権利や自由度において厳しい制約を受けざるを得ない状況になってしまいました。 特に医療サービスにおいては規制により難民や庇護希望者は自ら全額負担で医療を受けなければいけません。就労も手続き上の問題から合法的なものは不可能であり、居住許可でさえ費用を支払うことを求められるなど、難民にとって厳しい生活が強いられています。
一方、国民からの不満として、難民が就労していくことで、自分たちの仕事が奪われるという声も挙がることもあります。 トルコでは国の指針により、難民条約の締結国ではあるものの、地理的制限を維持し、ヨーロッパ出身の庇護希望者以外は国連機関のUNHCRが審査を行うことになっています。
そこで難民の地位が与えられたとしてもトルコではなく第三国の再定住が勧められます。ほかにも深刻な人権侵害の恐れがある国への送還を禁止するノン・ルフールマンの原則をトルコが守らないこともあったため、UNHCRが難民と認定してもトルコの国家が却下した人や、認定がまだ下りていない庇護希望者を強制送還している事実もあり、難民は厳しい立場に立たされています。
(出典:国連UNHCR協会「難民・無国籍者の保護」)
(出典:国際協力機構JICA「トルコにおけるシリア難民受入」)
パキスタン
パキスタンではアフガン難民を多く受け入れています。2018年には140万人の難民を受け入れています。 パキスタンの経済状況は裕福といえるわけではありません。それでも近隣国の国民が難民となって自国に避難してきたのに対し、善意と手厚い処遇で受け入れを行いました。
パキスタンでは難民村を設置し、さらにはアフガニスタン政府への支援も行うことで、アフガン難民が自国へ帰れるようにその環境を整える取り組みなどにも協力しています。
(出典:外務省「パキスタンにおけるアフガニスタン難民及び受入れコミュニティに対する緊急無償資金協力勢」,2017)
(出典:国連UNHCR協会「数字で見る難民情勢」,2018)
ウガンダ
ウガンダでは南スーダンからの難民が流入し、最大規模の難民キャンプが形成されています。2018年に受け入れた難民は120万人を超えているとも言われ、多くの人が緊急の支援を必要とする状況に陥っています。
特に多くの難民が身を寄せ合う西ナイル地域では地元住民にも負担がかかり、病院での医薬品の不足や、井戸の使用回数の減少などから抗議活動も起こってしまう状態です。 これを受けウガンダ政府では、国際機関やNGOと協力し、難民の生活支援を行っています。 長期化する難民の滞在から、難民とその地域の住民への持続可能な生計向上支援などを実施しています。
国境で難民として地位を得た後は、受け入れ地域の村などに土地を与えられ、働く権利や事業を始める権利、国内を自由に移動できる権利などが与えられます。
また政府そのものの能力強化を行うために、国連開発計画が主導し、難民の受け入れや対応などを含む地方政府リーダーの能力強化を図る研修などが行われました。
(出典:国連開発計画(UNDP) 駐日代表事務所「ウガンダで難民支援事業に取り組む」 )
スーダン
スーダンでも南スーダンからの難民が流入しています。南スーダンはスーダンから独立した国であり、隣国であるスーダンにも多くの難民が押し寄せ、2018年の難民受け入れ数は110万人となっています。
しかしスーダン自体の情勢も安定しておらず、具体的な支援などが行えない状態で、難民の対応については国際機関や人道支援団体に頼らざるを得ない状態となっています。
(出典:国連UNHCR協会「数字で見る難民情勢」,2018)
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日本は難民支援に約28億ドルを拠出
日本は難民の受け入れが厳しく、海外に比べて受け入れた実績が少ないことから難民に対して冷酷といった印象を与えてしまうこともあります。 しかし、国連サミットにおける難民問題の話し合いに関しては難民および移民問題に対して中長期的な取り組みの重要性を強調する首脳宣言をまとめています。
また日本からは緊急的な人道支援に加えて、難民の自立や受入国の経済的な発展を支援する開発支援を並行して進めていくとして、難民支援に2,800億円を拠出すると安倍首相から表明がありました。 これにより、国際社会との緊密な連携の下、難民および移民問題解決のために主導的役割を果たすために精力的な姿勢を示し、人道支援、自立支援および受入れ国・コミュニティ支援を行うことを各国に対して表明しました。
(出典:外務省「国内における難民の受け入れ」)
日本で受け入れた難民への支援
日本で受け入れを行っている難民は条約難民、インドシナ難民、第三国定住に基づいた人々です。 特にインドシナ難民は1970年代後半のインドシナ3ヶ国からの難民の大量流出をきっかけに、1981年に難民条約に加盟し、ベトナム、ラオス、カンボジアの難民を中心に受け入れてきました。
その事業は2005年に終了していますが、インドシナ難民に至っては1万1,319人の難民を受け入れています。
また1982年からは難民認定制度により750人を受け入れ、2010年からは第三国定住の枠組みでミャンマー難民の44家族174人を受け入れました。 受け入れた難民に関してはアジア福祉教育財団に事業委託することで様々な支援を行っています。 例えば定住促進施設として設置したRHQ支援センターで日本語教室を開く、就職等各種相談への対応を行っています。
(出典:外務省「国内における難民の受け入れ」,2019)
世界の難民問題に対して私たちができること
世界では7,000万人を超える難民がいますが、日本で難民として受け入れているのはたった42人のみという現状があります。また、内戦や紛争が多いアフリカに近いヨーロッパの国では多くの難民を受け入れていますが、受け入れが多すぎてしまったために見えてきた課題もあります。
難民は世界でも深刻な問題となっているため、まずは現状を知り、難民のために自分ができることを探してみてはいかがでしょうか。
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