プラスチックは世界中で使われている素材です。
プラスチックを元にしてできた製品は様々であり、多くが使い捨てのものであることから、使用後は廃棄されることが多くなっています。
これが適切に処理されれば大きな問題にはならないのですが、実際は不法投棄などによる海洋汚染の大きな原因になっています。
この記事ではプラスチックごみが原因で起こる、海洋汚染について説明します。
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レジ袋などプラスチックの廃棄量の増加
私たちは日常的にプラスチック製品を使っています。
スーパーやコンビニに買い物に行った際、商品を詰めるレジ袋やジュースやお茶を入れているペットボトル、食べ物を包装するタッパーもプラスチックです。
軽量で耐久性がありながら、成形しやすく安価で大量に生産できるという利点から、第二次世界大戦以後に世界中でプラスチックの利用が増加しました。
1950年以降には、世界でプラスチックは83億トンを超える量が生産されたと言われています。
その中の多くは使い捨てであり、63億トンものプラスチックがごみとして廃棄されました。
ごみである以上回収はされますが、必ずしも適切に廃棄されるわけではありません。
プラスチックごみのうちの79%は埋め立てられる、あるいは海洋などへ投棄されています。
また、プラスチックはリサイクルを行うことができますが、その割合は低く、全体の9%程度しかリサイクルされていません。
このままのペースでプラスチックが消費され続け、廃棄されていけば2050年までに120億トンのプラスチックが埋立あるいは自然投棄されることになります。
これらのプラスチックごみは軽いことから風に飛ばされたり河川に流されるなどして海へと辿り着きます。
その後は、海面あるいは海洋中を漂うものや、海底に沈むもの、海岸へ漂着するものなど様々です。
いずれも海洋に出て行くことで、数々の影響を及ぼしています。
海洋プラスチックごみの現状
最近の調査によると、海洋中に3,000以上ものプラスチック、金属、ゴム、漁具などの人工物が発見されました。
このうち3分の1がプラスチックであり、89%は使い捨ての製品だったそうです。
さらに、海中深く6,000メートルの地点では破片の半分以上が使い捨てプラスチックであったという結果も出ています。
プラスチックは性質上、微生物によって分解されません。
そのため長い年月をかけて海洋中を漂うことになります。
また、このままいけば2050年には海洋中のプラスチックの量が魚の量以上に増加するとの予測も立てられています。
人工物は自然界の中に存在するだけでも何かしらの影響を与える可能性がありますが、実際にはプラスチックごみが海洋汚染の原因となっており、深刻な問題にまで発展しています。
(出典:環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」,2017)
(出典:国連環境計画「使い捨てプラスチックは、すでに世界で最も深い海溝にまで達している」,2018)
プラスチックごみによる海洋汚染とは?
プラスチックごみの量は現在まで増え続けており、海洋において様々な悪影響を引き起こしているため、世界が問題視する事態にまで発展しています。
海洋汚染は環境や生態系への影響だけでなく、私たちにも降りかかる可能性がある問題であり、既に早急な対応が求められる段階にまで来ています。
ここではプラスチックによってどのような海洋汚染が起こっているのか紹介します。
海洋・海岸環境の汚染
プラスチックは微生物などにより分解されません。
波などにさらされて、細かくなることはあっても微小な形で残ります。
プラスチックが5ミリ以下の細かい破片になったものをマイクロプラスチックと言いますが、大小様々なプラスチックが海洋中に存在しています。
丈夫であるため、そのままの形で海底や海岸に堆積すれば、生物の住処や繁殖場所を奪ってしまい、個体数を減らす原因にもなります。
また、プラスチックは耐薬品性も高いことから、有害物質が付着している可能性もあり、そのプラスチックが海洋に出て行くことで有害物質を広げることになります。
加えてプラスチックは多くの種類があり、ものによっては生成に添加物を用いることがあります。
その添加物が人体に影響を及ぼすことが懸念されていますが、それは人間だけでなく、海洋生物にも影響を与える可能性があります。
そのような物質を海洋中に広げてしまうという意味でも、プラスチックが海洋に及ぼす悪影響は大きいと言わざるを得ません。
海洋生物への影響
プラスチックごみの影響の1つとして海洋生物への被害が挙げられます。
プラスチックは様々な形に成形されていますが、レジ袋のように薄くて軽くて丈夫な形状にすることもできます。
レジ袋は水中でクラゲが泳ぐように見えることもあることから、ウミガメなどが餌と間違えて飲み込むことがあります。
体内に取り込まれたレジ袋は分解されず、体外に排出されないことも多いため、内部に残って食べ物の道を塞いでしまいウミガメを死に至らしめることがあります。
これはウミガメだけでなく、クジラなどの大型の海洋生物でも起こり得ます。
実際に海岸に打ち上げられたクジラの胃の中から大量のビニール袋が出てきたという事例も報告されています。
海洋生物からすればプラスチックであるという認識はできないことから、誤飲することはあり得ます。
またプラスチックの破片を誤飲してしまい、胃に残ることで満腹中枢が刺激され続け、餌をとることなく餓死するケースもあります。
細かい粒子となったマイクロプラスチックであればなおさらであり、多くの海洋生物が体内に取り込み、蓄積しているという調査結果もあります。
他にも釣具として利用する釣り糸もプラスチックが利用されていますが、切れてしまった糸がそのまま海洋中に流れ出すと、海洋生物の体に絡まり、身体の自由を制限され死んでしまうものもいます。
これは海洋中だけでなく、海鳥などにも起こる問題です。
プラスチックが海洋に漂うことで、多くの問題を引き起こしています。
海洋汚染は人間にも影響する
海洋汚染は、環境や海洋生物だけに影響するものではありません。
プラスチックごみにより海洋生物が減少すれば、漁業は成り立たなくなり、私たちのもとにも魚介類が届かなくなります。
また景観が損なわれることから、観光業にも大きな影響を与えます。
プラスチックごみは海洋を漂うことから、船舶の航行にも支障をきたす恐れがあり、海岸に流れ着いて堆積すれば沿岸域居住環境へも何らかの影響が出る可能性もあります。
海洋汚染そのものも大きな問題ですが、それらは私たちの経済や生活にも影響を及ぼすため、プラスチックごみは世界で早急な対策が必要であると取り組まれている問題なのです。
レジ袋の削減は海洋プラスチックごみを減らすための1つの手段
日本から出るレジ袋は排出されるプラスチックごみの中の約2%に過ぎません。
割合としてはごくわずかですが、プラスチックごみ全体の量が多いことから、レジ袋だけでもそれなりの量になります。
また、私たちの生活に深く浸透しているため、使い捨てプラスチックの代表例にもなっています。
そのレジ袋が2020年7月から全国で有料化されました。
これはレジ袋の使用抑制を行い、排出量を抑えると同時に、私たちが日頃から使うプラスチック製品のあり方や必要性について見直そうという目的も含まれています。
私たちの生活の中で様々なものにプラスチックは使われています。
それが知らず知らずのうちに海洋汚染へとつながり、環境や海洋生物に悪影響を及ぼすだけでなく、いずれは私たちにも数々の影響を及ぼします。
あるいは既に悪影響が現れているでしょう。
このままにしておけば、手の施しようがない事態にまで発展する可能性もあります。
そうならないためにも、私たちは一人ひとりができる対策を行う必要が出てきます。
その1つがレジ袋の有料化であり、エコバックなどを使用してレジ袋に頼らなくてもいいライフスタイルの実現であることは確かです。
まずはできることから取り組んでみてはいかがでしょうか。
(出典:総務省「レジ袋有料化について」)
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