世界で紛争問題が起きていることは聞いたことがあっても、実際どこで起きているのか、そもそもなぜ争っているのか、どのくらい危険なのかなど、具体的な情報までは知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、世界で起きている紛争の場所や原因など具体的な現状と私たちにできることをお伝えします。
2022年現在も紛争が解決していない国や地域は?原因を知り解決策や支援について考えよう
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現在も続いている紛争の国、地域一覧
2022年8月時点で起こっている世界の紛争や地域をまとめました(累計死亡者数は2019年のデータ)。
開始年 | 国 | 地域 | 累計死亡者数 | 対立要因 | |
アフガニスタン紛争 | 1978年 | アフガニスタン | カーブルより北部 | 約200万人 |
アメリカと ターリバーン勢力 |
シリア内戦 | 2011年 | シリア | シリア全土 | 約50万人 | シリア政府軍とシリア反体制派 |
イラク内戦 | 2003年 | イラク | イラク全土 | 約30万人 | アメリカとイラク |
クルド対トルコ紛争 | 1984年 | トルコ イラク シリア |
クルド人居住地域など | 約5万人 | トルコ政府とクルド人 |
リビア内戦 | 2011年 | リビア | トリポリなど | 約2万人 | トリポリ政府とトブルク政府 |
イエメン内戦 | 2015年 |
イエメン サウジアラビア |
リヤド他 | 約2万人 | ハーディー大統領とフーシ派とアルカイーダ |
ウクライナ侵攻 | 2022年 | ウクライナ | ウクライナ東部、南部など | 約5,000人(民間人。2022年7月時点) | ウクライナとロシア |
(出典:外務省「アフガニスタンの現状と問題」)
(出典:外務省「シリア・アラブ共和国 基礎データ」,2018)
(出典:日本貿易振興機構JETRO「IDEスクエア 世界を見る目」,2019)
(出典:外務省「地球儀を俯瞰する外交-中東と北アフリカ-」,2019)
(出典:外務省「日本と国連-日本の外交政策と国連の重要性」,2019)
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紛争が長引いている国、危険な国や地域とは
世界で紛争が激しく行われ危険な国や地域、その原因を紹介します。
アフガニスタン紛争
アフガニスタンでは断続的に紛争が発生していますが、一番初めは1978年に成立した、アフガニスタン人民民主党政権に対する、ムジャヒディーンの蜂起に、ソビエト連邦が軍事介入したことから始まりました。
その後10年かけて完全撤収にいたるまで、ソ連側は1万4,000人以上、アフガニスタン側は3万人近くの戦死者を出してしまう結果となりました。
直近の争いは、2001年9月11日、アメリカン航空11便をはじめとする4機の航空機がハイジャックされ、世界貿易センタービル、ペンタゴンなどに突っ込む大事件から始まります。
2001年からのアフガニスタン戦争はこの「9.11事件」と呼ばれるアメリカ同時多発テロが原因です。
すぐに事件の捜査がされ、オサマ・ビン=ラディンをリーダーとするテロ組織「アルカイーダ」が関与していたことがわかりました。
当時のアメリカのブッシュ大統領は、首謀者のビン=ラディンを引き渡すように要求しましたが、タリバン政権は応じませんでした。
そこでアメリカが開戦に踏み切ったのです。
米軍の撤退、和平合意、再介入などを経て、2021年8月、米国バイデン大統領は戦争終結を正式に宣言。タリバーンは米国に対する勝利を宣言。
撤退後もアメリカは敵対姿勢を崩さず、経済制裁を行っている。またタリバーン政権の女性差別に対する反対運動、飢餓の発生、引き続き起こるテロなど国内はいまだ混乱しています。
(出典:外務省「アフガニスタンの現状と問題」)
(出典:外務省「アフガニスタン・イスラム共和国基礎データ」)
(出典:外務省「アフガニスタン紛争のダイナミズム」,2018)
シリア内戦
シリア内戦に関しては、様々な勢力が絡み原因や状況が複雑なため簡単に説明します。
まず、2010年から「アラブの春」と呼ばれるアラブ世界において発生した大規模な反政府デモが起きます。
その反政府勢力の影響がシリアにまで及び、抑えようとした政府軍との間で争いが生まれます。
その後、イスラム国がシリア政府軍を倒すために加勢しさらにそれぞれに支援国が付いたりして、複雑化するのです。
シリア内戦は、大きく分けてシリア政府軍(アサド政権)、反政府軍、イスラム国という3つの勢力が争っています。
2011年3月に起きた騒動から、11年以上たった今も終わらず、恐怖に怯えた人々がいるのです。
(出典:外務省 わかる!国際情勢「「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢」)
クルド対トルコ紛争
主にトルコ国内で見られる、トルコ政府とクルド人による争いが今もなお続いています。
背景は第一次大戦の後、1920年代まで遡ります。クルド人にとって納得できない形で条約が結ばれてしまい、争いが始まります。
1974年にはクルディスタン労働党という、クルド人の独立を目指す組織が発足。
2004年にはトルコ軍がクルディスタン労働党へ攻勢をかけたため、武力紛争が起きます。
さらに2011年にはクルディスタン労働党の不満が高まり争いは激化。
指導者が介入し、武力闘争の終了を宣言するも休戦が覆るなど、泥沼化しています。
2022年2月にトルコ軍が、敵対するクルド人武装組織に対する掃討作戦として、隣国のシリアとイラクで大規模な空爆を行うなど、現在も争いが続いています。
彼らの争いは、いつ繰り返されるかわからないため、周囲の人々は常に注意が必要です。
(出典:外務省「トルコ共和国(Republic of Turkey)基礎データ」,2019),
(出典:日本貿易振興機構JETRO「IDEスクエア 世界を見る目」,2019)
リビア内戦
リビア内戦は、2011年に起こった大規模な反政府勢力のデモが発端です。
この争いにより、40年以上最高権力者として政権を握っていたカダフィ大佐が命を落とします。
その後、親カダフィ勢力と、イスラム国が台頭し内戦が今もなお続いているのです。
2014年には、さらにイスラム過激派の勢力が強大化し、同年7月には、空港周辺でロケット砲を打ち合う大規模な戦いが起きました。
その結果、100人前後が死亡し、400人以上が負傷してしまう事態が発生しました。
直近では2019年の4月にリビア国民軍が、トリポリへの進軍を宣言しました。さらに政府側の拠点を空爆します。
そのため、トリポリからは8,000人以上の市民が戦乱を避けるために避難を続けている状態です。
(出典:外務省公式サイト「地球儀を俯瞰する外交-中東と北アフリカ-」,2019)
イエメン内戦
2015年から開戦したイエメン内戦は、当時起こっていたアラブの春と呼ばれる大規模な反政府運動に端を発します。
また、一般的にイエメン内戦はイランとサウジアラビアの「代理戦争」と呼ばれています。
イランの後押しを受けるイスラム教シーア派の武装組織「フーシ」と、イスラム教スンニ派が主導するサウジアラビアが中心の、「アラブ連合軍」が支えるイエメンの暫定政権の部隊が対立しているのです。
彼らの争いは多くの一般市民を巻き込み、死傷する市民が増えています。
多くのテロ組織や過激派が拠点をおくイエメンでは、無政府状態の地域が広がり、戦闘員が野放しとなっており、大変危険な状態となっています。
(出典:外務省公式サイト「日本と国連-日本の外交政策と国連の重要性」,2019)
ウクライナ侵攻
ロシア連邦は2022年2月24日、ウクライナへの軍事侵攻を開始しました。2022年11月現在、侵攻は続いています。
ウクライナへの侵攻について、ロシアは「欧米の脅威に対抗する」という正当防衛を主張していますが、ウクライナがNATOへの加盟を目指していることが侵攻の理由のひとつとも言われています。
ロシア軍は各地での攻撃を続けており、ウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所をロシア軍が攻撃するなど、状況がよくなる気配はありません。
そのため、ウクライナへの支援が必要とされています。
(出典:外務省公式サイト「ウクライナ基礎データ」)
(出典:外務省公式サイト「外交青書」,2022)
- アフガニスタン紛争
- シリア内戦
- クルド対トルコ紛争
- リビア内戦
- イエメン内戦
- ウクライナ侵攻
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紛争地域で苦しむ人々に私たちができる支援
ここまで紹介してきた紛争地帯では、殺傷だけではなく様々な問題が起こっています。
食糧問題や、病気や感染症の問題、衛生問題などがあります。
それぞれ私たちが国際機関やNPO・NGOを通じてどんな支援ができるのか紹介します。
食糧問題
生きていくうえで何より必須なのは水と食事ではないでしょうか。食料に関する支援は、緊急度により異なります。
例えば生死をさ迷うレベルで栄養が足りていない人々には栄養補助食を支給し、困窮してしまっている世帯には穀物や塩などの現物を提供します。
また学校の運営が困難に陥りそうなところには学校給食を届けたりもしています。
紛争地帯に関わらず、気候などの影響で、ほとんど食料が取れない地域では食料の値段なども高騰し、一般市民が満足にご飯を食べることは難しくなります。
そのため、食料を継続的に支援するのは非常に大切な活動です。
特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)では、紛争発生時、現場に駆け付けて状況を調査し、水・食料など、すぐに必要となる物資を届けています。
月1,000円の寄付で、紛争や災害など目の前にある危機への支援だけでなく、心身ともに深い傷を負った方々が、新しい人生を歩み始めるための支援をサポートできます。
>>AAR Japan[難民を助ける会]について詳しく見る
病気や感染症の問題
紛争が起きている場所では、栄養や衛生面などが要因で病気や感染症が蔓延してしまいます。
コレラ、ジフテリア、はしかなど、命に関わる病気も多いため患者への処置と予防接種やワクチンの支給などが急務です。
また、イエメンの紛争地帯では、2015年時点で急性呼吸器性疾患にかかる危険が高い子どもは約130万人いました。
ほとんどの病院や保健センターは機能せず治療ができない状況です。
私たちの支援を通じて、診療と治療、病気の予防接種、心理・社会面でのサポートなどができます。
公益財団法人 日本ユニセフ協会では、紛争地帯や難民キャンプなどで子どもたちに予防接種を届けています。
毎月継続的な寄付をすることで、保健、栄養、水と衛生、教育、子どもの保護など、150以上の国と地域で行われているユニセフの活動を支えられます。
>>日本ユニセフ協会について詳しく見る
(出典:ユニセフ「イエメン紛争」,2015)
衛生問題
病気や感染症を減らすためには、衛生面を整えることも大事です。
私たちの支援を通じて、安全に飲める・生活に利用できる水の提供や以下のような支援が行えます。
- 避難先の衛生用品を購入するための引換券や少額の現金の支給
- 難民キャンプでのトイレやシャワー、洗濯場などの設置
- 病気の流行を防ぐための衛生指導
- 飲料水用のフィルターの提供
特に水回りが清潔でないと、蚊を媒介とした感染症も発症しやすくなります。
水や衛生環境は命に関わる重要な問題なため、積極的に支援を届ける必要があります。
特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパンは、世界各地の難民キャンプや難民の避難地で、トイレの整備や衛生キットの配付などをはじめとした衛生環境向上のための活動を行っています。
1日40円(月額1,200円)からの寄付で、災害の被災者や紛争による難民支援や国内での様々な事業を支えることができます。
>>ピースウィンズ・ジャパンについて詳しく見る
寄付・募金は少額から可能
今もなお苦しんでいる人々のために直接現地に行って助けることは、危険を伴うためなかなか実現しづらいのが現状です。
しかし、インターネットが発達している現代では、私たちも気軽に寄付や募金により支援することが可能です。
しかも少額から定額寄付をすることができ、初めに設定してしまえば継続的に支援できるシステムも整っています。
また、自分の好きなタイミングで任意の金額を寄付できるため、無理なく支援できる方法もあります。
世界のどこかで紛争による被害で苦しむ人のために、まずは少しだけ行動してみてはいかがでしょうか。
- 紛争地帯では食糧問題や、病気や感染症の問、衛生問題などが発生している
- 栄養が足りていない人々には栄養補助食を支給し、困窮してしまっている世帯には穀物や塩などの現物を提供している
- 私たちの寄付では安全に飲める・生活に利用できる水の提供や以下のような支援を行うことができる
紛争で苦しむ人々を一人でも多く救おう
世界では毎日多くの人が紛争による被害で苦しみ、亡くなっています。
まずは紛争問題について知ることも支援の第一歩です。
一人ひとりの少額の寄付が集まれば、多くの人を救える力になります。
まずは理解を深め、自分でできる範囲の行動から始めてみてはいかがでしょうか。
紛争問題は、SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」に関わるものです。より詳しく知りたい方はこちらの記事もご一読下さい。
>>持続可能な開発目標・SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」のターゲットや現状は?