LGBT

LGBTQ+に関する課題の現状と今後必要なことは?日本の取り組みについて解説

LGBTQ+を含む性的マイノリティは世界中にいます。彼らは他者と少し違うことから、不安を抱き、差別的あるいは侮辱的な扱いを受け、ありのままに生きられない社会で生活しなければいけません。

同じ人間である以上、平等に扱われなければいけませんが、様々な分野でまだ課題が残っています。

このような課題に対して日本ではどのような取り組みが行われているのか、この記事で解説します。

LGBTQ+に関する課題とは?ジェンダー平等に向けた知識や活動を知ろう

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LGBTQ+について理解しよう

LGBTQ+は性的マイノリティ(性的少数者:セクシャルマイノリティ)を表す言葉の1つであり、恋愛対象が誰になるかという性的指向と身体の性と心の性の不一致が起こる性自認に分かれます。

性的指向は女性の同性愛者(レズビアン)、男性の同性愛者(ゲイ)、両性愛者(バイセクシャル)に分かれ、性自認はトランスジェンダーと呼ばれます。 このような性的指向や性自認は多くの場合思春期に認識しますが、現在の日本ではその後の学校生活や社会生活で困難に直面する場面が増えます。

教育や仕事、結婚、医療、公的サービスでさえ様々な問題が起こります。 本来であればLGBTQ+など性的マイノリティであっても差別的な扱いを受けることなく、平等に、かつありのまま生きられる社会でなければいけません。

しかし実際は差別の問題や、通常であれば享受できる権利やサービスを受けられないといった状況が散見されています。 どういった問題が現状起こっているのかは後述しますが、そのケースは様々です。

自分の発言が誰かを傷つけている可能性

LGBTQ+の人々に向けられる、差別的あるいは侮辱的発言は彼らを傷つけます。 差別、または侮辱に当たらないと思った言動であっても、LGBTQ+の人が傷ついている可能性があるのです。

例えば相手から性的マイノリティであることを打ち明けられたとして、驚いたり戸惑ったりすることもあるかもしれません。 しかし、まずは相手の言葉や相談内容に耳を傾けてみましょう。 お互いに相手を尊重し、理解し合うための行動や思いやりが大切です。

他にも本人の許可なく、第三者に性的マイノリティであることを打ち明けられたと伝えるのも、人を傷つけることになります。

このように他人に暴露するのをアウティングといいますが、軽い気持ちや面白半分で他人に暴露すれば、重大な人権侵害にもなります。 性的マイノリティでなくとも、自らの秘密を誰かに暴露されることと同じことです。

自分自身はそう思っていない行為でも、相手にとっては心に傷を負うことになりかねません。 LGBTQ+について深く理解すること、そしてその相手は自分と対等で真摯に向き合うべき相手だと思って接する必要があります。

  • LGBTQ+は性的マイノリティ(性的少数者:セクシャルマイノリティ)を表す言葉の1つであり、恋愛対象が誰になるかという性的指向と身体の性と心の性の不一致が起こる性自認に分かれる
  • 性的指向や性自認は多くの場合思春期に認識するが、現在の日本では学校生活や社会生活で困難に直面する場面が増える
  • LGBTQ+について深く理解すること、そしてその相手は自分と対等で真摯に向き合うべき相手だと思って接する必要がある

下記の本では、日本よりもLGBTQ+に対して理解が進んでいるアメリカが、どのような運動の歴史を歩んできたのか解説しています。

LGBTQ+への理解を深めるヒントが書かれているため、気になる方はぜひチェックしてください。

(出典:法務省人権擁護局「多様な性について考えよう!」)
(出典:参議院「LGBTの現状と課題」,2017)

LGBTQ+を取り巻く様々な問題とは

日本でのLGBTQ+に関する課題はまだまだ山積みであり、解決しなければならないものが多くあります。 先ほども触れたように教育や仕事、結婚など各分野において、直面している困難やそれぞれ改善するための取り組みはなされていますが、世界的に見れば日本の対応や法整備などは遅れているといわざるを得ません。

それではどういった困難や課題、そして現状になっているのか、それぞれの分野ごとに紹介します。

教育・仕事

教育の現場ではLGBTQ+への対応が特に強く求められます。 これはLGBTQ+などの性的マイノリティが、自身がそうであると認識するのが思春期に多いこと、そして性的マイノリティへの周りの理解や、教職員を含む多くの人たちの理解と支援がなければ、問題のない学校生活は送れないためです。

実際に学校でLGBTQ+であることを打ち明けた生徒が、「男(女)のくせに」、「気持ち悪い」などの差別的あるいは侮辱的な言葉を受け、自尊感情を深く傷つけられることも少なくありません。

また本来理解しサポートしなければいけない教員からも、不適切な対応をされた事例もあります。 思春期は人格形成に必要な時期であり、そこで精神的な傷を負えば、その子どもの人生に大きな影響を与える可能性は十分にあります。

仕事においても同様に、LGBTQ+であることを面接中に打ち明けたところ、就活の面接を打ち切られたというケースも報告されています。

あるいは昇格や昇進で結婚要件があったのに、同性パートナーは認められず、昇進・昇格ができなかったということもあったようです。 このように学校あるいは職場の環境において、LGBTQ+への理解が乏しく、また認められていないことによる問題がいくつも発生しているという現状があります。

下記の本では、トランスジェンダーの著者が、どのような環境の職場なら働きやすいのか、わかりやすく解説しています。

カミングアウトされたときにどうしたらいいのか、どのような言葉をかけたら相手を傷付けないのか、自分の身に起こったときの対処方法を知るのにピッタリな1冊ですので、ぜひチェックしてください。

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結婚

日本では同性婚やパートナーシップ法などの法整備が行き届いておらず、同性婚および同性パートナーが認められていない状態にあります。 これはG7の中では日本だけであり、先進国の中でも遅れている状態にあることは否めません。同性パートナーでは家族を形成できない状態にあります。

医療

医療の場面においても様々な課題があります。 医療機関ではLGBTQ+への理解が深くなされていなければいけませんが、専門機関も少なく、場合によってはLGBTQ+を認めてもらえないケースもあります。

例えば一緒に暮らしているパートナーが意識不明に陥り入院した際、同性パートナーであったため、病院や医師から安否情報の提供や治療内容の説明を受けられず、面会も拒否された事例があります。

またトランスジェンダーでありながら戸籍上の性別が変更できていない場合、医療機関の受付で戸籍上の名前で呼ばれることから、受診し辛くなったケースもあります。

結婚の問題にも関わりますが、同性パートナーが認められないことや、性的マイノリティへの配慮の欠如が医療関係の場でも起こっています。

公的サービス・社会保障

誰もが享受できる公的サービスや社会保障でもLGBTQ+の人々は困難に直面することがあります。 高齢者向け施設において、男女別に施設運営がされていることから、性別に違和感を抱えていることを施設に伝えても考慮されず、戸籍上の性別で分類され精神的な負担が大きかったという人がいます。

あるいは同性パートナーと公営住宅への入居を申し込もうとしたが、同居親族に当たらないとして拒否されたケースもあります。 法整備がなされていないこと、理解がなされず配慮が欠けていることから、このような問題が散見しています。

  • 日本での性的指向に関わる問題の現状はまだまだ課題が山積みであり、解決しなければならないものがたくさんある
  • 思春期は人格形成に必要な時期であるため、教育の現場ではLGBTQ+への対応が特に強く求められる
  • 日本ではLGBTQ+への理解が乏しく法整備がなされていないこと、理解がなされず配慮が欠けていること、認められていないことによる問題が発生している/li>

(出典:内閣府「世界におけるLGBTの権利」)
(出典:LGBTの現状と課題 (参議院常任委員会調査室・特別調査室,2017))

日本政府のLGBTQ+に関する課題への取り組み

LGBTQ+の各分野への日本の対応は、現代のジェンダー平等を目標とした世界の動きから見れば、大きな遅れがあるといわざるを得ない状況です。 しかし、日本でもこれまで様々な取り組みが行われています。

2003年に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」を成立し、翌年施行して以降、様々な対応を行っています。 特に教育関係においては2014年に文部科学省が学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査の公表を実施。

さらに2015年には「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を発出し、教育現場における取り組みの基準を設けています。

また2016年には文部科学省が教職員向け手引を作成し、公表するなど学校でのLGBTQ+の子どもたちへの支援を徹底しています。 他にも、男女雇用機会均等法に基づく改正セクハラ指針の施行や、いじめ防止対策推進法に基づく基本方針が改定されています。

続いて2020年6月には「パワハラ防止対策関連法(労働施策総合推進法)」が施行され、SOGI*ハラスメント対策として、企業での取り組みも広がってきています。
同時にパートナーシップ制度を導入する自治体も増えてきており、2022年10月には240自治体、人口にして55%以上をカバーするまでに広がっているのです**。

これらは教育だけでなく、仕事などでも適用される内容です。 政党を超えた組織として、LGBTQ+に関する課題を考える国会議員連盟の発足や自民党における「性的指向・性自認に関する特命委員会」の設置も対応の1つといえます。

LGBTQ+を取り巻く問題に対して、いくつもの対応や取り組みはなされていますが、それでも慎重に議論を進めている部分も多く、世界の動きと比べればどうしても遅いという事実があります。

また日本は、現行法の改正・改定などは行われているものの、同性婚をはじめとする決定的な法整備がされていません。 海外では同性婚を認める法律の施行や、結婚に準ずるパートナーシップ法が成立している国も増えていることから、日本の遅れが見られます。

*SOGI:性的指向(sexual orientation)と性自認(gender identity)の頭文字を取った略称
(*出典:厚生労働省 職場におけるハラスメントの防止のために)
(**出典:渋谷区・虹色ダイバーシティ 全国パートナーシップ制度共同調査)

LGBT法連合会の取り組み

日本政府の法整備の遅れを受け、性的指向および性自認などにより困難を抱えている当事者の人々に対する法整備のための全国連合会「LGBT法連合会」が2015年に発足されました。

この連合会にはいくつかのNPO・NGOなどが代表団体を務めており、法整備に向けた働きかけを行っています。

主な活動としては性的指向や性自認に関する困難の整理と周知啓発、情報発信、国政に対しての政策提言などです。 また法案としてLGBT差別禁止法の必要性を訴え、これを提案するといった取り組みも行われています。

  • 日本は現行法の改正・改定などは行われているが、現代のジェンダー平等を目標とした世界の動きから見れば対応は遅れている
  • 2003年に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」を成立し、翌年施行して以降、様々な対応を行っている
  • 性的指向および性自認などにより困難を抱えている当事者などに対する法整備のための全国連合会「LGBT法連合会」が2015年に発足された

LGBTQ+に関する課題の解決とジェンダー平等のために私たちができること

日本では、LGBTQ+の人々への対応や法整備などが世界的に見ても遅れていると言えます。しかし、LGBTQ+に関する課題の解決やジェンダー平等に向けて活動する人々や団体はたくさんあります。

LGBTQ+の人々を取り巻く様々な課題をより早く解決するために、LGBTQ+差別問題に取り組んでいる人々や団体がいますが、継続して活動するための資金や人材がまだまだ足りていません。

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この記事を書いた人
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