日本(難民)

日本の難民認定率は?世界の国々と比較してみよう

発展途上国を中心に発生する紛争により故郷を追われ、難民として他国に逃げるしか選択肢がない人々が大勢います。食料や住居に困窮している難民を助けるために、世界の国々が難民受け入れに協力的な姿勢を取っています。

今回は、日本の難民受け入れ率と、世界で起きている難民問題の現状や難民受け入れが多い国の方針などを取り上げて解説します。

日本の難民認定率や世界との比較、難民のために行われている支援活動について知ろう!

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日本の難民受け入れの現状とは

法務省では、過去数年間の難民認定申請と認定者の推移をまとめています。 日本の難民申請者は2016年に初めて1万人を突破したものの、認定者数は2016年でわずか28人。その後も、2017年で20人、2018年で42人と少ない水準を維持しています。

2018年は難民申請者数10,493人に対し難民認定されたのは42人、認定率はわずか0.4%です。 また2017年には2万人近くにまで達した日本の難民申請者数は、2018年にほぼ半減しました。

これは、法務省が濫用・誤用的な申請に対応し、真の難民の迅速かつ確実な庇護を推進するために運用の見直しを進めていることが関係しています。

これまでは審査の長期化による経済的困窮に配慮し、申請者は申請から半年が経つと日本での就労が認められていました。

しかし2018年1月からは、申請後2ヵ月後に書面審査を実施し、明らかに難民に該当しない申請者には就労を認めないように制度運用を変更したのです。

  • 日本の難民認定は厳しく、2018年の認定率は0.4%
  • 法務省は難民申請の濫用・誤用的な申請に対応し、難民の迅速かつ確実な庇護のめに運用を見直している
  • 難民申請の見直しのため、2018年の難民申請者数は半減した
  • (出典:法務省 「平成30年における難民認定者数等について」)
    (出典:法務省 「平成29年における難民認定者数等について」)
    (出典:法務省 「平成28年における難民認定者数等について」)
    (出典:法務省 「難民認定制度の適正化のための更なる運用の見直しについて」,2018)

    世界では故郷を追われた人が7,000万人を超える

    2018年、紛争や迫害によって故郷を追われた人の数は、世界で7,000万人を超えました。 国連UNHCR協会の「グローバル・トレンズ・レポート(年間統計報告書)」によると、世界で移動を強いられている人の数は約7,080万人となり、タイやトルコの人口に相当するほどの数です。

    そして、7,080万人という数字は2018年末時点の統計であり、例えば、ベネズエラの経済危機により発生した難民の数は一部しか反映されておらず、実際はこの数を上回ると見込まれています。

    また、グローバル・トレンズ・レポートで発表された7,080万人は、次の3つのグループに分けられます。

    難民 紛争や迫害により自国を離れることを余儀なくされた人々。

    2018年、難民の数は世界で2,590万人に達し、2017年より50万人増加しています。

    ここには国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の支援対象者であるパレスチナ難民550万人も含まれています。

    庇護申請者 出身国外に逃れ、国際的な保護を受けながら難民認定を待っている人々です。

    2018年末時点で、世界で350万人に達しました。

     

    国内避難民(IDP) 自国内で移動を強いられた人々。

    3つのグループの中で最も数が多く、およそ4,130万人に上ります。

     

    (出典:国連UNHCR協会「【プレスリリース】グローバル・トレンズ 2018:世界の強制移動7000万人超、国際社会に連帯を呼びかける」,2019)

    難民の受け入れ数が多い国とは

    次に難民受け入れ数が多い国について詳しく解説します。

    トルコ

    トルコは世界で最も多く難民を受け入れている国で、2018年には370万人を受け入れています。 シリア難民を多く受け入れており、270万人にもなります。

    国際的に評価されている難民の受け入れですが、難民キャンプは人で溢れかえり、労働環境が整わないと貧困が続き、長期的な支援が必要です。 100万人のシリア難民を自国へ送還すると2019年に発表があり、行き場がなくなった難民の支援が必要とされています。

    出典:特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン「難民受け入れ国別ランキング【2018年統計】私たちの難民支援」)

    パキスタン

    2018年には140万人の難民を受け入れましたが、パキスタンに逃れてくる難民のほとんどは、アフガニスタンからの難民です。 現在も権力抗争を続ける武装グループによる内戦によって、数多くの難民が発生しています。 アフガニスタン難民の仕事はないため、厳しい生活を送っています。

    難民キャンプはインフラの整備がされておらず、子どもたちは栄養を十分取ることができません。 2002年以降、430万人のアフガニスタン難民が、自国へ戻りましたが、国内紛争が続いているため不安な生活が続いています。

    (出典:特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 「難民受け入れ国別ランキング【2018年統計】私たちの難民支援」)

    ウガンダ

    アフリカ東部に位置するウガンダは、「難民に寛容な国」と言われており、2018年には120万人の難民を受け入れました。 ところが近年は難民受け入れ地域に多数の難民が殺到し、大きな負担が発生しています。

    支援物資を積んだ大型トラックは頻繁な往来によって修復が必要になり、学校ではこれまで30人だった生徒数が100人になるなど、数々の問題が起こっています。

    この状況を重く見て、ウガンダ政府と国連が2017年6月に「ウガンダ難民連帯サミット」を開催し、ウガンダをサポートする方法を議論しているのです。

    (出典:独立行政法人 国際協力機構JICA 「“難民に寛容な国”ウガンダをサポート:人道支援と開発支援をつなぐ第一歩を踏み出す」)

    スーダン

    2011年7月、スーダン南部が南スーダン共和国として独立しました。 しかし、南スーダン国内での紛争の多発によって、難民が増加しています。

    今までは、スーダンと南スーダンで南北の内戦が行われていましたが、独立後に内紛が起きている南スーダンからスーダンへ難民が移動して増加するという新たな局面を迎えているのです。

    (出典:特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 「難民受け入れ国別ランキング【2018年統計】私たちの難民支援」)

  • 2018年、紛争や迫害によって故郷を追われた人の数は、世界で7,000万人を超えた
  • 故郷を追われた人は、難民・庇護申請者・国内避難民の3つのグループに分類される
  • 難民を最も多く受け入れているのはトルコ、次いでパキスタン、ウガンダ、スーダンと続く
  • 日本が難民の受け入れに厳格な理由とは

    2016年に各国で難民認定をした人数は、ドイツが263,622人、アメリカが20,437人、イギリスが13,554人、である一方、日本は28人と非常に少ない人数となっています。

    また、2017年の日本での難民認定申請者の処理数1万1,361人に対し、認定者数は20人となり、認定率は約0.2%でした。

    先述したように、法務省は法務省が濫用・誤用的な申請に対応し、真の難民の迅速かつ確実な庇護を推進するために運用の見直しを進めています。

    ここでいう真の難民とは、「自国にいると迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れる人々」であり、現在の紛争や内戦による難民に当てはまらないケースもあります。 このように、法務省が考える『難民』の定義が狭いことも日本の難民認定が厳しいことにつながっているかもしれません。

    また、日本では2010年にすべての難民認定申請者に対して一律で就労を許可することが定められているため、就労目的の難民申請を防止するために、申請2ヵ月後に書面審査を実施し、明らかに難民に該当しない申請者には就労を認めない姿勢を取っています。

  • 2016年の難民認定数はドイツが263,622人、アメリカが20,437人、イギリスが13,554人であるのに対して、日本は28人と非常に少ない
  • 法務省は難民認定の見直しを進めている
  • 法務省が考える難民の定義が狭いことが日本の難民認定の厳しさにつながっているかもしれない
  • (出典:認定NPO法人難民支援協会 「難民支援協会 2016年度 年次報告書」)
    (出典:法務省 「平成29年における難民認定者数等について」)
    (出典:法務省 「難民認定制度の適正化のための更なる運用の見直しについて」,2018)
    (出典:国連UNHCR 「難民とは?」)

    世界では多くの人が故郷を追われて苦しんでいる現状を知ろう

    今回は、日本の難民受け入れ率の現状と、世界の難民について紹介しました。

    世界では紛争や内戦を始め、様々な理由で故郷を追われている人が増えています。

    難民問題は深刻な問題の一つとして、世界各国の協力が必要です。 まずは世界の難民の現状や、日本の難民に対する受け入れ姿勢について知ることから始めましょう。

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