寄付型クラウドファンディングとは、支援金を「寄付金」として受け取ることのできるクラウドファンディングのことです。
社会問題解決を目的としたプロジェクトの資金集めとして、非営利の団体や法人によって近年広く活用され始めています。
しかし、寄付型のクラウドファンディングには多様なサービスが存在します。
「クラウドファンディングサービスの選び方は?」
「おすすめのクラウドファンディングサービスは?」
という方のために、おすすめの寄付型クラウドファンディングサービスをご紹介します。
なお「クラウドファンディングをなるべく安く実施したい」と考えている方は、手数料が無料のクラウドファンディングサービス「GIVING 100(by congrant)」がおすすめです。
サービスの詳細については、以下から確認できます。
>>手数料0円!GIVING 100(by congrant)とは?
関連記事>>【無料あり】クラウドファンディングの手数料は?サービス特徴を徹底比較【実施者向け】
寄付型クラウドファンディングとは?購入型との違いは?
寄付型クラウドファンディングとは、支援者から集まった支援金を「寄付金」として受け取ることのできるクラウドファンディングのこと。
「資金調達ができる」という点で、一般的なクラウドファンディングと同じです。
購入型クラウドファンディングでは商品やサービスをリターンとして設定するのが一般的ですが、寄付型では基本的にそのような対価性のあるリターンを設定することはできません。
寄付者に対するお礼状、無料の会報誌、または団体が運営する施設等の作業の一環として作った「手芸品」や、団体が主催する「活動報告会」への招待といった程度であれば、寄付の返礼品として認められます。
被災地の支援や人権問題への取り組み、調査研究活動など、社会貢献的なプロジェクトが多く、認定NPO法人、公益財団法人、自治体や学校法人などによって幅広く利用されています。
参考:投資型、寄付型とはなにか
クラウドファンディングには購入型や寄付型のほかに、「投資型」や「金融型」と呼ばれる形態があります。
「寄付型」や「購入型」が電子商取引に該当するのに対して、投資型クラウドファンディングは、資産運用を目的とする投資家に向けた金融業にあたり、金融商品取引法の規制対象となります。そのため起案者になるには、資金の運用内容に基づく金融免許が必要になるケースもあります。
資金を必要とする団体やプロジェクトに対して出資することで、投資家は配当など金銭的リターンを期待することになります。
寄付型や購入型、投資型の違いをまとめると下記の通りとなります。
非投資型 |
投資型 | ||
寄付型 |
購入型 |
||
リターン内容 | 活動報告やお礼のメッセージなど対価性のないもの | 商品やサービスなど対価性のあるもの | 分配金(一部、返礼品があるプロジェクトも) |
寄付型クラウドファンディングのメリット・デメリット
ここからは、寄付型クラウドファンディングのメリットとデメリットを、プロジェクト実施者と支援者それぞれの立場から紹介します。
プロジェクト実施者のメリット・デメリット
実施者のメリット・デメリットは、以下の通りです。
・一般的な寄付より多くの人の目に留まりやすい
・誰でも気軽に寄付を募ることができる
・目標金額に達成すると同時に寄付も終了する
・継続的な支援金を受け取ることはできない
寄付型クラウドファンディングでは、プラットフォームを利用して寄付を募ることができるため、団体の公式サイト内で寄付を募るといった、一般的な寄付に比べて、多くの人の目に留まりやすいことがの大きなメリット。
また、プロジェクトの立案から資金調達までの過程をすべてオンライン上で行うことができるため、誰でも気軽に寄付を募ることができます。
ただし、多くの場合、クラウドファンディングは目標金額に達成すると同時に寄付も終了してしまいます。
マンスリー寄付のように、継続的な支援金を受け取ることはできないため、クラウドファンディング終了後も、継続的な活動を行うための工夫が必要となります。
支援者のメリット・デメリット
支援者のメリット・デメリットは、以下の通りです。
・支援金が全額寄付に充てられる
・社会問題の解決に貢献できる
・目標金額に達しなければ活動が実施されない場合がある
寄付型クラウドファンディングでは、起案者は対価的なリターンを与える必要がないため、支援金は全額寄付に充てられます。
また、寄付型クラウドファンディングを利用する起案者の多くは、NPO団体や自治体、学校法人などが多いため、寄付を通して社会問題の解決に貢献できます。
ただし、クラウドファンディングには目標金額に達しなかった場合には活動を行わない「All or Nothing」方式と、目標金額に届かなくても活動を実行できる「All in」方式があります。
そのため、支援を行うプロジェクトがどちらの型か、事前に確認しておく必要があるでしょう。
専門家が解説!クラウドファンディングの選び方やポイントとは?
ここからは、クラウドファンディングに詳しい専門家が「クラウドファンディングサービスの選び方」を解説します。
ファンドレイジングアドバイザー/ 社会課題ファシリテーター:松浦史典さん
海外の支援現場をいくつか経験し、ファンドレイザーとして活動中。
丁寧な対話を重ね課題を深掘りすることで、解決に導ける人材の開発にも取り組んでいる。
※詳細なプロフィールは文末に掲載
はじめまして、松浦です。
国際協力のNPO法人に在籍し、クラウドファンディングや継続寄付を含めた寄付集めを長年経験してきました。
成功や失敗から得たノウハウを、みなさんのクラウドファンディングサービス選びのお役に立てていただければと思っています。
早速ポイントをお伝えすると、あなたに合ったクラウドファンディングサービスを選ぶことが大事です。
特に以下の観点から選ぶことをおすすめします。
- 手数料の割合
- ジャンルと実績
- サポート体制
1. 手数料の割合
手数料は低いほうが良いと思われがちですが、実はそうではありません。
なぜなら、手数料の割合によってそれぞれ向いている人が違うからです。
高い手数料が向いている人 | 低い手数料 |
サポートを受けながら第三者が深く関わることでモチベーションをキープしたい人、またはクラウドファンディング初心者 | 自分で学びながら進める意欲がある人、またはクラウドファンディング経験者 |
高い手数料を支払う場合、クラウドファンディングサービスのスタッフが準備段階から伴奏してプロジェクトに関わり、適切なアドバイスをしてくれることが最大のメリットです。
クラウドファンディングは準備段階から、終わるまで3-4ヶ月かかることもあります。
定期的に打ち合わせを行い、第三者が成功への道筋を示してくれることでモチベーションを維持できます。
一方、
「過去の経験を元に、自らプロジェクトを進めたい!」
「なるべく課題解決のために寄付額の割合を増やしたい! 」
という人は手数料の低いクラウドファンディングサービスを選ぶと良いでしょう。
2. ジャンルと実績
各クラウドファンディングサービスには、得意とするジャンルがあります。
サービスによって利用者(支援者)の興味は違うことから、あなたのプロジェクトにあったサイトでプロジェクトを立ち上げることで、支援者の興味を引くことができます。
「成功率が高い=成功するノウハウが運営側やサポートスタッフに蓄積されている」といえるので、あなたの目標達成により近くなると思います。
このように、ジャンルと実績を一緒にチェックすることが大事なポイントです。
3. サポート体制
プロジェクトを成功させるためにやるべきことはたくさんあります。
特に初めてクラウドファンディングに挑戦する人にとっては、サービスを運営するスタッフからのサポート体制は必要となるでしょう。
サービスやプランによっては、キュレーターと呼ばれる専任スタッフが終了までサポートしてくれるので心強く感じます。
一方、クラウドファンディングを経験したことでノウハウがある人。準備も含めて自らのペースで効率よくすすめたい、という人には手厚いサポートは必要はないでしょう。
サービスによってサポート体制が違うため、興味のあるサービスに問い合わせることをおすすめします。
おすすめの寄付型クラウドファンディングサービスを5つ紹介
ここからは、代表的な寄付型クラウドファンディングサービスを5つご紹介します。
クラウドファンディングを利用した寄付金集めを考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
サービス名 | 形態 | 調達方式 | 最安手数料 | 不成立時の扱い |
GIVING 100(by congrant) | 寄付型 | All in | 目標金額が達成されれば0円 | – |
ready for | 寄付型・購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | シンプルプラン:12% | 一切の不要負担なし |
good morning(CAMPFIRE) | 寄付型・購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | 9% | 一切の不要負担なし |
A-port | 寄付型・購入型 | All or Nothing と All in どちらか選択可能 | 20%または50,000円のいずれか高い金額 | 一切の不要負担なし |
Syncable | 寄付型 | All in | 11% | – |
1.GIVING 100(by congrant)
コングラントは、NPO法人や社会的企業など、非営利活動に取り組むすべての団体の寄付募集・管理を応援するファンドレイジングツールを提供しています。
以下は、コングラントの具体的な特徴です。
・毎月の継続寄付、年会費の募集、寄付者や会員情報を簡単に管理できる
・決済手数料0円のクラウドファンディングサービス「GIVING100」が利用できる
コングラントの最大の強みは、決済手数料0円のクラウドファンディングサービス「GIVING100」を備えていることです。決済手数料が0円なので、寄付されたお金がすべて社会課題の解決に活用されるといったメリットがあります。
一般的なクラウドファンディングサイトでは、集まった寄付金に10〜20%の手数料が発生するのが通常です。
しかしGIVING100では、コングラントへの利用登録、目標金額を達成するなどといった条件を満たすことで、寄付金の決済手数料がすべて免除されます。
これにより、寄付したお金がすべて社会課題の解決に活用されるといったメリットがあります。
GIVING100を利用することで、支援者も起案者もWIN−WINな寄付型のクラウドファンディングが実行できるというわけです。
2.ready for
READYFORは、日本で初めてスタートした国内最大級のクラウドファンディングサービス。
ソーシャルカテゴリでは、総支援額は約108億円、総プロジェクト数約8,100件と利用者数の多さが特徴です(2021年3月時点)。
起案者は、以下の3つから利用プランを選択できます。
・フルサポートプラン:手数料17%(+税)で、クラウドファンディングに精通した専門チームが、プロジェクトの準備から終了まで手厚いサポートが受けられる
・フルサポートプラスプラン:戦略設計やクリエイティブ制作など、よりオーダーメイドが可能なサポートが受けられる
3.good morning(by CAMPFIRE)
good morningは、CAMPFIREグループのサービスの一つで、ソーシャルグッドに特化したクラウドファンディングプラットフォームです。
「誰もが社会変革の担い手になれる舞台をつくる」をミッションに、社会問題解決を目指す人をサポートしています。
手数料は業界最安水準の9%。クラウドファンディングの実施形式は、達成時実行型のAll or Nothing方式と、実行確約型のAll in方式に加え、継続的に月額で支援を集めるマンスリーサポーター方式を利用できます。
4.A-port(エーポート)
A-portは、朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト。
朝日新聞社関連の媒体でプロジェクトを紹介するなど、新聞社ならではの情報発信力・編集力・PR戦略に優れているのが特徴です。
また、記者経験者がプロジェクトのストーリー構成や実行までをサポートしてくれます。
5.シンカブル
Syncableは、任意団体から設立して間もない法人まで、大小問わずさまざまな団体が利用できるクラウドファンディング。
クレジットカードやAmazon Payでの決済、単発のファンドレイジングからマンスリー寄付にも対応しており、支援者は簡単に寄付をすることが可能です。
また、誕生日プレゼントの代わりに寄付を募る「バースデードネーション」を筆頭に、個人が応援したい団体への寄付を募るプロジェクトを立ち上げることもできます。
寄付型クラウドファンディングの始め方は?参加条件はある?
寄付型クラウドファンディングは、一般的には以下のようなフローで参加することができます。
- 寄付型クラウドファンディングのプラットフォームでの利用申し込み
- 必要書類の提出
- 審査結果を受け取る
- 担当者と相談しながらプロジェクトページを作成・審査
- プロジェクトページの公開
一般的に、寄付型クラウドファンディングの利用は、非営利の団体や法人に限られる場合が多いです。
法人の場合、対象となるのは自治体、認定NPO法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、独立行政法人、学校法人、大学法人などです。
ただし、提出した書類の内容によっては、寄付型クラウドファンディングを利用できない場合もあります。
一方で、NPO法人・一般社団法人・一般財団法人などでも、活動実績があれば利用が認められるケースもあります。
寄付型クラウドファンディングに関するよくある疑問
ここからは、寄付型クラウドファンディングに関するよくある質問に回答していきます。
・寄付型クラウドファンディングの事例・成功例は?
寄付型のクラウドファンディングに税金の優遇制度はある?
寄付型クラウドファンディングを活用して個人で収入を得た場合、寄付とはいえ資金を得ているので税金が掛かります。
個人からの寄付金には「贈与税」が掛かります。贈与税には、年間110万円の基礎控除がありますが、寄付金額が110万円を超えた場合には確定申告と納税が必要となります。
また、法人からの寄付金は一時所得とみなされ「所得税」が課されます。一時所得には50万円の特別控除がありますが、寄付金額が50万円を超える場合には、確定申告と納税が必要です。
なお、NPO法人が寄付型クラウドファンディングを活用した場合、受け取った寄付金は課税されません。
寄付型クラウドファンディングの事例・成功例は?
2つの事例を紹介します。
まず、2017年に特定非営利活動法人日本こども支援協会が実施した、全国一斉里親制度啓発「One Love キャンペーン」。このプロジェクトは、コングラントを利用した寄付型クラウドファンディングでの成功事例の一つです。
プロジェクトの内容は、里親制度の認知度を高め、より多くの子どもが安心で安全な家庭養育を受けられるよう、10月4日「里親の日」に全国一斉でリーフレットを配布するというものです。
クラウドファンディングの結果、目標金額70万円のうち、68人の支援者によって80万円以上の資金を集めることに成功。プロジェクト実施によって、様々な事情で養護されている子ども達の現状や里親制度を、より多くの人々に啓蒙しました。
2つ目のプロジェクトは、2022年にアフガニスタン女性支援団体「EJAAD(エジャード)」が実施した、アフガニスタンへの緊急支援プロジェクトも、コングラントを利用した寄付型クラウドファンディングでの成功事例の一つです。
プロジェクトの内容は、2021年8月のタリバンによる政変がもたらした経済崩壊によって、厳しい状況に置かれている多くの人々に食料や医療支援を届けるというものです。
クラウドファンディングの結果、58人の支援者によって目標金額である50万円を超える資金を集めることに成功しました。
コングラントのサービスについて、詳細を知りたい方はぜひ以下をチェックしてください。
>>手数料0円!GIVING 100(by congrant)
寄付型クラウドファンディングの解説 | まとめ
この記事では、クラウドファンディングの選び方や、おすすめの寄付型クラウドファンディングサービス5つをご紹介しました。
中でも、決済手数料0円で利用することのできる「GIVING100」は、特におすすめのサービスです。
起案者側のメリットのみならず、寄付したお金が全額活動費に活用されるのは、支援者にとっても嬉しいこと。
この記事を読んで、興味を持った方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
ファンドレイジングアドバイザー/ 社会課題ファシリテーター:松浦史典さん
metaLink代表
国際協力分野のNGOから水と衛生事業のプロジェクトマネージャーとしてエチオピア駐在を経験。2013年9月より現在に至るまで、チャリティーディナーなどのイベント企画、企業連携、クラウドファンディングなど様々なファンドレイジングを実践しノウハウを積んできた。
クラウドファンディングは初めての挑戦で達成率175%で成功。
また、2016年より中間支援団体である名古屋NGOセンターの理事として、中部地方の企業とNGOとの連携事業を促進してきた。「メタファシリテーション」という課題解決手法の認定講師としてNPOや企業向けの研修を経験。
本手法はコンサルティングの場で効果的に活用され、大学の非常勤講師として講義も行っている。