海を汚染し生物や環境に悪影響を与えるものは多く、それは人間の日常の暮らしから出たものばかりです。
海洋汚染の主な原因は海洋プラスチックごみです。海には既に1.5億トンものプラスチックごみがあり、2050年には魚と同じ量にまで増えると予測されています。
国連サミットで採択された持続的な開発目標(SDGs)でも2030年までに改善、解決を目指しています。
この記事では海洋汚染の現状を種類別にデータで押さえ、海洋汚染の原因を探り、私たちができる解決策を考えます。
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国連海洋法条約にみる海洋汚染の種類と原因
国連海洋法条約は、2018年には167か国及びEUが締結しており、日本は1996年に条約を批准しました。
1996年年7月20日に発効し、その日は祝日である「海の日」になっています。
「国連海洋法条約」は海洋汚染の種類と原因を次のように分類しています。
上記のほとんどが人間の日常の暮らしから出たものばかりです。次に、我が国の海洋汚染の現状を海上保安庁のデータから見てみましょう。
(出典:外務省日本の安全保障と国際社会の平和と安定 「海洋の国際法秩序と国連海洋法条約」,2019)
(出典:一般財団法人環境イノベーション情報機構「海洋汚染のメカニズム」)
日本の海洋汚染の種類と現状
日本で2018年に確認した海洋汚染件数は414件(前年比11件減)です。以下、汚染を種類別に件数と原因・地域を列挙してみます。
油による汚染
油による汚染は283件(全体の68%)ありました。そのうち船舶からの油排出による汚染は165件(前年比28件増)となっています。
船種別
船種別では、漁船からの油排出が64隻、次に作業船が20隻です。
排出原因別
油の排出原因別では、取扱不注意が67件で、次に船舶海難が62件でした。
取扱不注意による排出
取扱不注意による排出における船種別では、漁船からの排出が19隻で一番多く、次に多いのがタンカーの13隻です。
取扱不注意による排出の内容としては、バルブ開閉不確認が15件で最多になっており、タンク不計測の14件がそれに続きます。
取扱不注意による排出は、大半がオーバーフロータンクの設置やスカッパーの閉鎖等の万が一の油の排出を防止する措置が実施されていないか、措置が不十分なものでした。
海域別
海域 | 件数 |
---|---|
瀬戸内海 | 49件(17%) |
日本海沿岸 | 43件(15%) |
九州沿岸 | 40件(14%) |
廃棄物による汚染
廃棄物による汚染は113件(前年比12件減)あり、うち109件が不法投棄でした。漁業関係者による不法投棄は前年の半数と大幅に減少したものの、事業者及び一般市民による不法投棄は増加しました。
一般市民による陸上からのごみ排出が海洋汚染の原因になったものが59件(63%、前年40件)と前年に比べ増加しています。一方、漁業関係者によるものが 32 件(34%、前年73件)と減少しました。
廃棄物の種類
廃棄物の83%は一般市民による「家庭ごみ」で、 49 件(83%)、漁業関係者によるものは、漁業活動で発生した「残さ」 が 15 件(47%)、「漁具等」が 10 件(31%)です。
船舶からの排出による汚染
船舶からの排出による汚染は、漁業関係者によるものが 9 件(60%)と 最も多く、次に事業者によるものが 6 件(40%)です。
海域別
海域 | 件数 |
---|---|
伊勢湾 | 32件(28%) |
日本海沿岸 | 22件(19%) |
北海道沿岸 | 15件(13%) |
有害液体物質による汚染
有害液体物質による汚染の確認件数は5件(前年8件)ありました。
排出源別
排出源別では、船舶からの排出が 3件、陸上からの排出が 2件となっています。
汚染の特徴
船舶からの排出による汚染は、3件の全てがケミカルタンカーからの排出であり、排出原因は、取扱不注意1件、船舶海難及び故意が1件です。
取扱不注意による排出は、日本船籍ケミカルタンカーの積荷役作業中に発生し、バルブ開閉不確認が直接の原因であり、作業開始前に確認していれば、排出を防ぐことができたものでした。
陸上からの排出による海洋汚染、2件も取扱不注意によるものでした。工場内の苛性ソーダタンクの送液ポンプ点検のため同ポンプを停止後、予備送液ポンプを起動させたところ、予備送液ポンプの液抜き管(ドレン抜き)のバルブが閉鎖されていなかったことから漏液が発生し、苛性ソーダタンクの防液堤から側溝に最大7,000リットルの苛性ソーダが流入し、一部が海上に排出されたものでした。
海域別
海域 | 件数 |
---|---|
伊勢湾 | 2件 |
瀬戸内海 | 1件 |
本州南岸 | 1件 |
日本海沿岸 | 1件 |
生活排水による汚染
私たち人間が出す生活排水による海洋汚染も深刻です。台所からでる米のとぎ汁やトイレから出た生活排水が海へ流出し、海洋汚染をする原因になります。工場排水と同様、有機物を多く含むためプランクトンが増殖する赤潮の原因になります。
また、練り歯磨きや化粧品に使われているスクラブ剤にマイクロビーズが含まれていることがあり、これらが海に流れ込むことで微小の海洋プラスチックごみが増えることにもつながります。
(出典:海上保安庁「平成 30 年の海洋汚染の現状について」)
(出典:環境省「生活排水読本」)
(出典:一般財団法人環境イノベーション情報機構「マイクロビーズ」)
海洋汚染の主な原因は海洋プラスチックごみ
前述したように海洋汚染の種類や原因を見てみると、海洋ごみのほとんどは人間が日常の暮らしの中で排出するものであることが明らかです。
日本全国7地点での環境省のデータによると、2016年時点で漂着ごみの8割~9割はプラスチックごみでした。
私たちが分別を心がけているプラスチックは14%しかリサイクルされておらず、紙の58%や鉄鋼の70~90%に比べると圧倒的に少ないのが現状です。
日本の海岸などに流れ着いた漂着ごみの総量は31~58万トンにも上り、韓国語や中国語表記のポリタンクや漁具、洗剤容器などが見られます。
海洋ごみは年々増え続けていて、このままでは2050年には海洋に住む魚よりもごみの方が多くなると言われています。
(出典:環境省「海洋ごみとマイクロプラスチックに 関する環境省の取組」,2016)
海洋汚染の種類と原因を知ることで行動できる
海洋汚染の主な原因であるプラスチックごみは、私たちの生活を見直すことで減らすことができます。
日々の生活の中で、マイバッグやマイボトルなどを利用することや、使い捨てプラスチック用品(ペットボトル、食品トレー、ストロー、レジ袋など)を使わないことで自らプラスチックごみを出さなくなります。
生態系を守り、海洋生物を守るために、私たち一人ひとりが日常的にプラスチック製品の利用を控えることが海洋汚染の防止に役立つのです。
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