世界では様々な問題が取り沙汰され、解決のために多岐にわたる活動が行われています。
その1つに強制結婚の問題があります。
これは世界の各地で起こっている問題であり、特にアフリカでは深刻な状況にあります。
その対象は主に子どもたちであり、アフリカでは多くの強制結婚が行われています。
この記事ではそんなアフリカの現状と強制結婚が起こる理由、そして解決のために必要な支援などを紹介していきます。
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アフリカでは多くの女の子が強制結婚の被害にあっている
アフリカでは多くの女の子が強制結婚の被害にあっています。その多くが人身取引による被害です。
2012年から2014年の間に世界106カ国で確認されているだけでも6万3,251人の人身取引による被害者が存在し、このうち2014年に確認されたのは1万7,752人で71%が女性だったと言われています。
さらにこのうち子どもの被害は25~30%と報告されています。
これはあくまで世界的に見た人身取引の数値であり、アフリカ限定ではありません。アフリカでは内戦、紛争の勃発、腐敗した政治によって国内のそのような被害の把握が満足にできていないのです。
この人身取引からの児童婚や強制結婚は多く、18歳の誕生日を迎える前に結婚した女の子は世界で推定6億5,000万人と言われています。
そして今も年間1,200万人の女の子は18歳未満で結婚していると推定されているのです。そのうちサハラ以南のアフリカでは推定1億1,500万人で全体の18%を占めます。
世界的な割合は減少傾向にあるのですが、アフリカだけは25年前には7人に1人だったのに、最近は3人に1人となっており増加傾向にあることとも分かっています。
(出典:ユニセフ「ユニセフの主な活動分野 子どもの保護」,2018)
(出典:国連薬物犯罪事務所(UNODC)「Global Report on Trafficking in Persons 2016」,2018)
強制結婚の背景にある問題とは
なぜアフリカで強制結婚が多いのでしょうか。
アフリカでは推定1億2,500万人の女の子が18歳未満で結婚しており、その中でも最も高いのがニジェールの76%、続いて中央アフリカ共和国の68%となっています。
児童婚が行われている国は貧困であることが多いですが、児童婚がなくならない背景には経済的な要因が挙げられます。
そのため人身取引をすることで女の子と金品を交換し、生活費を得るという家庭も少なくありません。
この強制結婚に根ざした貧困問題は様々な要因が絡みあって起こっています。
他にも紛争や内戦の勃発、腐敗した政治などにより、行政がまともに機能せず雇用などが生まれないこともも関係しています。
また、水道や電力といったインフラの整備ができていないことも多く、水を確保するために長時間を水汲みに費やしてしまうことこともあります。水汲みには子どもが手伝うことが多いことから、子どもたちは教育を受ける機会を失ってしまいます。
水汲みや家事、兄弟の世話などで労働をしなければならず、子どもの教育が受けられない環境は将来にも繋がります。
教育を受けられなかった子どもは大人になっても仕事に就けず、貧困の連鎖が生まれてしまいます。
貧困問題はあらゆる負の連鎖から生まれており、お金を得るために人身取引や強制結婚が横行する状況ができてしまいます。
(出典:ユニセフ「児童婚」,2019)
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強制結婚が女の子たちに及ぼす影響
このように身内に売られ強制的に結婚させられた子どもたちは、心に深い傷を負うことになります。
家族に裏切られ売られたことよる精神的なショックに加え、見ず知らずの年が大きく離れた男性と結婚させられ、強制的な性交による出産や、相手からの仕打ちで疲弊してしまい、立ち直ることができない子どもも少なくありません。
それまで生活していた環境が一変してしまうのです。まだ成長もままならない子どもであれば、その苦痛は計り知れません。
実際に強制結婚をさせられた女の子の中には結婚したことで教育の価値を見出されないことから、学校を辞めさせられ結婚生活を送らされる子もいます。
時には暴力を受けることもあり、それによって精神的に衰弱してしまったとのことです。
(出典:ユニセフ「世界の子どもたち チャド」,2015)
アフリカの強制結婚の被害者たちに必要な支援
強制的に結婚させられる女の子たちを救うために様々な支援活動が行われています。
強制結婚をなくすための啓発活動を家族に行ったり、経済的支援を行ったりすることでその被害をできるだけ減らす活動が挙げられます。
こうする事で、家族が進んで人身取引に応じることを予防し、被害者を減らすよう支援しています。
しかし、根本的な解決を目指すためには、大きな要因となる貧困に対する支援も必要です。
例えばインフラの整備や、作物の生産による経済活動、そしてそれらを公平な価格で交易するフェアトレードを広める活動をしていくことで、是正するような支援も行われています。
また各地域で女の子が入学し通い続けられるよう、学校の施設や元々あった学校の修繕などを行い、教育者の配備や授業に必要な教科書などの提供も支援活動として行われています。
教育がしっかり施されれば、人身取引や強制結婚の違法性も広がり、将来的にもこの根絶につながっていくのです。
そして、既に強制結婚させられてしまった女性たちに対する支援も実施されています。
強制結婚によって傷ついた彼女たちの心を癒すためカウンセリングなどのケア活動も行われています。
さらに児童婚や強制結婚をなくすため、法と政策を整備する支援もあり、日本のように婚姻可能年齢を引き上げ、それを法として整備すれば取り締りを行うこともでき、同じような被害にあう女の子を減らすことが可能になるのです。
(出典:ユニセフ「児童婚」,2019)
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私たちにできることを考え、行動しよう
アフリカでは人身取引、そしてそこから生まれる児童婚や強制結婚が問題視されています。
児童婚や強制結婚を改善し、撲滅するために世界ではSDGsという17の開発目標と169のターゲットを設定し、世界規模で連携してそれぞれができるあらゆる方法で問題に取り組んでいます。
この問題を解決するためには、私たちの協力も必要です。
すぐにできる支援はNPO・NGOなど人道支援を行っている団体に寄付をすることで、アフリカで苦しむ女の子たちを支えるための行動を取ることができます。
彼らの活動資金は寄付によって賄われており、私たちが寄付をすることでその活動を支えることができるのです。
まずは私たちにできることをしっかり考え、行動に移していくことが大切です。