アフリカや世界各国で児童婚というものがあるのをご存知でしょうか。
まだ成人していない子どもが、人身取引されて望まない相手と結婚しなければいけないという現状が世界的に問題となっています。
このような児童婚の件数は世界的に見れば減少していますが、アフリカだけで見ると上昇傾向にあります。
なぜアフリカで児童婚はなくならないのか、こちらではその現状や原因、そして私たちにできることは何があるのか紹介します。
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アフリカで起こる児童婚の現状とは
アフリカでは人身取引による児童婚や強制結婚が後を絶ちません。
児童婚とは18歳未満での結婚、あるいはそれに相当する状態になることと定義されています。
子どものときに得られたであろう自由や様々な機会を奪われ、成長発達に悪影響を及ぼし、弱い立場であることから暴力や虐待、搾取の被害を受けやすく、学校を途中退学するリスクも抱えなければいけません。
世界的に見てもこの児童婚は多いと言えます。
2019年に発表されたデータによると、18歳の誕生日を迎える前に結婚した女の子は世界で推定6億5,000万人といわれています。
今も年間1,200万人の女の子は18歳未満で結婚していると推定されているのです。
そのうちサハラ以南のアフリカでは推定1億1,500万人が児童婚をしており、全体の18%を占めます。
世界的に見ても割合こそ減少しているものの現在も21%、約5人に1人の子どもは児童婚の被害者となっています。
アフリカの児童婚は25年前には7人に1人でしたが、最近は3人に1人なっており増加傾向にあります。
児童婚や強制結婚は人身取引により成立することが大半です。本人が望まない結婚を家族や親戚が行い、その引き換えに金品を受け取るといった形なのです。
背景にはアフリカの多くの国が抱える貧困という問題があります。貧しいがゆえに子どもを売り、強制的に結婚させてしまうのです。
生活費を得ると同時に、多く抱える家族の口減らしを行っている家庭も少なくありません。
(出典:日本ユニセフ 公式サイト 「児童婚 子どもの花嫁、年間約1,200万人 世界の女性の5人に1人が児童婚を経験 ユニセフ、教育への投資、地域社会の意識改革訴える」,2019
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2050年には3億人になるとの発表も
もし児童婚や強制結婚に対しての対策を行わなかった場合、アフリカの急激な人口増加により、児童婚を経験する子どもの数は2050年までに約3億人にまで膨らむと予想されています。
現在でも1億2,500万人にも及んでいますが、およそ3倍にまで増加する見込みとなっているのです。
児童婚が女の子に及ぼす影響とは
身体的にも精神的にも未成熟なままで児童婚をさせられた場合、その影響は大きなものとなります。
家族に売られたことよる精神的なショックは計り知れないでしょう。
突然見ず知らずのしかも年が大きく離れた男性と結婚させられ、強制的な性交による出産や、相手からの仕打ちで疲弊してしまいます。
精神的な傷だけでなく、強制結婚がまだ成長しきっていない女児に及ぼす影響は多大なものです。
強制性交では暴力的な虐待も行われるケースがあり、死亡してしまうという悲惨な結末を迎えることもあります。
また妊娠に適した体に成長しきる前に、出産を繰り返すことで、母体に大きな負担を与えてしまうことにもなります。
難産や死産となることもあるため、身体的にも精神的にも大きな傷を彼女たちは抱えることになるのです。
(出典:日本ユニセフ 公式サイト 「アフリカの「子どもの花嫁」 2050年には倍増の3億人以上になる恐れ 世界全体で7億人の女の子が児童婚」,2015)
アフリカの女の子たちに対して行われている支援活動
人身取引で児童婚に追いやられる女の子たちを救うために、NPO・NGOなどの非営利団体は様々な支援活動を行なっています。
人身取引の大きな要因となる貧困に関しては、インフラの整備や作物の生産による経済活動、そして公平な価格で交易するフェアトレードを広める活動をすることで是正するような支援が行われています。
貧困の原因の中には不公平な取引があります。フェアトレードでは公正な価格での取引を実施し、生産者や労働者に適正な所得を得られるような仕組みを作り上げています。
すべての貧困をなくすことは難しいのですが、このような支援も児童婚をしなければいけない状況を防ぐことに繋がります。
他にも各地域で女の子が入学し通い続けられるように学校を作ったり、元々あった学校の修繕などを行い、教育者の配備や授業に必要な教科書などの提供も支援活動として行われています。
教育がしっかり施されれば、人身取引や強制結婚の違法性も広がっていき、将来的に児童婚の根絶に繋がっていくのです。
また、児童婚をなくすための啓発活動を家族に行ったり、経済的支援を行ったりすることでその被害をできるだけ減らせるよう活動しています。
既に児童婚させられてしまった女性たちにも救いの手は差し伸べられています。
児童婚によって傷ついてしまった彼女たちの心を癒すためカウンセリングなどのケア活動も行われています。
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アフリカの女の子たちのために私たちができること
先述したような支援活動は、NPO・NGOなどの非営利団体などの組織によって成り立っています。
非営利団体の活動資金は私たちの寄付によって賄われています。つまり私たちの協力なしでは支援の手を広げるどころか、活動を続けていくこともできないのです。
自分が現地に赴いて支援をすることは、難しいのが現実です。でも、NPO・NGOに寄付することで、彼女たちのために支援できるのです。
寄付
寄付は多くの非営利団体で継続寄付と単発の寄付に分けられています。
自分の経済状況に合わせて選べるため、自身の状況を考えて選ぶことをおすすめします。
継続寄付
継続寄付とは毎月定額を寄付する方法です。
NPO・NGOにもよりますが、様々な支払い方法から選ぶことができ、少額から金額を選ぶことができるため、無理なく寄付できる金額を寄付金として設定できます。
また、団体によっては寄付金控除といわれる税制控除も受けられるため、負担になりにくいのも特徴です。
単発の寄付
継続の寄付をするのが厳しい場合、その都度の寄付で1回ごとに寄付することもできます。こちらも継続寄付と同じように金額を選べることが大半であるため、無理のない範囲での寄付が可能です。
ボランティア活動
NPO・NGOのスタッフとしてボランティア活動に参加するのも支援になります。残念ながらアフリカなどの現地に飛ぶことは安全上の問題など様々な課題があるため容易ではないでしょう。
しかし、日本で非営利団体の活動を間接的に支援することで事務作業やイベントにかかる人手が減り、結果としてスタッフが海外の活動に専念できるため、間接的にアフリカの女の子たちを支えることになります。
アフリカの児童婚に苦しむ女の子を救うためできることから始めよう
アフリカでは、現在も児童婚や強制結婚によって嫁がされる子どもや、望まぬ妊娠を強いられる子どもがいます。
人身取引を根絶するため、NPO・NGOなどが様々な取り組みを行っています。しかし、継続的に活動をするためには資金や人材がまだまだ足りていません。
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