世界規模で大きな問題となっている「人身取引」の問題。
その中でもサハラ以南のアフリカの国々では人身取引が一番起きている場所であり、被害は深刻です。
今回は、アフリカにおける女性の人身取引が深刻であること、その問題の背景には何があるのかを解説します。
また、アフリカをはじめとする途上国で平和な社会の実現へ少しでも貢献したいという思いのある方は、平和構築に関連する団体の支援を体験してみませんか?
約30秒のアンケートに回答いただくと、さまざまな国で平和の実現へ活動する団体に10円の支援金が届きます。記事を読み進める前にぜひお試しください!
\たったの30秒で完了!/
アフリカで人身取引が深刻な問題に
アフリカが他の地域と大きく異なる理由は、いくつか存在します。
ひとつ目は、「貧困率の高さ」です。
アフリカに住む人々のほとんどは、農地で作物を育てて、食糧を収穫して生活しています。
しかし、近年の「地球温暖化」により平均気温が上昇したことや、干ばつや日照りの日が続く「異常気象」が続いていることから、満足できる収穫量を得ることができないのです。
収入源や自分たちの食事を賄う食糧を満足に得ることができないことから、貧困に陥るケースが増えています。
このような理由から、子どもをお金と引き替えに手渡したり、女の子を甘い言葉で誘い、性奴隷として働かせる現実が後を絶ちません。
ふたつ目は、「教育の普及率の低さ」です。
貧困問題は、教育を受ける機会が奪われることで世代を超えて繰り返されます。
1人でも多くの働き手が欲しいアフリカでは、子どもが教育を受ける機会がない家庭が多いです。
教育を受けられないことが原因で、職業の選択肢が減少してしまい、貧困から抜け出せないため、いつまでたっても問題の解決が難しくなっています。
(出典: 公益財団法人 日本ユニセフ協会「子どもの人身売買」,2018)
PCの買い替えを考えている方へ:NHKなど大手メディアでも取り上げられている、環境負荷のもっとも少ないエシカルなパソコンをご存じですか?
人身取引の被害者の多くは女性や子ども
世界的に見ると、人身取引が行われる割合の7割が女性・子どもが占めているのです。
この項目では、なぜ女性・子どもが被害者になるのかを解説します。
性的搾取
貧困で苦しんでおり、教育を受けることすらできない女性は、働き口が大きく制限されます。
そんな中で、「高い給与を得られる」という言葉につられ、売春宿に売られる事例が後を絶ちません。
女性を斡旋することで報酬を得ている組織があるため、一つのビジネスとして確立されているのです。
性産業は、男性からも大きな需要があり、かつ高いサービス料を得られることから、女性を奴隷のように働かせて利益を得る場合が多いのです。
強制労働
小さな子どもたちは、強制労働を強いられることが多く見られます。
貧困層の子どもたちは、他国の家庭に売られて危険度の高い仕事を手伝うことになります。
子どもが人身取引の対象になる理由として、反抗した場合も暴力などの武力行使で屈服させることができるため、理不尽な労働などにも逆らえずに働き続けるしかありません。
つまり、子どもを意のままに使える道具として労働をさせるのです。
教育を受ける権利を剥奪され、無理やり働かなければいけない状況は子どもたちの未来をも奪います。
強制結婚
小さな女の子たちは、結婚したい男性たちに売られてしまう現状があります。
若い女性・女の子と結婚したいと考える男性も多いため、ニーズが高く大きなお金が動くビジネスになっています。
結婚後に考えられるリスクとして、望まない若年齢での妊娠と出産、出産による身体への負担、家庭内での暴力、教育機会の損失などが挙げられます。
男性側の欲求を満たすために女性や子どもたちの未来が失われている点が、人身売買の大きな問題です。
(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会 「子どもの人身売買」,2018)
(出典:ウォークフリー財団(WFF) 「Global Slavery Index (世界奴隷指標) 2018 日本についての記述」,2018 )
アフリカで人身取引が起こる背景にある、解決するべき問題
次に、アフリカで人身取引が起こる背景にある、解決すべき問題について解説します。
貧困問題
アフリカで起きている人身取引の背景には、貧困問題が隠れています。
ほとんどの世帯の収入は農業に頼るしか無い状況であり、近年は、地球温暖化の影響などもあり不作が続いています。
深刻な貧困家庭に対して、「お金を稼げる仕事がある」と誘われた場合、多くの人たちの心は揺れるでしょう。
貧困に苦しんでいるからこそ、人身取引に巻き込まれるケースが後を絶たないのです。
紛争問題
紛争における兵士たちの性奴隷として、人身取引されるケースも少なくありません。
貧困国の女性たちが狙われ、被害は拡大し続けています。
男性側の要望も強くあることから、根絶が難しい問題と言えるでしょう。
人身取引をなくすためには背景にある問題解決が重要
人身取引問題は、貧困や紛争などから引き起こされる場合が大半を占めます。
ある程度の収入があり、紛争が起こらなければ人身取引の発生は減少するでしょう。
しかし、実質的に貧困や紛争の問題は、簡単に解決することができません。
貧困に焦点を当てると、大多数が依存している農業の仕組みを変えることが必要です。
今後、日照時間の増大、干ばつの影響なども踏まえて、より多くの品種の作物を育てる技術が求められます。
近年は、多くのNPO・NGOが農業技術を伝える取り組みなどを行っていますが、完全に浸透するまでは長い時間が必要だと見込まれます。
紛争についても、解決が難しい問題です。
それは、紛争の原因が宗教間や民族間の問題であることが多いからです。
そのため、紛争地の女性や子どもを守るために手厚くサポートして被害者を1人でも減らすための体制づくりが求められます。
(出典: 公益財団法人 日本ユニセフ協会「子どもの人身売買」,2018)
(出典:特定非営利法人 ハンガー・フリー・ワールド(NPO) 「世界の食料事情」)
日本に逃れてきた難民を正社員として雇用。エシカルなPCでSDGs「つくる責任つかう責任」に取り組みませんか?
人身取引の原因を解決するために行われている支援とは
最後に、実際に貧困問題、紛争問題に対しての支援や、人身取引の被害者のために行われている支援を紹介します。
食料支援と自給自足で回るシステム構築
貧困問題は、食料支援を行うだけでは解決には向かいません。
なぜなら、食料支援がなくなったら再び貧困に陥ってしまうからです。
そのため、継続的な食料支援とは別に、地域内で食料が循環するシステムの構築を求められます。
具体的には農業技術を勉強するワークショップを開き多品種の作物を育てられるように指導することや、給食を学校に導入することで、子どもたちが勉強できる機会を作るなど、長期的な活動を継続していくことが必要です。
難民キャンプの設置
難民キャンプとは、紛争が起きて難民になってしまった人々を保護する場所です。
主に住居・生活用水・食事・医療サービス・教育サービスの提供などを行っています。
シェルターでの支援
女性の人身売買被害者に対しては、「シェルター」と呼ばれる施設において、心身のケアを行いながら社会復帰を支援します。
主なプログラムとしては、ダンスなどのセラピーや社会復帰に向けた職業体験プログラムなどを行っています。
私たちの寄付が人身取引の被害者の力になる
人身取引は、貧困や紛争などが引き金となって起こっています。
どれも根絶することは簡単ではありませんが、解決に向けて長期に渡る支援が必要です。
私たちができることは限られていますが、すぐにできることもあります。
寄付での支援は、1回きりの支援から毎月定額の支援など様々な形で小額から行うことが可能です。
人身取引の被害に苦しむ人々を少しでも支援できるよう、寄付を考えてみるのも社会貢献の一つかもしれません。