子どもが不登校になったとき、親として「どう接すればいいのか」「どんな支援を頼ればいいのか」と悩む方は少なくありません。
そうした状況の中、「再登校」を選択肢のひとつとして支援を行っているのが、不登校支援サービスを提供する「株式会社スダチ」です。
しかし、SNS上では過去の炎上事例から、
「スダチって『不登校ビジネス』でしょ?」
「3週間で再登校って、子どもに無理をさせてるのでは?」
といった不信の声が上がっているのも事実です。
そこで本記事では、「スダチは本当に怪しいのか?」という視点から、企業の実態や支援の中身を徹底的に調べました。
「信頼していいかどうか迷っている」という方が判断しやすくなるよう、根拠となる情報をわかりやすく整理しています。ぜひ参考にしてみてください。
「スダチ」は怪しいといわれる理由
株式会社スダチは、不登校の子どもの支援において「再登校」を選択肢の一つとして掲げる独自のアプローチを取っており、一定の評価を受けてきました。
一方で、行政との関係や広告表現をめぐってSNS上での議論や批判も起き、「怪しいのでは?」といった声が上がったことも事実です。
ここでは、そうした声が生まれた背景と、現在の対応について整理します。
「板橋区との連携」の件で炎上したことがある
株式会社スダチが注目を集めるきっかけとなったのは、2024年8月に発表された「板橋区との連携」に関するプレスリリースでした。
一部の表現が、区と正式に協力しているかのように受け取られたことで、「行政が民間企業の方針を採用したのか?」「再登校に強制性を感じる」といった批判がSNSで相次ぎました。
【速報】板橋区がスダチとの連携を事実上否定
学校での試行始まってないそうです
ニ学期以降も試行すると大問題に
親子の関係を断絶させ、子どもの心を壊すビジネスが許される日本であってはなりません…中略(Xより)
板橋区教育委員会はその後、「不登校対応方針を変更した事実はない」と説明し、スダチとの正式な連携はなかったと発表。スダチ側もプレスリリースを削除し、誤解を招いた情報の訂正を行いました。
現在、スダチは公式サイトでインタビューや実績データを公開するなど、情報の透明性を高める取り組みを進めています。
再登校の強調や家庭環境への言及に反発する人も
スダチの支援方針には、再登校を1つの選択肢として積極的に提示する姿勢が見られます。しかし、これが「再登校を唯一の正解とする」ように受け取られることもあり、SNSでは違和感を覚える声も見られます。
スダチっていうサービス、板橋区と揉め事があったようだからウェブサイト見てみたけど、そもそも「不登校が悪いこと」という価値観に立ってるサービスであることが感じられるし、サイト内に埋め込まれてる動画でも「家庭環境が問題の原因」かのごとく書いてて気に食わない。(Xより)
また、スダチは親子関係の改善を重視しており、「不登校の原因は家庭環境にある」というメッセージが強調されている点に不快感を示す人もいます。
スダチはこうした声も受け止め、現在、支援の有効性を示すために専門家と連携し、学術的な裏付けとなる論文を準備中です。
広告表現への疑問
さらに指摘されているのが、過去の広告表現です。かつてスダチは「3週間で再登校!」というキャッチコピーを用いており、子どもの不登校で悩む保護者の心理につけ込んでいるように感じるという声もありました。
子供の不登校初期になにも知識がなくどこも支援機関と繋がってない状態で困り果ててる時、スダチのような「3週間で再登校!」なんて甘い言葉見たら飛びついちゃうだろうな。危険すぎる…(Xより)
スダチは過去の表現に対する批判を受けて、現在はこのような表現を見直し、「3週間で子どもが自ら再登校するためのサポート」といったより柔らかい言い回しへと修正されています。
以上のように、連携発表や広告表現をめぐって一部で批判が寄せられましたが、スダチは現在、表現の見直しや情報公開、専門家との連携を進めるなど、透明性ある支援体制の構築に取り組んでいます。
不登校という繊細な課題に向きあう企業として、透明性と多様な声への配慮を意識した姿勢がうかがえます。
「スダチ」の支援がおすすめの【親】
不登校は一時的ではなく、進学や就職といった将来に大きく関わってくる問題です。炎上騒動があったとはいえ、スダチは増え続ける不登校の子どもたちに向きあい、家庭からの再登校支援という新たなアプローチを提供しています。
とはいえ、すべての家庭に向いているとは言えないでしょう。ここでは、スダチの支援がとくに向いていると考えられる親御さんの特徴を紹介します。
子どもの将来を見据えて再登校を望んでいる
子どもに学校生活を楽しんでほしい、将来困らないように基礎学力を身につけてほしい。そんな思いから、再登校を前向きに考える家庭にとって、スダチの支援スタイルは相性が良いといえます。
とくに「このままで高校や大学に進めるのか?」「就職はできるのか?」といった進路への不安を抱く親は少なくありません。
近年はフリースクールなど学校以外の選択肢も広がってきたとはいえ、子どもが本来受けられるはずだった公教育の機会が十分に得られない場合、将来の進路や選択肢が限定されてしまうという現実もあります。
一方で、「登校しない選択も子ども自身が選ぶ道」として尊重する家庭にとっては、スダチの方針が合わないこともあるかもしれません。支援の方向性に共感できるかどうかが、スダチを選ぶうえでの大きなポイントになります。
いろいろ試して改善策が見つけらなかった
「見守り」などの方法を試しても改善が見られなかった家庭にとって、スダチは新たな選択肢となっています。
昨年長女が不登校になり最初の1ヶ月は見守ったのですが、改善が見られず妻が色々探して「スダチ」と出会いました。
3週間で再登校、料金も安くはなくオンラインと色々不安も、お世話になった結果は1ヶ月で再登校、中学へ進学後も元気に学校へ行っています。
親が変わる事で子供は変わります。(Xより)
このように、いくつかの手段を講じても効果が見られなかったという家庭には、「親からの変化」を軸にするスダチのメソッドが刺さる可能性があります。
子どもへの接し方がわからない
スダチの支援は、子ども本人よりも親へのサポートを重視しています。そのため、子どもへの適切な関わり方に悩んでいる家庭には大きなヒントとなり得ます。
ちょうど1年前にスダチさんのサポートを受けていたものです。
結果、10日で再登校し現在も登校中です。
変わったのは親、そして親が変われば子供も変わる。その通りでした。過保護、過干渉だったことに気付きました。
みるみる子供に変化が起こり、兄弟にまでいい影響がありました。
私たち親からは「学校に行きなさい」とは一言も言っていません。全部子供が自ら考え、行動し、努力したんです。
そんな強い心になるメソッドを持ち、素晴らしいサポートをしてくださるのがスダチさんです。とても夫婦だけではこんなに前向きに再登校へは導けませんでした。
とても感謝していますし、あのサポートで学んだことは今でも生きていて、一生物のスキルだと思います。(スダチ公式note「PIVOTチャンネル出演時のコメント」より)
再登校のきっかけをつくったのは、親からの直接的な「登校の強制」ではなく、日常の接し方の変化。親自身が変わることによって、子どもが自ら行動を選ぶ力を育てるというスタンスは、家庭内でのコミュニケーションに悩む家庭にも適しています。
なお、株式会社スダチを利用した親御さんたちの直筆のアンケートをこちらで確認することができます。
口コミから見ると、スダチの支援は「子どもの将来のために、親自身が変わる必要がある」と感じている親御さんにおすすめだと言えます。
再登校をあくまで選択肢のひとつとして受けとめながら、親の関わり方を見直し、家庭からの働きかけで変化を促したいと考える方にとって、心強いサポートのひとつになるでしょう。
「スダチ」の支援がおすすめの【子ども】
不登校の理由は一人ひとり異なりますが、文部科学省の委託事業として実施された調査(※)によれば、不登校の主な要因には「学業不振」「心身の不調」「睡眠不足」「スマホ・ゲーム依存」などが挙げられています。
いじめを上回る割合でこれらが報告されており、生活習慣や環境の影響が強く関係している子どもに対しては、家庭からのアプローチによって状況の改善が期待できます。ここでは、そうした子どもたちの中でも、株式会社スダチによる支援が向いていると思われる子どものタイプを見ていきましょう。
出典:公益社団法⼈ ⼦どもの発達科学研究所「文部科学省委託事業 不登校の要因分析に関する調査研究(令和6年3⽉公表)」
ゲームやスマホ依存の傾向がある
スマートフォンやゲームへの依存は、不登校と関連する大きな要因として挙げられています。スダチでは、家庭内での生活リズムやルール設定を重視し、保護者が主導するかたちでデジタルとの関係を見直す手法を取り入れています。依存を無理に断つのではなく、子どもが自発的に行動できるよう促す点が特徴と言えるでしょう。
生活習慣が乱れている
昼夜逆転や不規則な生活によって学校へ行く意欲が低下しているケースも少なくありません。スダチの支援では、基本的な生活習慣の立て直しを家庭で行うことに重点を置いています。医療的ケアが不要な子どもにとっては、こうした日々の見直しが再登校への一歩になる可能性があります。
身体・精神に大きな問題がないのに『何となく学校に行けない』
心身に明確な疾患がないにもかかわらず、漠然とした不安感や無気力感から不登校になるケースが増えています。
文部科学省の調査※では、不登校の原因として「学校生活に対してやる気が出ない」相談が、小中高すべての段階で多く報告されています。
スダチでは、こうした子どもに対して、親の関わり方や家庭環境の整え方に重点を置き、子ども自身が少しずつ前向きな行動を取れるよう家庭からのサポートを行っています。
なお、スダチでは医師監修のもと、うつ症状やいじめ、家庭環境などを総合的に判断したうえで、支援の可否を決定しているとしています。
※出典:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」
スダチの支援は、心身に大きな問題はないものの、生活習慣の乱れやスマホ依存などが理由で登校が難しい子どもに対して、サポートが期待できると言えるでしょう。家庭からの関わりを通じて、子ども自身の変化を促すアプローチが特徴です。
そもそも不登校支援「スダチ」とはどんな企業?
株式会社スダチは、不登校の子どもとその家庭に対し、「再登校」を選択肢のひとつとして提示し、家庭からのアプローチによる支援を提供している民間企業です。
2020年のサービス開始以来、全国の保護者から注目を集めており、その支援スタイルや理念について、メディアやSNSでもたびたび取り上げられています。ここでは、スダチの基本的な情報とサービスの特徴を整理します。
スダチのミッション
スダチの掲げるミッションは、「誰もが巣立ちゆける世界を」です。「不登校」という状況を、一時的な停滞ではなく「再び巣立つための準備期間」と捉え、子どもが社会へ戻るための足場を家庭の中から築こうとする姿勢が根底にあります。
近年では不登校の子どもたちに対して、多様な選択肢が広がっているものの、家庭の負担や地域差、進学・就職との接続の難しさなど、課題も少なくありません。また、現状では「再び学校に行きたい」と感じる子どもへの支援が不十分です。
スダチはそうしたギャップに着目し、「学校に戻ることを前提としない支援」ではなく、「再登校も含めた道筋をつくる支援」を提供しています。
「再登校」支援に特化したサービスを展開
スダチの最大の特徴は、民間企業として「再登校」を目指す支援に特化している点です。支援はすべてオンラインで提供され、スタッフが保護者と日々やり取りしながら、家庭から子どもに働きかけるスタイルをとっています。
いわゆる塾やフリースクールのように、子どもが直接通う形式ではなく、「親が変われば子どもも変わる」という考えのもと、親を中心とした支援体制が取られています。
毎日子どもに接する親自身のマインドに変化を促すことで、子ども自身が自分の力で歩みだせるよう導いていくスタイルが特徴です。
親を介して家庭環境を立て直す独自メソッド
スダチの支援は、家庭環境を整えることを大切にしています。生活習慣の見直しやデジタル依存からの脱却など、毎日の暮らしを立て直すサポートを行っています。
それらが整うことで、精神的に落ち着き、「親子の会話が増える」「子どもが素直になり笑顔が増える」などの声が多く見受けられます。
再登校約90%の実績
株式会社スダチによれば、2020年のサービス開始から、1,500人以上の子どもが再登校を実現し、その割合は約90%とされています(2025年4月現在)。
こうした実績は、家庭内からの支援の可能性を示すものとして注目されています。現在はその効果を裏づけるため、専門家と連携して学術的なエビデンスの整備も進められています。
「スダチ」に関する疑問を直接質問してみました
不登校支援の選択肢が増える中で、家庭からのアプローチを軸に再登校を支援するのが株式会社スダチです。その独自のスタンスやメソッドに対しては、賛否を含めさまざまな声が寄せられています。そこで今回は、気になる点を株式会社スダチに直接伺い、その回答を紹介します。
なぜ再登校を重視されているのか、理由をお聞かせください。
<回答>
サービスの理念でもありますが、「本当はまた学校に行きたい」という想いを支えたいからです。
これまで1500名以上のお子さんを再登校に導きましたが、多くの子ども達は「本当はまた学校へ行きたい」という想いを抱いていました。友達とのトラブルやゲーム依存などに苦しむ子ども達も、心の奥底では社会や学校とのつながりを求めています。
また、子ども達が安心して社会へ踏み出せるよう、教育を受けられない“空白の期間”は、短ければ短いほど良いと考えています。
スダチは「学校に行きたい」という子どもの想いに寄り添い、再登校を社会との再接続の手段と捉えているのが特徴と言えるでしょう。
支援に取り入れている「認知行動療法」と期待できる効果について教えてください。
<回答>
お子さんの「ものごとの受け止め方」や「行動のクセ」を見直すことで、問題への対処力を高める認知行動療法の考え方を取り入れています。
登校などに不安を感じる場合は、不安を細かく分解し、親御さんと一緒に具体的な対策を立てます。また、ネガティブな捉え方をポジティブに転換できるような声かけや、ご家庭でのルールづくりによって、「行動のクセ」を変えることを目指しています。
結果として、登校に対してネガティブに捉えていたお子さんが、挑戦してみようと一歩踏み出すことができるようになります。
専門的な理論に基づいた支援方針が整備されており、家庭での実践をサポートする仕組みが構築されている印象を受け取れます。
再登校後、通学を継続されているお子さんの割合はどれくらいでしょうか?
<回答>
再登校後8ヶ月経過した親御さん115名へのアンケートでは、90.4%の親御さんが、お子さんが継続登校できていると回答しております。スダチのサポートでは、再登校がゴールではなく、継続登校を主眼においてサポートを行っております。
また、継続登校を安定させるために無料のアフターサロンや親御さん同士が交流できる場なども設けております。
再登校だけでなく、その後の安定した通学までを視野に入れている点は、多くの家庭にとって安心材料となりそうです。
利用者の満足度は?
<回答>
2025年4月22日時点でデジタルアンケートは241件が集まり、全体の満足度は96.32%、「よかった」と回答した割合は97.93%にのぼります。以下はその内訳です。
評価項目 | 回答件数 |
---|---|
非常に不満 | 1件 |
不満 | 0件 |
普通 | 4件 |
よかった | 42件 |
非常によかった | 194件 |
高い満足度からは、一定数の家庭にとってスダチの支援が実際に成果を生んでいることがうかがえます。
不登校支援以外に提供されているサービスについて教えてください。
<回答>
スダチでは再登校支援に加えて、保護者や子どもに向けたさまざまなサービスも提供・展開しています。それぞれのニーズにあわせた支援が可能となるよう、多角的なサポート体制を整えています。
不登校支援以外で現在提供されている主なサービスです。
- ・スダチ式子育て塾(親御さん向け)
親が学び、成長するための講座や実践的なアドバイスを提供しています。 - ・オンラインフリースクール スダチ
登校以外の選択肢として、子どもが安心して過ごせる場を提供しています。 - ・カウンセリング
保護者の不安や悩みに寄り添い、日常的なサポートを行っています。 - ・マンツーマンの子育てサポート(親御さん向け)
子どもとの関係づくりを支えるための定期的なサポートプログラムです。
再登校だけでなく、その周辺支援にも力を入れており、柔軟な支援体制が整っている印象です。家庭の状況にあわせて必要なサービスを選べる点も大きな特徴と言えます。
「スダチ」の支援はこんな親や子どもにおすすめ!
本記事では、過去の炎上や「怪しい」と言われた背景をふまえつつ、株式会社スダチの支援がどのような家庭に向いているのかを整理しました。
以下のような親御さんやお子さんには、スダチの支援がとくにおすすめです。
- ・子どもの将来の進路を考え、再登校を前向きに検討している親
- ・ゲーム・スマホ依存や生活リズムの乱れが見られる子ども
- ・「なんとなく行けない」状態に悩んでいる家庭
- ・他の支援では効果が得られなかった場合の選択肢として
スダチは表現のあり方をめぐって誤解や批判もありましたが、現在は情報公開や専門家との連携、表現の見直し等がなされ、より信頼性の高いサービス体制を整えています。
再登校を選択肢のひとつとして提案し、家庭の中から子どもの変化を促す独自のアプローチは、多くの家庭で実績を上げているのも確かです。
判断に迷うときこそ、支援実績や利用者の声に目を向けてみることが、選択のヒントになるかもしれません。
「スダチ」は、不登校に悩む親子が前向きな一歩を踏み出すための、ひとつの心強い選択肢と言えるでしょう。