日本では「難民」に関わる問題について真剣に議論される場は多くありませんが、世界に目を向けるとおよそ6,850万人以上の人たちが紛争や暴力、迫害によって世界で移動を強いられたり、難民として生活しています。
そんな多数を占める難民を救うために、複数の国々が難民受け入れなどに積極的な姿勢を示しています。
今回は、世界的に見た難民受け入れが多い国の紹介や他の国の難民事情について解説します。
(出典:日本UNHCR公式サイト)
世界の難民問題の原因や解決策とは?受け入れ国での生活や日本の対応、支援協会の活動は?
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難民の受け入れ数が多い国ランキング
6,850万人とも言われる難民の数は、世界のデータで見ると2秒に1人が強制的に家を追われ、110人に1人が世界中で移動を強いられている計算です。
このように世界中の沢山の難民が居る中で、難民を多く受け入れてきた国について今回は紹介します。
(出典:日本UNHCR公式サイト)
トルコ
トルコの難民受け入れ数は、他国と比較しても群を抜いています。2017年の時点では350万人を受け入れているのです。
しかし、実際の難民事情は深刻です。
トルコが難民を多く抱える理由として、EU諸国がトルコを通過して自国にきた庇護希望者を「トルコが安全な国」として送り返す件数が増加しています。
トルコ経由でEU諸国に渡る庇護希望者の国籍は、イラク・イラン・ソマリアやアフガニスタン等30カ国以上の国になります。
また、トルコは難民条約の締約国ですが、難民の定義を「ヨーロッパから逃れてきた人に限る」という地理的制限を維持しています。
このためヨーロッパ以外からの庇護希望者はユニセフによって審査が行われます。
その他にも、トルコの法律は国境を越えてトルコ国内に到達した庇護希望者のみに言及しています。陸海の国境や空港は領域でないと主張し、保護を必要とする多くの人々を保護していません。
多くの難民を受け入れている国ですが、問題は多いと言えるでしょう。
トルコ難民の生活は、トルコ政府が運営する難民キャンプの定員をはるかに越えており、9割以上がキャンプの外で生活する苦しい状況に直面しています。
(出典:AMNESTY INTERNATIONAL公式サイト)
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ウガンダ
難民の受け入れ国はヨーロッパに多いというイメージを持つ人は少なくないかもしれません。
しかし、近年急速な勢いで難民を受け入れている国がウガンダです。
隣国の南スーダンでは現在も内戦が続いており、大勢の人々が国境地帯の各地点からウガンダに入国してきています。
彼らを難民キャンプまで移送し、人道支援や生活基盤を提供するのがウガンダの政策と言えるでしょう。
そして、国際的緊急医療団体は保険省と連携して、各地の難民キャンプ内で医療を提供しています。
(出典:国境なき医師団公式サイト)
パキスタン
一時期はアフガニスタンからの難民の多くを受け入れていたパキスタンですが、近年はアフガニスタンとパキスタンの政治的緊張が高まっています。
それにより、パキスタンから帰還するアフガニスタン難民の数は、最大規模になっています。
2016年に約62万人、2017年上半期に約10万人の帰還を確認しています。
(出典:公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会公式サイト)
レバノン
情勢が不安定なシリア難民100万人を、わずか人口400万人の国・レバノンが受け入れています。
レバノンでは新生児のケアや小児科治療などが遅れていましたが、難民の流入後、政府はそうした保健・医療サービスを総合的に提供する施設「プライマリー・ヘルスケア・センター(PHC)」の改善に着手しました。
レバノン市民もシリア難民も無料で予防接種を受けられるようにし、全国のPHCには専門スタッフを配置しています。
このようにレバノンでは、シリア難民の支援体制の強化が医療全体のレベルアップにもつながり、自国民も救う形となっています。
(出典:国連UNHCR協会公式サイト)
イラン
イランは世界で5番目の難民受け入れ国であり、アフガニスタンを中心に約100万人が逃れています。
イランにおけるアフガン難民は、世界では類を見ないほどに大規模化しており、イランで生まれ育った難民の世代は3世、4世にまで及んでいるのです。
イランでは、国民健康保険、就労許可といった国の基盤サービスを難民にも解放。
2015年からは難民登録の有無に関わらず、すべてのアフガン難民の子どもが初等、中等教育を受けることが可能になりました。
(出典:国連UNHCR協会公式サイト)
ドイツでは100万人以上の難民受け入れを決定
ドイツではメルケル首相が100万人の難民受け入れを決定し、世界中から注目を集めています。その後の変化を紹介します。
難民受け入れを決定した狙いや背景
難民を受け入れる決定をしたのは、ドイツの高齢化とそれに伴う労働人口の減少が挙げられます。
これによって、およそ100万人もの人手不足を難民で補うことを見据えているのです。
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ドイツの難民政策でどのような変化があったか
難民を受け入れたことで、労働人口が増加。これによって国の生産性を向上させる役割を担います。
しかし、実際には目に見えない難民に対する就職に対する差別などもあり、上手くいかない現状も隠れています。
ネイティブなドイツ人と難民が同じステージに立って働くことはさらなる法整備と周囲の理解が必要と言えるでしょう。
日本から寄付で難民支援をしていこう
今回の記事では、難民の受け入れ数が多い国を取り上げてそれぞれの現状について解説しました。
日本において、難民受け入れは進んでいない一方で難民を受け入れたことで成功したケースもあります。
この情報をきっかけに、難民問題に興味を持ち支援を行うきっかけになれば幸いです。