2015年より5年間に及ぶ紛争や集中豪雨による洪水によって、中東にあるイエメンは飢餓・食糧問題に苦しんでおり、多くの人々が支援を必要としています。
この記事では、中東イエメンにおける飢餓の原因と苦しむ子どもたちの現状を紹介します。私たちにできることは何かを一緒に考えていきましょう。
中東における飢餓が深刻化、シリア・イエメンにおける世界的な人道危機とは
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イエメンとは
イエメンはアラビア半島の南西端にある国で、正式名称をイエメン共和国と言います。
紅海とインド洋を結ぶバーブ・ル・マンデブ海峡を望む要衝に位置し、サウジアラビア、オマーンと国境を接しています。
イエメン(イエメン共和国)に関する国の情報は以下の通りです。
首都 | サヌア |
---|---|
人口 | 約2,892万人(2018年) |
面積 | 約55.5万平方キロメートル(日本の約1.5倍) |
公用語 | アラビア語 |
人種・民族 | 主としてアラブ人 |
※2020年11月時点
イエメンは政情が不安定な国であり、最貧国の一つとしても知られています。
また、2011年のイエメン危機によって経済状況はさらに悪化することとなりました。
イエメンの貧困層の割合は人口の50%以上を占めており、若者を含めた労働者の失業率は40%以上を超えるなど深刻な状況に陥っています。
そして、イエメンの飢餓・食糧問題および栄養不足率は非常に悪く、栄養不足によって亡くなる子どももいます。
(出典:外務省「イエメン共和国 基礎データ」)
(出典:在イエメン日本国大使館「イエメンについて」)
イエメンにおける飢餓の原因
イエメンは政情不安が続いている国であり、アラブ地域の最貧国です。
食糧事情は世界でもかなり悪いと言われており、飢餓・食糧問題に悩まされていました。また、イエメンでは紛争によって食糧と燃料が不足しています。
多くのイエメン国内避難民に食糧支援や栄養支援を行っていますが、紛争の激化により食糧事情は悪化の一途を辿っています。
イエメンでは多くの人々が紛争によって自宅を失い、避難を余儀なくされている状況です。
さらに、洪水や集中豪雨などによる自然災害によって、多くの人々が非衛生的な環境に置かれています。こうした紛争や自然災害によって、イエメンは飢餓・食糧問題が深刻化しているのです。
イエメンにおける飢餓の現状
イエメンは世界の中でも特に、飢餓・食糧問題が深刻化している国です。
次に、イエメンにおける飢餓の現状を紹介します。
紛争と飢餓の関係性
長引く紛争は、深刻な飢餓・食糧問題を引き起こす原因となります。
紛争は、人々の暮らしに様々な影響を与えます。例えば、食糧となる農産物の国内生産量の減少、主要な食糧と燃料の価格の上昇、また失業率の増加による収入の喪失、公共サービスや社会保障の崩壊などの影響が飢餓を引き起こしてしまうのです。
イエメンは、紛争が始まる前も食糧のほとんどを輸入に依存していたことから、慢性的な食糧不足に陥りやすい傾向にありました。人々は貧困ラインを下回った生活をしており、そんな中紛争が始まったことで、状況はさらに深刻化したのです。
飢餓に苦しむ子供たち
イエメンでは飢餓に苦しむ子どもたちが多くいます。子どもたちを取り巻く急性栄養不良の程度は重く、多くの子どもが急性栄養不良です。
飢餓で苦しむ子どもたちは、食糧不足や水と衛生システムの崩壊、病気の流行など複合的な要因で栄養不良となっています。
食糧の価格高騰により慢性的な食糧不足へ
イエメンの慢性的食糧不足の理由は、市場等で販売される食材の価格高騰にあります。
比較的安定している地域でも、イエメン危機以前よりも価格が高騰し、食糧を手に入れることが非常に難しい現状にあります。そのため、イエメンの人口の大部分が食糧品を手に入れることができず、飢餓的状況に苦しんでいるのです。
また、紛争によりイエメン国内の農業も大きな打撃を受け、食糧の生産量も急激に減少しました。農業に必要な燃料の高騰や紛争による田畑の喪失など、仕事をしたくてもできない状況の人々が多くいます。
※2020年11月時点
(出典:外務省「イエメン共和国 基礎データ」,2018)
イエメンに対する日本政府の支援事業とは
日本政府はイエメンに対して、支援事業を行っています。
次に、日本政府が行ってきたイエメンに対する支援事業の一部を紹介します。
イエメンの飢餓問題への支援
日本政府は、イエメンへの支援として国際機関を通じて1,200万ドルの緊急無償資金協力を行うことを決定しました。
これにより、食糧不足の人々へ食糧などの支援、妊娠中・授乳中の女性たちの栄養状態が改善を支援します。
中東・アフリカ4ヶ国に対する支援
飢餓・食糧問題に悩まされる中東・アフリカに対し、国際機関を通じ、日本は1,100万ドル(約12億1,000万円)の資金援助を行いました。
イエメンにはそのうちの200万ドルが支援に当てられ、コレラ対策を含む栄養および水・衛生、保健、害虫予防、予防能力強化などの分野の人道支援が行われました。
(出典:外務省「イエメンにおける飢餓問題に対する緊急無償資金協力」,2019)
(出典:外務省「飢饉の影響を受けた中東・アフリカ4か国に対する緊急無償資金協力」,2017)
新型コロナウイルスの影響でイエメンにおける飢餓がさらに深刻化
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によって、イエメンにおける飢餓・食糧問題はさらに深刻化しています。
イエメンを支援する各団体が緊急支援を求めていますが、その資金は未だ枯渇しており、持続可能かつ適応性のある追加資金がなければ、命を守る活動は継続が難しいのです。
私たちが寄付をすることでこのような活動を支援することができます。
毎月の定期的な寄付や、1回の寄付などがあるので自分にできる範囲で支援することが可能です。
イエメンで飢餓に苦しむ子供たちのために私たちにできることを考えよう
イエメンは、紛争によって深刻な飢餓・食糧問題に苦しむ国であり、多くの人々が人道支援を待っている現状にあります。
しかし、紛争が起こる以前のイエメンは、周辺国の多くの難民を受け入れ、困っている人々を支援してきた素晴らしい国でした。
イエメンの深刻な食糧不足の改善や飢餓に苦しむ子どもたちのために、私たちにできる支援は何かを考え、できることから始めてみてはいかがでしょうか。