アフリカでは今も多くの紛争が続いており、それによってたくさんの人々が過酷な生活を強いられています。
それは大人も子どもも関係なく、その地域に住んでいる人全てに影響を与えるため、明日生きていくこともままならない状態ともいえます。
特に子どもは弱い立場でもあるため、搾取されたり暴力を受けたりする現実がそこにあります。
そんな中で命を落としてしまう、例え生きていても辛い人生が待っている生き方しか選べない子どももいます。
紛争地で暮らす子どもたちにはどのような危険があるのでしょうか。
アフリカで起きている紛争の地域は?原因や現状、必要な支援について解説
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今なお多くの子どもを巻き込む様々な紛争が続くアフリカ
アフリカでは各地で紛争が起こっており、多くの被害者を出しました。現在は数こそ減ってはきているものの、まだまだ多くの紛争が継続して被害を出し続けています。
アフリカで起こる紛争で難民となっている人の数だけでも約900万人にものぼります。
世界の難民が2250万人であることから、約4分の1がアフリカでの紛争難民なのです。
また、コンゴ民主共和国のコンゴ戦争では第二次世界大戦後、最多の500万人の死者を生んでしまいました。450万人以上の人が避難し、63万人が国外へ逃亡したというデータもあります。
あくまでこれはアフリカで起こる紛争の一例であり、この一国だけでもものすごい数の被害者が出てしまっていることが分かります。
このようにアフリカの紛争は凄惨であり、全ての被害者を挙げだしたらキリがない状態です。
(出典:ワールド・ビジョン・ジャパン「アフリカの子どもたちとワールド・ビジョンの活動」)
- アフリカでは各地で紛争が起こっており、多くの被害者を出し現在は数こそ減ってはきているものの、まだまだ多くの紛争が継続して被害を出し続けている
- 世界の難民が2250万人であることから、約4分の1がアフリカでの紛争難民
- アフリカの紛争は凄惨であり、全ての被害者を挙げだしたらキリがない状態
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アフリカの紛争に巻き込まれる子どもたち
紛争が起これば、大人も子どもも、その地域に住む人々全てが巻き込まれます。
まず真っ先に陥る危機は生命の危機です。戦闘に巻き込まれれば命を落としてしまう子どもは増えます。
例えそこから逃げ出せたとしても、住む場所を追われ、満足に食事もできない状態に陥ります。食糧不足により栄養失調を起こし、亡くなってしまう子どもも少なくありません。
このような状態は想像に難くないかもしれません。しかし、子どもたちが巻き込まれ危険にさらされる状況はそれだけではなく、もっと悲惨な状況に陥ることもあるのです。
(出典:ワールド・ビジョン・ジャパン公式サイト「世界の難民危機と子どもたち」)
子ども兵士(少年兵)
子ども兵士、あるいは少年兵と呼ばれるのは正規、非正規に関わらず、18歳未満で軍隊に所属する子どもをそう呼びます。
少年とはいうものの、女子も含まれ、戦闘員、非戦闘員ともにこう呼ばれます。
アフリカ以外の紛争地域でも確認されており、世界では少なくとも25万人以上いるといわれています。
子ども兵士になるには2つのパターンがあり、1つは志願して兵士になる場合です。
アフリカでは貧困地域が多く、生きるため、家族を養うために軍隊に就職するという子どももいます。
あるいは武器を手に入れるために入隊する子どもや、身内を敵に殺され、復讐を果たすために志願する子どももいます。
もう1つは誘拐され、強制的に徴兵される場合です。
兵力不足から政府軍、あるいは反政府軍が街で見かけた子どもを連れ去ったり、学校に侵入して数十人を誘拐するといった悲惨な出来事が当たり前に行われています。
子どもは洗脳しやすく扱いやすいことから、このような方法で徴兵があとを絶たないのです。
その役割は様々ですが、酷いものだと地雷除去のため地雷原を歩かされ、弾除けのための人の盾として扱われるといった凄惨なものもあります。
あるいは少女兵の場合、性的虐待や強制結婚をさせられるといった惨い役割を担うこともあり、子どもへの被害は計り知れないものとなっています。
(出典:テラ・ルネッサンス公式サイト「子ども兵」)
理不尽な暴力
子どもたちを狙った残虐で理不尽な暴力も増加しています。
紛争地域では明らかに子どもたちの人権を無視した行為が横行しています。
暴力を受け身的、精神的苦痛を受ける子どもはあとを絶ちません。
特に酷いのは性的暴力です。女の子は強姦の対象として狙われ、その危機に日々さらされています。
武装グループによって拉致され、性的暴力を受け、精神的に大きな傷を負う子どもがいるのです。
あるいは避難する途中の子どもたちを誘拐し、1人を殺害して残りの子どもの解放を条件に身代金を要求するといった被害にあう子どももいるのです。
子どもたちには大人に抵抗する力はありません。
そんな弱い存在である彼らは本来守られるべき対象であるにも関わらず、このような理不尽な暴力に命を落とすことも少なくありません。
難民で不安な暮らしを送る
命からがら逃げ延び、難民になっても今度は不安な暮らしが待っています。
住む場所を追われたことによりまともな食糧や水を得ることも難しく、不衛生な環境で生活しなければいけないことがほとんどです。
食糧不足により栄養失調となると、容赦なく子どもの抵抗力は奪われていきます。栄養失調で亡くなってしまう子どももいますが、怖いのはそれだけではありません。
不衛生な環境であることから、下痢症などにより脱水症状を起こしてしまうこともあります。
ただでさえ安全な水が確保できないのに、さらに水分を奪われることになります。
また、重篤な病気にかかってしまうこともあります。ワクチンなどがあるわけではなく満足な医療を受けることもできないため、病気によって命を落としてしまうこともあるのです。
明日生きられるかどうかも分からない不安な状況下の中で、子どもたちは生きていかなければいけません。
- 兵力不足から強制的に子ども兵として徴兵されたり、アフリカには貧困地域が多く、生きるため、家族を養うために軍隊に就職する子どももいる
- 紛争地域では明らかに子どもたちの人権を無視した行為が横行している
- 明日生きられるかどうかも分からない不安な状況下の中で、子どもたちは生きていかなければならない
(出典:ユニセフ「子ども兵士からの解放」)
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アフリカの紛争地・難民の子どもたちに行われている支援
アフリカの紛争地や難民にはこのような子どもたちがたくさんいます。
子どもたちを救うべく、様々なNPO・NGOによる支援が行われています。
子どもたちが生きていけるようにできる限りの支援を行っているのです。どのような支援が行われているか具体的に紹介します。
食糧・水の支援
難民となった子どもたちにとって生きるために何よりも必要となるのが水や食糧です。
食糧不足は栄養不良や栄養失調を起こし、子どもたちの抵抗力を奪うだけなく重篤な病気にかかるリスクを高め、死に至らしめてしまうこともあります。
また、水の確保は子どもに関わらず生きるために必要となります。
水を確保するのは子どもの仕事となることが多く、遠方まで水汲みに何度も行くことによって教育を受ける時間が奪われるだけでなく、その道中で誘拐されるといったリスクもあり、子どもたちの未来を奪うことにもなりかねません。
水の支援は子どもたちの現在、そして未来を守るためにも必要な支援なのです。
そのためNPO・NGOは、まず真っ先に食糧や水の支援を行っています。
(出典:ウォーターエイド公式サイト)
衛生・医療
難民となると住む場所さえ確保するのが大変です。その環境は劣悪であることが多く、衛生的な施設がないことから不衛生な環境で生活することを強いられます。
これにより、抵抗力がない子どもから病気にかかります。
医療施設もないことが多く、満足な医療を受けることもできないのです。
ワクチンの摂取などもできないため予防もできず、栄養不良になった子どもの治療もできません。
NPO・NGOはこのような状況を解消するため、トイレなどの衛生施設の整備や管理を行っています。
またワクチンを持ち込み、子どもたちへの接種も行っているのです。
カウンセリングの実施
子ども兵となり解放された後もそのトラウマを引きずる子どもがたくさんいます。
そのような子どもたちの心のケアを行い、社会復帰できるようにカウンセリングを支援として行う団体もあります。
教育支援
子どもたちがその日生きていくためには食糧や水、衛生、医療を支援していけば解決できます。
しかし将来的に生きていくためには、教育を受けなければいけません。難民の子どもたちの多くは教育を受けたくても受けられない状況にあります。
その理由は水汲みの問題もありますが、教育を受ける環境が整っていない、あるいは紛争によって奪われてしまっているためです。
NPO・NGOでは教育環境を整えるべく、学校の新規開設や壊れてしまった校舎の修繕を行い、子どもたちが教育を受けられる状況を作り出しています。
また、水汲みの必要をなくすため井戸などの水道施設の建設も教育支援に繋がっています。
教科書などの支給や、教員の育成なども行うNPO・NGOがあり、子どもたちが教育を受けられる環境整備を支援しているのです。
(出典:ワールド・ビジョン・ジャパン「難民支援のための募金」)
- 水の支援は子どもたちの現在、未来を守るためにも必要であるため真っ先に食糧や水の支援が行われている
- 満足な医療を受けることもできないため、ワクチンを持ち込み子どもたちへの予防接種なども行っている
- 教科書などの支給や教員の育成など、子どもたちが教育を受けられる環境整備を支援している
アフリカの子どもたちのために私たちができることを考え、行動しよう
アフリカで紛争に巻き込まれている子どもたちは、今この瞬間も命の危機にさらされています。
そのような子どもたちを助けるために、まずは現状を知りできることを考えていかなければなりません。
最も簡単に、すぐできることは募金や寄付です。
寄付であればウェブからでもできますし、時間もほんの数分程度しかかかりません。
数百円や1,000円など少額から寄付できるので負担も少ないのも特徴です。
アフリカの子どもたちの現状を知り、少しでも何か行動に移したいと考えている方はまずは寄付をしてみてはいかがでしょうか。