LGBT

【2026年最新】日本における同性婚とLGBTQ+対応・海外の結婚制度を比較

【メタディスクリプション】日本の同性婚や結婚をめぐる最新動向(2024年高裁違憲判決・2025年パートナーシップ制度の人口カバー率92.5%・タイの結婚法施行など)と、海外の結婚制度をわかりやすく整理します。

現代では以前に比べ、性の多様化が認められつつあります。

LGBTQ+についての社会の理解も少しずつ深まってきており、世界の国々では権利を認める法律も整備が進んでいます。 日本でもLGBTQ+に該当する人々がいますが、権利の中には「結婚」をする権利も含まれており、同性婚をめぐる結婚制度の議論が急速に進んでいます。

この記事では、世界の結婚制度の最新動向と、日本における同性婚・LGBTQ+対応(2024年の高裁違憲判決、2025年のパートナーシップ制度の人口カバー率、タイなど近年の同性婚法施行)を、結婚をめぐる視点からわかりやすく整理します。

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LGBTQ+に関する課題とは?ジェンダー平等に向けた知識や活動を知ろう

LGBTQ+とは

まずはLGBTQ+という言葉について説明します。

LGBTQ+とはレズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)、分からない/違和感がある(Questioning)、左記では表現しきれない性の多様性(プラス)の言葉の頭文字を取り、組み合わせてできた言葉です。

LGBTQ+は性的マイノリティ(性的少数者:セクシャルマイノリティ)を表す言葉の一つとして使われることもあり、現代の多様な性を表現していると言葉とも言えます。

レズビアン、ゲイ、バイセクシャルの3つは性的指向(セクシャルオリエンテーション:Sexual Orientation)、トランスジェンダーは性自認(ジェンダーアイデンティティ:Gender Identity)に分けられています。

そのため性的マイノリティは、この性的指向と性自認の頭文字を取った「SOGI」と表現されることもあります。

性的指向とはどのような性別の人を好きになるかということを意味し、男性が女性を、女性が男性を好きになるという感覚とは異なることを指します。

また性自認あるいは性の自己認識と呼ばれるものは、自分の性をどのように認識しているのか、ということです。 心の性と言われることもあり、身体の性と心の性が一致していることが一般的ですが、一致していない人もいることから、その人々を表す言葉です。

性的マイノリティはLGBTQ+に限らず、男女どちらにも恋愛感情を抱かない人や自分自身の性を決められない、または分からないという人など様々であり、現代における性の多様性を表しています。

LGBTQ+について

性的指向、そして性自認を表すそれぞれの言葉の内容については下記の通りです。

性的指向(Sexcial Orientation)
レズビアン(Lesbian) ・心の性が女性で恋愛対象も女性
・女性の同性愛者
ゲイ(Gay) ・心の性が男性で恋愛対象も男性
・男性の同性愛者
バイセクシャル(Bisexual) ・心の性に伴わず恋愛対象が女性にも男性にも向いている
・両性愛者
性自認(Gender Identity)
トランスジェンダー(Transgender) ・身体の性は男性でも心の性は女性、または身体の性は女性なのに心の性は男性というような人
・身体の性と心の性が一致せず身体の性に違和感を持つ

※さらに上記以外に「分からない/違和感がある(Questioning)」、「表現/分類しきれない性の多様性(プラス)」

LGBTQ+はこのように分類されています。現代においてはまだまだ理解されていない部分も多く、それぞれが性的マイノリティとして悩みを抱えたり生きづらさを感じている状況です。

  • ・世界ではLGBTQ+を含む性的マイノリティが増えている
  • ・LGBTQ+とはレズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)、不明/違和感あり(Questioning)、以上では表現しきれない性の多様性(プラス)の頭文字を取り、組み合わせてできた言葉
  • ・レズビアン、ゲイ、バイセクシャルの3つは性的指向、トランスジェンダーは性自認に 分けられている

 (出典:法務省人権擁護局「多様な性について考えよう!」)

日本における同性婚やLGBTQ+への対応

LGBTQ+の人々は世界中におり、日本にも相当数のLGBTQ+の人が存在しているとされています。

電通グループが2023年に20〜59歳の約57,500人を対象に実施した「LGBTQ+調査2023」では、LGBTQ+層の割合は9.7%という結果が示されています(同調査の2020年時点は8.9%)。約10人に1人が該当する規模で、結婚や法的扱いの議論を進める社会的必要性が高まっています。

そもそも日本国憲法の第14条第1項では「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とあります。
そのため、LGBTQ+であることを禁じられることはなく、差別されることは原則として憲法に違反すると考えられています。

しかし、今でこそLGBTQ+は社会的にも認知され、少しずつ理解され始めていますが、以前は差別されることも多く、現在でも様々な困難に直面する人はいます。 このようなことから、2002年に「人権教育・啓発に関する基本計画」で同性愛者への差別といった性的指向に係る問題の解決に資する施策の検討が盛り込まれました。

それ以降、2004年には性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が施行され、LGBTQ+に関する課題を考える国会議員連盟の発足や男女共同参画基本計画における性的指向や性自認への対応が盛り込まれるなど様々な対策が行われています。

2017年は性的指向や性自認に関わらないセクハラの指針の改正と明確化や、いじめ防止対策推進法に基づく基本方針の改定、2020年のオリンピック・パラリンピックへの社会的少数者の権利尊重を規定するなど、特に多くの対策が定められた年でもあります。

そして2023年6月23日には、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(通称:LGBT理解増進法)が施行されました。罰則のない理念法ですが、国・自治体・事業主に対し、性的指向や性自認の多様性に関する理解増進の施策・基本計画の策定・実施状況の公表が求められています。同法は「不当な差別はあってはならない」と明記しており、結婚制度を含む今後の議論の基盤となる位置づけです。

LGBTQ+の人々は生活をしていく上で様々な困難に直面しています。 しかしそれを解消し誰もが問題なく過ごせる世の中にしていくために、少しずつでも対応が行われています。 そんな中で、LGBTQ+の人たちが望むことの一つに同性婚があります。

(出典:参議院「LGBTの現状と課題」,2017)
(出典:電子政府の総合窓口e-Gov「日本国憲法」)

日本国内における同性婚と結婚制度の現状

こういった状況の中で日本国内における同性婚は、民法・戸籍法上の結婚としては現行法で認められていません。ただし2024〜2025年にかけて、各高裁で「結婚の自由をすべての人に」訴訟の違憲判決が相次いでおり、結婚制度の見直しを求める司法判断が積み重なっています。

海外の結婚制度は次節で扱いますが、G7では同性婚またはパートナーシップ法が制度化されていないのは日本のみとなっており、結婚制度の整備が遅れている主要先進国としての地位が国際的にも指摘されています。

国の法律としての結婚制度はないものの、地方自治体や企業の取り組みでは同性パートナーを認める動きが急速に拡大しています。

2015年に渋谷区・世田谷区で始まった同性パートナーシップ証明制度は、2025年5月末時点で導入自治体が530自治体人口カバー率92.5%登録件数9,836組まで拡大しました。33都府県で人口カバー率100%に達し、制度未導入の県庁所在地・政令指定都市はゼロになっています。

また企業でも、同性パートナーを保険金の受取人にでき、手続きを簡易的にした取り組みや、家族を対象とした割引サービスを同性パートナーにも適用するなど動きが見られています。

(出典:内閣府子供・若者育成支援 ReBit作成資料「世界におけるLGBTの権利」)
(出典:参議院「LGBTの現状と課題」)

海外におけるLGBTQ+の結婚制度

海外におけるLGBTQ+の結婚制度は、2025年1月時点で38〜39の国・地域で同性婚が法的に認められ、さらに多数の国でパートナーシップ法が制定されています。世界人口の約20%(15億人規模)が、同性婚を結婚として認める法域に居住している状況です。

具体的な国を見ると、2001年のオランダを皮切りに、2005年カナダ、2013年フランス、2014年イギリス、2015年米国全州、2017年ドイツ、2019年台湾(アジア初)、2022年スイス、2024年タイ(2025年1月施行・東南アジア初)と、同性婚を結婚として認める国が拡大しています。

台湾では2017年に司法院大法官会議(台湾の憲法裁判所に該当)が現行民法を違憲と判断し、2019年5月に同性婚が施行されました。アジアでは台湾に続き、2023年にネパール、2025年にタイで同性婚が認められ、結婚制度の選択肢として確立しつつあります。

このように同性婚の法整備や合法化、または同姓カップルに結婚に準ずる権利を与えるといった代替制度が整備されています。

(出典:内閣府「世界におけるLGBTの権利」)
(出典:参議院「LGBTの現状と課題」)

  • ・日本国内における同性婚は現行法では結婚として認められていないが、2024〜2025年に全5高裁で違憲判決が出ている
  • ・パートナーシップ制度は2025年5月時点で530自治体・人口カバー率92.5%・登録9,836組まで拡大
  • ・海外では2025年時点で38〜39の国・地域が同性婚を結婚として認め、世界人口の約20%が対象に

日本でも一刻も早い法整備が求められますが、結婚の自由を全ての人に開いてきた国々でも、その道のりは長いものでした。例えばアメリカでは全州で同性婚が認められたのが2015年で、ニュージーランドは2013年、英国も2014年(イングランド・ウェールズ)と、結婚制度の合法化はここ10〜15年に集中しています。

こちらの本では、アメリカではLGBTQ+の権利運動が1世紀以上も続いており、少しずつLGBTQ+の自由が開かれてきたことが解説されています。

日本における同性婚と結婚制度の今後の課題

同性婚やパートナーシップ法を制定し、LGBTQ+の人々の権利を守るという世界の動きがある一方で、日本では結婚制度としての法整備が遅れています。
そのため、早急に同性婚を含む結婚制度の見直しや、パートナーシップ法の成立を求める動きが司法・立法の双方から強まっています。
司法側では、「結婚の自由をすべての人に」訴訟において、2024年3月の札幌高裁判決を皮切りに、2024年10月の東京高裁、2024年12月の福岡高裁、2025年3月の名古屋高裁・大阪高裁と、全5つの高裁すべてが同性婚を認めない現行法を「違憲」と判断しました。日弁連や弁護士会は法整備を強く求める会長声明を出しており、結婚制度の改正は政治的論点として無視できない段階に入っています。

同性婚やパートナーシップ法の制定もその一つといえます。しかしいくら法整備をしたとしても、日本に住む私たちの理解と配慮が不可欠です。 どのように理解を広め、LGBTQ+を含む性的マイノリティの人々への配慮が得られるようにするか、その議論が必要と言えます。

また結婚だけでなく、教育や医療、福祉、就労などの課題もあります。 例えば、教育であれば教職員への知識提供や児童、生徒へのLGBTQ+に関する正しい教育、医療であれば医療者への知識提供や、法律上家族でない同性パートナーの想定、性同一障害者への対応などが挙げられます。

就労・仕事であっても企業の理解向上や、キャリア教育におけるLGBTQ+包括、自立や就労支援機関による支援などが行われない限り、仮に同性婚を認可しても困難に直面することは変わらない社会が続いてしまいます。

法整備を進めると同時に、多面的な施策を行い、性の多様性への理解と配慮を広めていくことは何よりも大切なことです。

(出典:内閣府「世界におけるLGBTの権利」)

  • ・LGBTQ+の権利を守るという法整備はただ進めればいいというわけではなく、LGBTQ+の人権を守るように取り組まなければいけない
  • ・法整備をしたとしても、日本に住む私たちの理解と配慮が不可欠/li>
  • ・LGBTQ+の人々が直面する困難に対して、教育や医療、福祉、就労などの面で解決していかなければいけない部分は多々ある

LGBTQ+への理解をさらに深めたい人には、以下の書籍がおすすめです。

19の体験談をマンガにまとめ、LGBTQ+問題を分かりやすく紐解いています。この本を読むことで性的マイノリティを無意識に差別していないか、何かできることはあるかなど考えるきっかけになります。

ジェンダー平等に向けてLGBTQ+の結婚問題を知ろう

LGBTQ+の人々の結婚に関する課題はジェンダー平等に向けて取り組むべき項目です。

家族は生きていく上で大切なことであり、コミュニティの一つとして重要なものです。 家族を形成していくことは人として当然の権利であり、誰もが享受することができます。

しかしそれはこれまでのように男女で形成するものだけでなく、同性のパートナーで結婚を通じて作り上げていくことも、結婚制度として可能でなければいけません。
LGBTQ+に該当するという理由で同性婚は認められないとなれば、それは結婚をする権利を認めないことに他ならず、ジェンダー平等から遠のくことになります。

そのためにも私たちは同性婚や結婚制度の問題について、そしてジェンダー平等について知り、理解を深めていくことが何よりも重要な第一歩になります。

ジェンダー平等への第一歩として、まずは自分の無意識下での思い込みをなくすことが大切です。

「知っているつもりだった」「こうだと思っていた」という思い込みは、知識を深めることで少なくできます。以下の書籍が参考になるので、興味があればご覧ください。

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この記事を書いた人
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