人身取引

人身取引・売買がインドでなくならない原因は?子どもたちへの対策や支援活動を知り、協力しよう

13億の人口を抱えるインドは人身取引大国です。近年の政府の取り組みの成果で被害者数は減っているものの、貧困や人々の心の中に根強く棲みついているカースト意識のために、根絶は難しい課題です。

特に18歳以下の子どもたちの児童労働、売春、臓器売買などが大きな社会問題になっています。

人身取引が多い国や現状とは?法律や議定書など国による取り組みなども解説

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インドで起こる子どもの人身取引・売買とは?

インドは人身売買の送出国・中継国・受入国であり、大人も子どもも、工場での労働につられて売買されるケースが多いと言われています。

親や親せきが子どもを売る場合もあります。
被害者の多くは農村部出身で豊かさを求めて家族で都会に出てきたものの、親が失業しスラムに住むといった道をたどります。

オーストラリアの人権団体、Walk Free Foundation(以下WFF)は報告書『2018 Global Slavery Index』の中で、世界で「現代の奴隷」状態にある人の数は、成人と子どもを合計すると4370万人(2016年4580万人、2014年3580万人)にも及ぶと記載しています。

2年前よりは少しは減ったものの、驚くほど多くの人が人身取引の被害を受けています。人身取引の撲滅を目指しているWFFは、2013年から調査を開始し、報告書を発行。

今回の報告書では167か国を対象に、4万2,000人にインタビューを行った情報に基づいており、奴隷状態にある人々の割合とこの問題に対する各国政府の対応を報告しています。

しかし、この数字はあくまで「推定」であるため、実際の被害者数はもっと多いと考えられます。

被害が後を絶たない背景には、国境管理の問題があります。インド・ネパールの国民はパスポートがなくても自由に国境を行き来できます。豊かな生活を求めるネパール人がインドに入国するルートになっています。後の章で詳しく解説します。

これまで最大の人身取引・売買問題を抱えているとされたインドですが、首都、ニューデリーの繁華街の裏手にある「GBロード」と呼ばれる売春街は広く知られています。

(出典: Walk Free Foundation(以下WFF)の報告書『2018 Global Slavery Index』)

  • インドは人身売買の送出国・中継国・受入国であり、大人も子どもも工場での労働につられて売買されるケースが多い
  • 被害が後を絶たない背景には国境管理の問題がある
  • インド政府は人身売買撲滅を強化する法施行対応のため包括的な制度を制定した

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人身取引・売買がインドでなくならない原因

人身取引・売買がなくならない原因の第一にあげられるのは、貧困とカースト制度です。そして、ブローカー(人身取引を斡旋する人や業者)がいることにより、親や親せき、知人に騙されて売られてしまうこともあります。

カースト制度

現在インド国内のスラムで暮らす人々は合計すると1億人を超えているといわれており、日本人のほとんどの人が貧困層に入るという計算になります。

大国インドでは、ヒンズー教徒が8割近くを占めるため、国民の大半がカースト制度という身分制度によって影響を受けています。

法的には70年近く前に撤廃されたカースト制度ですが、インド人の心の中に強く染みついて残っています。そして、日々の生活の中でそれが如実に表れてきます。

日本にいる私たちが分かりやすい状況に置き換えてみます。小学校の給食調理員さんが自分より低いカースト出身の人に変わったとしましょう。その途端に子どもたちは決して彼女が調理したものを口にしません。
それだけでなく、親戚により人身売買の被害にあった女性が何年間も暴力や劣悪な環境での生活に耐え、運よく救出されて村に戻ったものの性産業に関わったからという理由で差別されるということもあります。

インドの人はカースト制度とともに強い「汚れ」意識が根強く残っていることがわかります。

(出典:外務省 「インド基礎データ」,2019)
(出典:法務省「国別政策及び情報ノート」,2018)

ネパール・インド間のオープンボーダー

インドとネパールの国境線は「オープンボーダー」と言われ、ビザやパスポートがなくても互いの国を行き来することができます
その柵のない国境を越えて、ネパールからインドへ人身売買されるケースが非常に多いのです。
ILO(国際労働機関)の発表によると、2001年時点ではネパールからインドに売られていく子どもは年間12000人以上と推定しており、インド警察も管理を強めてはいますが、いまだに無くなりません。

  • 人身取引・売買がなくならない原因の第一にあげられるのは、貧困とカースト制度
  • ブローカー(人身取引を斡旋する人や業者)がいることにより、親や親せき、知人に騙されて売られてしまうこともある
  • インドでは、ヒンズー教徒が8割近くを占めるため国民の大半がカースト制度という身分制度によって影響を受けている

(出典:ユニセフ「ネパール大地震緊急募金 第23報」,2015)

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インド・ネパールの子どもを人身取引・売買から守るためにできること

日本に住む私たちに可能な支援方法を説明します。それはインドやネパールで起こっている実状を知る、そこで行われている支援活動の補助をする、寄付をすることなどです。

具体的に行われている活動は、人身売買の被害にあった人の心身回復をサポートしたり、自立して生活していくための支援などです。

人身売買によるトラウマを乗り越えるための精神的なケアや身体の治療、セラピー、そして語学教育や職業研修などのリハビリプログラムが行われています。

また、人身売買が利益の大きなビジネスである限り、被害者は出続けてしまいます。そのため人身売買がのさばる環境から整備をしていかなければなりません。

そのために加害者が適切に罰せられるように、弁護士やNPO団体とともに裁判支援を行ったり法整備への働きかけなどが行われています。

そうした活動の支援に寄付という形で参加することができます。

月々1,000円、3,000円など数千円でできる寄付もあり、一人ひとりの数千円が集まれば大きな金額になります。

それらで寄付されたお金は物資の支援だけでなく、警察官の研修や女の子の裁判費用などに充てられ、子どもが売られない仕組みづくりに活かされるのです。

  • 日本に住む私たちに可能な支援方法は、インドやネパールで起こっている実状を知り、行われている支援活動の補助をする、寄付をすること
  • 人身売買の被害にあった人の心身回復をサポートしたり、自立して生活していくための支援
  • 加害者が適切に罰せられるように、弁護士やNPO団体とともに裁判支援を行ったり、法整備への働きかけなどが行われている

人身取引・売買の被害を受ける子どもを一人でも減らすために

人身取引・売買による被害者を一人でも減らすためのキーワードは、政府のブローカー取り締まり強化、「女子教育」とNGOなど支援団体のさらなる活躍、インド国民の意識改革(カースト制度、女の子、命の大切さなど)です。

インドの人々に植え付けられた価値観を一朝一夕で変えることはできませんが、近年は人身取引の数が減っているため、将来に向けて希望がもてる状況にあるといえます。

まずは現状について知り、改善に向けて自分でもできる支援をしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
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