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海洋汚染はなぜ起こる?原因や海洋環境に与える影響とは

この記事を要約すると

地球の表面の約7割を占め、私たちの生活に密接な関係を持つ海は、現在海洋汚染による深刻な問題を抱えています。
多くの海洋生物や海洋環境に影響を与え、回りまわって私たちにも影響が出ています。
海洋汚染が起こる要因や、汚染により海洋環境に生じる影響などを、この記事で紹介します。

海洋汚染とは?原因や環境への影響、現状について解説!

海洋汚染とは


海洋汚染は人間の生活が大きく影響している環境汚染です。

海洋汚染は有害物質が人間によって海に流出させられたり、下水などを通って海へ流されたりすることによって起こります。
海洋汚染は現在深刻な問題として世界で取り上げられており、中でも主な要因が海洋ごみによる汚染です。

海洋ごみは増加の一途を辿り、もし何の対策も行わなければ2050年には海洋に住む魚などの生物よりもごみの方が多くなると警告されるほどです。
海洋汚染の影響は様々なところに現れており、その中でも顕著なのは海洋生物やその周辺で生きる生物の減少です。

海洋汚染により多くの海洋生物が住みづらい環境ができあがり、ごみや油、化学物質を誤って体内に取り込むことで大量に死んでしまうこともあります。
また海洋環境の変化により生物が産卵できる場所が少なくなり、その数を減らす原因にもなっています。

このように海洋生物が減少するということは、私たちの生活に関わる漁業にも様々な影響を与えます。
生態系のバランスの変化により、これまで獲ってきた魚介類の数が減ってしまいます。

そうなると私たちが食事の中で取り入れる魚介類が減るばかりか、漁業者も衰退することになります。
彼らは海洋の環境保全も行っていることから、その数が減ると海洋環境はさらに悪化する可能性もあるのです。

海洋汚染をしてしまうと負のスパイラルが起こり、余計に汚染を進めてしまうことにもなりかねません。それだけ海洋汚染は深刻な問題になっているのです。

  • 海洋汚染は有害物質が人間によって海に流出させられたり、下水などを通って海へ流されたりすることによって起こる
  • このまま海洋汚染の対策を行わなければ2050年には海洋に住む魚などの生物よりもごみの方が多くなると警告されている
  • 海洋汚染により多くの海洋生物が住みづらい環境ができあがり、ごみや油、化学物質を誤って体内に取り込むことで大量に死んでしまうこともある

(出典:環境省「海洋プラスチック問題について」)

(出典:環境省 海洋生物多様性保全戦略公式サイト「海のめぐみって何だろう?」)

海洋汚染の原因は?


ここまで深刻となってしまった海洋汚染の要因について見てみましょう。。
先述したように海洋ごみがその中でも最も海洋を汚染している原因と言えますが、他にもごみの不法投棄や船舶の事故による油の流出、工業排水や生活排水などが挙げられます。

(出典:海上保安庁「第5章 海洋環境の保全と海上防災」)

(出典:海上保安庁「平成30年の海洋汚染の現状について」,2018)

海洋ごみ

海洋ごみは世界中の海で確認され問題視されていますが、その中でも特に問題となっているのが海洋プラスチックごみです。

私たちの生活の中から出たペットボトルやビニール袋などプラスチックを主としたごみが海に流れ込み、海洋生物、そして海洋の環境に影響を与えています。

プラスチックは大小様々で形も異なりますが、どれも軽いため、風や水に流されやすく、川などに流されることが多いです。
その先には海があり、流されたプラスチックが海洋汚染を引き起こしています。
日本の海岸に流れ着いたプラスチックなどの漂着ごみは、2014年に計測・推計された総量は31~58万トンというデータが出ています。これは、2010年の政令市別ごみ年間総排出量で31万7,000トンを記録した新潟市や58万5,000トンを記録した福岡市のごみ年間排出量と同等です。

日本だけでもこれだけのごみが近海に浮遊しているということは、世界の海に漂う海洋ごみはさらに多いと推測できます。

海洋ごみは、およそ700種類にもおよぶ海洋生物に影響しています。この生物のうちウミガメが52%、海鳥の90%以上、鯨やイルカの56%がプラスチック片を含む海洋ごみを摂取していたという調査結果が出ています。

中でも鯨の胃からは80袋以上のビニール袋が見つかった事例も報告されています。
プラスチックは海を漂うことで形が崩れ、直径5mm以下の大きさになるものもあります。あるいは最初からその微細な大きさに加工されたものがありますが、これをマイクロプラスチックと呼び、これらも海洋などに漂っています。

私たちの生活の中では歯磨き粉などに含まれるスクラブ剤(歯磨き粉や洗面剤に入っている小さな粒)の原料であり、後述する生活排水などに含まれていることがあります。
この大きさになると目視することはできず、粒子として北極海や南極海を含む世界中の海に広く浮遊してしまいます。

海洋生物は海の水を取り込むため、このマイクロプラスチックも必然的に体内に取り込んでしまいます。
現在のところ生物への直接的な影響は見られないものの、環境汚染には大きく関連しているため、多くの国が対策に乗り出しています。

(出典:環境省「海洋ごみの現状(平成26年度調査結果)について」,2015)

(出典:新潟市公式サイト「政令市別 ごみ年間総排出量について」)

(出典: 参議院「プラスチックごみをめぐる最近の動向」,2018)

ごみの不法投棄

海岸あるいはその近辺には不法に投棄されたごみが存在することがあります。廃棄する場所がなくなった業者が違法に廃棄したものなどが含まれています。
廃プラスチックだけで見ても、世界では58~62%は不法投棄あるいは不法に焼却されているといわれています。

しかし不法投棄と業者だけでなく、私たち一般人も出しています。例として挙げられるのは釣り人が使用する釣り糸や浮きなどの釣り道具が含まれますし、ポイ捨てなども悪質な不法投棄です。
これらを減らしていかなければ不法投棄による海洋汚染は一向に改善されません。

(出典: 参議院「プラスチックごみをめぐる最近の動向」,2018)

船の事故等による油の流出

海でタンカーの座礁事故などが起こったとき、大量の油が流出しているニュースなどを見ることがあります。
流出した油は広く海洋に広がり、回収することが困難なことから海洋生物や海洋環境そのものを脅かします

このような事故による油の流出の印象が強いですが、微量であればそれ以外の原因で流出することがあります。
2018年の海洋汚染のデータでは414件中283件が油による汚染となっていますが、このうち船舶からの油排出は165件で、漁船が64隻、作業船が20隻という結果になっていました。

つまり日常的に漁や作業を行う中で油の流出は起こっています。
ただこれらは操作のミスなどによるものや、人為的なものなのでできる限り防がなければいけない汚染でもあります。

(出典: 海上保安庁「平成30年の海洋汚染の現状について」)

工場などからの化学物質の排出

工場などから出る排水や廃棄物には有害液体物質などの化学物質が多く含まれています。
これらが海洋に流れ出し、汚染するというケースもあります。

過去にも工場排水に含まれるメチル水銀を魚が取り込んでしまい、その魚を獲って食べたことで体内に影響を及ぼして水俣病となってしまった事件がありました。
現在は規制もされており、有害液体物質を含む工場排水は減っていますが、それでも完全になくなったわけではありません。

また工場排水は有機物を多く含むため、それらが赤潮の原因となります。赤潮が発生すると海洋生物に必要な酸素が失われてしまうため、多くの生物が酸欠で死亡するということもあります。

(出典: 海上保安庁「第5章 海洋環境の保全と海上防災」)

生活排水

台所やトイレから出た生活排水が海へ流出し、海洋汚染をする原因になります。
工場排水のように有機物を多く含むためプランクトンが増殖する赤潮の原因となり、海中の酸素を使用して、海洋生物の酸欠を起こしてしまいます。

また歯磨き粉などのスクラブ剤が含まれていることも多く、これらが海に流れ込むことで海洋プラスチックごみが増えることにも繋がります。
生活排水も海洋環境を悪化させる原因となってしまっています。

(出典:愛知県「東三河総局 県民環境部 環境保全課 Q&A」)

海洋汚染の主な要因となるものは以下

  • 海洋ごみ・ごみの不法投棄
  • 船の事故等による油の流出
  • 工場などからの化学物質の排出
  • 生活排水

私たちの大切な海を守ろう


海は私たちの生活にとってなくてはならない存在です。食べ物として摂取する魚介類はもちろんのこと、二酸化炭素濃度の調整や熱の吸収など私たちが暮らす環境を守ってくれているのも海なのです。

しかしその海を私たちが日々の生活を営む中で脅かしてしまっているのも事実です。その原因は私たちの生活の中にもあります。

つまり私たちの大切な海を守るためには私たち自身が行動を起こし、その原因を減らしていくことが重要です。

海を守るためにもまずは現状を知り、海洋汚染を改善できる私たちにできることを考え、行動を起こす必要があります。

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