サウジアラビアは広大な油田と天然ガスのおかげで、中東に限らず、世界でも非常に裕福な国として知られています。しかし、そんな裕福なサウジアラビアは食糧廃棄量が非常に多く、経済・環境・社会状況の悪化が懸念されている国でもあります。
そして、2015年からサウジアラビア主導のアラブ連合軍によって攻撃を受けている中東最貧国であるイエメンは、現在とても深刻な飢餓・食糧問題を抱えることとなりました。
サウジアラビアとイエメンは日本から遠く離れた国ですが、世界の国々がどのような飢餓・食糧問題を抱えているのか、その現状を知ることは私たちにとって非常に大切なことです。
この記事では、中東サウジアラビアの飢餓の現状、イエメンの飢餓・食糧問題に与えた影響について紹介します。
(出典:外務省「日本と国連 日本の外交政策と国連の重要性」)
中東における飢餓が深刻化、シリア・イエメンにおける世界的な人道危機とは
また、「飢餓のない社会に貢献したい」「栄養のある食事を全ての人がとれる社会にしたい」と少しでも思う人は、まずは30秒の無料支援をスタートしてみませんか?
約30秒のアンケートに回答いただくと、栄養失調を含む途上国の子どもが直面する問題に取り組む団体に10円の支援金が届きます。記事を読み進める前にぜひお試しください!
\たったの30秒!/
サウジアラビアとは
サウジアラビアとは、正式名称をサウジアラビア王国と言い、北はイスラエルとイラク、東はアラブ首長国連邦とオマーン、南はイエメンと接する国です。サウジアラビアはアラビア半島の大部分を占めており、紅海とペルシャ湾に海岸線を有する砂漠国としても知られています。
サウジアラビア(サウジアラビア王国)に関する国の情報は以下の通りです。
首都 | リヤド |
---|---|
人口 | 3,370万人(2018年) 自国民:73% 外国人:27% (アジア20%、アラブ6%、アフリカ1%、ヨーロッパ1%未満) |
面積 | 215万平方キロメートル(日本の約5.7倍) |
公用語 | アラビア語(公用語) |
人種・民族 | アラブ人 |
※2020年11月時点
サウジアラビアは世界最大級の石油埋蔵量・生産量・輸出量を誇る石油大国です。
輸出総額の約9割、財政収入の約8割が石油に依存しており、サウジアラビアは国際的原油市場に大きな影響を与える存在となっています。
(出典:外務省「サウジアラビア王国(Kingdom of Saudi Arabia) 基礎データ」)
サウジアラビアにおける飢餓の現状
サウジアラビアは石油大国であり、アラブの石油王を多く抱えている国です。
しかし、周辺地域の紛争などの状況がサウジアラビアの情勢に影響しています。
サウジアラビアは、多くの外国人労働者が働いています。油田やガス田、精製所に人々が押し寄せ、サウジアラビアの国民は慢性的な仕事不足に直面し、働く手段のない人々は必要な食糧などを買うことができなくなり、飢餓に陥る可能性があるのです。
働く手段がない人々が増えることにより、飢餓状態になる人が増えることも考えられます。
さらにサウジアラビアはイエメンへの攻撃により、イエメンの飢餓・食糧不足にも影響を及ぼしています。
裕福な国として知られるサウジアラビアですが、決して飢餓・食糧問題に無関係ではないのです。
サウジアラビア等の連合軍によるイエメン内戦とは
2011年2月、アラブの春の煽りを受けてイエメンでも反政府デモが発生し、それがきっかけとなり国内混乱が生じました。
さらに2015年3月、サウジアラビア主導の連合軍がイエメンを空爆したことで、イエメンの内乱は湾岸諸国を巻き込んだ内戦へと発展し、今もなお続いています。
イエメン内戦がもたらした飢餓・食糧不足
イエメンでは内戦によって食糧と燃料が不足しており、子どもの栄養不足率は世界最悪レベルと言われています。内戦によって、イエメン国民の多くが家を失い、避難を余儀なくされました。
内戦およびサウジアラビアなどによる経済制裁によって、イエメンの市場は開いていても食糧の価格が高騰し、イエメン国民は食糧を手に入れることも難しい状況にあります。
さらに、多くのイエメン国民が内戦によって田畑を失い、農業に必要な燃料が高騰したことで、仕事ができない状況に置かれています。つまり、イエメン国民の大部分が思うように食糧品を手に入れることができず、飢餓的状況に苦しんでいるのです。
イエメンにおける飢餓の改善が困難な理由
様々な機関によりイエメンに支援活動が行われていますが、イエメンにおける飢餓の改善は困難を極めています。
イエメン内戦の激しい戦闘に阻まれて、思うように支援活動ができません。
国際社会はイエメンの人道状況改善に注力するとともに、紛争当事者間の仲介努力を進めていますが、和平への見通しは依然予断を許さない状況にあるのです。
※2020年11月時点
(出典:外務省「日本と国連 日本の外交政策と国連の重要性」)
(出典:外務省「イエメン共和国 基礎データ」,2020)
サウジアラビア等の連合軍による紛争が与える影響は?
サウジアラビアなどの連合軍による紛争は、イエメン国民に大きな影響を与えました。
イエメン紛争が与えた子どもたちへの影響や飢餓・食糧問題に与えた影響を紹介します。
紛争が与える子供たちへの影響
紛争で子どもたちは、前線での攻撃対象とされている現実があります。人間の盾として使われ、殺害されたり、戦闘に徴兵・徴用され、生涯残る傷を負わされる非人道的なことが子どもたちになされています。
イエメンをはじめとした紛争地域では強姦や強制的な結婚、奴隷化、拉致なども行われており、一般的な戦術として子どもたちが利用されているのです。
また、イエメンでは戦闘で多くの子どもが死傷しただけではなく、重度の栄養不良で、治療をすぐに受けなければ死んでしまうリスクを抱えていると言われています。
紛争が飢餓問題に与える影響
飢餓人口は、紛争が拡大した地域を中心として億単位で増加しています。
飢餓・食糧問題に苦しんでいる人々の大多数が紛争に脅かされた国々に住んでいます。
このように、紛争は飢餓・食糧問題に深刻な影響を与えることになるのです。
※2020年11月時点
サウジアラビア等の連合軍による紛争から生まれる難民
サウジアラビア等の連合軍による紛争から、多くの難民が生まれました。
続いては、難民とは何かを詳しく紹介します。
難民とは
難民とは、紛争に巻き込まれたり、宗教・人種・政治的意見など様々な原因で迫害を受けたり、生命の危機にさらされて他国に逃れなければならない状況の人々を指しています。難民の生活は非常に過酷な状況にあります。
国内避難民とは
国内避難民とは、国境を超えていないがために、国際条約で難民として保護をされていない人々のことを指しています。紛争地帯に住む国内避難民は常に紛争の危険にさらされており、難民同様に支援を行っていく必要があると言われています。
庇護申請者とは
庇護申請者とは、自身の故郷から逃れて他国の避難所に行き、その国で庇護申請を行う人々を指しています。庇護されることで難民認定や法的保護、援助物資を受けることができるようになります。
サウジアラビアやイエメンにおける飢餓の原因、現状を理解しよう
表面上では豊かに見えるサウジアラビアも自国民の失業者数は増えており、飢餓・食糧問題を根底に抱えています。
そして、サウジアラビア等が軍事介入したイエメン内戦で生じた飢餓・食糧問題は非常に深刻な状況であり、今も多くの人々が命を落としている現実があります。
遠くの国で起きていることだと思わず、同じ地球に住む仲間として、私たちはサウジアラビアやイエメンにおける飢餓の原因や現状を理解していく必要があります。
この機会に、私たちにできる支援について考えてみてはいかがでしょうか。