アフリカでは今、児童婚が増加傾向にあると問題視されています。児童婚自体は世界にも存在し、アフリカだけでの問題ではないのですが、減少傾向にある地域が存在する一方でアフリカでは年々増え続けているのです。
児童婚とはどのような問題なのか、なぜなくなるどころか増加傾向にあるのか、その原因が分からなければ、対処のしようもありません。
ここではそんな児童婚の原因や解決するために行われている支援などを紹介します。
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世界でも問題となっている児童婚とは
児童婚とは18歳未満で結婚することをいい、それに相当する状態も同じように定義されています。
児童婚は世界的に見ても多いと言わざるを得ません。データによると18歳の誕生日を迎える前に結婚した女の子は、世界で推定6億5,000万人いると言われ、今も年間1,200万人の女の子は18歳未満で結婚していると推定されているのです。
世界中の18歳未満で結婚した女の子のうち、2億8,500万人、世界合計の44%が南アジアの女の子です。1億5,000万人、世界合計の18%がサハラ以南のアフリカの女の子になります。
児童婚の割合は世界規模で見れば減少しています。過去10年間で言えば15%も減少しており、4人に1人だったのが5人に1人となったことから、約2,500万人の児童婚を防止できたことになります。
児童婚を減少できたのは、女の子の就学率の向上、児童婚の違法性とその弊害への認知など様々な理由が挙げられます。また、これまで圧倒的に児童婚が多かった南アジアの中でも、インドでの児童婚を大幅に縮小できたからです。
世界的な児童婚の割合は、減少しているものの現在も21%あり、約5人に1人の子どもが望まない結婚を強いられています。また、世界的に減少傾向にある児童婚ですが、アフリカでは25年前には7人に1人だったのに対し、近年では3人に1人となり、増加傾向にあります。
ラテンアメリカやカリブ海諸国地域では25年前からまったく改善されていません。
高所得国のアメリカでも半数の州では18歳未満の子どもの結婚を認める例外が存在し、2017年現在、EUで18歳未満の結婚に例外を認めていないのは4ヶ国のみとなっています。
こうした現状に対して、何の対策も講じなければ2030年までに1億5,000万人の女の子が児童婚をさせられると見ています。
(出典: 日本ユニセフ 公式サイト「児童婚 子どもの花嫁、年間約1,200万人 世界の女性の5人に1人が児童婚を経験 ユニセフ、教育への投資、地域社会の意識改革訴える」,2019)
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アフリカでも児童婚が多く、なくならない原因
アフリカでは推定1億2,500万人の女の子が18歳未満で結婚しており、その中でも最も高いのがニジェールの76%、続いて中央アフリカ共和国の68%となっています。
アフリカで児童婚がなくならない背景には、経済的な要因や構造的な要因、社会的要因が絡んでいます。
経済的な要因としては貧困であることが理由です。アフリカには貧困国が多く、そこに住む人々の大多数は貧困に陥っています。
多くの家族や子どもを養っている家庭もあり、人身取引によって女児と金品を交換し、口減らしをすると共に生活費を得る家庭も多いのです。
社会的な要因として挙がるのは、古くからの慣習として18歳未満で結婚することが当たり前だという考えが、未だに根付いている地域もあります。
これは構造的な要因となる結婚に対する教育の欠如もあるため、この慣習がおかしいことを認識できていないことも理由となっています。
特に経済的な要因である貧困問題は、児童婚の最大の原因です。
(出典: 日本ユニセフ 公式サイト「ユニセフの主な活動分野 子どもの保護 児童婚」)
児童婚の背景にある貧困問題を解決するために必要なこと
女の子が児童婚によって得る利益よりも、教育を受けることで貧困の連鎖を断ち切ることにつながることを、両親や地域の人たちに理解してもらうことが大切です。
教育を受け、権利を与えられた女の子は、自分の子どもをよりよい環境で育てることができるでしょう。
アフリカで行われている支援活動
(出典:日本ユニセフ 公式サイト 「ユニセフの主な活動分野 子どもの保護 児童婚」)
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私たちの寄付が大きな力に。アフリカの児童婚の被害者を一人でも救おう
非営利団体による支援活動は、アフリカの貧困、またその先にある児童婚を減らす上ではなくてはならない活動になります。
しかしその支援の手が満足に伸びているかと言われれば、不足していると言わざるを得ません。
大きな理由として、活動資金の不足が挙げられます。彼らの活動資金の多くは寄付によって賄われています。
つまり、私たちの寄付が支援活動の大きな力にもなるということです。1人の寄付はわずかでも、積み重なれば活動の手は広がり、支援物資などに変わってアフリカの人々を助ける力になります。
児童婚の被害者を1人でも減らすために、私たちができることを考え、行動することが大切なのではないでしょうか。