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途上国の教育の現状や問題点、行われている支援活動は?

この記事を要約すると

世界では約3億300万人もの子どもや若者が学校に通えておらず、6.1億人以上の子ども・若者は必要最低限の読解力や計算力を習得していないと推計されています。

加えて、貧困、ジェンダー、障害、民族・言語、居住地域などによる格差の問題なども生じており、すべての子どもに対し質の良い教育を保障することが必要です。

ここでは途上国で教育が受けられない現状や問題点をご紹介し、その対策として行われている支援活動をご紹介します。

(出典:日本ユニセフ 公式サイト,2018)
(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

世界で深刻な教育問題。各国の制度や男女格差、必要な支援について知ろう

教育を受けたくても受けられない背景とは?


アフリカや南アジアの教育不足は深刻な状態にあり、世界的に見ても緊急の課題といえます。

小学校に通えない子どものうち、半数以上の3,400万人がサハラ以南のアフリカの子どもたちです。
また、アフリカに次いで学校に通っていない子どもの人口が多い南アジア国々(バングラデシュ・インド・パキスタン・スリランカなど)では、990万人以上も学校に通えていない子どもがいると言われています。

学校に通えない子どもは特に女子に多く、男女による教育格差もなくなりません。
また、農村部や先住民・部族の村や都市の貧しい家庭の子ども、エイズの孤児、障害者など社会的弱者の就学が大きな問題となっています。

2000年以降、南アジアなど多くの地域では教育環境が改善し、小学校に通えない子どもの数は大きく減少しましたが、サハラ以南のアフリカでは、未だに子どもたちの多くが教育から取り残されています。

以下では教育が受けられない大きな要因となっている問題を説明します。

(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

家事や子育てなどの労働

2017年に国際労働機関(ILO)が発表したデータによると、5~15歳の子どものうち 1億5,200万人が働くことを余儀なくされています。統計によると、サブサハラ・アフリカでは 5人に1人、アジアでは14人に1人、中南米では19人に1人の子どもが働いている計算になります。

多くの家族が子どもたちの収入をあてにし、頼っているため、子どもたちには学校に行く時間もお金もない状態です。
また、幼い兄弟姉妹の面倒を見なければならないために学校へ行けない子どもや、少年兵としてかり出されている子どももいます。

(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

子どもの数に対して、学校の数が足りない

特に農村部では、小学校が近くにないことがほとんどで、長時間歩いて学校に通わなければなりません。女子の多くは、親が娘の安全を心配して、遠くの学校に通うことを許さないケースもあります。

都市でも貧しい地域では、小学校が不足していることが多く、たとえ学校があっても多くの地域で1学級何十人もの児童を抱え、教室は過密状態であるうえ、設備がほとんど整備されておらず、教科書も教材も不足しています。

教師や学校教育の質が不足している

多くの開発途上国では、教育の質が低く、小学校教育で学校をやめる子どもたちのなかには読み書きができず、初歩的な計算すらできない子どもも少なくありません。

一般的に、授業時間やカリキュラムは、このような子どもたちの状況を考慮していない点が問題です。

学校への安全な通学手段がない(紛争や自然災害など)

2018年のユニセフの発表によると、世界で学校に通っていない子どものうち、およそ1億400万人は、紛争や自然災害の影響を受ける国に暮らしています。

さらに、これらの国に暮らす15歳から17歳の子どもの5人に1人は、生涯で一度も学校に通ったことがなく、5人に2人は小学校を修了していないこともわかりました。

彼らは学校が破壊・損傷することで学校に通えなくなり、そのまま年月が経過すれば復学することも難しくなってしまいます。そうした子どもが大人になることで貧困の連鎖が長く続いてしまう要因にもなるのです。
(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

貧困な家庭事情

途上国や低所得国では家計を支えるため子どもが働いている場合が多く、学費や教材費が払えないケースがあります。
また、教育を受けずに育った親が教育の必要性を理解していないために学校に行かせてもらえない場合もあります。

女の子だからという理由

女の子だから学校に行かせてもらえないという事情の背景には宗教や伝統に基づく慣習や差別があります。また、経済的な理由で男の子の教育を優先する家庭もみられます。
長年培われた男女の不公平や格差は突然変えられるものではないため、地道なサポートが必要です。

また、学校に女性用のトイレがなく思春期に中退してしまうケースや、学校までの道のりが遠く危険なため親が学校に通わせたがらないケース、女の子に教育は要らないといった親の間違った考え方など、女の子が学校に通えない理由は様々です。

教育が必要な子どもたちのために行われている支援活動


以上述べたような教育の危機的状況を救うため、世界ではどんな教育支援活動が行われているのでしょうか。

水・衛生環境の改善

人々が健康な生活を送るうえで不可欠な清潔な飲み水、適切なトイレ、手洗いなどの衛生習慣に向けて支援が行われています。

村や町に井戸や雨水貯水システムなどの給水設備の設置や現地の資材を用いて持続的に利用できるトイレの設置、また衛生習慣を改善するための指導など幅広い支援活動が展開されています。

こうした支援の結果、水汲みの時間を学校へ通う時間に充てられるようになった子どもたちが多くいます。

教師の育成

ほとんどの開発途上国では、有資格の教員が不足しています。

これらの国々へは日本から教師がボランティアで行っている地域があります。しかし、すべての学校に質の高い教員を適切に配置するためには、国家政策が必要で、その他にも地元の言葉を話せることも特に農村部では重要になってきます。

また、教師の育成に力を入れている支援団体もあり、教師が行う授業の質を高めるために研修や実践授業などが行われています。

給食の配布

途上国では貧困な家庭事情から子どもたちが働かなければならない状況があるとお伝えしましたが、世界の子ども10人に1人が児童労働をしています。

親は無料の給食がでるという理由から子どもを学校に行かせる場合も少なくありません。
給食の配布は子どもの栄養バランスをサポートするだけでなく、教育を受けさせるためにも役立つのです。

(出典:ILO世界推計発表,2017)

教育の必要性を伝える

初等・中等教育を受けられなかったために、何億人もが成人後に機会を逃したり、また親になった時に自分の子どもを教育できていない現状があります。

読み書きができないと、村を出たくても出られず、ずっと自分の村で生きていかなければなりません。仮に村を出ても、読み書きができないという理由で騙されたり、安い賃金で雇われたりすることが多く、貧困から抜け出せない人が多いのが実状です。

また女性の場合は、人身売買に遭うケースもあります。

そのため、文字の読み書きができないとどんな危険があるのか、自分の身を守るためにも教育の必要性を伝える支援も行われています。

(出典:世界開発報告(WDR)「教育と学び-可能性を実現するために」,2018)

私たちの寄付が子どもたちの大きな支えに!


一人でも多くの子供達に教育を受けてもらうために、多くの支援団体が現地で活動を行っています。

日本で暮らす私たちは、子どもたちのために活動している団体に寄付などを行うことで、支援活動のサポートが可能です。
継続的な支援活動には多額の費用がかかるため、まずはどのような団体がどんな活動を行っているかを知り、応援してみてはいかがでしょうか。

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