海は私たちにとって様々な恩恵を与えてくれるかけがえのないものです。それは海の近くに住む人もそうでない人にも等しく言えることですが、その海が人の手によって直接的、あるいは間接的に汚染されています。
海洋汚染はいくつかの理由で起こっていますが、その中でも深刻な問題となっているのが、プラスチックによるものです。
この記事ではプラスチックごみによる海洋汚染について紹介します。
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海洋汚染の原因となるプラスチックごみ
プラスチックは私たちの生活の中で非常に便利なものとして、あらゆる場所で使用されています。
例えば買い物に行ったとき、レジ袋として渡されるものもプラスチックです。あるいは飲み物を買ったとき、その容器として使われているペットボトルもプラスチックでできています。
包装容器から家庭用品、子どもたちが遊ぶおもちゃにまでプラスチックは使われており、安価な商品には素材として使われているものが多く、種類も多岐に渡ります。
なぜこのようにプラスチックが使われるのか、それはプラスチックの製造は容易であり、軽くて丈夫で形状を変化させやすいことから加工しやすいという利点が関わっています。
プラスチックの誕生によって私たちの生活はより便利になりましたが、一方でプラスチックにより被害を受けているものもあります。
その最たるものが海洋の環境と、そこに住む海洋生物です。
プラスチックごみの処理が問題
プラスチックがどのように海洋にごみとして行き着くのか、それは人間の身勝手なごみの処理に原因があります。
プラスチックは大量に消費され、それらは日々廃棄されます。適切に廃棄されていれば良いのですが、ポイ捨てや不法投棄などが行われることもあります。
不適切に捨てられたプラスチックは軽いものが多く、風や雨に流されて、河川に落ちます。河川はその流れにより、河口から海へ流れ出すため、そのまま海へ漂流するものが出てきます。
海洋に出ていき漂うごみに関しては「漂流ごみ」と呼ばれ、水面や水中に浮遊します。
風や海流、潮流によっては遠くまで運ばれることがあり、海外のごみが日本で、日本のごみが海外で発見されることもあります。
それだけ海洋全体にプラスチックを始めとする海洋ごみが漂っていることになります。
また漂流したごみ、あるいは河口から流れ出たごみが、海岸や砂浜に打ち上げられたものが「漂着ごみ」です。
環境省が行った2016年の調査によれば、全国でおよそ3万トンもの漂着ごみを回収したとされています。漂着したものだけでもそれだけの量があることから、海洋中にはより多くのごみが存在していると推測されます。
さらに、水を容器内部に取り込んでしまったものの中には、そのまま沈んでしまうものもあり、「海底ごみ」となることもあります。
通常は漁具や缶・ビンなどが沈むことが多いですが、ペットボトルやレジ袋などが沈んでいることもあります。
これら海洋ごみと呼ばれるものの主になるのがプラスチックであり、海洋を汚染しています。
目に見えないマイクロプラスチック
プラスチックは元の形状や大きさで海洋を漂っているとは限りません。元々加工しやすい素材としても重宝されていますが、細かな粒となっているプラスチックも存在します。
洗顔料や化粧品などに使われている工業研磨剤は小さなビーズ状のプラスチックが原料となっており、歯磨き粉にも含まれるスクラブ剤のことです。
このようなプラスチックは生活排水や工業排水に含まれており、排出され処理が完全に行われなければ、海へと流れ出して漂うことになります。
このような細かいプラスチックをマイクロプラスチックといい、始めから細かく加工されているものを「一次マイクロプラスチック」と呼びます。
また、元々はペットボトルなどの大きな形状として作られたものが波や紫外線、外部からの力によって劣化し、崩壊して5mm以下の小さな細片状になったものを「二次マイクロプラスチック」と言います。
プラスチックは元々自然界では分解されにくいものであり、細かくなってもその性質は失われないままです。このようなマイクロプラスチックは世界中の海に漂っており、多くの生物が体内に取り込んでしまっています。
WHOの報告によれば、現状マイクロプラスチックを取り込んだ魚介類を食べることによる健康への影響は調査研究が進められており、どのような被害が起こるかは分かっていません。
ただ限られた情報だけで判断すれば、飲料水中のマイクロプラスチックが健康に危害を及ぼすことはないとしています。
それでも人工的に作られた物質であり、海洋を汚染していることに変わりはないため、除去する方法や流出を防ぐ方法など対策が必要です。
(出典:政府広報オンライン「海のプラスチックごみを減らしきれいな海と生き物を守る!」,2019)
(出典:環境省「海洋プラスチック問題について」,2019)
(出典:環境省「洗顔料や歯磨きに含まれるマイクロプラスチック問題」,2016)
(出典:国立環境研究所「世界保健機関、マイクロプラスチックの健康影響にはさらなる調査と汚染対策が必要と報告」,2019)
プラスチックゴミによる海洋汚染の実態
プラスチックごみは海洋の環境を壊し、生態系に影響を与えています。そしてその恩恵に与る人にとっては漁業や観光業で被害を被っています。
プラスチックごみは海を漂流しているため、海洋生物が餌と間違えて食べてしまうことがあります。
例えばよくあるのがビニール袋の誤飲であり、クジラが大量の魚やプランクトンを食べる際、一緒にビニール袋を飲み込んでしまうことがあります。
そうなると体内で消化されないビニール袋によって餌が食べられなくなり、死んでしまうことがあります。
これはクジラだけでなく、ウミガメやイルカ、海鳥などの海洋生物にも起こり得ます。
誤飲以外にも、釣具として使用される釣り糸もプラスチックでできていますが、海洋生物の体に絡まり身動きが取れなくなるという事例もあります。
そのままにしておけば餌も満足に取ることができず、死んでしまうことも少なくありません。
プラスチックは研究者の推計によると年間500~1300万トンもの量が海に流れ出しているとされています。
このままいけば2050年には海洋プラスチックごみが魚の量を上回るとされており、それだけの量が漂流していれば海洋生物が誤飲など被害にあう可能性が高くなります。
これにより生態系が崩れてしまえば、漁業に多大な影響を与えます。漁獲量が減るだけでなく、今後持続的な漁業や海洋資源の開発ができなくなる恐れがあります。
先述したように、プラスチックごみは海流や潮流に流され、世界中の海の至る所に流れていきます。
そのごみは漂着し海岸や砂浜をごみで覆い尽くすだけでなく、美しい海の景観すらも汚してしまうことがあります。
そうなると観光業を主とする国や地域にとっては大きな損害であり、今後さらにプラスチックごみが漂流、漂着するようなことになれば観光業自体が成り立たなくなる可能性もあります。
(出典:政府広報オンライン「海のプラスチックごみを減らしきれいな海と生き物を守る!」,2019)
プラスチックごみを減らす取り組みに参加し、海洋汚染を防ごう!
プラスチックごみは私たちの生活によって発生します。プラスチックそのものは便利なものであり、全く使わないということはすぐにできるものではありません。
またプラスチックそのものが問題なのではなく、それを適切に処理しない人間の行動により、海洋汚染は進んでいます。
適切に処理してプラスチックごみが海に出ることを防ぎ、現在漂着しているプラスチックごみを回収するだけでも、現状の問題を解決するための糸口になります。
もちろん国連を中心として各国や日本政府、関連機関、漁業者などがプラスチックごみを減らす取り組みを行っていますが、プラスチックを使う私たちが積極的にプラスチックごみを減らすように行動していく必要があります。
海洋の環境と生態系を守り、私たちが今後も海洋資源を得られるようにするためにも、プラスチックごみを海に出さず、今あるごみを減らせる努力をしていきましょう。
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