人種差別

サッカーから見えてくる人種差別とは?

サッカーは世界的に有名なスポーツであり、プレー人口も多い競技です。それ故に様々な国、多くの人種が参加しています。
スポーツにおいて差別は存在してはならず、正々堂々戦うことが求められますが、実際には人種差別が横行した歴史があります。

この記事では、サッカーから見えてくる人種差別について紹介します。

人種差別とは?世界で起こっている問題、その原因とは

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サッカーと人種差別の歴史


サッカーというスポーツは世界中で愛され、プレイヤーも世界各地にいる人気の競技です。
競技人口も多く、ヨーロッパや南アメリカでは多くのクラブチームが凌ぎを削り、試合には多くのファンが訪れます。もちろんこのような地域のみならず国内リーグが存在する国もあり、その中で多くの試合が行われています。

日本でもJリーグが1993年に開幕して以来、毎年開催されており、日本人以外の選手もJリーグで試合に出場しています。
サッカーに国籍や人種は関係なく、そのプレーによって人々を沸かせることから、誰もが活躍することができるフィールドではありますが、その事実に反して人種差別がしばしば問題となります。それは様々な国籍のプレイヤーが活躍するヨーロッパの各リーグや、各国代表が戦うワールドカップなどで顕著に見られます。

サッカーを観戦する人々にとっては、人種差別はより身近にある人権問題でもあるのです。
人種差別の歴史は長いですが、同様にサッカーの歴史も長く、第二次世界大戦後の世界の様々な国で発展し、国境を越えたプレーがなされるようになったことから、サッカーにおける人種差別も相当の歴史があると言えます。

  • 誰もが活躍することができるフィールドではある反面、人種差別がしばしば問題となっている
  • 国境を越えたプレーがなされるようになったことから、サッカーにおける人種差別も相当の歴史があると言える
  • サッカーに見る人種差別


    サッカーにおける人種差別は、いくつかの代表的な事例が発生しており、その対応を迫られてきました。先述したように人種差別は様々な国籍の選手が活躍するヨーロッパの各リーグで顕著であり、ヨーロッパのサッカーは人種差別との戦いも続けています。

    また日本におけるJリーグでも人種差別が発生し、それ以降、様々な対策が講じられてきました。それぞれどのような人種差別の事例があったのか、簡単にではありますが紹介します。

    ヨーロッパのリーグで発生した人種差別

    ヨーロッパでは帝国主義が顕著となった19世紀後半には、黒人に対する差別があり、今も根強く残っています。
    それはアフリカなどを中心として、列強と呼ばれていたヨーロッパの国々が植民地として、原住民を従えていた歴史があるためです。
    しかし2020年時点では植民地もなくなり、アフリカや中東、南米などのサッカー選手がヨーロッパの大規模なリーグや有名なチームで一流の選手として活躍することも少なくありません。

    ヨーロッパのサッカーのレベルは非常に高く、実力・人気ともに兼ね備えるリーグが5つあります。それ以外にも大小さまざまなプロリーグがあり、延べ50以上も存在するほど、ヨーロッパではサッカーが人気のスポーツとなっています。
    人気リーグや有名チームで活躍できるようになれば、一躍スターにまで登りつめられる舞台で、チャンスを掴むために努力する選手は数多く存在します。
    またこれらのリーグやクラブチームは、実力のある選手に人種の区別なく門戸を開き、観戦する人も、応援するチームに対して、あるいは敵のチームであっても敬意を表することでサッカー全体は発展していきます。

    しかし実際には、かねてからある人種差別が人気の影に垣間見えていました。
    それまでは大きな問題になることはなかったものの、ヨーロッパの各リーグやクラブチームの姿勢を大きく変えるある判決が、1995年に出されました。それが「ボスマン判決」と呼ばれるものです。
    1990年にベルギーリーグのクラブチームで活躍していたジャン=マルク・ボスマン選手が、クラブの契約満了とともにオファーがあったフランスのクラブチームに移籍する希望を出しました。しかしボスマンが所属していたクラブチームが移籍金を拒否して移籍は破談し、契約満了後のチーム構想から外れており選手登録さえされなかったことから、ボスマン選手が不服として司法裁判所に訴えた事件です。

    この裁判そのものは人種差別とは離れていますが、判決内容が画期的であり、EU(欧州連合)内のプロ選手は、所属するチームとの契約満了と同時に自由な移籍が可能となりました。しかしながら、これが後に人種差別を広げる要因にもなりました。

    横行したサッカーにおける人種差別

    ボスマン判決により、ヨーロッパのリーグで活躍する様々な選手が、各地のクラブチームに移籍し、プレーするようになりました。
    ただし、それは同時に多くの人種差別を生むことにもなったのです。特に多いのはサポーターによる選手への人種差別を交えた応援や野次です。
    それは試合中だけでなく、日常生活においてもSNSの発展により、選手に多くの侮辱的メッセージが届くようになった事例も報告されています。

    また互いに切磋琢磨し、技量をぶつけ合い高めあうはずの選手間でも、エスカレートしたことにより、試合中に侮辱発言やジェスチャーをするといった人種差別も発生しています。
    アメリカ同様に白人が多くを占めるヨーロッパでは、有色人種、特に黒人への差別行為は目立っており、ユダヤ人や日本人の選手に対しても行われることがあります。
    それまでも燻っていた人種差別は、ボスマン判決による自由な移籍により、一気に広がることとなりました。

    もちろんこのような人種差別の横行に対して、行為そのものを撲滅するための取り組みも行われました。
    1999年にはヨーロッパのサッカーにおける人種差別を撲滅するためのFARE(Football Against Racism in Europe)という組織ができ、2001年以降国際サッカー連盟(FIFA)やヨーロッパサッカー連盟(UEFA)による人種差別を撤廃のための運動が起こっています。

    1998年に開かれたワールドカップでは、それまでアパルトヘイトという人種隔離政策が続いたことで国際的な非難を受け、国際大会の参加資格を得られなかった南アフリカが初めてナショナルチームとして参加できた大会となりました。
    しかしその一方で、同大会中にフランス代表のプレイヤーが、相手チームの選手に人種差別要素が入っていると推察される挑発を受けたことにより、試合中に頭突きによる報復をしたことで退場する事件がありました。

    このような衝撃的な事件もあり、2006年にはワールドカップの一つのテーマとして、「Say no to racism(人種差別にノーを)」が掲げられています。
    ヨーロッパでは特にサッカーにおける不安は、社会の歪や不安定さにも直結することから、サッカー連盟や、各リーグ、各クラブチームによる人種差別撲滅との戦いが続いています。

    Jリーグで発生した人種差別

    Jリーグでも重大な人種差別事件が発生しました。それが2014年に起こった浦和レッズ差別横断幕事件です。この事件では、浦和レッズのサポーターがサガン鳥栖との試合において、人種差別であると窺える横断幕を掲げていました。
    応援席に向かう入場ゲート付近にはJapaneze Onlyとした横断幕や日章旗と旭日旗を掲げて、浦和レッズの運営本部もそれを試合終了まで放置したことにより問題になりました。

    Jリーグでは2013年にFIFA総会で採択された「人種差別主義及び人種差別撲滅に関する決議」に基づき、2014年から新たな規則に変更しました。
    この規則により、その次の試合を無観客試合で行う罰則を科しています。
    しかしその5ヵ月後には横浜・F・マリノスと川崎フロンターレによる試合で、マリノスサポーターによる人種差別を窺わせる挑発行為が行われ、2015年および2016年には浦和レッズサポーターが、対戦相手選手を人種差別的な内容で投稿し、侮辱したことで大きな問題となりました。

    これにより、特に発端となった浦和レッズは対策に追われ、Jリーグ全体でも、クラブが抱える人種差別に関する問題解決のため、専門化機関を2つ設置して対応してきました。
    Jリーグもチームの増加やリーグそのものの規模の拡大により、外国人選手も増えたことで、このような人種差別の問題も顕著となり、ヨーロッパのリーグ同様に差別との戦いを続けてきました。

  • ボスマン判決は人種差別を広げる要因にもなった
  • 1999年にはヨーロッパにサッカーにおける人種差別を撲滅するためのFARE(Football Against Racism in Europe)という組織ができた
  • Jリーグでは2013年にFIFA総会で採択された「人種差別主義及び人種差別撲滅に関する決議」に基づき、2014年から新たな規則に変更された
  • サッカーをはじめとした様々なスポーツで人種差別は存在する


    サッカーの歴史は、その発展とともに人種差別との戦いでもあることが分かります。
    競技人口もサポーターも多く、人気であるからこそ人種差別は起こってしまいますが、それ故に大きな影響も与える場であることから、人種差別が起こらないよう対策と対応を行っていかなければいけません。

    しかしこれはサッカーに限ったことではありません。サッカーが世界的にも有名であり、人種差別の問題も顕著となっているだけで、ほかのスポーツでも存在しています。
    アメリカでは野球やバスケットボールが盛んに行われていますが、様々な国籍のプレーヤーが集まることから人種も多様であり、どうしても差別が起こってしまいます。
    特にアメリカは黒人への差別が歴史的に根強いことから、少しのきっかけで人種差別が起こる場合もあります。

    本来ならば、スポーツは国境を越えて愛されるべきものであり、そこには人種も身分も関係なく、1人のプレイヤーとしてピッチに立ちます。
    つまりフィールドで戦う以上、ただのプレイヤー同士として正々堂々戦うことが望まれます。
    またサポーターも1人のプレイヤーを、そして一つのチームを応援し、プレイヤーもサポーターも相手には敬意を表するべきなのです。
    そこに人種差別が介在するべきではなく、純粋な試合として行われることが望ましいのです。

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