「プロジェクトやビジネスを始めたいけれど、資金が足りない」
そんな時、誰もがインターネットを通じてアイデアを発表し、資金を募ることができるのが「クラウドファンディング」です。
しかし、各サイトによってその特性やプラン、手数料はさまざま。いざクラウドファンディングに挑戦したいと思っても、どのサイトを利用するべきか迷ってしまう方も多いと思います。
この記事では、「クラウドファンディングをなるべく安く実施したい」という方のために、各クラウドファンディングの手数料やサービスの特徴を徹底比較します。
- 1 クラウドファンディングの手数料の目安相場は?
- 2 専門家が解説!クラウドファンディングの選び方やポイントとは?
- 3 各クラウドファンディングの手数料一覧表
- 4 各クラウドファンディングのサービス特徴
- 4.1 1.【寄付型】コングラント(GIVING100 by Yogibo)
- 4.2 2.【寄付型・購入型】ready for
- 4.3 3.【購入型】CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
- 4.4 4.【寄付型・購入型】CAMPFIRE for Social Good
- 4.5 5.【寄付型・購入型】Makuake(マクアケ)
- 4.6 6.【購入型】GREEN FUNDING(グリーンファンディング)
- 4.7 7.【購入型】MotionGallery(モーションギャラリー)
- 4.8 8.【購入型】Kibidango(きびだんご)
- 4.9 9.【寄付型】Syncable(シンカブル)
- 4.10 10.【寄付型】ACT NOW(アクトナウ)
- 4.11 11.【寄付型・購入型】For Good(フォーグッド)
- 5 各クラウドファンディングの手数料 | まとめ
クラウドファンディングの手数料の目安相場は?
一口にクラウドファンディングといっても、クラウドファンディングの形態には大きく分けて以下の3つがあります。
- 寄付型:支援金を「寄付金」として受け取ることができる。対価性のあるリターンなし。
- 購入型:目標金額に達した際には、物やサービスをリターンとして設定する。
- 投資型:資金運用を目的とする投資家向け。分配金や有価証券、株券などの金銭的なリターンを設定する。
これらのクラウドファンディングを利用するのに掛かる手数料の相場は、10〜20%とされています。
投資型クラウドファンディングでは、これに加えて10万円程の審査料が掛かる場合もあるようです。
一方で、実施手数料を無料に設定しているサービスもあります。
例えば、非営利活動を応援するファンドレイジングシステム「コングラント」には、目標金額を達成すると手数料が0%になるプログラムがあります。企業との連携により、起案者も支援者も手数料を負担しなくてよい仕組みを実現しています。
「クラウドファンディングの手数料をなるべく安く抑えたい」と考えている方におすすめのサービスです。
>>目標金額達成で起案者も支援者も手数料0円!「コングラント(GIVING100 by Yogibo)」について詳しく見る
専門家が解説!クラウドファンディングの選び方やポイントとは?
ここからは、クラウドファンディングに詳しい専門家が「クラウドファンディングサービスの選び方」を解説します。
ファンドレイジングアドバイザー/ 社会課題ファシリテーター:松浦史典さん
海外の支援現場をいくつか経験し、ファンドレイザーとして活動中。
丁寧な対話を重ね課題を深掘りすることで、解決に導ける人材の開発にも取り組んでいる。
※詳細なプロフィールは文末に掲載
はじめまして、松浦です。国際協力のNPO法人に在籍し、クラウドファンディングや継続寄付を含めた寄付集めを長年経験してきました。
成功や失敗から得たノウハウを、みなさんのクラウドファンディングサービス選びのお役に立てていただければと思っています。
早速ポイントをお伝えすると、あなたに合ったクラウドファンディングサービスを選ぶことが大事です。
特に以下の観点から選ぶことをおすすめします。
- 手数料の割合
- ジャンルと実績
- サポート体制
1. 手数料の割合
手数料は低いほうが良いと思われがちですが、実はそうではありません。なぜなら、手数料の割合によってそれぞれ向いている人が違うからです。
- ・高い手数料が向いている人
サポートを受けながら第三者が深く関わることでモチベーションをキープしたい人、またはクラウドファンディング初心者 - ・低い手数料が向いている人
自分で学びながら進める意欲がある人、またはクラウドファンディング経験者
高い手数料を支払う場合、クラウドファンディングサービスのスタッフが準備段階から伴走してプロジェクトに関わり、適切なアドバイスをしてくれることが最大のメリットです。
クラウドファンディングは準備段階から、終わるまで3-4ヶ月かかることもあります。
定期的に打ち合わせを行い、第三者が成功への道筋を示してくれることでモチベーションを維持できます。
一方、
「過去の経験を元に、自らプロジェクトを進めたい!」
「なるべく課題解決のために寄付額の割合を増やしたい! 」
という人は手数料の低いクラウドファンディングサービスを選ぶと良いでしょう。
2. ジャンルと実績
各クラウドファンディングサービスには、得意とするジャンルがあります。
サービスによって利用者(支援者)の興味は違うことから、あなたのプロジェクトにあったサイトでプロジェクトを立ち上げることで、支援者の興味を引くことができます。
「成功率が高い=成功するノウハウが運営側やサポートスタッフに蓄積されている」といえるので、あたなの目標達成により近くなると思います。
このように、ジャンルと実績を一緒にチェックすることが大事なポイントです。
3. サポート体制
プロジェクトを成功させるためにやるべきことはたくさんあります。
特に初めてクラウドファンディングに挑戦する人にとっては、サービスを運営するスタッフからのサポート体制は必要となるでしょう。
サービスやプランによっては、キュレーターと呼ばれる専任スタッフが終了までサポートしてくれるので心強く感じます。
一方、クラウドファンディングを経験したことでノウハウがある人。準備も含めて自らのペースで効率よくすすめたい、という人には手厚いサポートは必要はないでしょう。
サービスによってサポート体制が違うため、興味のあるサービスに問い合わせることをおすすめします。
各クラウドファンディングの手数料一覧表
ここからは、各クラウドファンディングに掛かる手数料を比較していきます。
主なサービスの概要は以下の通りです。
サービス名 | 形態 | 調達方式 | 最安手数料(決済手数料込、税別) | 不成立の際の扱い |
コングラント | 寄付型 | All in | 目標金額が達成されれば0%(支援者の手数料負担なし) ※GIVING 100 by Yogibo |
– |
ready for | 寄付型・購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | ベーシックプラン:14% | 一切の不要負担なし |
CAMPFIRE | 購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | 17% | 一切負担なし |
CAMPFIRE for Social Good | 寄付型・購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | 0%(支援者の手数料負担12%+消費税) | 一切の不要負担なし |
Makuake | 購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | 20% | 一切負担なし |
GREEN FUNDING | 購入型 | All or Nothing | Standardプラン:18.2% | 一切負担なし |
MotionGallery | 寄付型・購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | 10%(目標金額が集まった場合) | 一切負担なし |
Kibidango | 購入型 | All or Nothing | 10% | 一切負担なし |
Syncable | 寄付型 | All in | 11% | – |
ACT NOW | 寄付型・購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | 10% | 返金手数料の実費負担が必要 |
For Good | 寄付型・購入型 | All in | 0%(支援者の手数料負担5%+200円+消費税) | – |
各クラウドファンディングのサービス特徴
ここからは各クラウドファンディングのサービスの特徴を解説していきます。
1.【寄付型】コングラント(GIVING100 by Yogibo)
コングラントは、NPOやソーシャルセクターなど、非営利活動に取り組むすべての団体の寄付募集・管理を応援するファンドレイジングシステムを提供しています。
以下は、コングラントの具体的な特徴です。
・毎月の継続寄付、年会費の募集、寄付者や会員情報を簡単に管理できる
・目標金額を達成すると決済手数料が0%になる助成プログラムが用意されている
コングラントの最大の強みは、GIVING100 by Yogiboといった決済手数料0%の助成プログラムを提供している点です。決済手数料が0%なので、寄付されたお金がすべて社会課題の解決に活用されるといったメリットがあります。
一般的なクラウドファンディングサイトでは、集まった寄付金に10〜20%の手数料が発生します。
しかしコングラントのGIVING100 by Yogibでは、有料プランへの利用登録、目標金額を達成するなどといった条件を満たすことで、寄付金の決済手数料がすべて免除されます(目標未達成の場合は手数料3.4%)。
手数料0%のファンドレイジングサイトは他にもありますが、多くは支援者が手数料を負担する仕組みです。コングラントのGIVING100 by Yogiboは、スポンサー企業との連携により、起案者も支援者も手数料ゼロを実現しています。
これにより、寄付したお金、寄付されたお金がすべて社会課題の解決に活用されるといったメリットがあります。
コングラントを利用することで、支援者も起案者もWIN−WINな寄付型のクラウドファンディングが実行できるというわけです。
また、クラウドファンディングのデメリットである「継続的な支援金を受け取ることができない」点も、コングラントの毎月の継続寄付決済システムと「マンスリー寄付挑戦プログラム」を利用すれば解決できます。
マンスリー寄付挑戦プログラムは、新たなマンスリーサポーターを増やすための無料支援プログラムです。無料セミナーの受講と、コングラント担当者による2ヶ月間の伴走支援で、継続寄付者の獲得を目指します。
2.【寄付型・購入型】ready for
READYFORは、日本で初めてスタートした国内最大級のクラウドファンディングサービス。
ソーシャルカテゴリでは、総支援額は約193億円、総プロジェクト数約6,600件と利用者数の多さが特徴です(2024年3月時点)。
起案者は、以下の3つから利用プランを選択できます。
・サポートプラン:プロジェクトに合せた個別アドバイスを、サポート担当者から受けられる(手数料は追加サポート内容によって異なる)
・コンサルティングプラン:各ジャンルに特化した専門チームによる戦略設計および伴走支援が受けられる(手数料は追加サポート内容によって異なる)
3.【購入型】CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
CAMPFIREは、国内最大のクラウドファンディングプラットフォームです。個人やクリエイター、企業、NPO、大学、地方自治体など、ジャンルや規模を問わず、様々なプロジェクト達成を後押ししてきました。
この結果、これまでに6.1万件以上のプロジェクトが立ち上がり、1,020万人から770億円以上の支援が生まれています。(2023年11月時点)
手数料は17%で、一般的なクラウドファンディングの相場価格と言えるでしょう。
4.【寄付型・購入型】CAMPFIRE for Social Good
CAMPFIRE for Social Goodは、CAMPFIREグループのサービスの一つで、社会課題の解決に特化したクラウドファンディングプラットフォームです。
社会課題の現場に1円でも多くの寄付を届け、「誰の痛みも無視されない社会」の実現を目指しています。
手数料0円は、支援者が手数料(支援金の12%+税)を負担することにより、支援金額の100%がプロジェクトオーナーに届く仕組みです。企画から実施まで、担当者の個別サポートが受けられます。
5.【寄付型・購入型】Makuake(マクアケ)
Makuakeは、これまで世の中になかった新しい製品やサービスに対して、応援の気持ちを込めた購入体験ができるクラウドファンディングサービスです。
掲載されているプロジェクトは、ガジェット、ファッション、フード、便利グッズ、アニメ、漫画などさまざま。
一般販売の前にマーケティングや新規顧客獲得が可能となるため、新商品やブランドをデビューさせたい人におすすめです。
手数料は集まった金額の20%(税別)です。
6.【購入型】GREEN FUNDING(グリーンファンディング)
GREEN FUNDINGは、CCC(TSUTAYA)グループが運営する、出版・音楽・映画映像・ガジェット・雑貨などのプロダクトの購入が主流のクラウドファンディングサイトです。
TSUTAYAグループのネットワークを活用し、蔦屋書店、蔦屋家電などの店舗での展示や販売、体験会の実施など、資金調達にとどまらない総合的なマーケティング支援が期待できます。
プランは以下の2つがあります。初めて利用する方には初期費用の掛からないSTANDARDプランがおすすめです。
・PARTNERプラン:初期費用130万円、手数料11.9%(税別)
7.【購入型】MotionGallery(モーションギャラリー)
MotionGalleryは、映画やアート、ゲーム、音楽、書籍、写真など、アート分野のプロジェクトに特化したクラウドファンディングです。
世界最大のクラファンサイトINDIEGOGOと提携しているため、日米同時にクラウドファンディングを行うことができます。
目標金額を達成した場合の手数料は、10%(税別)。目標金額が集まらなかった場合は20%(税別)の手数料が生じます。
8.【購入型】Kibidango(きびだんご)
Kibidangoは、購入によって新しいプロジェクトを始めたい事業者を応援する、購入型クラウドファンディングです。
GREEN FUNDINGと連携しているため、両プラットフォームでの同時掲載が可能です。利用手数料は10%(税別)ですが、楽天ペイを利用する場合は14%(税別)になります。
また、世界最大級の購入型クラウドファンディングサイト「Kickstarter」からKickstarter Expertに認定されています。
世界規模のクラウドファンディングに挑戦したい方は、Kibidangoを介してKickstarterでの挑戦を成功させるアドバイスを受けることができます。
9.【寄付型】Syncable(シンカブル)
Syncableは、任意団体から設立して間もない法人まで、大小問わずさまざまな団体が利用できるクラウドファンディング。
クレジットカードやAmazon Payでの決済、単発のファンドレイジングからマンスリー寄付にも対応しており、支援者は簡単に寄付をすることが可能です。
また、誕生日プレゼントの代わりに寄付を募る「バースデードネーション」を筆頭に、個人が応援したい団体への寄付を募るプロジェクトを立ち上げることもできます。
10.【寄付型】ACT NOW(アクトナウ)
ACT NOWは、地域活性化をテーマとしたプロジェクトに特化したクラウドファンディングサイトです。
目標達成した場合は、達成金額の10%の利用手数料(税別)が掛かります。
また、クラウドファンディングというと、インターネット上でのやり取りに重きが置かれがちですが、ACT NOWでは定期的な交流会などを通して、オンライン上での交流と実世界での交流とのクロスレファレンスを重視しています。
11.【寄付型・購入型】For Good(フォーグッド)
For Goodはソーシャルグッドに特化したクラウドファンディングです。
クラウドファンディングを通して、社会の課題に気づいた人がすぐにアクションを起こし、みんなで支え合える社会を目指しています。
起案者が負担する掲載手数料は0円。支援者が、支援額の5%の決済手数料(税別)と200円(税別)のシステム利用料を負担する仕組みです。
お礼と活動報告を、メールと比べて頻繁に支援者に確認してもらえ、また双方コミュニケーションも気軽にできる、LINEのオープンチャットで行っている点が特徴です。
各クラウドファンディングの手数料 | まとめ
この記事では、寄付型と購入型のクラウドファンディングサイトにおける、サービスの特徴や手数料を徹底比較しました。
一般的なサイトでは、手数料は10〜20%ほど掛かりますが、記事内で紹介したコングラントのように、手数料が0%になるプラットフォームもあります。
「クラウドファンディングに掛かる手数料をできるだけ抑えたい」
「支援者に手数料を負担させることなく応援してもらいたい」
と考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
metaLink代表
国際協力分野のNGOから水と衛生事業のプロジェクトマネージャーとしてエチオピア駐在を経験。2013年9月より現在に至るまで、チャリティーディナーなどのイベント企画、企業連携、クラウドファンディングなど様々なファンドレイジングを実践しノウハウを積んできた。クラウドファンディングは初めての挑戦で達成率175%で成功。
また、2016年より中間支援団体である名古屋NGOセンターの理事として、中部地方の企業とNGOとの連携事業を促進してきた。「メタファシリテーション」という課題解決手法の認定講師としてNPOや企業向けの研修を経験。本手法はコンサルティングの場で効果的に活用され、大学の非常勤講師として講義も行っている。