結論から申し上げると、かものはしプロジェクトは寄付先として信頼できる団体です。
その理由は、
- ・年次報告書や会計報告などを通して、活動内容と資金の流れが丁寧に公開されている
- ・寄付金の使い道が明確に示されている
- ・認定NPO法人として、公的な基準を満たし信頼性が担保されている
という点です。
「かものはしプロジェクトへの寄付を考えている」
「でも信頼できる?本当に寄付して大丈夫?」
そんな声にお応えすべく、gooddoマガジン編集部が独自にかものはしプロジェクトの実態を徹底的に調査しました。
かものはしプロジェクトへの寄付を考えている方は、前向きに検討して大丈夫です!
かものはしプロジェクトとは?
かものはしプロジェクトは、「だれもが、尊厳を大切にし大切にされている世界を育む」をミッションに活動する、認定NPO法人です。
2002年の団体立ち上げ後、インドやカンボジアで人身売買問題に取り組む活動を精力的に行ってきました。2019年からは日本において、子どもの虐待や貧困問題の解決に取り組んでいます。
認定NPO法人について詳しく知りたい方は以下の記事をご一読ください
>>認定特定非営利活動法人ってどんな法人?設立方法や運営方法とは?
設立の背景とこれまでの国際的な活動
かものはしプロジェクトは2002年に学生たちによって設立されたNPO法人です。「子どもが売られない世界をつくる」をミッション(当時)に、主に子どもの人身売買問題に取り組んできました。
設立当初はカンボジアにて現地の司法制度支援や警察の能力強化を行い、子どもが売られない社会づくりに貢献。カンボジアの発展やさまざまな機関の取り組みの結果、「子どもが売られる問題が解決した」と言えるまでに状況が改善したこと、また、事業の1つであるコミュニティファクトリーが地域に根差し自立したことから、2018年カンボジア事業を終了しました。
2012年からはインドで、人身売買の問題に取り組んでいます。
日本国内での活動に力を入れ始めた理由
カンボジアやインドで活動してきたかものはしプロジェクトですが、近年は日本国内の事業に注力しています。
その背景には、日本においても子どもや若者が虐待や貧困、社会的孤立といった深刻な課題に直面している現状があります。団体の共同創業者の1人である村田 早耶香(むらた さやか)さん始めスタッフが、自国の課題に対して何もできないことに、もどかしさを感じるようになり、国内での活動を開始する決断をしました。
2019年、ヒアリング調査や現場の見学などをしながら試行的にプロジェクトを開始。社会的養護(※)のもとで育った当事者の若者を中心として、政策提言などを行いました。
かものはしプロジェクトは、子どもの虐待や貧困をはじめとした理不尽な社会課題の背後にあるのは「尊厳が守られていない事」と考え、2022年に新ミッション「だれもが、尊厳を大切にし大切にされている世界を育む」を制定しました。
海外で培ったノウハウを国内でも活かしながら、日本国内でも活動の幅を広げています。
※社会的養護:「親と一緒に暮らせない子ども」および「子どもの養育に困難を抱えている、親を含めた家庭そのもの」のこと。こども家庭庁が公開している資料によると、社会的養護の対象となる児童は約4万2000人*にのぼると言われている。
社会的養護については、以下の記事でも詳しく解説しています。
>>社会的養護とは?親を頼れない子どもへの支援制度と私たちにできること
かものはしプロジェクトの日本の活動内容
日本では虐待による死亡事例が年間65件(72人)発生しています*。また、全国の児童相談所への虐待相談対応件数は過去20年で9倍にもなっています**。
つらい経験をする子どもがこれ以上増えないよう、かものはしプロジェクトでは以下の活動に取り組んでいます。
- ・妊産婦支援事業
- ・児童養護施設や里親家庭などを出た後のアフターケア事業
虐待を受けた子どもたちの自立に関する支援と、虐待を起こさないための予防、といった公的支援が届きにくい箇所の支援活動をしています。
国や地方自治体など、行政機関は対応していますが、増え続ける虐待の対応に追われ手一杯です。そのため、かものはしプロジェクトが行っているような活動が必要とされているのです。
*出典:こども家庭庁「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第20次報告)(令和6年9月)
**出典:こども家庭庁「令和4年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数」
妊産婦支援事業
困難な状況にある妊産婦向けの「居場所」づくりを実施しています。
虐待に至ってしまう多くの親が妊娠前から困難を抱えており、頼れる人や支援につながれず孤立しています。
そこで、かものはしプロジェクトでは、以下の活動を行い、孤立しがちな妊婦の支援とともに孤立予防の取り組みも行っています。
- ・孤立しがちな妊産婦向けの居場所「ふたやすみ」を千葉県松戸市で開設(2024年~)
- ・支援団体や行政との連携を促進し、地域のつながりを広げる
- ・将来は経験をもとに政策提言を行い、全国で孤立予防の仕組みづくりを目指す
妊産婦の居場所「ふたやすみ」とは
「ふたやすみ」では困難な状況にある妊産婦に、以下を無料で提供しています。
- ・宿泊場所
- ・日中の居場所
- ・自宅訪問
助産師やソーシャルワーカーなどの専門職が多様な相談に応じ、孤立しがちな妊婦にとって安心できる場所、人とのつながりを持てる居場所として機能しています。
児童養護施設や里親家庭などを出た後のアフターケア事業
児童養護施設や里親家庭などを巣立った後の若者の支援を行っています。
社会的養護のもとで育った若者の多くは、18歳で施設などを退所し、頼れる人や帰る実家がない場合も少なくありません。彼らは、18歳で施設や里親を離れ、経済的・精神的に不安定な中、自立を迫られる現状にあります。
かものはしプロジェクトでは、施設等を巣立った若者が、施設や支援団体との継続的なつながりをもてるよう支えるとともに、その仕組みづくりにも取り組んでいます。さらに、支援の現場の声を集め、制度への反映を目指して政策提言も実施中です。
かものはしプロジェクトは信頼できるかを調べてみた
gooddo編集部で独自に団体公式ホームページをリサーチし、かものはしプロジェクトの信頼性を確かめました。
以下の3点を調査しました。
- 寄付の目的が明確に示されているか?
- 情報開示を行っているか?
- 認定NPOを取っているか?
1.寄付の目的が明確に示されているか
かものはしプロジェクトでは、寄付を以下のように使うとしています。
- ・インド事業や日本事業での活動
- ・取り組んでいる課題を多くの方に知ってもらったりアクションを起こしてもらうための広報活動や啓発活動
- ・管理費用等
過去の会計報告書でも、これらの用途に沿って寄付が使われていることが確認でき、使途の透明性は高いといえます。
2.情報開示を行っているか
かものはしプロジェクトは、20年分の年次報告書と財務報告書を作成し、ホームページ上で公開しています。
他にも活動の様子を発信したり、支援者とのコミュニケーションを通じて情報公開を積極的に行っています。
- ・活動ブログで活動の様子や団体の考え方、スタッフの声をこまめに発信
- ・各ソーシャルメディアでより多くの人に情報発信
- ・全国各地で活動報告ツアーを開催
- ・オンラインや対面での活動説明会の実施
こうした取り組みから、情報公開への姿勢が強く、組織としての透明性が高いことがうかがえます。
3.認定NPOを取っているか
かものはしプロジェクトは2014年4月に認定NPO法人を取得しています。
【認定NPOを取得するための要件】
- 運営組織及び経理が適切であること
- 事業活動の内容が適切であること
- 情報公開を適切に行っていること
- 事業報告書等を所轄庁に提出していること
- 法令違反、不正の行為、公益に反する事実がないこと
認定NPOを取得するには、認定基準を満たした運営と体制が必要であり、公益性や信頼性などが前提となっています。
つまり認定NPO法人を取得しているかものはしプロジェクトは公益性があり信頼性が高いといえます。
かものはしプロジェクトへの寄付募金の方法
かものはしプロジェクトへの寄付募金は、ホームページを通じて手軽に行えます。
主な寄付の種類を紹介します。
- ・毎月の継続寄付(サポーター会員)
- ・単発寄付(1回限りの寄付)
- ・遺贈寄付
- ・相続寄付
それぞれどのような支援方法なのか、詳しく見てみましょう。
以下の記事で寄付金控除について詳しく解説しています。
>>寄付金控除の仕組みとは?確定申告の方法も紹介
継続寄付
継続寄付とは、自分が設定した金額を毎月継続的に寄付する方法です。
かものはしプロジェクトでは毎月継続的に寄付する人を「サポーター会員」と呼んでいます。現在サポーター会員の数は17,000人以上(2023年度報告書より)。多くの人がかものはしプロジェクトの活動を応援しています。
継続寄付は、公式ホームページから手軽に申し込みが可能です。月1,000円以上の好きな金額を設定でき、クレジットカードまたは口座引き落としによって、毎月自動的に寄付が行えます。
毎月の継続的な寄付は、かものはしプロジェクトにも、寄付者にもメリットがあります。
■団体にとってのメリット
子どもを取り巻く社会環境を良くしていくのには時間がかかります。継続寄付は、団体が収入の見通しを立てやすくなり長期計画が立てやすくなります。安定的な活動が継続できるのです。
■寄付者にとってのメリット
長期的に活動を見守ることで課題に向けた進捗や成果が実感できます。
都度寄付
都度寄付は、好きなタイミングで1度だけ寄付をする方法です。
500円以上の好きな金額を、クレジットカードまたは銀行振込を利用して寄付できます。
遺贈寄付
遺言によって、死後、自分の財産をかものはしプロジェクトに寄付することも可能です。
遺贈寄付では任意の寄付金額を指定できます。また、現金以外(不動産・株券・国債など)の寄付も可能です(事前の相談が必要となります)。
かものはしプロジェクトは認定NPO法人であるため、遺贈による財産には相続税の優遇措置が適用されます。このため、一定の条件を満たす場合、相続税の負担が軽減されることがあります。
遺贈寄付については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>遺贈寄付とは?寄付との違いや注意点を理解して賢い選択をしよう
相続寄付
受け取った遺産を寄付することも可能です。
相続寄付も任意の寄付金額を指定できます。また、現金以外(不動産・株券・国債など)の寄付も可能です(事前の相談が必要となります)。
かものはしプロジェクトは認定NPO法人であるため、相続税の申告期限内(故人が亡くなった翌日から10ヶ月以内)に寄付をした財産は、相続税の課税対象から控除の対象となることがあります。また、寄付金は税控除の対象となります。
かものはしプロジェクトについてよくある質問
かものはしプロジェクトについて、よくある質問に答えます。
- 寄付金は何に使われるの?
- ボランティアやイベント参加は可能?
- インターンとして働くには?
寄付金は何に使われるの?
インドと日本の事業に使われています。主に、活動費・人件費・事務局運営費などに、適切に分配されています。
ボランティアやイベント参加は可能?
かものはしプロジェクトでは、ボランティア活動やイベントへの参加の機会が設けられています。
オンラインおよび対面で活動説明会や年次総会への参加が可能です。また、全国各地で活動報告ツアーも展開しています。
ボランティア活動は、社会人ボランティアコミュニティ「かもカフェ」が中心となって実施しています。オフィス作業やイベントの手伝いが主な活動です。
ボランティア活動に参加するには、かもカフェへの登録が必要です。登録人数は2024年2月現在約950人。かもカフェでは勉強会なども実施しています。
インターンとして働くには?
かものはしプロジェクトでは、社会人、学生を対象にインターンを受け入れています。
広報担当やイベント担当など、役割ごとにボランティアの募集が行われています。オンラインでの業務が中心のため、遠方からの参加も可能です。
学生は6ヶ月以上、社会人は3ヶ月以上の継続が条件となっています(相談可)。
詳しくは以下のページをご確認下さい。
かものはしプロジェクト|Internインターンとして参加する
まとめ:かものはしプロジェクトへの寄付が向いている人はこんな人!
本記事では、かものはしプロジェクトがどんな団体か徹底調査しました。記事で紹介した内容をまとめます。
- ・支援者とのコミュニケーションに力を入れ、情報開示も積極的に行っており信頼性が高い
- ・日本の子どもの貧困や虐待問題に対し、現場で一人ひとりを支援するだけでなく仕組みづくりにも取り組んでいる
- ・カンボジアやインドで20年以上にわたり「子どもが売られる問題」に取り組み、成果をあげた実績を持つ
かものはしプロジェクトは、日本の子どもたちを取り巻く課題に対して、仕組みづくりなど根本的なアプローチで解決を目指す姿勢に共感できる人におすすめの団体です。
「つらい経験をする子どもがこれ以上増えないように、少しでも力になりたい!」
「行政の手が届いていない課題を解決する活動を支援したい!」
と考えている方はぜひ以下のページをチェックしてみてくださいね。
参考:かものはしプロジェクトの基礎情報
団体名 | 認定特定非営利活動法人かものはしプロジェクト |
所在地 | 〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-23-5 長谷部第一ビル402号室 |
代表者 | 理事長 青木 健太(NPO法人SALASUSU理事長) |
活動内容 | ・子どもや若者が人身売買や搾取の被害に遭わない社会を目指す活動 ・インドにおいて、人身売買の当事者支援や人身売買が起こらない仕組みづくりの活動 ・日本において虐待や貧困問題に対する支援活動 ・政策提言や自立支援など、構造的な問題解決を目指す活動 |