飽食の時代といわれる昨今ですが、世界で飢えに苦しんでいる人はまだまだ大勢存在します。
これは途上国などの海外だけの話ではなく、豊かだと思われている日本でも例外ではありません。
そんな中で、飢餓や貧困に苦しむ人を救おうと食料支援活動をしたり、子どもの学校への出席率向上のために学校給食の支援活動をしたりする、数多くのNPO・NGOが活動しています。
そこで「食料支援団体に寄付をしてみよう」と思い立ったものの
- ・どういった食料支援団体があるのか
- ・それぞれどういった活動をしているのか
- ・どのような支援の方法があるのか
と思うことはありませんか?
そこでこの記事では、食料支援を行う団体について以下の内容をご紹介します。
具体的には
- 寄付の仕方
- 食料支援をしている団体一覧と概要
- よくある質問
の順番にお伝えします。
寄付で食料支援をする2つの方法とは?
食料支援の活動を行う団体を寄付で支援する方法は、大きく分けて以下の2つです。
- ・食品を寄付する
- ・お金を寄付する
【方法1】食品を寄付する
食品の寄付に関しては、受け入れ可能食品の細かいルールがあることが多いです。支援したい団体のホームページなどを事前に確認しましょう。
一般的には、下記のようなものが喜ばれることが多いようです。
- ・缶詰、瓶詰
- ・フリーズドライ食品、インスタント食品、レトルト食品など
- ・調味料
- ・飲料
- ・お米、パスタ、乾麺
次に、確認すべき点の一般的な例を挙げます
- ・多くの場合は外装が破損していないもの、未開封のものという指定がある
- ・賞味期限が明記されているか?
- ・賞味期限の猶予期間は各団体個別で確認
- ・飲料は容量の上限がある場合がある
- ・外国米を受け入れていない団体あり
- ・白米の場合、精米後の期間の指定がある場合が多い
- ・生鮮食品の受け入れ可否は団体による
- ・酒類、サプリメントなどは受け入れていない団体が多い
また倉庫や事務所に食品を発送する場合、週末や祝日を避けた方がいい団体や、到着時間の指定がある団体もあります。
再度になりますが、支援したい団体のホームページをチェックしたり直接連絡を取って寄付方法や注意点をしっかり確認し、団体の負担にならないよう正しい寄付方法で支援をしましょう。
【方法2】お金を寄付する
お金を寄付する場合、食料支援に限定せず団体の活動全般に寄付をする方法と、食料支援プロジェクトに限定して寄付をする方法があります。
団体の活動全般に寄付をする場合は、多くの団体で、毎月の継続寄付と自分の好きなタイミングで寄付をする都度寄付、2つの方法が用意されています。
食料支援のプロジェクトに限定して寄付をしたい場合は、各団体のホームページなどで、プロジェクトごとの支援が可能かを調べてみましょう。プロジェクトごとの支援は都度寄付に限る場合が比較的多いですが、食料支援プロジェクトの継続寄付を受け付けている団体もいくつかあります。
なおお金の支払い方法は、
- ・クレジットカード払い
- ・銀行振込
- ・銀行振替(継続寄付の場合)
などがあります。
また寄付先の団体によっては、寄付金控除が受けられることがあります。
関連記事
食料支援に寄付できるNPO 5選
次に、食料支援を行っている団体を5つ紹介します。
NPO団体に詳しい寄付アドバイザー河合氏による、各団体の活動内容に関するコメントも参考にしてみてください。
【寄付先1】公益財団法人 日本ユニセフ協会:知名度の高さが信頼に
ユニセフはこんな人にオススメ!
- ・子どもが笑顔でいられる社会になってほしい
- ・世界の色々な国で多くの問題があるので、どこを支援したらいいかわからない
- ・活動歴が長い団体には安心を感じる
ユニセフは190の国と地域で子どもたちの命と健やかな成長を支えるため、保健、栄養、水と衛生、教育、児童労働などからの子どもの保護、緊急支援・人道支援の分野で活動しています。
ユニセフは、主に途上国において、子どもの栄養不良の予防や治療といった支援活動を行っており、2019年は490万人の重度の急性栄養不良の子どもがユニセフの支援で治療を受けることができました。
※日本ユニセフ協会では食料を含め物資でのご寄付は受け付けていません。
活動を通して「すべての子どもの権利が実現される世界」を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 国連機関ならではのスケールの大きな質の高い支援ができる。2019年のワクチンの供給数は24億回
- マンスリーサポートでできることが具体的に示され、支援の成果の報告が充実
- 著名人、企業・団体などユニセフの多くの支援者の存在が活動を支えている
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】ユニセフの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
【寄付先2】認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン:子どもと繋がりを感じられる
ワールド・ビジョン・ジャパンはこんな人にオススメ!
- ・寄付をした効果が継続して実感できる方が良い
- ・子どもの顔が見える関係で支援したい
- ・具体的な数字があるとわかりやすく感じる
ワールド・ビジョン・ジャパンは、約100カ国において保健、水衛生、生計向上、教育、栄養の分野での開発援助や緊急人道支援を通して、困難な状況で生きる子どもたちのために活動しています。
約100カ国で開発援助や緊急人道支援を通して、困難な状況で生きる子どもたちのために活動しています。
活動を通して「すべての子どもたちが健やかに成長できる世界」を目指しています。
国連機関に公認・登録された世界最大級の子ども支援専門の国際NGOです。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 途上国の子どもと心のつながりを持ちながら支援する「チャイルド・スポンサーシップ」が特徴
- 「何もかもはできなくとも、何かはきっとできる」などのメッセージから団体が大切にしていることが伝わる
- 「極度の栄養不良にあった子どもたちの89%が完全に改善」など、活動の影響を具体的な数字で示している
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】ワールド・ビジョン・ジャパンの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
【寄付先3】認定NPO法人国連WFP協会:飢餓のない世界を目指す
WFP国連世界食糧計画は飢餓のない世界をめざして、紛争や自然災害などの緊急時に食料支援を届けるとともに、途上国の地域社会と協力して栄養状態の改善と強い社会づくりに取り組んでいます。
国連WFP協会は日本国内において、世界の飢餓問題やWFP国連世界食糧計画の食料支援活動に関する情報発信を行い、日本社会からの物心両面の貢献が格段に高まることを団体の目的としています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 「緊急支援」「学校給食プログラム」「母子栄養支援」など、寄付の使途を選択して支援ができるようになっている
- 毎日のお買物で学校給食を支援できる「レッドカップキャンペーン」はマークのついた対象商品を購入すると、その売り上げの一部が企業から寄付される仕組みで、2011年開始以来、累計1,500万人以上の子どもたちに学校給食を届けている
- 国連WFP協会は、募金活動や企業・団体との協力関係の推進、広報活動を通して日本における支援の輪を広げている。結果日本は世界有数の支援国として国連WFPの活動を支えている
【寄付先4】認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパン:日本初のフードバンク
様々な理由で廃棄される食品を引き取り、それらを児童養護施設、DV被害者のためのシェルター、ホームレス、子ども食堂などに届ける活動を行っています。 日本でのフードセーフティネットの構築を目的にしています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 日本初のフードバンク。コロナ禍の影響を受け、例年以上の食の支援を必要とする利用者増が見込まれ、団体への期待は大きい
- お金や時間の寄付の他に、食べ物の寄付がある
- 食品ロスの問題提起、ハローキティSDGs応援などわかりやすい動画での紹介
【寄付先5】認定NPO法人 グッドネーバーズ・ジャパン:海外と国内で子ども達のこころと身体を守る国際NGO
世界40カ国以上において、教育、医療・保健、水・衛生など子どもの権利を守るための支援や、収入向上などの地域開発を行うほか、自然災害発生時などは活動国に限らず緊急支援を実施しています。
飢餓のない世界、予防できる病気で命を落とすことのない世界、すべての人々が差別されたり疎外されたりすることなく、尊厳をもち安心して暮らせる社会の実現をめざしています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 途上国の子どもの成長を見守る支援プログラム「子どもスポンサーシップ」(1日33円からの支援)では、毎月子どもから手紙や写真付きの成長報告が届き、応援しながら成長を見守ることができる。国内のひとり親家庭を支援する「国内子どもスポンサー」もある。
- 国内では、子どもの貧困対策事業としてフードバンク事業「グッドごはん」を実施。ひとり親家庭に対し、定期的に食品の無料配付を行っている。2017年9月の開始以降、累計6,400万円相当の食品(2020年5月末時点)を配付。企業とのパートナーシップでグッドごはんへの協力事例もある。
- 「子どもの権利条約」を理念とし、国際組織であるグッドネーバーズ・インターナショナルの一員として世界40か国以上で活動。子どもの権利を守るための支援事業や地域開発、緊急支援を、地域住民、自治体やコミュニティ、ボランティアなど多くの人々と関わり、強いパートナーシップの構築をめざしながら実施。「必要とされる場所へはどこへでも出向き支援します」をミッションとしているように、自然災害発生時などは活動国に限らず多くの地域で緊急支援の実績がある。
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食料支援への寄付を考えるときよくある3つの疑問
ここでは、食料支援への寄付を考えるときによくある疑問を3つ紹介します。
- ・支援団体へ持ち込みで食料を寄付できる?
- ・食品の寄付とお金の寄付どちらが良いの?
- ・食料支援につながる寄付先(NPO団体)の選び方は?
1.支援団体へ持ち込みで食料を寄付できる?
寄付先にもよりますが、団体の事務所や倉庫で直接食料の寄付を受け入れていることもあります。
持ち込みを受け付けているかどうかは、寄付先に直接問い合わせたりホームページをチェックしたりして確認してみてください。
また食料を持ち込む場合は、必ず事前に団体と持ち込み日時の打ち合わせをしてから持ち込むようにしましょう。連絡なしに突然行くと、倉庫で受取対応できない可能性があります。
また受け入れ可能な食品かどうかも、事前に確認してから持ち込みましょう。
2.食品の寄付とお金の寄付どちらが良いの?
フードロスの削減を目的の1つにして活動している団体もあるので一概には言えませんが、基本的には「お金の寄付」の方が柔軟性が高いです。
食料支援の活動をするにも、
・食料の運搬のための人件費や車両費
・備蓄のための倉庫代
・管理運営のための人件費や事務所家賃
など、お金が必要です。
また寄付として受け入れた食品だと、品目や数に偏りが出てしまうことも。一方でお金の寄付であれば、団体が必要な食料を必要なタイミングで、必要な量を購入できます。
よって基本的には、食料支援の寄付でも「お金の寄付」がおすすめです。
3.食料支援につながる寄付先(NPO団体)の選び方は?
「食料支援をする団体をどのように選んだらいいか迷っている」という人は、下記の3つのポイントで考えてみてはいかがでしょうか?
- ・自分が解決したいと思っている問題に取り組んでいる団体を選ぶ
- ・信頼できる団体を選ぶ
- ・寄付の使い道が分かりやすい団体を選ぶ
この3つの視点から優先順位を決める選びやすいです。
・海外の飢えに苦しむ人たちを助けたいのか?
・子どもの教育機会向上のために給食支援をしたいのか?
・日本の貧困層を支援したいのか?
食料を支援することで、どのような問題解決に取り組んでいるのか。また各団体のビジョンや活動内容が自分の問題意識と一致するか、という観点で支援団体を選ぶのは1つの方法です。
一方で「お金で支援したいのか?」「どうしても直接食品を寄付したいのか?」と、支援方法によって選べる団体も変わってきます。
②と③についてはぜひこちらの記事で専門家が詳しく説明しているので参考にしてください。
寄付先のおすすめNPO団体は?失敗しない選び方を専門家が徹底解説!
また、より身近な支援先として、近所のこども食堂を支援してみるのもいいかもしれません。
こども食堂とは?目的やメリット、これからの課題、支援方法などについて解説
まとめ:食料支援は寄付で応援できる!
ここまで食料支援の寄付について、寄付の方法や団体などを紹介しました。ここで、記事の内容を改めてまとめます。
- ・食料支援をする団体は、海外の飢餓を支援する団体から国内の貧困層を支援する団体まで様々な団体がある
- ・食料支援活動をする団体に寄付をするには、お金を寄付する方法と食料を寄付する方法がある。食料を寄付する場合は各団体の注意点を必ず確認する。
- ・支援する団体は、解決したい問題、信頼度、寄付の使い道などの観点で、優先順位を決めて選ぶとよい
食料支援を行う団体に寄付を検討している方は、ぜひ今回ご紹介した情報を参考にしてみてくださいね。また、具体的な寄付方法や寄付できるものは、各団体によって異なります。疑問点がある場合は、電話やメールで直接問い合わせてみましょう。
▼食料支援に寄付できる団体
団体名 | 寄付アドバイザーが見た注目ポイント |
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日本ユニセフ協会 |
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ワールド・ビジョン・ジャパン |
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記事の内容は以上です。もし、今あなたが
「どの団体に寄付するか決めかねている・・・」
「寄付先の選び方を知りたい・・・」
とお思いなら、寄付アドバイザーが「あなたに合う寄付先の選び方」を解説する人気記事をおすすめします。
気になる方はぜひ以下のリンクからどうぞ!
寄付先のおすすめNPO団体は?失敗しない選び方を専門家が徹底解説!
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。