いま保育所において、障害児が増加していることをご存知でしょうか?
厚生労働省の資料によると、2006年時点で保育所で障害児保育を受けている児童の数は6,373人。一方で2021年には21,143人まで増加しています。
このような状況に対応するため、障害児に対する支援活動は、官民問わず様々な団体が行っています。ただし多くの団体では、活動するために資金が必要になるもの。そのためには人々からの寄付も、重要な活動源となっています。
「障害児の支援に関心があるから、さっそく寄付したい」と思っている方もいるでしょう。しかし、
・寄付先にはどんな団体があるの?
・どのような方法で寄付できるの?
といった点に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、障害児への寄付について以下の内容をご紹介します。
- ・障害児を支援している(寄付できる)団体
- ・障害児の保護者を支援している団体
- ・障害児へ寄付するときによくある質問
障害児への寄付を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
障害児に寄付できる!支援団体を5つ紹介!
ここでは、「障害児へ寄付したい」と考えている方へ向けて、寄付アドバイザーの河合さんのおすすめコメントとともに、支援している5つの団体をご紹介します。
【障害児を支援している団体5つ】
【寄付先1】認定NPO法人 フローレンス:強固な組織による課題解決集団
フローレンスはこんな人にオススメ!
- ・これからの日本には古い価値観や仕組みにとらわれないイノベーションが求められていると思う
- ・日本から子どもの虐待死がなくなって欲しい
- ・障害のある子どもやその親が幸せに暮らせる社会になって欲しい
フローレンスは、親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決するため、病児保育、小規模保育園、障害児保育・支援、特別養子縁組、子ども宅食、ひとり親支援などの事業に取り組んでいます。
2014年に日本初の医療的ケアの必要な子や重症心身障害児の長時間保育を実施する「障害児保育園ヘレン」を開園して以降、多様な障害児家庭支援事業を展開。「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の制定にも貢献しています。
活動を通して、「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 新たな価値を創造するイノベーター集団、社会問題解決集団と掲げるように社会問題への「小さな解」を、事業として次々と生み出す
- 政治や行政と共に「小さな解」を政策にし、全国に拡散する
- 内閣府「子ども・子育て会議」委員を務める代表理事 駒崎弘樹さんの発信力
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】フローレンスの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
【寄付先2】特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan):世界14カ国で難民を支援
AAR Japan[難民を助ける会]はこんな人にオススメ!
- ・日本発の難民支援活動を行っている団体を応援したい
- ・40年の長い歴史がある信頼できる団体に寄付したい
- ・国連に公認・登録されているなど国際的に評価された団体に安心を感じる
AAR Japan[難民を助ける会]は世界14カ国で紛争・自然災害・貧困などにより困難な状況に置かれている人々を支援しています。現在は日本の他にアジア、中東、アフリカの12の国に事務所を持ち、難民支援や地雷不発弾対策などの活動を行っています。
障害児支援として、アジアや中東の国で、車いすなどの補助具やリハビリ指導の提供や、インクルーシブ教育を行っています。
活動を通し、一人ひとり多様な人間が、各々の個性と人間としての尊厳を保ちつつ共生できる、持続可能な社会を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 1979年に日本で発足以来、活動地域や分野を広げながら65を超える国・地域で支援を展開してきた実績あり
- 1998年には、国連経済社会理事会(ECOSOC)の特殊協議資格を取得し、国連に「公認・登録」されている
- 「人道」「公平」「独立」「中立」の人道4原則に則り、AAR Japan[難民を助ける会]が大切にする「行動規範や社会的責任・人権方針」を掲げる
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>>【実際どう?】AAR Japan[難民を助ける会]の気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
>>AAR Japan[難民を助ける会]に関する記事一覧はこちら
【寄付先3】赤い羽根共同募金:戦後から続く「助け合い」の精神
募金を集めた地域の子ども・高齢者・障がい者など、助けを必要とする人へ地域福祉活動を通して還元しています。相互扶助の精神をもとに、困ったときにお互いを助け合う社会を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 1947年に市民が主体の民間の募金運動として誕生し、法律(社会福祉法)に基づき地域福祉の推進のために募金を活用。シンボルである「赤い羽根」で知られ、70年以上にわたって国内の募金活動を牽引する存在
- 誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する、「じぶんの町を良くするしくみ。」として取り組まれている。募金をいただいた地域での福祉活動に約7割、市区町村を越えた広域での活動や災害時の備えや支援に約3割が使われている
- 年間で集まる募金額は約173億円(2019年度実績)にのぼる
【寄付先4】公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会:障がい者のリハビリテーションに関わる活動に尽力
リハビリテーションが必要な方に対し、デジタル図書の普及活動や車いすマークの正しい理解と普及など、様々な形で寄付を活用しています。障害者のリハビリテーションに関する調査研究と国際的連携のもとに、障害者のリハビリテーション事業の振興を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 1964年に設立され、50年を超える歴史。総裁に常陸宮正仁殿下が就任されたり、皇太后陛下80歳誕生日や平成天皇陛下御即位を記念して御下賜金を賜わる。
- 国際シンボルマークの啓発や、リハビリテーション世界会議や国際シンポジウム等の開催、障害分野NGO連絡会の事務局を担ったり、約100の国と地域、約700団体が加盟している国際リハビリテーション協会への参加、アジア太平洋障害フォーラムへの支援など国際協力の活動も行って国際的連携をはかるなど、この分野をリードする存在。
- 寄付金等取扱規程や会員規程、役員の報酬等に関する規程などが整備されており、必要な情報公開やガバナンスへの取組みが確認できる。
【寄付先5】認定NPO法人 発達わんぱく会:発達障害に関する社会 課題に多方面からアプローチ
友達に溶け込めず悩む子どもたちへ療育を提供するため、新しい施設の開設費用や人材採用・育成費用に寄付を活用しています。発達障害に関する社会課題に多方面からアプローチしています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- これまでに約600人の幼児へ療育を提供。全教室ほぼ満員で、2011年以降5年間で合計5つの教室を開設するなど、継続的に事業を拡大している。
- 「ひとりひとりの子どもに合わせた療育」をモットーとした療育の提供やスタッフのほぼ全員が心理士や言語聴覚士、作業療法士、音楽療法士、保育士などの資格者であり、幼児の発達の専門家であることが特徴。人材育成や人材への投資も意識している。保護者満足度も90%以上を維持。
- 財務諸表に加え、児童発達支援ガイドラインに基づく事業所における評価結果の公表や障害福祉サービス等処遇改善計画書もウェブサイトにアップされており、情報公開が丁寧になされている。
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障害児の保護者を支援するための寄付もある
「障害者への支援・寄付」と聞くと、障害を持っている本人への支援をイメージする方もいるでしょう。一方で見過ごされがちですが、「障害児を育てている親」の精神的・肉体的な負担も問題としてあります。
【障害児の親に発生する負担の一例】
- ・日常生活のなかで肉体的な負担が大きい仕事が発生する
- ・障害児を育てる悩みを周囲に理解してもらえにくい
- ・障害のある子どもの親であることの精神的な葛藤 など
しかし最近では、この問題を解決するため障害児の親に対しても寄付できる団体があります。
もし「障害児だけでなく、その両親も支援したい」という方は、障害児の親を支援している団体への寄付を考えてはいかがでしょうか。
障害児への寄付でよくある4つの疑問
ここからは、寄付でよくある4つの疑問について解説します。
【障害児の寄付でよくある4つの疑問】
- 障害児を預かっている施設に直接寄付できる?
- どのような方法で障害児へ寄付できる?
- 寄付金が少ない(もしくは多い)けど大丈夫?
- 寄付すると確定申告は必要になる?
1.障害児を預かっている施設に直接寄付できる?
直接寄付できるかどうかは、障害児を預かっている施設によります。
直接の寄付を受け付けている施設もありますので、検討されている方はぜひ施設へ問い合わせてみてくださいね。
2.どのような方法で障害児へ寄付できる?
寄付する方法として、お金の定額寄付、お金の単発寄付、モノの寄付などがあり、どの寄付を受け付けているかは団体によって異なります。
もちろん、どのような寄付の形でも自由ですが、継続的に障害児支援をするのであればお金の定額寄付をおすすめします。
また定額寄付は、クレジットカードがあれば毎月設定した金額を自動で寄付できるため手軽です。
寄付は途中でやめることもできます。ただしストップする方法は団体によって異なるため、詳細はご自身で確認してみてくださいね。
3.寄付金が少ない(もしくは多い)けど大丈夫?
寄付金は少なくても(もしくは多くても)大丈夫です。
金額に決まりはありませんので、無理のない範囲で寄付してください。
ちなみに寄付金が多い場合、「寄付金控除」の適用となる可能性があります。寄付金控除は、税金の一部控除が受けられる制度です。しかし控除を適用するには、一定の条件をクリアする必要があります。
【寄付金控除の適用条件】
- ・2,001円以上の寄付をしていること
- ・寄付金控除を適用できる寄付先であること
- ・確定申告を行うこと
寄付金控除の条件の1つ、それが確定申告です。では、寄付した際の確定申告について見てみましょう。
4.寄付すると確定申告は必要になる?
寄付をした場合、確定申告は必ずしも必要ありません。ただし寄付金控除を適用する場合は、確定申告が必要になります。
寄付金によって沢山の人を支援できるだけでなく、寄付した人も寄附金控除という形で還元される仕組みです。
寄附金控除の仕組みや確定申告の方法は以下の記事で詳しく紹介してありますので、気になる方はご一読ください。
障害児への寄付は簡単にできる!
今回は、障害児の寄付についてお伝えしました。記事の内容を以下にまとめます。
- ・障害児を支援する団体は複数あり、一般からの寄付を受け付けている
- ・障害児の保護者を支援するための寄付もある
- ・少額を寄付したり、寄付を途中でやめたりすることもできる
「障害児に寄付したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。気になった団体があれば、この機会にぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
▼障害児を支援している寄付先の団体
団体名 | 寄付アドバイザーが見た注目ポイント |
---|---|
フローレンス | ・新たな価値を創造するイノベーター集団、社会問題解決集団と掲げるように社会問題への「小さな解」を、事業として次々と生み出す ・政治や行政と共に「小さな解」を政策にし、全国に拡散する ・内閣府「子ども・子育て会議」委員を務める代表理事 駒崎弘樹さんの発信力 |
AAR Japan[難民を助ける会] | ・1979年にインドシナ難民支援を目的に日本で発足以来、活動地域や分野を広げながら65を超える国・地域で支援を展開してきた実績あり ・1997年には、AARが主要メンバーである地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)がノーベル平和賞を共同受賞。1999年に読売新聞国際協力賞、2008年に沖縄平和賞を受賞。1998年には、国連経済社会理事会(ECOSOC)の特殊協議資格を取得し、国連に「公認・登録」されている ・「人道」「公平」「独立」「中立」の人道4原則に則り、「人道支援の行動規範」のほか、人道支援関連の諸基準を遵守しつつ活動するといったAARが大切にする「行動規範や社会的責任・人権方針」を掲げる |
赤い羽根共同募金 | ・1947年に市民が主体の民間の募金運動として誕生し、法律(社会福祉法)に基づき地域福祉の推進のために募金を活用。シンボルである「赤い羽根」で知られ、70年以上にわたって国内の募金活動を牽引する存在 ・誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する、「じぶんの町を良くするしくみ。」として取り組まれている。募金をいただいた地域での福祉活動に約7割、市区町村を越えた広域での活動や災害時の備えや支援に約3割が使われている ・年間で集まる募金額は約173億円(2019年度実績)にのぼる |
日本障害者リハビリテーション協会 | ・1964年に設立され、50年を超える歴史。総裁に常陸宮正仁殿下が就任されたり、皇太后陛下80歳誕生日や平成天皇陛下御即位を記念して御下賜金を賜わる。 ・国際シンボルマークの啓発や、リハビリテーション世界会議や国際シンポジウム等の開催、障害分野NGO連絡会の事務局を担ったり、約100の国と地域、約700団体が加盟している国際リハビリテーション協会への参加、アジア太平洋障害フォーラムへの支援など国際協力の活動も行って国際的連携をはかるなど、この分野をリードする存在。 ・寄付金等取扱規程や会員規程、役員の報酬等に関する規程などが整備されており、必要な情報公開やガバナンスへの取組みが確認できる。 |
発達わんぱく会 | ・これまでに約600人の幼児へ療育を提供。全教室ほぼ満員で、2011年以降5年間で合計5つの教室を開設するなど、継続的に事業を拡大している。 ・「ひとりひとりの子どもに合わせた療育」をモットーとした療育の提供やスタッフのほぼ全員が心理士や言語聴覚士、作業療法士、音楽療法士、保育士などの資格者であり、幼児の発達の専門家であることが特徴。人材育成や人材への投資も意識している。保護者満足度も90%以上を維持。 ・財務諸表に加え、児童発達支援ガイドラインに基づく事業所における評価結果の公表や障害福祉サービス等処遇改善計画書もウェブサイトにアップされており、情報公開が丁寧になされている。 |
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NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。